07.3
                               事務局:林 正幸

 MOLの会通信07−3号

 今回は岡田、田口、林まさ、船橋の4名でした。やはり土曜は難しいか、と思いました。
角砂糖の燃焼などは次回まわしとしました。

カフェインの抽出(林まさ)

 紅茶のティーバッグ2つを湯約50mLで煮出し、さらに10mLまで煮詰める。水冷
してから無水炭酸ナトリウム2gを加えて試験管に移す。これにジクロロメタン10mL
を加え、ピペットで滴下をくり返してカフェインを抽出する。
 ジクロロメタン層を取り出して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、加熱してジクロロメタン
を揮発させる(ろうとを付けたアスピレーターでカバー ドラフトを利用した方がよい)
と白色固体が得られる。一部をなめてみると苦い。それを試験管に移し、水を入れた小試
験管を差し入れ、弱火で昇華させると針状結晶ができる。水に溶かすとほぼ中性である。
 これは新たな講座プラン「有機化合物の世界」に組み込む予定の実験である。浸出液と
ジクロロメタンの分離が悪く、私としては煮詰めて量を減らして試験管で抽出することに
した。浸出液にはタンニン(酸)が含まれるので、炭酸ナトリウムを加えて塩基性にする。
 カフェイン C81042 はアルカロイド(植物塩基)の1種であり、構造式(芳香族
第三級アミン)からもわずかに塩基性であると思われる。なおジクロロメタンはすこし発
がん性があり、吸い込まないようにする。

三酸化二窒素(岡田)

 前回も取り上げた話題です。二酸化窒素 N23 のアンプルは、酸素を入れたアンプル
容器に気体を導いてつくるとよい。少なくとも気体の発生が激しい内だけアンプル容器に
導く。
 なお後でヘスロップらの「無機化学」(古い本です)を調べると、三酸化二窒素は固体
状態でのみ存在し、液体でも一酸化窒素 NO と二酸化窒素 NO2 の1:1混合物であろ
うと書いてありました。
 また四酸化二窒素 N24 については、融点−9.3℃、液体は(一部分解して)淡黄色、
沸点20.3℃で約1%の二酸化窒素を含み、100℃では99%が二酸化窒素である、と
ありました。沸点はその気体の分圧にも依りますが、温度による平衡移動の実験は、冷や
して液体が生じない範囲で行うべきでしょう(実験の意味が変わってくる)。

どきどき化学なるほど実験など(船橋)

 杉山(剛)さんらの「どきどき化学なるほど実験」より2題。
 試験管に塩素酸カリウム KClO3 小さじ1杯を入れて弱火で加熱・融解する。これに
つまようじを2つに折って投入すると、赤紫色(炎色反応の色)の炎を上げて激しく燃え

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ていきます。マッチの軸にするとより確実に反応するようです。(空気中の酸素以外の)
酸化剤を使う楽しい燃焼反応の一例です。
 硫黄小さじ2杯と金属カルシウム1粒を入れ、試験管を斜めにして加熱すると、一瞬橙
赤色(炎色反応の色)の炎を上げて燃える。硫黄の量を多めにしてカルシウムを包むよう
にすると反応しやすいようです。酸素と硫黄が同族であることを理解できます。
 ちなみに硫黄とマグネシウムリボンで試してみましたが、反応しませんでした(1回の
み)。
 山本さんの「早わかり化学」の飽和蒸気圧の実験。50mL注射器に、氷水を入れて引
くのと湯を入れて引くのでは、後の方が楽。温度が高いほど蒸気圧が高く、引くという手
助けが少なくて蒸気になることが実感できます。

ダイレクトメタノール電池(船橋)

 野曽原さんのダイレクトメタノール電池。以前に製作した20cm四角のパラジウムめ
っきしたニッケル網を使って試してみました。バットの底のくぼみを利用してメタノール
と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜ、金網を載せ、液分離のためにセロハンを被せ、これに
クッキングペーパーを載せて水酸化ナトリウム水溶液を浸み込ませ、もう1枚の金網を被
せると、太陽電池用モーターがくるくるとまわる。
 ちなみにダイレクトとは、メタノールを改質して水素をつくってから電池反応を起こす
のではなく、直接にメタノールを電池反応させるという意味です。
 通常の反応式はインターネットで調べると次のようであり
  負極 CH3OH + H2O ―→ CO2 + 6H+ + 6e-
  正極 (3/2)O2 + 6H+ + 6e- ―→ 3H2
  全体 CH3OH + (3/2)O2 ―→ CO2 + 2H2
したがって強塩基性下では
  負極 CH3OH + 8OH- ―→ CO32- + 6H2O + 6e-
  正極 (3/2)O2 + 3H2O +6e- ―→ 6OH-
  全体 CH3OH + 2OH- + (3/2)O2 ―→ CO32- + 3H2
になるのでしょうか(違うかも!)。
 それにしてもホルムアルデヒドなどはほとんど生成せず、メタノールの水素が全部水に
代わるとは、ダイレクトメタノール電池はすごいですね。

 他にも「楽しい授業」から「くるりんカード」というトランプのマジックを紹介しても
らいました。



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