04.12
事務局:林 正幸
MOLの会通信04−12号
今回は岡田、澤田、鈴木とし、林まさ、福島、船橋、堀の7名でした。
また来年3月20日、名古屋市科学館での宇宙少年団のコズミック・カレッジへの協力
要請にも、化学としては、鈴木とし、林まさ、船橋、堀で応えていくことになりました。
終わりは6時になりました。
マジック、エイムズの部屋など(船橋)
今回も船橋さんのマジックの紹介からスタートです。ピンクの紙の上に10円玉と透明
なポリコップが載っている。コップにティッシュを被せてから、10円玉の上に置く。ま
じないをかけてティッシュを取ると、10円玉が消えている。もう一度ティッシュを被せ
てまじないをし、コップを取ると10円玉がもどっている。タネは、コップの口にもピン
クの紙が貼ってある、です。
次は動物を描いたペアカード6組12枚です。6枚ずつを同じ順番に並べて重ね、裏に
する。カードを切ってから、上下6枚ずつに分ける。このとき片方の山は順番が逆になる
ようにカードを1枚ずつ積んでいく。次に両方の山から合計5枚のカードを下に送り、上
のカードを取り除いてペアにする。次は4枚を下に送り、以下同様。そしてカードを表に
すると、すべて動物がペアになっている。カードを表にしたままやってみると秘密が分か
ります。
他にはエイムズの部屋の展開図(岐阜物理サークルのホームページより)をもらいまし
た。組み立てられたものをのぞいたのですが、ストラップ人形を使うと豪華です。そして
上から照明すると効果的です。
セルロースの加水分解(福島)
目盛り付き試験管で濃硫酸を2倍に薄め、脱脂綿を浸けると加水分解してしだいに溶け
ていく。これをビーカーに移して水を加えて2倍にし、炭酸ナトリウムを加えて中和する。
中和はpH試験紙で確認する。この一部をフェーリング液に加えて加熱すると、赤褐色の
沈でんが生じて、ブドウ糖の生成を確認できる。
硫酸の濃度はすこし濃いと反応混合物が着色するようになり、薄いと反応があまり起こ
らない。
これと次は、デモ実験として教室で実施している。
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尿素樹脂(福島)
尿素2gとホルマリン5mlを、チャック付きポリ袋に入れて混ぜ、濃硫酸数滴を加え
て混ぜると、発熱して白色の尿素樹脂ができる。
これならホルマリンの臭いはほとんどしないので安心です。
アセチレンの実験の工夫(岡田)
ひとつはアセチレンの捕集方法。100ml広口びんに水を2/3入れ、カーバイドを
投入して穴のあいたゴムせんをし、空気が抜けたら洗びんの容器に水上置換する。そして
注ぎ先の付いたせんを締める。他方で空気の入った洗びんを準備する。これで目盛り付き
試験管に水上置換で自由自在に、いろいろな割合のアセチレンと空気の混合気体を詰める
ことができる。あとはゴムせんをしてスタンドに固定して、チャッカマンで点火して、燃
焼の様子を観察する。
もうひとつは、付加反応。臭素水はやっかいなので、水20mlにイソジン1滴を加え、
デンプン液1,2mlを加えて薄い青色にする。この一部をアセチレンの入った試験管に
加えて振ると、色が消える。
ヘンなトラック、ブーメラン(鈴木とし)
今は絶版のワニブックスの「ウインク・マジック」にいろいろな錯視が載っている。今
回は「ヘンなトラック」の展開図をもらいました。組み立てて片目で見るとまともに見え
ます。これからも紹介するということで、楽しみです。
もうひとつはブーメラン。牛乳パックやケント紙で作る原寸大は広い場所が必要だが、
80%縮尺で画用紙に印刷すると、簡単に作れて、うまくすると教室でも投げて手元に戻
すことができる。
実際にやってみると、練習が必要なことが分かりました。
圧力計と蒸気圧(林まさ)
名古屋市科学館での先進科学塾の1日コースとして「蒸気圧が分かる実験1,2,3・
・・」という講座を開くに当たって、10ほどの実験のひとつ「分圧の法則」に使いたい
と、圧力計を製作しました。
圧力センサーは松下電工のAD1132(−0.5〜0.5kgf/cm^2 つまり
−0.5〜0.5atm)で10年前の製品であり、現在は別のセンサーで回路をつくる必
要がある。表示にはミリアンメーターを使う。
容器には炭酸飲料用の500mlペットボトルを使う。そのせんに穴をあけ、内径3
mmの耐寒透明チューブ(ホームセンターで入手)を通して木工用ボンドで接着する。せ
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んの外側の方を圧力センサーにつなぐ。
始めは調整のために、内側の方を50mlディスポーザブル注射器につなぐ。ゼロ点を
0mAにした後、45mlの空気を30mlに圧縮してつまり1.5atmにして、そのと
きの電流が0.5mAになるように増幅率を加減する。次にゼロ点を0.5mAにずらして、
今度は20mlの空気を40mlに膨張させるつまり0.5atmにすると、確かに0mA
を指す。
15cmに短く切った試験管にエーテル数mlを入れ、ティッシュで軽くふたをする。
これをペットボトルに滑り込ませてせんをしっかりと締める。それからエーテルをボトル
内に流し出し、手であたためて蒸発させる。そして室温になるまでしばらく放置して圧力
を読み取る。
今回はきちんとした計測まではしませんでしたが、室温が12℃で0.42atmという
データがあります。この温度における文献値は0.437atmです。
一酸化鉛の還元(林まさ)
これと次の2つは、講座プラン「元素と原子の発見」に組み込むために取り組んだ実験
です(プリントは次回に)。
金属らしい金属が得られる実験として、一酸化鉛の還元に狙いを定めました。はじめは
うまく行かず、アルケミストの山本さんの方式にならいました。
一酸化鉛5gと細かくした木炭粉1gを、よく混ぜてるつぼに入れる。三角架に置き始
めは中火で、1分したら強火にして加熱する。そして20cmほどの針金でかき混ぜ続け
る。10分ほどで、銀色のとけた鉛の玉が得られる。
かき混ぜるのは、木炭を空気に触れさせて一酸化炭素にするためです。製鉄でも空気や
酸素を吹き込んで一酸化炭素にしています。ここがポイントです。
簡易ユージオメーター(林まさ)
内径15mmの透明ビニールチューブを40cmに切り、始めは2.5cm、後は2cm
おきに目盛りを付け、35cmの角材にビニールテープで固定する。点火部はゴムせんに
2本の銅線を差し込み、圧電素子(チャッカマンを利用)につなぐ。
ビニールチューブをスタンドに固定し、下端が水そうの水に浸かるようにする。点火部
の銅線の先端をやすりで磨き、火花が飛ぶことを確認する。(これを怠ると火花が飛ばな
いことがあるのです。)
下端にゴムせんをして水を最上位の目盛りまで注ぎ、点火部をはめて外れないようにビ
ニールテープで固定する。(これを手抜きすると、点火部が吹き飛びます。)そして下端
のゴムせんを外し、簡易ボンベから、酸素4目盛り、水素を4目盛りを注入し、火花を飛
ばして点火する。
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これでばっちり2目盛りの気体が残りました。
次に、酸素3目盛り、水素6目盛りを注入する。(こちらの実験ははじめはどうしても
うまく行きませんでした。原因は、後から水素を注入しても混合が完全にはできないため
でした。なにせ酸素は過剰でないので、いい加減な混合では駄目なのです。)そして電気
コードの先を結んでチューブに差し入れ、気体をよく混合する。
このときは残念ながらチューブのスタンドへの固定が不十分で、爆発で持ち上がって空
気が入ってしまいました。
マグネシウムの原子量(林まさ)
川田さんの、「図説」に載っていたのでやってみたらうまく行った、という話に勇気を
得て取り組んでみました。マグネシウムと、できる酸化マグネシウムの質量を計測するの
です。
ところが磁性るつぼでは、マグネシウムがるつぼの二酸化ケイ素と反応してケイ化マグ
ネシウムができたり(あとでるつぼを希硫酸で洗おうとしたら、パチパチはぜた)、でき
る酸化マグネシウムがるつぼに融着したり(つまり塩基性酸化物と酸性酸化物の反応)し
ました。そこで鉄製るつぼを注文しようと思っているうちに、ステンレス製の甘露ひしゃ
く(底面の外径が30mm)が目にとまり、柄をグラインダーで切り取りました(安上が
り)。
マグネシウム粉末(か粒)0.25gほどを正確に計り取る。そしてマグネシウムがるつ
ぼの底全体に広がるようにし、バーナーで数分間加熱する。冷めたら、酸化マグネシウム
の質量を計る。
ところがこれも失敗、火が強すぎるとマグネシウムが激しく燃焼して、酸化マグネシウ
ムが白煙になって失われるのです。これまでうまく行っていたのは、たまたま火加減がよ
かったからと分かりました(失敗から学べる)。中火で加熱することが重要と気付きまし
た。ちなみにうまく行くと、マグネシウムの原子量が24.4といった数値になります。
岐阜物理サークルの松尾さんからもらった、本を開くと飛び出す蝶の形のしおりも紹介
しました。これは船橋さんが量産体制にしてくれるはずです。
また備長炭がパイプのこぎりできれいに切れることが分かり、これを使った燃料電池
(通信04−6号の「簡単燃料電池」を参照)も紹介しました。
ビールの泡とその実験(澤田)
500mlの缶ビールを3本も持ち込んだ澤田さん、グラスも冷凍庫に入れたりして、
準備に余念がありませんでした。
冷凍庫、冷蔵庫で冷やしておいたグラス、それに常温のグラスに、ビールを注ぐと、冷
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凍庫で冷やしておいたグラスもよく泡立つ。そして常温のグラスは「泡立ち」(起泡性)
はよいが「泡持ち」(泡沫安定性)はわるいので、すぐに泡が消えていく。
ビールの泡は、大麦が発芽するときにできる「起泡タンパク」と、ホップが加熱されて
できるイソフムロン(苦味成分でもある)の複合体に、さらに多糖類が係わってできてい
る。
起泡性は一般に表面張力が小さくなると高くなる。そして泡沫安定性は芯液が移動して
泡膜が薄くなるのが妨げられると高くなる。後者は液体の粘性の他に「マラゴンニ効果」
が影響する。
グラスに油を付着させたり、ビールの泡に揚げものを触れさせたりすると、破泡しやす
くなる。これはより表面張力が小さい油が表面の一部に入ると、バランスが崩れて泡膜が
破れるためである。これは消泡剤の原理になる。
ビールをグラスに勢いよく注いで泡立たせ、泡と液体を分離して味を調べると、泡の方
がかなりにがい。つまり泡は疎水性物質を吸着しやすく、浮遊選鉱や古紙の脱インクなど
に利用される。ビールではイソフムロン、起泡タンパク、タンニン、ミネラルなどが吸着
される。ビールをおいしく飲むには、ほどよく泡立たせて注ぎ、時間をおかずに飲んで泡
を残すことである。
終わると澤田さん、実験に使ったビールを次々に飲み干していました。
緑色レーザー(船橋)
共立エレショップの緑色レーザーを購入して組み立てた。5mWで強力、反射光を含め
て目に入らないように扱いに注意がいる。
髪の毛や細かい金網で、回折模様が観察できる。またナカムラ理科の光ファイバー説明
管に当てると、鮮やかに光路が見える。
暗くなった屋外でも試してみましたが、かなり遠くまで届きました。
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