05.7
事務局:林 正幸
環境問題通信05−7号
今回は岩田、飯田、臼井、鈴木ひさし、富田、林まさ、林ひろの7名でした。新しい参
加者もあり、事務局としてはうれしいことです。
そしてお互いに、目に着いた資料を持ち寄りましょう。
廃熱で発電(富田)
利用される2倍以上の大量の熱エネルギーが無駄に捨てられている。これを利用すれば
エネルギー効率が高められる。この新聞記事の発電機はゼーベック効果を利用したもので
ある。
この効果は熱電対温度計に利用されています。金属の両端の温度を変えるとその間に起
電力を生じます。ただしその値はmVレベル。この効果は半導体でも見られ、p型とn型
では電流の向きが逆になります。高温側が、p型ではマイナスにn型ではプラスになりま
す。つまり高温側と低温側の間に複数の両種の半導体を挟めば、向きが逆の電池ができる
ことになります。これを高温側、低温側でうまくp型とn型をつなげば、直列になり電圧
を上げることができます。もちろんこの素子を並列につなげば電流も増やすことができま
す。
産業技術総合研究所では、金属半導体ではなくセラミック半導体を利用した。これで酸
化や熱による劣化を避けることができる。とくにp型では効率10%を実現し、試作した
熱電発電機は800K(高温)と300K(常温)で10Wのパワーを発揮した。
話の中で海水の温度差を利用する発電が話題になりましたが、温海水と冷海水が離れて
おり、この間の移送が効率を下げてしまうことが指摘されました。
講演資料「浪費と差別の現実」(富田)
名工大祭で小出氏(京大原子炉実験所)の講演を聴いた。
人類が20世紀に消費したエネルギーは全体の57%を占める。ちなみに19世紀は4
%、18世紀は2%である。人類も1つの生物種として絶滅するが、他の生物種を含めた
生命環境を破壊した挙げ句に自滅することになる。
日本はこの120年間に年率4.5%でエネルギー消費を拡大してきた。とくに戦後から
1970年前半までは10%である。現在の消費量は日本に入射する太陽エネルギーの
0.6%になり、このままでは数年後には1%、2050年には10%、2100年には
100%のエネルギーを消費することになる。原子力が温暖化防止の救世主のように言わ
れるが、問題はエネルギーの消費拡大そのものにある。
エネルギー消費には大きな差別がある。日本人は1人当たりで世界平均の約2倍のエネ
ルギーを消費している。世界を13億人ずつ4つに分けると、先進国は全体の80%を消
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費している。発展途上国が12%、次が6%、極貧の第三世界はわずか2%で生命維持す
ら難しい人たちがいる。
冷戦後一極支配をしている米国は、民主主義ではなく「強者の論理」を振り回し(建国
以来)、日本はそれに追随している。北朝鮮の核開発(あったとして最大50キロトン)
を非難する一方で、米国はその10万倍以上の5000000キロトンの核兵器を保有し
ている。日本はすでに40トン以上のプルトニウムを蓄え、50000キロトン近い原爆
がつくれる。そして世界で唯一開発にこだわっている高速増殖炉は、それが産み出すはず
のプルトニウムは核分裂する部分が98%と、超核兵器級である。
テロ反対の合唱ではなく、他者を踏みつけにしない世界を求めて行きたい。
・確かにエネルギーの消費拡大こそが問題だ。
・太陽エネルギーの0.2%が風や波、大気循環などを産み出すとあるのは、小さ過ぎない
か。
・降雨は別になっているようだ。このエネルギーは大きいはずだ。
・地球上の太陽エネルギーは定常状態にあるが、温暖化が進めば大気や海洋などの保持す
るエネルギーが大きくなるから、いきおい気象現象も荒っぽくなるのではないか。
・気象に影響しているのは二酸化炭素だけだろうか。森林の伐採、砂漠の拡大も大きいと
思う。
「予防原則」の紹介(林まさ)
大竹さんの「人と環境の保護のための基本理念 予防原則」(合同出版)を読みました。
はじめに「予防」の意味ですが、分かっている危険を未然に防止するというのでありま
せん。予防原則とは彼女の定義によりと
「潜在的なリスクが存在するというしかるべき理由があり、しかしまだ科学的にその証
拠が提示されない段階にあっても、そのリスクを評価して予防的に対策を探ること」
です。
環境対策の基本は予防原則と言われますが、現実には一般論では済まされないどろどろ
したものになります。経済の健全な発展との調和、規制による貿易摩擦、費用対効果の大
小、立証責任、立場によるリスク評価の食い違い、利便性と矛盾などです。
1992年の「環境と開発に関するリオ宣言」で、国際的に予防原則が確認されました。
内分泌かく乱物質を告発したウイングスプレッド会議は、これまでのリスク評価では人間
の健康や環境を守ることができなかったと指摘しました。2002年にヨハネスブルグで
の「持続可能な開発に関する世界首脳会議実施計画書」には、米国、日本などが「予防原
則」という文言に反対しました。2003年にはEUが、RoHS(電気電子機器に含ま
れる特定有害物質の使用規制)に続いて、化学物質を予防的かつ系統的に管理する
REACH(化学物質の登録、評価、認可及び規制)を提案しています。
この本は予防原則を歴史的に追いかけ、フロン規制、PCB,可塑剤、DES(ジエチ
ルスチルベストロール 「流産予防薬」)、水俣病など豊富な事例も取り上げています。
また日本の環境庁の予防に関する研究会の委員として、その内容なども紹介しています。
予防原則の現状を理解するために、一読を勧めたい本です。
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「エネルギー問題」資料(林まさ)
レポート「エネルギーで何をどのように教えるか」の中の「エネルギー問題」の部分を
資料として紹介しました。
@人類のエネルギー生産(=消費)量は、「世界国勢図絵」によると
2001年では、石油換算で 102億トン
であり、石油の燃焼熱はおよそ44kJ/g(=0.44億kJ/トン)ですから
102×108 ×0.44=4.5×109[億kJ]
= 45[京kJ]
になります。そしてこのまま経済活動を続ければ、この数値は2050年には3倍になる
と見積もられています。
A地球の大気と地表が1年間に獲得する太陽エネルギーは、
大陽定数 1.37kJ/s・m2 地球半径 6370km
ですが、雲による反射などで34%が宇宙に失われる(大気などが19%を吸収し、地表
が47%を吸収する)ので
1.37×0.66×3.14×(6.37×106 )2 ×3600×24×365
=3.6×1021 [kJ] = 360000[京kJ]
になります。エネルギー消費量は、この「1万分の1」くらいです。
B光合成は次の熱化学方程式に従って、太陽エネルギーを内部エネルギーの姿で蓄積した
バイオマスを産み出します。
6CO2 + 6H2O = C6H12O6 + 6O2 − 2802kJ
ブドウ糖
その生産量は1年間におよそ3000億トン(「理科年表(環境編)」のデータから計
算)であり、そのエネルギーは
(3000×1014/180)×2800=4.7×1018[kJ]
= 470[京kJ]
になり、これは地表が獲得する太陽エネルギーの0.18%に当たります。また人類のエネ
ルギー消費量は、この「10分の1」くらいです。
これらの計算をどうやら自信をもってできるようになりました。
・水素を燃料として考えると、液体でもその密度が0.07g/mlに過ぎないことは不利
である。
・水素燃料電池は、その場の環境には優しいが、鍵になるテクノロジーとは思えない。
・それに水素をどう製造するかが問題である。水を電気分解していたのでは・・・。
・現にハイブリッド車の方が効率がよい。蓄電装置の開発こそが重要である。
・日本人学校の子どもの「日本は明るい」という言葉が印象的だった。ヨーロッパの夜は
そんなに明るくない。
・それに古い物を大切にする。家は60年の耐久性を考える(日本は半分)。
・今の日本には「哲学」がない。
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・まめに消灯など、省エネを心掛けている。
・中国から野菜を持って来るなど馬鹿げている。地元の生産物を消費するという施策がな
いものか。
・エネルギーを使い過ぎている人類は昔に戻るべきである、という議論がある。
・自分が自動車や新幹線に乗っていて、他人に省エネを訴えることはできない。
・しかしこれからの科学技術の方向は考えられる。さらにリニア新幹線なのか・・・。
・昔の生活や技術の優れた面を見直すという視点もある。
(意見交換のまとめは林まさ流の勝手なものです、悪しからず。)
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