97.1.25
事務局:林 正幸
MOLの会通信97−1号
参加者は、岡田、鹿野、下田、鈴木とし、戸田、林まさ、水野でした。以下に紹介する
内容の他に、
(1)どうしてこうも受験指導タイプが大手を振り、あるべき「理科教育」を目指す教師
が肩身の狭い思いをせねばならないのか。
(2)そのせっかくの理科教育も、下手をするとマスコミなどのオカルトブームにかき消
されてしまう。オカルト自身を正面に据えた取り組みも大切ではないか。
参考文献:安斎育郎「人はなぜ騙されるのか」(朝日新聞社)
(3)「理科実験観察データベース作成プロジェクト」の紹介
(4)「理科教育メーリングリスト」の紹介
(以上2つはインターネット)
(5)ナイロンの界面重合で何故かいくつかのグループがうまくできないことがある。
(6)沖縄みやげ「かみつくへび」づくりを摩擦の教材に利用する。
(7)最近ニッカドに代わってリチウムイオン蓄電池が量産されている。
などが話題になりました。
「雲&ロケット」(岡田、鹿野)
話題になっているエタノールによる雲づくりと、おまけのロケット。1.5lPETボト
ルに少量のエタノールを入れて内壁をぬらし、導管つきゴムせんをきつくして空気入れで
空気を圧縮する。ゴムせんが外れると断熱膨張で真っ白なエタノールの雲ができる。そし
てすぐにマットで点火。ところがなかなかうまく飛ぶまでには至らなかった。エタノール
の量、温度など変えて試したが・・・結局次回までの課題となった。
消しゴム:市販の塩ビで成功(鈴木とし、下田)
消しゴムのこだわり派が、工場から取り寄せたポリ塩化ビニル(重合度1500)では
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なく、市販の重合度が1100の塩ビで成功した(重合度1020では駄目)。ポイント
は可塑剤の量を増やすこと、次にサークルでも試した実験例を示しておく。
ポリ塩化ビニル 3.5g
ステアリン酸カルシウム 0.35g
炭酸カルシウム 3.1g
ジオクチルフタレート(DOP) 9.0g
これを練り合わせてアルミケースに入れ、135℃で30分ほど加熱する。
ちなみに炭酸カルシウムを色付きチョークに置き換えて色付き消しゴムを作ろうという
試みは、よい消しゴムにはならないし消すと色が紙に着いて失敗に終わった。
決定版:テルミット反応(岡田、鹿野)
これはデモ実験用に工夫されているが、そ
のまま生徒実験にも使えそうである。酸化鉄
(V)8gとアルミ粉末3gを混ぜて水で湿
らせたろ紙に入れて、三脚の上の三角架に乗 図1
せてマグネシウムリボンを立てる。その下に
水を入れた500mlビーカーを置き、その
底にろ紙2枚を沈めておく。そしてバーナー
で点火するとテルミット反応が起こり、融け
た鉄がろ紙を破って落下し、真っ赤なまま水に沈んで海底火山のようになる。あとで取り
出した鉄が磁石に着くことを見せる。薬品は乾燥しておくとよい。またリボンは差し込む
先を折り重ねておくと確実に反応が始まる。教室でのデモ実験では教卓の上にベニヤ板な
どを敷く。
この実験では水で湿らせたろ紙が、立派に容器の役目をすると同時に底部が燃えて融け
た鉄を落下させる。またビーカーの中のろ紙も鉄がガラスと融け合うのをうまく防ぐ。
電導度滴定(岡田、鹿野)
ビーカーに0.1mol/l程度の硫酸を入れ、40W電球を直列に入れた電極を差し込
んで100Vにつなぐ。そしてマグネチックスタラーをかけて、同濃度の水酸化バリウム
水溶液で中和していく。すると中和点では電球が消え、その前後で電導度が増減する様子
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が電球の明るさの変化から分かる。電極には家庭配線のコードの被覆をむいただけの素朴
なものを利用している。
化学平衡(林まさ)
授業構想に係わるものも、ということで化学平衡についての教科書案1)を提示して意見
を求めた。高校ではこのテーマは「ルシャトリエの原理」一本槍で発展的ではない。化学
的変化は正逆両方の変化のぶつかり合いで成り立っており、平衡はそのバランスがとれた
状態である。だからそれぞれの変化の「いきおい」(正確には自由エネルギーだが高校生
にはこの言葉がよいと考えた)がどんな風に増減するか、それから解き起こした方が広く
て深い理解が得られるのではないか。
「物質が変化するいきおいはそのモル濃度に比例して大きくなる。」
「温度が高くなると、持っているエネルギーが少ない物質の変化するいきおいの方がより
大きくなる。」
これをベースに化学反応はもちろん、様々な状態変化・飽和現象・希薄溶液の性質などを
説明する。また圧力の影響はモル濃度からとらえる。
温度の影響はエントロピーから説明できればもっと良いに違いないが、それができない
ので次のモデル実験で概念形成する。
図2
これは高圧電気に触れてアルミで被覆された発泡スチロール球が飛び跳ねるのを利用して
いる。電圧を高くすると、箱の高い部分に位置するスチロール球が増えてくる。この実験
の弱点は装置を製作するのがかなり難しいことである。
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ちなみに平衡実験で使える、二酸化窒素と
四酸化二窒素の混合気体アンプルの作り方を
紹介した。最近の試験管はパイレックス製で
アンプルにするのが容易ではない。ところが 図3
10mlアンプル製作用の試験管が50本単
位で市販されている。これに通常の試験管で
発生させた二酸化窒素を細いガラス導管で詰
めれば、あとはあわてずに封管すればよい。
こうすれば半永久的に実験できる。
1)サークルで配布したが、次のホームページの「私の教材や主張など」の中にも掲載し
ている。
http://www.zzz.or.jp/masasuma/
東海地区高校化学教育セミナー(水野)
今年は12月7日に名大で開かれ、午前は佐野氏(名大情報文化部)が「分子ヒステリ
シス 」について講演し、午後は池本氏(都立大理学部)が「色と光」というテーマで実験
紹介した。その中には塩素系漂白剤を利用した簡単なルミノール反応もあった(サークル
でそのときのパンフが配布された)。来年の講師を紹介してほしいし、参加を呼びかけた
い。
「課題研究」(水野)
これは今度の指導要領改訂の目玉であり、受験がある中でも3年の夏休み前あたりを利
用して取り組んでいきたい。今年は年度末に
共通実験として サインペンの「薄層クロマトグラフィ」
選択実験として 1.薄層クロマトによるアミノ酸の分析
2.蛍光色素を含む「色の化学」
3.エステルの構造とにおい
4.マーガリンせっけん
5.ガラス細工「マドラーづくり」
をやらせたが、半分以上がマドラーづくりを選んでしまった。来年度は薄層クロマトをベ
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ースに構成したい。これはペーパークロマトに比べてかなり精密と思われる。
関連した断片情報
・薄層クロマトは20×20cmのシートが市販されていて、それを切って使用する。
250ml集気びんを利用するとよい。
・マドラーには東急ハンズで入手した砂時計の砂を入れる。最後は封管したあと、すぐに
内部の空気が膨張するようにガラス管を加熱する。
図4 図5
消し炭電池(戸田)
リサイクル電池の位置づけで消し炭が利用できる。アルミ缶の内部のコーティングをヤ
スリで削り、キッチンペーパーを押し込んで正極に備長炭を立てて、その間に消し炭を充
填する。そして食塩水を入れると、モーターがまわる。正極を細いスチール缶に変えても
やや性能は落ちるが立派に電池としてはたらく。直列にすればラジオが聞ける。
その他に
・使い捨てかいろの材料で空気中の酸素の量を調べる。
・ポリ袋に詰めた空気を液体窒素で冷やして液体酸素をつくる。
・液体窒素でアイスクリームをつくる。
などの実験プリントも紹介された。
Bee Spi(鈴木とし、下田)
こんな名前のおもちゃを手に入れた。5cm間隔で光センサーが付いており、その通過
時間が測定できる。実際にはスイッチを切り替えて、時速と周期を計ることができる。す
べてコの字型のブロックに内蔵されていて、取り扱いは至って簡単。単機能のメリットを
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活かした設計である。
たとえば物体を落下させて50cmの所で時速を計ると11.13km/hであった。こ
れは秒速3.09m/sに相当する。他方で力学的エネルギー保存則から
v=sqr(2×9.80×0.50)=3.13
とかなりよい一致が得られる。
トイザラスで1800円だったそうで、メンバーから買い占めの指示が飛んだ。
追伸:97年2月に名古屋高教組からサークル援助金として1万円を受け取りました。通
信費としてありがたく使わせていただきます。
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林 正幸と主万子の始めの
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