05.6
                               事務局:林 正幸

  MOLの会通信05−6号

 今回は岡田、鈴木とし、林まさ、福島、船橋、美濃和、堀の7名でした。
 科教協鹿児島大会は6名が参加予定であり、お楽しみ広場はMOLの会として1ブース
出展することになりました。8月20、21日のでんきの科学館での「なるほどサイエン
ス」は、電気が点くもの、磁石に着くもの、静電気とシャボン玉などで遊ぶことになり、
7月30日9:00〜11:00に北高で準備、確認をすることになりました。またスタ
ッフが増えることになり、ぜいたくな陣容です。
 また鈴木としさんが、定時制の生徒から中国の中学校の教科書を借りて見せてくれまし
た。図があり、文字に察しの付くものがあり、概要は把握できました。物理は大きな差は
無いようですが、化学は日本の高校の化学Tに準ずるものでした(それにしては周期表が
ない)。教科書の国際比較も、その国の状況や考え方が窺えたりして面白そうです。

ケミカルライト再び(船橋)

 もう10年くらい前のことでしょうか、ルミノール反応が話題になったとき、船橋さん
が商品の「ケミカルライト」を紹介してくれました。そのときはあまりの明るさに、さす
が商品は違うと感動した覚えがあります。
 今回は岡崎さんのレポート「ケミカルライトを作ってみよう」から反応液のくわしい組
成が判り、まず値段が手頃な緑色発光に取り組んでみた。しかし数秒しか光らない。
 商品のケミカルライトも残っていたので、その場でA液とB液を交差して調べたところ、
酸化剤であるB液に問題があることがはっきりしました。そしてそれは過酸化水素の性で
は無いことも確認できました。
 また福島さんから、荻田さんのレポート「ルミノール反応の新しい演示実験について」
という参考資料もいただきました。

紫−Xの正体を追え!(美濃和)

 サマーセミナーに参加することになった美濃和さん、何をするか思案中。レモン水はす
っぱくて酸性であるが、レモンでつくった炭は、その粉を水に入れると塩基性。また炭酸
水は酸性雨の話に使える。そしてアントシアンで締めくくる。ツツジやアジサイの花を乾
燥させたものを水で抽出しようとするも、色がうすい・・・。
 そこで知恵を出し合いました。うっかり冷凍庫に入れた紫キャベツは熱湯で煮出すとき
れいで濃い色素液が得られた。うすい塩酸と固体の水酸化ナトリウムを使って、試験管1
本で変色が楽しむ方法もあるよ。お菓子作りコーナーで売っている紅いもの粉も使える。
 美濃和さん、がんばってください。

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圧力計改訂版

   と0.01molの圧力(林まさ)

 前々回に紹介した圧力計は古いセンサーを使いました。ところが新しいセンサーはアメ
横にもほとんどありません。あまり売れないからという理由です。そこで船橋さんの努力
で、学校関係へのサンプル出荷(11個以上)という形で、フジクラから±1atmと
±0.5atm(共にゲージ圧)の2種のセンサーを入手することができました。とくに
±1atmは計測の幅を広げます。
 そこでどちらのセンサーも使えるようにすこし回路を変え、また利用しやすいように基
板と電流計をアルミケースに収め、外部の電流計などに接続できるようにしました。そし
て6種の実験を試してみました。その中で、圧力差が大きいと漏れが起こるのでシーリン
グテープを使うこと、高温にも耐えられるようにガラス用接着剤を使うことなどが加わり
ました。
 今回はペットボトル(0.420L)に3mol/l硫酸15mlを入れ、炭酸ナトリウ
ム0.01mol(=1.06g)のおひねりを投入し、圧力センサーの付いたせんをして
から、ボトルを振って反応させると、圧力が0.64atmになりました。期待値は気温を
27℃とすると
  p = 0.01×0.082×300/0.405 = 0.61[atm]
であり、安定して計測できます。
 ついでに、試薬びんにすこしメタノールを入れて沸とうさせ、センサーの付いてゴムせ
んをして温度を下げて、いろいろな温度の蒸気圧を計測した結果を紹介しておきます。
              計測値         期待値
    60[℃]    0.82[atm]    0.837[atm]
    50       0.52         0.551
    40       0.32         0.351
    30       0.20         0.216
 いずれEHCで、製作講習会を開きます。

可視吸収スペクトル(林まさ)

 見えてるのは嫌いな色、その物質が吸収する色に注目させたい。そんな思いから、スリ
ット2つの分光器(回折格子レプリカを使用)を作ってみた。その一方は、水溶液などを
入れたセルを通して光が入る。2つのスペクトルを見比べると、吸収する色がよく判る。
蛍光灯でもOK。
 皆さんには次の水溶液を観察してもらいました。
    硫酸銅水溶液          赤、橙、黄
    アンモニア性硫酸銅水溶液    赤、橙、黄、黄緑、緑
    塩化銅(U)水溶液        赤、橙、青、紫
 14cm四角、厚み8cmのボックスは、工作用紙で作ります。そしてセルはアクリル
板で作ると簡単です。厚さ1mmのものは大きいはさみで切ることができ、注射器に入れ
たジクロロメタンで接着します。これは今回に限らず、さまざまな形の容器がほしいとき
に便利です。

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 この他には、たとえば塩化コバルトでは
    低温    黄緑、緑、青
    高温    赤、橙、黄、黄緑、緑、青
です。紫キャベツのpHによる変色も面白いです。
 なおこの分光器は、光の3原色の勉強にも使えます。

メールによる質問の意味(林まさ)

 今回は時間があって、こんなレポートも紹介できました。具体的な事例は割愛します。
<レポートの引用>
 まず質問者が、自分の疑問を文章にすることは、改めて疑問の内容が整理、確認できる
機会になります。口頭による質問に比べて、私もくり返し本当に質問したいことを吟味す
ることができます。ちなみに問題集のような質問には、どうして疑問を感じたか、自分で
はどこまで調べ考えたかを加えて、再質問させるようにしています。もともと私は答が知
りたいだけの質問には関心がないわけです。
 メールによる質問は質問者も内容も幅広く、改めて化学教育の中身を構成する参考にな
ります。また返事と併せて、それをどのように展開したらよいかを示唆しています。ただ
しこれは授業に係わる質問を軽視しているのではありません。それは授業実践を検証する
重要な手がかりです。ちなみに、質問者に学習年齢や学習歴も書かせることは重要です。
それによって説明が大きく変わってきます。
 もっとも意味があるのは、質問を機会に私自身が勉強できるということです。自分が抱
く疑問には限りがあり、下手をするとルーチンワーク化の中で疑問を忘れがちです。それ
が容赦なく打ち破られ、好むと好まざるとに拘わらず勉強に追い立てられます。
 そして口頭による質問にその場で即応するのに比べて、じっくり考えて返事ができます。
私は返事を書いたら、少し間をおいて検討し、それから返信するようにしています。この
とき既成の観念にとらわれていたり、説明が不十分であることに気付くことがしばしばで
す。この過程で自分自身の思考力が高められるように思います。
<以上>
 他には、前回紹介した「酸化還元電位」について、実験が完了したのでそれをまとめた
レポート「酸化還元電位の計測」も配布しました。



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