06.5
                               事務局:林 正幸

  環境問題通信06−5号

 今回は鈴木ひさし、冨田、林まさの3名でした。風邪がはやっており、体調を崩して参
加できなかった人たちもありました。
 いつものように塚田さんが
    Let’s try 4R No.13
を届けてくれました。今回は、リサイクルが難しい繊維製品に関する報告などが載ってい
ます。

IHは安心、お得、エコ生活?(冨田)

 最近「オール電化」の宣伝が目立つ。昨年12月31日の中日には、広告のページかと
見間違えるようなIHクッキングヒーター礼賛記事が載った。「熱効率はJIS規格でガ
ス56%に対し、IHが79%と高く、燃焼に伴うCO2や水蒸気も出ない。・・・」「I
Hが出す電磁波は3マイクロテスラ以下。電気スタンド(0.5−2マイクロテスラ)より
は高いが、ドライヤー(2−50マイクロテスラ)電気カーペット(10−20マイクロ
テスラ)より低い。世界保健機関(WHO)は『5000マイクロテスラ以下では有害な
生物学的影響は認められない』という見解。・・・」
 冗談ではない、発電段階ではどうか、WHOの見解を調べたのかと記者に電話をすると、
案の定「電力館(PRセンター)」の横流しであった。しかしさすがに気になったらしく
「しばらく待ってほしい」との返事だった。そしてやっと3月19日に記者なりの勉強の
跡が見られる記事が載った。しかし本文はそうなのだが、主見出しは「電磁波 家電は安
全レベル」であった。マスコミが大企業には頭が上がらない姿が浮かび上がっている。
 「がうす通信(電磁波問題に取り組むガウスネットの通信)」の計算では、発電効率が
35〜40%(エネルギー源で異なる この数値自身が吟味すべきように思われる)、送
電効率が94%、最終エネ効率は27%であり、ガスの従来型38%、内燃式48%に大
きく劣る。
 電力会社の意図は明白で、原発(日本は今や原発大国になってしまった)は需要の小さ
い夜間も止めたくない。余剰の深夜電力を利用させるのが「オール電化」の狙い。しかし
それを使うエコキュートは蓄熱ロスが大きいなど、ガス湯沸かし器の方が55%も効率が
よい計算になる。要するにエコ生活にはならない。IHが二酸化炭素を出さないなんて、
消費者は馬鹿にされている。

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備考:関連して鈴木さんが西尾著「新版原発を考える50話」(岩波ジュニア新書)を紹
   介してくれました。
 「オール電化」が「お得」とは、深夜料金が昼間の1/3、が1/4になること(林ま
さがセールスマンから聞いた)か。しかしほとんどの電気は昼間に使う。わずかに「スマ
イルクッキング3%割引」が付いている。ちなみに電力の8割は産業が占め(電力の5割
が200事業所)、家庭とは逆に、多く使うほど料金が安くなる仕組みになっている。そ
して公取委が「オール電化」の不当な営業で、関電に警告を発しているほどである。
注意:ガス料金も高く、電気だけの問題ではありません。
 安全では、高圧線下では4ミリガウス(0.4マイクロテスラ)で小児白血病が2倍にな
るという報告がある。電磁調理器は手前30cm離れて30〜50ミリガウスが検出され、
とくに妊婦などはどうなるか心配である。低周波の電磁波は、離れる他には防ぎようがな
い。なお、冨田さんは03年9月のMOLの会や翌年の「討論合宿」で、電磁波問題の詳
しい報告をしています。その内容はたとえば「MOLの会通信03−9」(林まさのホー
ムページの中)を参考にしてください。

「100人の村」(林まさ)

 2月に「世界がもし100人の村だったら」(マガジンハウス)という本を出版した池
田さんの講演を聴く機会があった。この「ネットロア(インターネット上の民話)」の原
本は、1990年にアメリカのメドウズさんが書いた新聞コラム「村の現状報告」だった。
これは「1000人の村」を想定して地球環境に警告を発した。日本では9・11テロを
きっかけに「ある学級通信」として急速に広がり、彼女によって再話されたこの本はつい
にミリオンセラーになり、「100人村基金」も誕生した。
 2冊目は「原本」と資料である。今回は3つの資料を紹介した。

「20人は栄養が十分でなく、1人は死にそうです。でも15人は太りすぎです。」
 飢餓が深刻な23カ国は北朝鮮を含め、大半はサハラ砂漠以南のアフリカの国々であり、
世界食糧計画(WFP)は2000年には8300万人に対して緊急食糧援助を行った。
日本は熱量自給率が40%(98年)と先進国では最低であり、他方で毎日1人当たり
159gの食べ残しを出し、売れ残りの残飯量は700万トンにのぼり、これは世界の食
料援助の70%に当たる。意外にも現在は世界の人口を養えるだけの食糧が生産されてい
る。1999年の穀物生産は21億トンであり、本来必要なのは9億トンである。これは
どういう手品であろうか。

「すべてのエネルギーのうち、20人が80%を使い、80人が20%を分けあっていま
す。」

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 1999年の世界の1次エネルギーの消費量は石油換算で87億9900万トン、うち
経済協力開発機構(OECD)加盟国(ほぼ先進国)の12億人つまり20%が、52億
2900万トンつまり59.4%を消費した。エネルギー効率を考慮すると、この差はさら
に拡大する。1日に1ドル以下の生活を強いられる20%が排出する二酸化炭素はわずか
に3%である。資料は原発問題にも触れている。

「75人は食べ物の蓄えがあり、雨露をしのぐところがあります。でも、あとの25人は
そうではありません。17人は、きれいで安全な水を飲めません。」
 人間居住センター(UNCHS)の推定では、都市部に限っても、11億人が住居に値
しない環境で暮らしている。2001年3月現在で、難民高等弁務官事務所(UNHC
R)が援助対象とする難民は2110万人にのぼる。世界銀行は、1998年に2500
万人が環境悪化のため移動を余儀なくされたと推定する。
 世界保健機関(WHO)の報告では、水量は別として、清潔な水を利用できない人口が、
少なくとも11億人はいる。世界の主要な13の河川と湖は100カ国に共有されている。
水不足が国際紛争に発展する危険性は高い。

ちなみに3冊目は、彼女自身が書いた「たべもの編」である。講演で彼女は強調した。貧
困から脱却するには、少女が学校に行く必要がある。どうしてか、教育を受けた女性の出
生率はそうでない女性の半分である。子どもの数が貧困に閉じ込める。そのために給食が
欠かせない。昼食に帰った少女は家の仕事で学校に戻れない。そして出席率の高い家庭に
は月毎に食用油を贈る・・・。

バロナ湿地の紹介(林まさ)

 私の妻の45年来の米国のペンフレンドの娘さんが、今年2月5日に開かれた国土交通
省肝入り(?)の「大阪湾ルネサンス市民フォーラム」で報告し、私たちの家にもホーム
ステイした。
 彼女はNPO ”Friends of Ballona Wetlands”に勤務し
ており、その活動をパワーポイントを使って報告したのであり、今回はその53枚のシー
トを紹介した。
 バロナ湿地は、今ではロサンゼルスの市街に取り囲まれてしまったが、塩水および淡水
の多くの沼などや、干潟(海洋を含む)からなる。この地域には1万年前から人々が生活
し、たくさんの遺跡や出土品がある。小さくなった湿地はカリフォルニア州が買い上げ、
現在は保存活動や研究・教育活動が行われるようになった。
 私に英語力があれば、もっと詳しい報告もできたのですが・・・。

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