05.12
事務局:林 正幸
MOLの会通信05−12号
今回は伊藤、岡田、澤田、鈴木とし、林まさ、船橋、堀の7名でした。
振り返ると、サークルが呼びかけた燃料電池の製作講習会には25名の参加があり、一
つの画期になりました。幸い今日の伊藤さんのように、教材として活用されています(そ
して補習は12月25日(日) 10:00〜 市立北高)。
なお未確定だった次回は、最後にもあるように、3月5日(日)に決まりました。
燃料電池の製作と測定(SPP)(伊藤)
サイエンス・パートナーシップ・プログラムとして「エネルギーから見た物質と空間」
というテーマで年5回のプランをつくり、4回目として理系3クラスを対象に燃料電池を
取り上げた。講師として京大の尾形先生を迎え、「水素エネルギー社会実現への道」とい
うタイトルの講演をしていただき、生徒実験は自分の方でつくった素案をもとにして講師
からのアドバイスをうけて次のように実施した。
始めに商品の電気分解型燃料電池を見せて、反応式を確認する。次に硫酸ナトリウム水
溶液をキッチンペーパーに浸ませ、炭素板でサンドイッチにし、手まわし発電機で電気分
解する。続いて安房高型の燃料電池を組み立てる(ステンレス網はパラジウムめっき済
み)。いずれもメロディテスター、ソーラーモーター、デジタルテスターで性能をチェッ
クする。最後にSPPの予算で10台購入した実用的な小型燃料電池キット(3セル)に
水素を吹き込み、LEDを加えて性能をチェックする。これは固体高分子膜を使っており、
さすがに高性能でした。
安房高型は、2つ直列にするとメロディテスターも鳴った。また電解液を講師からいた
だいたイオン交換膜に変えると、メロディテスターは鳴った。交換膜はデュポン性で、水
で煮沸したあと水に浸けて保管したものである。どんな構造かは不明だが、水素イオンが
移動するのでしょうか。それにしてもイオン交換膜を教材として売り出してほしいもので
す。
後で読んでみたのですが、講演内容はかなり高度ですね。私にもよく分からない点がい
くつもありました。もちろん、水素エネルギーの全体像が見えてきて参考になります。
レインボースコープなど(船橋)
「楽しい授業」(05年11月号)に載っていた「レインボースコープ」をつくってみ
た。筒の先は数10の針穴、手前は縦横回折格子(1cmに2000本)のホログラムシ
ートで、東急ハンズなどで入手可能。手前を二重にして回転するとさらに楽しくなる。
前後両方を回転させたり、穴の代わりにハートや星形を切ったりもできるとのこと。
もうひとつは500mlの発泡酒の空き缶。水をほどよく入れて斜めに立てる。できる
かな! 実は立ちやすいものと、そうでないものがある。後者はかなり微妙で、飲み差し
- 1 -
でチャレンジしたら、かなりスリリング。でもマッチの軸を貼り付けると簡単にできるよ
うになりました。要は底の外斜面の角度の問題です。名付けて「バランス缶覚」はどうで
しょうか。
光と色の話(ティータイム)
時間もありそうで、鈴木としさんの差し入れでティータイムを設けることにしました。
ところが光と色の話になってしまいました(偶然にも11月の先進科学塾がこのテーマで
した)。虹の7色から始まって
「光の3原色からすると、人間の目は赤・緑間の識別能力が高い。」
「青(紫)より波長が短い紫色が緑と赤の加法混色で見えるのは、目の赤色センサーは青
の隣にもうひとつ吸収ピークがあるため。」
「赤色センサーは熟れた果実を発見できるように、より進化したものである。」
「目のセンサーのピークはすそ野がかなり広がっている。」
「そうでないと、中間の色が見えない。」
「LEDも緑や青は幅がある。」
実際にレインボースコープで観察してみると、どちらも虹が見えました。
「単色のものもあるが、それは作りにくいのかな。」
「赤はほぼ単色だね。幅があるとしても赤外領域だ。」
「信号がLEDになって、赤信号が見えにくい人が出てきている。」
と展開しました。
六方と面心の区別(岡田)
いずれも最密充填である六方と面心の結晶構造の違いを理解させたい。活用したのは、
かつて船橋さんが大量に提供してくれたモール付き発泡スチロール球。まず箱の中に1球
の周りに6球が来るように詰めて並べる。次にへこんだ部分に球を詰めて並べる。3段目
も同じように・・・ところがへこみは2種あり、混み合うためどちらか一方にしか球は乗
せられない。1段目の球の真上のへこみに乗せると六方、ずれたへこみに乗せると面心。
後者が面心であることを分からせるため、一部を切り出した模型を組み(文章では書け
ません)、角度を変えて見ると、なるほど面心になっています。段毎に色が変えてあるの
でより分かりやすいです。
また以前に紹介された、40個のビー玉が1段にびっちり入った箱に、もうひとつ入れ
込む遊び。これを大きいスチロール球でつくると、たいへん見事でした。
元素を取り出してみよう(林まさ)
サークルの前日は科学館の先進科学塾1日コースで、私が講師を務めました。題して
「元素を自分で取り出してみよう」です。鉛、鉄、リチウム、銀、ヨウ素、水素、硫黄の
7種を次々に取り出し、「化学の世界」に誘い込もうというのです。私の思いは、化学の
勉強はこのような体験から始めたいというものです。スタッフの支えもあり、幸い参加者
は楽しそうでした。
リチウム
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エチレンカルボナート C3H4O3 3gをテトラヒドロフラン C4H8O 6mlに溶かし、
塩化リチウム0.2gをほぼ溶かす。これをクッキングペーパーに浸み込ませてステンレス
板(4.5×15cm)でサンドイッチにし、乾電池6Vで2分30秒電気分解する。陰極
側のステンレス板を取り出し、テトラヒドロフランが蒸発したところで、薬さじでこそげ
ると、自然発火する。
4Li + O2 ―→ 2Li2O
続いて水を滴下すると泡立ち、フェノールフタレインで赤色になる。
2Li + 2H2O ―→ 2LiOH + H2
一番のポイントは塩化リチウムが溶ける非プロトン性の溶媒。アルカリ金属はぜひ取り
上げたいと2ヶ月工夫し、途中では融解塩電解にも取り組みました。
ヨウ素
50mlビーカーの中で、粉末にしたヨウ化カリウム1gと過マンガン酸カリウム0.5
gを混ぜ、濃硫酸1.5mlを加えて、水を入れた50ml三角フラスコを被せ、小さい炎
で加熱すると、ビーカーの下半分が気体のヨウ素で赤紫色になる。冷やすと、ビーカーの
上部に固体のヨウ素が昇華している。
10KI + 2KMnO4 + 8H2SO4
―→ 6K2SO4 + 2MnSO4 + 8H2O + 5I2
この一部をヨウ化カリウム水溶液に溶かし、亜鉛を加えて振り混ぜると、水溶液部分は無
色になる。
Zn + I2 ―→ ZnI2
ちなみにフラスコの底のヨウ素などはチオ硫酸ナトリウム水溶液で処理する。
これで固体のヨウ素が比較的きれいに取り出せます。
硫 黄
硫化ナトリウム Na2S・10H2O 4.8gと亜硫酸水素ナトリウム NaHSO3 1
gを水30mlに溶かし、3mol/l塩酸20mlに滴々と加えると、硫黄が生成するの
で、煮沸熟成してろ過する。できた硫化水素と二酸化硫黄が次のように反応する。
2H2S + SO2 ―→ 2H2O + 3S
ポイントはすこしずつ反応させること。そうすれば、硫化水素もさほど気になりません。
配布したテキストも参考にしてください。
その他の資料
前回やむなく欠席したので、資料が多くなりました。
「旋光計の製作」
手づくりの旋光計で、精度は3°くらいです。
「物質に秘められたエネルギーを探る」
7月の先進科学塾のテキストです。
「エネルギーで何をどのように教えるか」
新潟理化学協会での講演です。
「講座プラン『元素と原子の発見』をつくって」
科教協大会でのレポートです。
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「どのように色が生まれるか」
可視吸収スペクトルの実験例です(11月の一日コースの教材)。
「でんちをつくろう」
中部大の「科学たんてい団」のテキストです。
「物質量とモルをめぐる『思い違い』」
上越教育大の森川さんから届いた資料です。読んでみてください。
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林 正幸と主万子の始めの
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