09.10
                               事務局:林 正幸

  環境問題通信09−10号

 今回は臼井、林まさの2名でした。塚田さんからは "Let't try 4R" の
No.19(春日井市の「プラスチック製容器包装分別収集」に付いての答申など)を送っ
ていただきました。
 皆さんのさらなる参加を呼びかけます。

ボタン電池のリサイクル(臼井)

 ボタン電池がよく使われるようになったが、リサイクルはどうなっているのだろうか。
回収箱が置いてある店は少ない。うすいボタン電池(コイン電池と言う)でも日本中で1
年に使うものを積めばすごい高さになる・・・。
 改めて電池工業会のホームページを調べてみました。通常のマンガン乾電池は水銀使用
がゼロになった時点で回収せず、不燃ゴミの扱いになりました。ボタン電池では水銀電池
は生産されなくなりましたが、他の酸化銀電池(記号:SR)、空気電池(PR)、アル
カリボタン電池(LR)は、水銀の使用が避けられず回収することになっています。これ
は電池工業会の自主規制で、処理事業に参加している業者の電池に限られます。ちなみに
リチウムコイン電池(CR、BR)は水銀を含まず対象外です。
 カーバッテリー(鉛蓄電池)のリサイクルは有名ですが、小型の充電式電池もリサイク
ルマークが付いており、再資源化が義務づけられています。ニッケルイオン電池、ニッケ
ル水素電池などです。
 ところが先日、古くなった携帯電話の電池を店に持って行ったら、一瞬エッというよう
な顔をされました。大丈夫かなあ・・・。

これからの炭素資源(林まさ)

 雑誌「化学」(化学同人)9月号に瀬戸山「これからの化学産業はどこに炭素資源を求
めるか?」という時評があった。私はこれまで化石燃料が枯渇すればバイオマスしかない
と単純に考えていた。
 問題は化石燃料の枯渇だけでなく、その燃焼で発生する二酸化炭素による地球温暖化が
ある。日本全体の排出量は年に14億トン、そのうち化学産業(製品もいつか燃えて
CO2 になる)は9000万トンで7%程度である。
 中東諸国では、石油随伴のエタンをクラッキングしてオレフィン(エチレン、プロピレ
ンなど)が製造されるようになり、工程で必要とするエネルギーが小さいことに加えて現
地生産で輸送がないため、日本におけるナフサのクラッキングに比べて、二酸化炭素の発
生量が2/3で済む。
 日本の化学品製造プロセスは完成の域にあり、二酸化炭素削減の余地はほとんど残って
いない。

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 二酸化炭素を削減するには、石炭より、石油、石油より天然ガスを使うべきである。炭
素水素比が順にCH、CH2 、CH4 であり、水素の燃焼分のエネルギーがより大きくな
るからである。加えて天然ガスはコンバインドサイクルの採用が可能になり、第1段のガ
スタービンの排ガスの温度は高く、クラッキングの熱源に使えばエネルギー効率が大きく
改善できる。
 メタンを水蒸気リフォーミングして一酸化炭素&水素を得、これからメタノール、続い
てオレフィンを製造するいわゆるC1化学は、すでに完成した技術である。かつ二酸化炭
素の発生量がエタンのクラッキングに負けないくらい少ない。そして天然ガスの貯蔵施設
はすでに火力発電所が備えている。当面の炭素資源として有望である。またメタンでなく
石炭を利用することも考えられる。理論計算上は、石炭からコークスとプロピレンを生産
するのに、エネルギーはほとんど不要である。
 ここで押さえておきたいのは、既存のエネルギー・素材産業が立ちはだかっている。巨
大な投資を必要とする技術を採用するモティベーションを高めるには、国の支援・助成が
欠かせないことである。また業種間の協力協同が必要である。
 アメリカで注目されているトウモロコシからのバイオエタノール製造は、生産性が低く
それは光合成自身の生産性の低さに根本原因がある。また食用と競合している。
 地球に降り注ぐ太陽エネルギーのうち、光合成に使われるのはたかだか0.1%程度に過
ぎない。
 食用バイオマスの残さ、非可食バイオマスからの化学品製造は、導入期の技術、社会的
コンセンサスを得るための先鞭とはなるが、将来的に十分なコスト競争力をもつ大型化学
品にはなりえない。
 バイオマスは化石燃料に比べてエネルギー保有量が小さく、オレフィン製造には別にエ
ネルギーが必要になる。
 もちろん長期的視点では、現状では技術的課題の多いバイオマスからの化学品合成、さ
らには人工光合成によって水から取り出した水素と二酸化炭素から、化学品を製造する方
向を目指すべきであろう。

 バイオマスについては、生産性が低く、エネルギー保有量が小さいことは織り込み済み
であると思います。そして「太陽エネルギーの0.1%」というにはすごい数値であり、光
合成で固定されるエネルギーは、現在の人類のエネルギー消費量の10倍に当たることを
見逃してはならないでしょう。



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