- 1 -
03.8
講師:林 正幸
- 2 -
いう自分の研究課題を見つけていく。そして4日目の残り半分と5日目で、その研究課題
を検証実験で確かめてみる。
6日目は、課題研究に取り組んだ経験をみんなのものにするために、研究発表・交流を
する。そして最後に「何を科学塾で学んだか」「科学はどうあるべきか」についても話し
合う。
ぜひ「研究者になったつもり」で頑張ってほしい。
2.課題研究の取り組み方
(1)研究ノートをつくろう。
(2)「こんなこと試してみたい」「こう考えるのは正しいか」という研究課題を探す。
「知識と理論」のプリント中にある「課題」も参考になる。アイデアが浮かんだら
先生に相談しよう。
(3)検証実験の材料を準備する。先生もできるかぎり協力する。
(4)相談はメールや電話(0586−78− )でもよい。
希望があれば別の日に科学館に来てもよい(8月11日(月)は休館日)。
(5)4日目の後半から検証実験を始められるように取り組もう。
(6)失敗を恐れない。そこから科学研究が始まる。
時間があれば実験を追加してもよい。
(7)研究発表(1人 分)の準備をする。
3.科学塾その後
新しい疑問が湧いたり、新しい研究課題が思い浮かんだりして、質問や相談をしたくな
ったときは、先生あるいは名古屋市科学館の
山田 吉孝 ( )
まで連絡してください。
もっと科学(理科)をわくわくしながら勉強したい場合は、友だちを誘って次の先進科
学塾に参加してください。
http://www.ncsm.city.nagoya.jp/news/
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- 3 -
(4)薬品を採るときはその名称を確認し、付属の計量器具や薬さじを使う。
カラーテープに注目! ピペットなどは容器に差し入れた状態に!
(5)よく観察して記録を取る。時間があれば途中でもレポートを書く。
(6)「D」記号がある操作はドラフトで行う(反応中はスクラバーをかける)。
(7)実験中に気分が悪くなったらすぐに申し出る。
(8)器具を洗浄し、廃棄物を処理し、机上を雑巾で拭いて、次の人たちが実験できるよ
うにする。
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2.実験項目とその操作
[a]金属と水溶液の反応
(1)3枚のチャック付きポリ袋に次の@〜Bの金属を差し入れ、それぞれに指定した水
溶液約30mlを加え、300mlビーカーに立て掛けて様子を観察する(時間をかけて
変化していく)。
@銅板 に 1%硝酸銀水溶液
A亜鉛板 に 2%酢酸鉛水溶液
B鉄くぎ に 2%硫酸銅水溶液
参考:鉄くぎは3本を頭から差し入れる。
(2)100mlビーカーに6mol/l塩酸10mlを入れ、アルミホイルを10cm四
角に破って、かるく丸めて投入する(しばらくしてから反応が起こる)。
(3)ビーカーの反応混合物は廃棄用ビーカーAに移し、ビーカーは水洗いする。
(4)10分経ったら(1)で銅板に付着したものを薬さじでろ紙の上に移し、ガラス棒
でこすり付けてみる。
(5)ポリ袋の反応混合物のうち、酢酸鉛を入れたものは廃棄用ビーカーBに移し、残り
は水を流しながら流しに捨てる。ろ紙、ポリ袋は「不燃物」に捨てる。
参考:本来は廃棄物の処理まで自分でするべきである。
Aは炭酸ナトリウムで中和処理する。
Bは重金属処理する。
<記録>
<準備>
- 4 -
チャック付きポリ袋(85×60mm) ×30
銅板と亜鉛版と鉄くぎ(3本) ×2
アルミホイル
1%硝酸銀水溶液250mlと50mlビーカー(計量用)
2%酢酸鉛水溶液250mlと50mlビーカー( 〃 )
2%硫酸銅水溶液250mlと50mlビーカー( 〃 )
6mol/l塩酸100mlと5mlピペット
100mlビーカー ×2
300mlビーカー ×2
ろ紙(φ110) ×10
薬さじ(ポリ)とガラス棒 ×2
廃棄用200mlビーカーA、B
スポンジたわし
備考:実験は同時に2グループが取り組めるように準備する。
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[b]非金属が関わる反応
[ヨウ化カリウムと塩素の反応]
(1)試験管に水約5ml(高さで4cm)を入れ、ヨウ化カリウム小さじ(薬さじの小
さい方)半分を加えて、振り混ぜて溶解する。
(2)別の試験管にサラシ粉2粒を入れる。
D(3)これに6mol/l塩酸1mlを加えて塩素を発生させる。
参考:塩素は毒性がある。
塩素は空気より重い。
D(4)乾いた5mlピペットで塩素を吸い取り、これを(1)の試験管の水面に近くに
吹き込み、ゴムせんをして振り混ぜて様子を観察する。
注意:塩素は緑黄色であるが見えにくい。まるで液体を扱うように操作する。
D(5)塩素を発生させた試験管はドラフト内で水洗いする。
(6)3本目の試験管に1%デンプン水溶液5mlを採り、これに(4)の反応溶液を1、
2滴加えてその変色を調べる。
(7)塩素を吸い取ったピペットはキャップを外して両方を水洗いし、未使用のものと別
にしておく。残りの試験管もブラシを使って水洗いする。
参考:ヨウ化カリウムとデンプンの水溶液を塗ったろ紙は、塩素などの検出に利用される。
[亜鉛とヨウ素の反応]
(1)乾いた蒸発皿に、亜鉛粉末薬さじ1杯とヨウ素1杯(やや少なめ)を採って、割り
ばしで混ぜる。
- 5 -
D(2)100mlビーカーに水を入れ、1mlピペットで少しずつ水をかけていき、様
子を観察する。
注意:煙は毒性がある。
煙が出なくなるまで水をかける。
(3)反応混合物は廃棄用ビーカーに移し、蒸発皿はブラシでこすって水洗いする。濡れ
た蒸発皿は乾いたものと別にしておく。割りばしは「可燃物」に捨てる。
参考:本来は廃棄物の処理まで自分でするべきである。
水を加えて亜鉛をろ別し、亜鉛は「不燃物」に捨てる。ろ液は硫化ナトリウムで重
金属処理する。
[塩化鉄(V)と硫化水素の反応]
(1)50ml三角フラスコに2%塩化鉄(V)水溶液約20mlを採る。
(2)Y字試験管に別々に、硫化ナトリウム2gと、6mol/l塩酸5mlを入れる。
D(3)導管を付けて硫化ナトリウムに塩酸を混合し、発生する硫化水素を(1)の水溶
液に吹き込み、様子を観察する。
注意:硫化水素は毒性がある。
D(4)硫化水素は最後まで発生させ、ドラフト内でY字試験管導管をは試験管ブラシで、
導管はピペットブラシで水洗いする。
(5)反応混合物は水を流しながら流しに捨てる。
<記録>
<準備>
試験管 ×6
ヨウ化カリウムと薬さじ
サラシ粉と薬さじ
6mol/l塩酸100mlと5mlピペット
1%デンプン水溶液50mlと5mlピペット
乾いた5mlピペット ×8
試験管ブラシ ×2
蒸発皿(φ90) ×8
亜鉛粉末と薬さじ
ヨウ素と薬さじ(ポリ)
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割りばし(1本) ×8
1mlピペットと100mlビーカー ×2
廃棄用200mlビーカーと薬さじ(ポリ)
50ml三角フラスコ ×2
Y字試験管と導管 ×2
2%塩化鉄(V)水溶液200ml
硫化ナトリウムと天びん
ピペットブラシ ×2
試験管ブラシ ×2
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[c]ダニエル電池
(1)バットの底を上にして亜鉛板を置き、その上にクッキングペーパーを載せ、1
mol/l硫酸亜鉛水溶液7mlを染み込ませる。
注意:亜鉛板は磨いてある方を底から2cmほどはみ出させ、その部分にはペーパーを被
せないようにする。
(2)これにセロハンを被せ、別のクッキングペーパーを載せ、こちらは飽和(ほぼ1
mol/l)硫酸銅水溶液7mlを染み込ませる。
(3)先行した人たちが使ってない銅板を磨いてある方が合うように被せ、テスターで亜
鉛板と銅板の間の電圧を計測する(針が逆に振れたらすぐにテストリードを離して逆にす
る)。どちらが正極かも確認する。
(4)続いてクリップコードで豆電球に接続したり、おもちゃを動かしたりしてみる。
注意:クリップコードは一方の端がダブルクリップにしてある。薬品が付着する恐れがあ
る方にはこちらを接続する。
(5)かたづけで水洗いするとき、銅板表面の様子を観察する。
(6)硫酸亜鉛が染み込んだろ紙は廃棄用ビーカーに、残りの紙類は「不燃物」に捨てる。
洗浄した銅板は使ってないものと別にしておく。
参考:本来は廃棄物の処理まで自分でするべきである。
硫化ナトリウムで重金属処理する。
<記録>
<準備>
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小バット ×2
亜鉛板(端を両面1cm磨く) ×2
銅板(端を両面1cm磨く) ×8
1mol/l硫酸亜鉛水溶液100mlと5mlピペット
飽和硫酸銅水溶液100mlと5mlピペット
クッキングペーパー(5×14cm) ×20
セロハン(10×19cm) ×10
テスター(電圧固定) ×2
豆電球(台付き)とクリップコード2本 ×3
おもちゃ(1.5V作動)とクリップコード2本 ×1
廃棄用200mlビーカー
スポンジたわし
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[d]キッチン電池
(1)ポリコップの内面にアルミホイルを貼り付ける。
参考:底は無くてよい。コップの端で1cmほど外側に折り返す。
(2)別のコップに食酢1/5を注ぎ、水を4/5まで加え、食塩スプーン1杯を加えて
割りばしでかき混ぜて溶かす。
(3)これを(1)のコップに移し、ステンレスたわしをペーパータオル2枚に包んでコ
ップの中に差し入れる。
参考:上側はたわしが見えるようにし、かつすこし液から出るようにする。
(4)アルミホイルとステンレスたわしをクリップコードでソーラーモーターに接続する。
注意:クリップコードは一方の端がダブルクリップにしてある。薬品が付着する恐れがあ
る方にはこちらを接続する。
(5)モーターが止まったら、ペーパーごとたわしを引き出し、オキシドール数mlを加
え、再びたわしを差し入れて様子を観察する。
(6)反応溶液は水を流しながら流しに捨てる。割りばしは「可燃物」に捨てる。アルミ
ホイルとキッチンペーパーは「不燃物」に捨てる。
<記録>
<準備>
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ポリコップ ×4
アルミホイル
ステンレスたわし ×2
食酢 400ml
食塩とスプーン
割りばし(1本) ×10
ペーパータオル2枚 ×10
オキシドール
ソーラーモーターとクリップコード2本 ×2
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[e]燃料電池(3日目に演示実験)
(1)足の付いた枠にパラジウムめっきしたニッケル網を張り、平箱に別のパラジウムめ
っきしたニッケル網を張る(実際にはそうなっている2種のセルを準備する)。
(2)それぞれに1mol/l水酸化ナトリウム水溶液を染み込ませたクッキングペーパー
を載せる。(平箱はふたをしたようになる)。
参考:プラ板にペーパーを置き、水溶液40mlをかけて染み込ませ、網に被せてプラ板
を外し、網との接触が悪い部分に水溶液5mlを追加する。
(3)両者をペーパーが合わさるように重ね、それぞれのニッケル網をクリップコードで
ソーラーモーターに接続する。
参考:始めは平箱の方を下にしてもう一方を重ね、洗濯ばさみで留めてひっくり返す。
(4)平箱の中に水素を吹き込む。
参考:クッキングペーパーはホウ酸で中和処理する。
<記録>
<準備>
バット ×2
2種のセル
プラ板(22×22cm) ×3
クッキングペーパー(21×21cm) ×2
洗濯ばさみ ×4
薬さじ、ピンセット、ティッシュ
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1mol/l水酸化ナトリウム水溶液 100ml
100mlメスシリンダー、100mlビーカー、5mlピペット
簡易水素ボンベ
ソーラーモーターとクリップコード(2本)
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[f]塩化鉛の電気分解(1セットのみ)
(1)短い試験管に塩化鉛10gを入れる。
注意:塩化鉛は毒性がある。
D(2)図のようにレトルト台に器具ばさみで45度に固定し、バーナーで強く加熱する。
注意:試験管の上部が炎から離れるように固定し、ガスバーナーとの高さを調節する。
(3)炭素電極をクリップコードで直流電源に接続して、スイッチを入れて電圧を6V
にして待つ。
注意:図のように下に長い方の炭素棒が下側に来るようにして、必ずこちらを陰極にする。
クリップがショートしないようにする。
ショートすると電流がしゃ断されるように、ヒューズ付きコードを使う。
D(4)融解したら炭素電極を差し込み、塩素ガスの泡がほどよく発生するように電圧を
調節する(電流を2.5Aにする)。
注意:電圧を7V以上にしない。
塩素は毒性がある。
D(5)陽極から塩素が発生していることをチェックしつつ、10分間電気分解する。
D(6)試験管の底に融解した鉛が生成していることを確認して、まず炭素電極を取り出
し、電圧を0Vにして電源を切る。それからバーナーの火を消す。
注意:先に火を消して放置すると、炭素電極が固着して外れなくなる。
(7)冷めたら試験管ごとわら半紙に包んで金づちで砕いて鉛を取り出し、板の上で金づ
ちでたたいてその展性を調べる。
参考:鉛は水洗いして記念にする。
(8)未反応の塩化鉛やガラスの破片は廃棄用ビーカーに入れる。終わったら手を洗う。
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備考:塩化鉛はガラス片をとり除いて、次の機会に利用する。
<記録>
<準備>
短い試験管(13cmにカット) ×10
塩化鉛( PbCl2 )と天びん
レトルト台とバーナー ×1
炭素電極(炭素棒(φ5×20cm)2本を紙を挟んで束ねたもの) ×2
クリップコード2本(一方はヒューズ付き) ×2
予備ヒューズ(3A) ×10
直流電源
わら半紙、金づち、板
廃棄用100ml広口びんと薬さじ
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[g]硫酸ナトリウム水溶液の電気分解
(1)バットの底を上にしてステンレス板を置き、その上にろ紙4枚を載せる。
注意:ステンレス板の端や角に注意する。
底からすこしはみ出させるとクリップを接続しやすい。
(2)これに次の@の液15mlをまんべんなく染み込ませる。
参考:ろ紙の種類によって適量が変わる。
@硫酸ナトリウム水溶液にBTBを加えたもの
A硫酸ナトリウム水溶液にフェノールフタレインを加えたもの
(3)別のステンレス板を被せて、水を半分入れた200mlビーカーをおもしとして置
く。
注意:ステンレス板のそりに注目して、上下が接触しないようにする。
(4)上のステンレス板が陽極になるように接続して、手まわし発電機を3分以上まわす。
参考:発電機は右まわしするとコンセントの上側が正極になる。
10V以上発生するので電流計などに直結しない。
注意:クリップコードは一方の端がダブルクリップにしてある。薬品が付着する恐れがあ
る方にはこちらを接続する。
ステンレス板をすこしずらして重ねると、クリップで上下のステンレス板がショー
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トすることがない。
(5)上のステンレス板をとり外し、ピンセットでろ紙を1枚ずつはがして色を調べる。
(6)ステンレス板をたわしで水洗いして、Aの液について同じように実験する。
注意:Aの液の実験ではステンレス板はたわしでしっかり水洗いする。
(7)ろ紙は「可燃物」に捨てる。
<記録>
<準備>
小バット ×2
ステンレス板(15cm角) ×4
ろ紙(φ110) ×40
「硫酸ナトリウム水溶液にBTBを加えたもの」150mlと5mlピペット
(2%硫酸ナトリウム水溶液に、その体積の10%のBTB溶液を加える)
「 〃 にフェノールフタレインを加えたもの」150mlと5mlピペット
( 〃 、その体積の1%のフェノールフタレイン溶液を加える)
200mlビーカー ×2
手まわし発電機 ×2
ピンセット ×2
スポンジたわし ×2
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[h]イオン交換膜を使う電気分解(4日目に演示実験)
(1)バットの底を上にしてステンレス板を置き、その上にろ紙2枚を載せてBTBを加
えた2%硫酸ナトリウム水溶液6mlをピペットで染み込ませる。
(2)水を切って陽イオン交換膜(黒色)を被せ、その上にろ紙2枚を載せて同じ2%硫
酸ナトリウム水溶液6mlをピペットで染み込ませる。
注意:イオン交換膜は常に濡れた状態に保つ。
(3)さらに別の陽イオン交換膜を被せ、その上にろ紙2枚を載せて同じ2%硫酸ナトリ
ウム水溶液6mlをピペットで染み込ませる。
(4)もう1枚のステンレス板を被せ、水を半分入れた200mlビーカーをおもしとし
て置く。
(5)上のステンレス板が陽極になるように接続して、手まわし発電機を3分ほどまわす。
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(6)上のステンレス板をとり外し、ピンセットで順にろ紙2枚ずつの色を観察する。イ
オン交換膜は水洗いして元の容器にもどす。
(7)ステンレス板をたわしで水洗いして、今度は陰イオン交換膜(無色透明)2枚を使
って、同じように実験する。
(8)ろ紙は「可燃物」に捨てる。
<記録>
<準備>
[g]に加えて
・陽イオン交換膜(13.5×15cm)と陰イオン交換膜(同サイズ) 各2枚
(水の入った容器に浸けておく)
目次へ
[i]ニッケルめっき
(1)各自が、銅のプレートをわら半紙の上に載せ、皮脂が付いたりミスをしたりしない
ように、油性マジックペンで名前やイラストなどを描く。
注意:プレートはエッジを持つようにする。
(2)ドライヤーでインクを乾燥する。
(3)炭素棒の先に、4つ折りしたさらしを被せてビニタイで止める。
(4)クリップコードで、炭素棒を電池(6V)の正極に、ピンセットを負極に接続する。
(5)ピンセットでプレート(陰極になる)を押さえながら、炭素棒(陽極になる)のさ
らしにニッケルめっき液を染み込ませてプレートの表面に塗っていく。
参考:めっき液はひんぱんに染み込ませ、また強くこすらないようにする。
くり返し塗ると、めっきがきれいになっていく。
1つの電池から2人が電気を取ってよい(並列にする)。
(5)水洗いしたら、ティッシュにエタノールを染み込ませてインクを拭き取る。
(6)わら半紙とティッシュは「可燃物」に、さらしと輪ゴムは「不燃物」に捨てる。
<記録>
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<準備>
銅のプレート(0.5×65×40) ×20
油性マジックペン(細) ×4
わら半紙
ドライヤー ×1
ニッケルめっき液(100mlビーカー) ×2
( 水1[l]に次の薬品を溶解する。
結晶硫酸ニッケル 150g
硫酸アンモニウム 18g
ホウ酸 15g )
エタノール(250ml試薬びん)
ティッシュ
炭素棒(φ5×200) ×5
さらし(10cm角)とビニタイ(7cm) ×20
(さらしはのりを落としたもの)
乾電池(6V) ×2
クリップコード(2本) ×4
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ご存じ、亜鉛板と銅板を希硫酸に浸ける。
マンガン乾電池
亜鉛板にセロハンを被せ、カット綿を置き、二酸化マンガン(電マン)、黒鉛粉末、塩
化アンモニウム性塩化亜鉛水溶液を混ぜたものを広げ、炭素板を被せる。
鉛蓄電池
希硫酸を染み込ませたクッキングペーパーを2枚の鉛板で挟んで手まわし発電機につな
いでまわす。
ヨウ素電池
亜鉛板にクッキングペーパーを置いて食塩水を染み込ませ、ヨウ素の粉を振りかけて炭
素板を被せ、豆電球につなぐ。
ヨウ化物電池
炭素板にクッキングペーパーを置いてヨウ化カリウム水溶液を染み込ませ、セロハンを
被せてまたクッキングペーパーを置いてヨウ化カリウム水溶液を染み込ませ、濃硝酸をか
けたら炭素板を被せる。
アルカリアルミニウム電池
アルミホイルにクッキングペーパーを置いて水酸化ナトリウム水溶液を染み込ませ、過
酸化水素水をかけて炭素板を被せる。
電解による水素爆鳴気
ゴムせんに細いガラス管とステンレスくぎ2本を付け、硫酸ナトリウム水溶液を満たし
た試験管を封じて、逆さにして乾電池につなぐ。気体が貯まったらマッチで点火する。
電解で書いたり消したり
正極につないだステンレス板にろ紙を載せて、フェノールフタレインを加えた硫酸ナト
リウム水溶液を染み込ませ、セロハンを被せて負極につないだ炭素棒で書く。次に電極を
逆にする。
銅の原子量
硫酸銅水溶液に2枚の銅板を浸け、電流と時間を計りながら電気分解する。銅板の質量
の増加や減少と、流れた電気量を結びつける。
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Zn + Pb2+ ―→ Zn2+ + Pb (2)
また硫酸銅水溶液に鉄くぎを浸けると、鉄が鉄(U)イオン Fe2+ になり、硫酸銅
CuSO4 の中の銅イオン Cu2+ が銅になっている。鉄イオンにはもう1つ、鉄(V)イ
オン Fe3+ もあるので、わずらわしいがこのように区別する。
Fe + Cu2+ ―→ Fe2+ + Cu (3)
塩酸にアルミホイルを投入する場合は、気体が発生するがそれは水素である。これはア
ルミニウムがアルミニウムイオン Al3+ になり、塩酸 HCl の中の水素イオン H+ が
水素になっている。
2Al + 6H+ ―→ 2Al3+ + 3H2 (4)
これは( )と( )が反応して( )と( )
が生成する反応式である。
[b]電子を失う傾向
[1]反応(1)では前に書いたように、銅が銅イオン Cu2+ になり、銀イオン Ag+
が銀になっている。もうすこし踏む込むと、銅は電子を失って陽イオンである銅イオンに
なり、陽イオンである銀イオンはその電子を得て銀になっているのである。
そして逆向きの反応、つまり銀と銅イオンを反応させようとしても目に見えた変化は起
こらない。ということは銅が電子を失って陽イオンになる傾向と、銀が電子を失って陽イ
オンになる傾向では、前者が後者に優ると結論できる。簡単に言うと、銅の方が銀より電
子を失いやすいのである。
電子を失う傾向 Cu > Ag
ちなみに教科書では陽イオンになること(「イオン化傾向」という)に注目して説明さ
れるが、電子を失うことを中心にした方が視野が広がるのである。
[2]同じように、反応(2)から
電子を失う傾向 ( > )
反応(3)から
電子を失う傾向 ( > )
反応(4)から
電子を失う傾向 ( > )
であることが分かる。
そして関係する7種の物質の全体の順番は次のようになっている。
Al > Zn > Fe > Pb > H2 > Cu > Ag
このうち6種が金属であることに注目しよう。金属は電子を失いやすいのである。別の言
い方をすると、金属は陽イオンになりやすい。教科書にはイオン化列として、16種の物
質のイオン化傾向の順番が掲載されている。
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ここでひとつ注意をしておく。実験からも納得できるように、電子を失う傾向の順番は
厳密には水中でのことである。
[c]電子得失表
[1]反応(1)〜(4)を見直すと、電子のやり取りをする反応になっていることに気
付く。そこでそれを2段の反応式で書いてみよう。反応(1)では
Cu ―→ Cu2+ + 2e-
2e- + 2Ag+ ―→ 2Ag
となる。ここで e- は電子を表す記号である。そして前にも言ったように、上の反応は銅
が電子を失って銅イオンになると、下の反応は銀イオンが電子を得て銀になると読み取れ
ればよい。
同じように、反応(2)では
( )
2e- + Pb2+ ―→ Pb
反応(3)では
Fe ―→ Fe2+ + 2e-
( )
反応(4)では
2Al ―→ 2Al3+ + 6e-
6e- + 6H+ ―→ 3H2
となる。
[2]それでは電子を失う傾向の順番を、電子を失う反応式で上から並べてみよう。
Al ←→ Al3+ + 3e-
Zn ←→ Zn2+ + 2e-
Fe ←→ Fe2+ + 2e-
Pb ←→ Pb2+ + 2e-
H2 ←→ 2H+ + 2e-
Cu ←→ Cu2+ + 2e-
Ag ←→ Ag+ + e-
- 20 -
ここで ←→ は、同じ反応が右向きだけでなく、左向きにも進行することを示している。
実験を振り返ると、反応(1)では銅が電子を失って銅イオンになるが、反応(3)で
は銅イオンが電子を得て銅になっている。また反応(2)では鉛イオンが左向きに反応し、
反応(4)では水素イオンが左向きに反応している。
なお ←→ という記号はワープロの制約のためで、本来は右向きの矢印と左向きの矢印
を上下に重ねて書くべきである。
[3]さらに上の表を検討してみよう。左辺には主に金属が並び、上から下に電子を失う
「勢い」が大きい順になっている。右辺には陽イオンが並んでいる。そして考えてみると
この中では銀イオンが一番電子を得やすいはずである。つまり右辺には陽イオンが並び、
下から上に電子を得る「勢い」が大きい順になっている。上の表は電子を失う反応と電子
を得る反応が整理されているので、「電子得失表」と呼ぶことにする。
ここで金属や水素が電子を失う傾向を持つのに対して、陽イオンは( )傾向
を持つことも同等に重要であると確認しておきたい。
参考:「勢い」という用語は高校生に分かりやすいために使っているが、理論的には自由
エネルギーの変化量に関係する(「傾向」という用語も同じ内容である)。
[4]電子得失表を使って、実験結果を検討してみよう。硝酸銀水溶液に銅板を浸けた場
合の反応式をもう一度見てみよう。
Cu + 2Ag+ ―→ Cu2+ + 2Ag
銅が銅イオンになり銀イオンが銀になっている。そして逆に銅イオンが銅になり銀が銀イ
オンになることも可能である。しかし銅の方が電子を失う勢いが銀より大きい。そして銀
イオンの方が電子を得る勢いが銅イオンより大きい。だからこの反応は右向きに進行しや
すく、左向きには進行しにくいのである。
硫酸銅水溶液に鉄くぎを浸けた場合はどうだろう。
Fe + Cu2+ ―→ Fe2+ + Cu
( )の方が電子を失う勢いが( )より大きい。そして( )の方が電子を得る
勢いが( )より大きい。だからこの反応は右向きに進行しやすく、左向き
には進行しにくい。
以上のことは、電子得失表において2つの反応物質を線で結んだとき、右下がりなら反
応しやすく、右上がりなら反応しにくいと整理すると活用しやすい。
目次へ
- 21 -
イオン Cl- になっている。反応式で書くと次のようである。
2I- + Cl2 ―→ I2 + 2Cl- (5)
これは陰イオンであるヨウ化物イオンが電子を失ってヨウ素になり、塩素がその電子を
得て陰イオンである塩化物イオンになっている。つまりこれも「電子やり取り反応」であ
る。この反応を2段で書くと次のようである。
2I- ―→ I2 + 2e-
2e- + Cl2 ―→ 2Cl-
陰イオンが電子を失うことは納得しやすいことである。そして反応(5)から、
( )の方が電子を失う勢いが( )より大きいことが分かる。
ちなみにこの反応は、ヨウ化物イオンを含む「かん水」から工業的にヨウ素を生産する
のに応用されている。
[2]亜鉛とヨウ素を混ぜて水をかけると赤紫色の気体が発生する。これは気体のヨウ素
である。つまり反応熱によって、まだ反応していないヨウ素が昇華するのである。反応そ
のものではヨウ化亜鉛 ZnI2 が生成している。そしてヨウ化亜鉛は亜鉛イオン Zn2+
とヨウ化物イオン I- からできている。この反応では亜鉛が電子を失って亜鉛イオンに
なり、ヨウ素がその電子を得てヨウ化物イオンになっている。反応式は次のようである。
Zn + I2 ―→ Zn2+ + 2I- (6)
また2段で書くと次のようである。
Zn ←→ Zn2+ + 2e-
( )
この反応ではヨウ素が電子を得てヨウ化物イオンなっており、反応(5)と逆向きである。
[3]塩化鉄(V)水溶液に硫化水素を吹き込むと水溶液が黄白色に濁る。これは生成する
硫黄の微粒子がけん濁するためである。すこし複雑であるが、この反応では硫化水素
H2S の中の硫化物イオン S2- が電子を失って硫黄になり、塩化鉄(V) FeCl3 の
中の鉄(V)イオン Fe3+ がその電子を得て鉄(U)イオン Fe2+ になっている。
S2- + 2Fe3+ ―→ S + 2Fe2+ (7)
2段の反応式は次のようである。
( )
2e- + 2Fe3+ ―→ 2Fe2+
[b]陰イオンが関わる電子得失表
[1]上で塩化物イオンと硫化物イオンの2種の陰イオンが電子を失う反応が登場したの
で、次に主な陰イオンの電子得失表を示す。
- 22 -
S2- ←→ S + 2e-
4OH- ←→ 2H2O + O2 + 4e-
2I- ←→ I2 + 2e-
2Br- ←→ Br2 + 2e-
2Cl- ←→ Cl2 + 2e-
左辺には陰イオンが並び、上から下に電子を失う勢いが大きい順になっている。右辺には
主に非金属の単体が並んでいる。そして下から上に電子を得る勢いが大きい順になってい
る。
水酸化物イオンの反応が複雑であるが、得失表を見ながら考えることにすれば心配ない。
そしてこの表から、反応(5)が右向きに進行しやすい理由が理解できる。
[2]金属が電子を失う反応と陰イオンが電子を失う反応を一体化して電子得失表を作成
することもできる。資料1には完成した電子得失表が示してある。まだ説明してない部分
もあるが、こちらの表を見ると反応(6)と(7)の理解もできる。
なお鉄(U)イオンはすでに陽イオンであるにもかかわらず、さらに次のように電子を失
って鉄(V)イオンになることに注意しよう。
Fe2+ ←→ Fe3+ + e-
課題:電子得失表が正しいか、自分で実験してみよう。
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- 23 -
[1]実験では亜鉛板が負極である。確かに亜鉛は電子得失表を見ると次のように電子を
与える。
負極 Zn ―→ Zn2+ + 2e- (8)
ところで銅も次のように電子を与える可能性がある。
Cu ―→ Cu2+ + 2e- (9)
しかしもう分かるように、亜鉛の方が電子を与える勢いが銅より大きい。銅板はその電子
が流入する場所となり、正極になる。
正極である銅板の付近には硫酸銅の中の銅イオンがある。これは得失表を見ると次のよ
うに電子を奪う。これは(9)の逆反応である。
正極 2e- + Cu2+ ―→ Cu
電池全体の反応式は次のようになる。
Zn + 2Cu2+ ―→ Zn2+ + Cu
そして亜鉛と銅イオンは得失表で( )の斜線で結ばれるので、これらの物質は能
動的に反応しやすいはずである。
[2]ダニエル電池の電圧は1.1Vである(厳密には起電力を計測するべきである)。こ
れは亜鉛が電子を与える勢いと、銅が電子を与える勢いの差を表している。つまり反応
(8)の勢いの方が1.1V分だけ反応(9)の勢いより大きいと言える。これは化学反応
を理論的に研究する武器になる。
資料2の電子得失表には、水素が電子を与える次の反応
H2 ←→ 2H+ + 2e-
の勢いと比較した場合の数値が示してある。それで見ても、反応(8)と(9)の勢いの
差が1.100Vであることが分かる。この数値は酸化還元電位と呼ばれる。
課題:ダニエル型電池をつくって、電子を与える勢いの差を計測してみよう。
[3]さて以上の説明では硫酸亜鉛水溶液の役割が理解できない。ろ紙に染み込ませるの
は水そのものでもよいのだろうか。
- 24 -
これまで電池外部の電気の流れに注目してきたが、電池内部にも光を当ててみよう。ダ
ニエル電池が電流を発生させると、負極付近の水溶液は生成する亜鉛イオンが増えて正電
気を持つようになる。これはさらに亜鉛が亜鉛イオンになって電子を与え、それを流出さ
せる妨げになる。
同じように、正極付近の水溶液は銅イオンの相手であった硫酸イオン SO4 2- が余って
負電気を持つようになる。これはさらに銅イオンが銅になって電子を奪い、新たな電子を
流入させる妨げになる。
それなら亜鉛イオンが正極に、硫酸イオンが負極に向かって移動すれば解決するだろう。
しかし液体状態は分子がほぼ接触してひしめくような状態である。それは満員電車の中を
移動するようなものである。
そこでいたるところにイオンがあることの役割が見えてくる。図のように玉突き式に電
気が移動するのである。これなら個々のイオンは一歩ずつ移動すればよい。つまり電池内
部の電気の正体はイオンである。ちなみにセロハンは小さい穴が無数に空いた半透膜と呼
ばれるものである。
電池のもうひとつの原理は
電極の間にイオンの道がある
ことである。
課題:他にも電池に関する疑問を探してみよう。
自分で新しい電池の実験を工夫してみよう。
負極で陰イオンが電子を与えるような電池はつくれるだろうか。
正極で非金属の単体が電子を奪うような電池はつくれるだろうか。
[c]実験「キッチン電池」
[1]電子得失表から分かるように、アルミニウムが次のように反応し、アルミホイルが
負極になる。
( )
そしてステンレスたわしが正極になり、その付近にある酢酸 CH3COOH から生じる水
素イオンが次のように反応する。
( )
- 25 -
[2]ところでキッチン電池はオキシドールを加えるとパワーアップする。水素イオンが
電子を奪って水素になる反応は、勢いはあっても速度が小さい。この現象は水素過電圧と
呼ばれる。この内容は難しいが、例えて言えば能力があるのに勉強が嫌いな生徒のようで
ある。
オキシドールに含まれる過酸化水素 H2O2 は水素と次のように反応する。
H2 + H2O2 ―→ 2H2O
すると正極全体の反応は次のようになる。
2e- + 2H+ + H2O2 ―→ 2H2O
これは水素イオンと過酸化水素が共同して電子を得て水になる反応である。つまり別の反
応に変えて問題を回避するのである。過酸化水素のような物質は、教科書では減極剤と呼
ばれる。
課題:他にも身近なもので電池がつくれないだろうか。
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- 26 -
[b]実験「硫酸ナトリウム水溶液の電気分解」
[1]BTBを加えた水溶液の場合は、陽極側のろ紙2枚は黄色に変色し、水素イオンが
生成することが分かる。また陰極側のろ紙2枚は青色に変色して水酸化物イオンが生成す
ることが分かる。そして手まわし発電機をまわすと、ステンレス板が浮き上がる。これは
陽極で酸素が、陰極で水素が発生するためである。
[2]どのような反応が起こるのだろうか。水溶液中には、硫酸ナトリウム Na2SO4
中に含まれるナトリウムイオン Na+ と硫酸イオン SO4 2- が、そして水分子が含ま
れる。一般には電極も反応する可能性があるが、ステンレス板は反応しにくい。
陽極で水素イオンと酸素が生成することは、水分子が反応することを示している。それ
は次のような反応である。
2H2O ―→ 4H+ + O2 + 4e-
[3]そして陰極では次の反応が起こる。
4e-+ 4H2O ―→ 4OH- + 2H2
こちらも反応物質は水分子である。水分子は電子を失う反応も電子を得る反応も起こす。
これらの反応も完成した電子得失表に含まれている。ただし下の反応式の方は次の反応を
逆向きにして係数を2で割ってある。
2OH- + H2 ←→ 2H2O + 2e-
こちらは水酸化物イオンと水素が共同して電子を失って水になる反応である。かなり複雑
になってきたが、すべては電子得失表を頼りにすればよい。
[4]なおここで物質を次のように整理しておく。
( )、陰イオン、水などは電子を失う反応を起こす。
( )、非金属の単体、水などは電子を得る反応を起こす。
ただし非金属の単体のひとつである水素は電子を失うので、絶対化してはいけない。
課題:電気分解に関する疑問を探してみよう。
- 27 -
自分で新しい電気分解の実験を工夫してみよう。
[c]実験「イオン交換膜を使う電気分解」
[1]イオン交換膜はセロハンと同じように小さい穴が無数に空いているが、陽イオン交
換膜の方は陽イオンや電気を持たない水分子などは透過させるが、陰イオンは電気的反発
によって透過させないはたらきがある。そして陰イオン交換膜の方は陰イオンや水分子な
どは透過させるが、陽イオンは透過させないはたらきがある。
[2]ダニエル電池の説明でも触れたことであるが、硫酸ナトリウム水溶液の電気分解に
おいては陽極付近の水溶液には( )が増加して、すでに含まれるナトリウムイ
オンと共に陰極に向けてゆっくりと移動する。そして陰極付近の水溶液には(
)が増えて、すでに含まれる硫酸イオンと共に陽極にゆっくりと移動する。
硫酸ナトリウム水溶液の電気分解では、水素イオンと水酸化物イオンはろ紙のほぼ中間
の面で出会って次々に中和反応する。
[3]ろ紙を6枚にし、2枚ごとに陽イオン交換膜を差し込むとどうなるであろうか。水
素イオンの方は陰極まで突き進むが、水酸化物イオンは始めの陽イオン交換膜のバリアを
越えられない。そこで攻め込んで来る水素イオンをその手前で迎え撃つことになる。こう
して陽極側のろ紙と中間のろ紙は水素イオンのためにBTBが黄色に変色し、陰極側のろ
紙のみが水酸化物イオンために青色に変色するのである。
これに対して陰イオン交換膜を使うと、水素イオンは始めの陰イオン交換膜を越えられ
ずその手間で、突き進んで来る水酸化物イオンと中和反応する。したがって陽極側のろ紙
のみが黄色に、中間と陰極側のろ紙が青色に変色する。
実験の結果は、電気分解における水溶液中のイオンの移動に確信を与えるものである。
[d]実験「燃料電池」
[1]話はもどるが、ここで燃料電池の実験を振り返ってみよう。平箱に水素を吹き込む
とソーラーモーターがまわる。クッキングペーパーに染み込ませたのは水酸化ナトリウム
水溶液で、ナトリウムイオン Na+ と水酸化物イオン OH- が、そして水が含まれる。
電子得失表を見ると、水素と水酸化物イオンが共同して次のように電子を与えると考えら
れる(この反応の方が電子を与える勢いが水素単独の反応より大きい)。
2OH- + H2 ―→ 2H2O + 2e-
こうして水素の接する方のニッケル網が( )極になる。この網にめっきしたパラジウム
Pd が触媒になってこの反応を促進する。
空気に接する方のニッケル網は( )極になり、空気中の酸素と水が共同して次のよう
に電子を奪う。
4e- + 2H2O + O2 ―→ 4OH-
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正極でもパラジウムがこの反応を促進する。
[2]電池全体の反応を検討するために上の反応式の係数を2倍にして書いてみる。
4OH- + 2H2 ―→ 4H2O + 4e-
水酸化物イオンは生成するだけ反応し、水は生成する半分が反応し、もちろん電子はやり
取りになるので、結局全体では次の反応が起きている。
( )
つまり燃料である水素が酸素と化合して電流が発生している。
[e]実験「ニッケルめっき」
[1]陰極にした銅のプレートにはニッケルが生成する。めっき液の主成分は硫酸ニッケ
ル NiSO4 であり、ニッケルイオン Ni2+ と硫酸イオンが、そして水分子が含まれる。
電子得失表から次の反応が起こることが分かる。
陰極 2e- + Ni2+ ―→ Ni
ニッケルイオンの方が電子を得る勢いが水分子より大きいことに注意しよう。ただし空
気中の酸素が十分に関わるようにすれば、水と酸素が共同して電子を得る反応が起きてし
まう。陰極では電子を得る反応が起こるので、銅が反応することはない。
[2]陽極の炭素棒ではどんな反応が起こるだろうか。炭素棒も硫酸イオンも反応しにく
いので、水が次のように反応する。
陽極 2H2O ―→ 4H+ + O2 + 4e-
なお生成物質の量的関係を検討するときには、上の反応式の係数を2倍する必要がある
課題:実験レポートに書いた自分の疑問を検討してみよう。
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目次へ
資料1
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