08.6
                               事務局:林 正幸

  環境問題通信08−6号

 今回は岩田、臼井、多々見、林まさの4名でした。多々見さんの登場で、話はますます
盛り上がるばかりです。そしてかつての「公害調査の会」のように、現地調査活動も加え
るとよいかもしれません。もちろん、教育実践の報告も!

eco検定(林まさ)

 東京商工会議所編著「環境社会検定試験 eco検定 公式テキスト」(日本能率協会
マネジメントセンター)を見つけて読んでみた。
 環境に関わる総合的な知識が習得でき、かつ環境問題の歴史と新しい取り組みによって
将来の展望を見通せる優れた内容である。ただし踏み込みがやや弱いと思った。何よりも
私たち自身が足を踏み出すことを呼びかけている。
 目次を見て興味が湧くところを話題にした。食の問題では、日本の食糧自給率はカロり
ーベースで40%(02年)である。輸入は輸送のためのエネルギーが無駄であり、日本
が富栄養化する。治産地消こそが望ましい。季節はずれの食材は、環境にも健康にも不適
切である。旬でないと、なすでは4.5培、とまとでは10倍の生産エネルギーが必要にな
る。
 リサイクルでは、食品(家庭を除く)のリサイクル率は37%(02年)と低い。家電
製品は、エアコンが82%、テレビが81%、冷蔵・冷凍庫が64%(04年)などとな
っている。建設関係は、コンクリート塊が98%、建設発生木材が61%、アスファルト
塊が99%(02年)となっている。賞味期限が過ぎたからと言って安易に食品を廃棄す
るのは、生産者に申し訳ないことである。コンビニでも直前に安売りにすればよい。赤福
もちもちゃんと「見切り品」として販売すればよかった(みんなおいしいと思って食べて
いた)。こういうことを受けとめられる消費者になるべきである。

 ごみ問題に関連して、一宮市は4月から分別が名古屋市並に複雑になった。しかし分別
の目的がまったく説明されず、膨大なごみ分別表が配られただけである。環境問題を市民
と共に解決していこういう姿勢が本当にあるのだろうか。これまで不燃物になっていた容
器・包装プラスチックの分別は、焼却炉の温度が下がったときに投入する「燃料」が主た
る目的のようである。関西では分別が進んでいないが、ガス溶融炉を導入してそれに投入
する大量のごみが必要であるからであろう。ダイオキシン問題も、焼却炉メーカーが仕掛

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けたという説がある。市民がねばり強く追跡調査する姿勢を持たないと、行政任せでは環
境は改善して行かない。
 また「核汚染」も環境問題として取り入れるべきではないかという意見があった。これ
は二重の意味がある。戦争こそ最大の環境破壊、そして原子力発電を含めて放射性廃棄物
こそ、処理の困難なごみである。

日本の食糧危機(林まさ)

 三重県の野菜茶葉研究所の篠原 信さんの講演を聴く機会があり、そのときもらった資
料のひとつ「日本の食糧危機:日本は何人生き残る? 一問一答」を紹介した。
 食糧危機が叫ばれる中、日本自身はどうであろうか。3000万人くらいしか生き延び
られないのではないか。というのはそのときは石油危機でもある可能性が高く、現代の農
業は化学肥料、農薬、トラクターの動力など石油漬けであり、収穫物の2.6倍ものエネル
ギーを投入している。
 有機農業にするにも、現在日本に溢れている生ごみや家畜の糞は、その元は大半が輸入
品である。また山林はスギばかりで江戸時代よりひどい。その江戸時代は人口が3000
万人を越えることはなかった。
 農地は1.5倍の476万ha(02年)になったが、他方で減反し、農業に携わる人が
いない。現在の食生活を満たすには、1人あたり0.14haが必要で9300万人分が不
足する。明治末期にもどれば0.06haであり、それでも2700万人が不足する。人口
の方は2050年でも1億人くらいである。
 日本の経済力や技術力で、食糧くらい輸入できるのではないか。国・地方の借金は
1000兆円を超えている。毎年政府は借金の利払いに20兆、その上25兆円の借金を
積み重ねている。金利が正常化したら利払いは40兆円である。技術も中国、インドなど
に移り、産業は空洞化している。それに日本の食糧危機は、世界の食糧危機が起こるとき
である。
 どうしたものか。政府の米の備蓄はわずか1ヶ月分で当てにならない。自治体レベルの
対応ができないか。そして個人が農業技術を習得し、ベランダでも野菜をつくり、「円」
ではなく「縁」を大切にして助け合いの体制をつくるべきである。いったん危機が始まれ
ば、人々は「餓鬼」と化す。

 現在が既に石油危機である。投機マネーが石油に群がっている。米国は多く石油を埋蔵
しておりながら、もっぱら産油国を非難している。
 中国のバブルがオリンピックが終わるとはじけて経済危機が起こり、食糧危機につなが
るというシナリオもある。
 政府はいつ「徳政令」を出すか考えているのではないか。未曾有の災害が襲ったときか、

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財政再建団体に転落したときか。そのとき国民の1500兆円の資産も担保になって引き
出せなくなっているだろう。
 本気で我が家で1年分の米を備蓄するべきだと考えた次第です。皆さんはどう思います
か。

環境を守るNPOの企画(多々見)

 ゴミを減量化し、環境問題に関心を高めるためのNPOを設立しようと考えている。ス
ローガン的には「ゴミを宝に変える商売」、そして定職に着けない若者に働く場を与える。
 ゴミを無料で集め、利用可能な物を取り出し、製品化する。たとえば
・再利用可能な「粗大ゴミ」をもらい受け、レンタル商品として貸し出す。(単身赴任な
ど、短期の居住者が利用できる。引っ越し業者と連携する)
・生ゴミは堆肥化して販売する。(愛媛「i2」の製造も。それで鉢植えの花を育て、地
域を飾ってもよい)
・鉄、アルミ、電化製品の有価物を取り出して秋葉原に売る。(現状では中国に流れてい
る)
・竹やぶを手入れして、竹炭を作って売る。
・雨水から飲料水をつくるろ過装置を製造販売する。
・不要になった塩ビパイプで尺八を作って売る。
 酢と重曹だけで家をきれいにするという掃除屋もよい。
 現状では、金を受け取って電化製品などを回収し、いいとこ取りして環境に優しくない
商売もある。私としては「捨てない」ことの重要性を伝えていきたい。

「ほたるプロジェクト」(多々見)

 自宅を含め付近の排水路にもなっている農業用水が、土地醸成が不十分で沈下したのか
V字型になってうまく流れず、排水が貯まって悪臭・蚊の発生などに悩まされるようにな
った。
 自力で排水を浄化しようと、試作品をつくってみた。有機物を分解するバクテリアには
嫌気性と好気性の2種類がある。前者の処理は速いので、排水はこちらを通してから後者
に流入させる。第1槽には活性炭とフィルターを入れ、第2槽には底に穴を開けたヤクル
トびんを入れ、金魚のポンプでばっ気した。これで臭いもなくなり、金魚も住めるように
なった。ヤクルトびんはその形状から酸素濃度勾配ができて、様々な好気性菌が繁殖でき
ることが知られている。
 そこですこし大型化し、第2槽にはヒーターも加えて、排水をバケツで入れて試すと、
CODが50から5mg/Lに、pHが6.3から6.5に改善することが、パックテストで
確認できた。

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 次に用水路に浄化槽を設置しようとしたが、動力、水温などの問題に直面した。またヘ
ドロは水を切って堆肥化したが、家庭菜園だけでは量の多さに対応できない。
 最終的には、用水路に仕切を入れ、ヤクルトびんは流出しないようにネットに入れ、ポ
ンプと雨どいで水を循環し、ブロアーで空気を吹き込むことにした。電気代は1日10円
程度である。なお嫌気槽はつくらない。これで排水が浄化された。
 現在は用水路が改修されて装置は撤去したが、このような安価な装置を設置するだけで、
河川の水もかなりきれいにでき、ほたるも戻ってくるだろう。当面の課題は、電気でなく
風力で水を循環させることである。
 行政の方は訴えても聞き流しで、なかなか手応えがない。自然は自浄作用をもっている
が、「人間も自分が出したゴミは自分で処理する」という行動パターンを身に付けねばな
らない。



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