02.2
                               事務局:林 正幸

  MOLの会通信02−2

 今回は予定を1週間早めて、2月9日に行いました。参加者は岡田、澤田、鈴木とし、
西尾、林まさ、福島、船橋の7名でした。
 下記の他には、船橋さんが3つの手品を見せてくれました。
  ・割りばしに描いた波線の矢印が、はしを振ると真っ直ぐになる
  ・結んだひもが何もない筒を通すと解けてしまう
  ・10円玉が何もない手で覆うと、直ちに2枚の500円玉になる
また浜岡原発の配管破断事故の原因が、
  「めっきに使われた白金が触媒になって水素爆発が起きたためである」
というスクラップ(朝日)をもらいました。
 澤田さんから
  ・メラミンフォームのスポンジが汚れを落としやすい
  ・ステンレスポットの汚れをクエン酸で落とす(アルミには使えない)
そしてこれはまったくのインチキであるが
  ・電気石(商品名トルマリン)を風呂に入れるとイオンが増えて暖まりやすい
という紹介がありました。
 林まさはレポート「生徒は実験をどうとらえているか」で
  ・実験は楽しく、化学が苦手でも興味を覚える
  ・実験をすると学ぶ内容の意味が分かりやすいし、記憶しやすい
という意義に触れました。


実験プリントのCD(鈴木とし)

 前任校で使っていた、実験を中心としたプリント50種あまりを、焼き込んだCDをも
らいました(ワープロは一太郎)。貴重かつ膨大なデータで、かつてこのサークルで紹介さ
れたものも多くあります。ありがとうございます。

空気で消えるペン(岡田)

 山本さんが報告した「空気で消えるペン」の実践。ペンは赤と紫色、そして消えるのり
(のりが着いた部分がしばらくは見える)は青色。ペンで書いてポリ袋に入れ、二酸化炭

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素を吹き込むと次第に色が消えていきます。空気中の二酸化炭素が原因です。復活させる
にはうすい水酸化ナトリウムの水溶液を塗ります。
 pHいくつで変色しているか、水溶液をうすめて試したところ、pH12あたりが変色
点でした。どんな指示薬を使っているのでしょう?

除湿剤による凝固点降下(岡田)

 使い終わった除湿剤に氷を加えると、アイスクリームができるほどに温度が下がる。こ
れを試した岡田さん、いくつかの疑問にチャレンジ。アルケの藤田さんの応援もありまし
た。
 塩化カルシウムの無水物では−14℃まで下がりました。薬品を惜しまず加えることが
必要です。
 二水和物は、藤田さんによると−15℃まで下がります。以上は溶解熱がプラスですの
でその意味では不利ですが、多くの水分子を融解させて水和できる有利さもあります。
 六水和物は高価ですが、文献によると最大−55℃まで下がります。
 使い終わった除湿剤は、飽和溶液になるまで水を吸っていないようです。そして飽和溶
液でも−15℃まで下がります。
 そして藤田さんが問いかけの、飽和食塩水では−6℃、塩化アルミニウム六水塩では
−15℃まで下がりました。
 いずれにしても氷と水溶液で凝固点降下させるのは、水のモル濃度が小さくて氷が融解
するという本質に目が向きやすくて良いですね。

墨汁をつくる(岡田)

 墨汁は保護コロイドの例として有名だが、米沢さんによると「油煙」を入手すれば簡単
に実験できる。岡田さんは杉山よしさんの情報(墨運堂:0742−26−5611)で
松煙を入手して、画材のにかわ液で溶いて墨汁ができることを見せてくれました。水で溶
いたものと比べると、後者では炭素粒子が書道紙に飛び散って汚くなりました。
 ところでにかわ(膠)とは理化学辞典によると、不純なゼラチンで接着剤に利用される。
そしてゼラチンは骨、皮膚を水で煮出したもので、コラーゲンが変性して水溶性になって
いる、とあります。炭素粒子をどのように吸着するのかな?






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宝石箱のような鉱物モデル(林まさ)

 盛口さんの紙で作った正四面体を並べた鉱物モデルにヒントを得て、陽イオンも組み込
んだモデルを作成してみました。くわしい製作法を解説したレポートも作りました。
 陽イオンはスチロール球を蛍光ペンで色づけし、0.5mm塩ビ板に貼り付け、1mm塩
ビ板で作った箱に収めました。作成したのは
  繊維状鉱物の斜方輝石 (Mg、Fe)SiO3
  層状鉱物の黒雲母 K(Mg,Fe)3(AiSi310)(OH)2
  骨組み構造鉱物のクリストバル石 SiO2
の3種で、宝石箱のように美しいのですが、かなり手間がかかりました。でもこれで無機
高分子化合物の授業が楽しみです。なお陽イオンの位置など推測した部分があり、確認で
きるデータがほしいです。

簡易平衡モデル(林まさ)

 以前に高圧電源を利用した平衡モデルを製作したのですが、装置が大がかりでいつか簡
易型を作りたいと思っていました。
 9×18×9cmの箱を工作紙で作り、底の一方を2cm高くして、BB弾約180個
(100均で300個100円)を入れ、0.5mm透明塩ビ板でふたをする。マッサージ
機に3mmのアクリル板を5×18cmに切ってセンターを1cmずらしてガムテープで
固定し、この台に箱を取り付けます。台をずらさないと節ができて、BB弾が高エネルギ
ー物質と低エネルギー物質の間をなかなか行き来しません。
 そしてマッサージ機は弱の方がBB弾が共振して激しく動くのです。やってみないと分
からないことがいくつもありました。
 ところがマッサージ機さえ必要でないのです。試しに箱を手で振動させると、自由自在、
低温では発熱反応の向きに、低温では吸熱反応の向きに平衡が移動します。こうして平衡
モデルは超安価、超簡易型になりました。これなら生徒たちに体験させることができます。

イオン交換樹脂(林まさ)

 1%硫酸銅水溶液10mlに陽イオン交換樹脂を薬さじ1杯加えて振り混ぜると、銅イ
オンが吸着されて、ろ過するとろ液は無色になる。続いて樹脂に6mol/l塩酸10ml
を加えて振り混ぜると、再び銅イオンが溶出して黄緑色の水溶液になります。イオン交換
樹脂のはたらきがよく見えます。
 そこで、最初の段階で水素イオンが溶出することを確認できないか、という意見が出ま
した。またサークルの前日に試してうまく行かなかった、グリシンの両性イオンにかかわ
る実験がありました。これらについては次回に報告します。

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紅いも電気パン(福島)

 沖縄特産の紅いもの色は、そのpHによる変色を調べてみると、アントシアンであるよ
うでした。この紅いもの粉を加え、炭酸水素ナトリウムを追加して緑色の電気パンを作っ
てみました。
 薄力粉70g、紅いも5g、ベーキングパウダー3g、これに炭酸水素ナトリウム
0.75gを追加する。そして砂糖20g、食塩1gを75mlの水に溶かし、かき混ぜて
パンきじを作る。
 電気を流すとしっかり緑色のパンができ、試食するとなかなかの味で納得です。
 比較のため炭酸水素ナトリウムを加えない場合も実験しましたが、紅いもの量が間違え
て少なすぎ、赤紫色のパンは見ることができませんでした。なお、こちらは塩化ナトリウ
ムをすこし増やして電導性を確保した方がいいかもしれません。
 ちなみにベーキングパウダーは「ポシェット総合食品辞典」(桜井、同文書院)〜そう言
えばこの本はこれまで紹介したことがないように思いますが、化学にもすごく役に立ちま
すよ。2600円くらいです。)によると、炭酸水素ナトリウムに固体の酸性物質を加えた
もの。後者には、酒石酸、ミョウバン、酸性リン酸塩などが使われる。いずれも水を加え
ると反応が促進されて二酸化炭素を発生する。商品は吸湿のためにかたくり粉などが加え
てある、とあります。

白金黒で点火(船橋)

 割りはしにのりを付け、白金黒を少し付ける。これをメタノールを少量入れたビーカー
に差し入れると点火して燃焼が始まる。これは「原子と原子が出会うとき」(板倉、仮説社)
にあった実験。それにしても白金の触媒作用はすごいですね。

燃料電池パートU(船橋)

 今回は内田洋行の燃料電池組み立てセット。#200のニッケル金網2枚を塩化パラジ
ウムで無電解めっきする。これをディスポーザル注射器に差し入れてニッケル線をつない
で電極とし、5%水酸化ナトリウム水溶液に立てる。そして水素と酸素をボンベから注射
器で注入すると・・・、今回はめっきがうまく行かなかったのかソーラーモーターは回り
ませんでした。しかし電圧は0.9V、電流も10mAあり、メロディテスターはしっかり
鳴りました。
 これは燃料電池のしくみが見えるので、もうすこし工夫すればよい実験道具になるよう
に思います。



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9・11テロのエネルギー(澤田)

 サイエンス12月号に、貿易センタービルに対するテロで発生したエネルギーが「惨劇
のエネルギー」として掲載されていました。
  ビル2棟の崩壊エネルギー       2×1012
  燃料の爆発・燃焼のエネルギー     6×1012
  旅客機の衝突エネルギー        9×109
これはトマホーク3400発、広島型原爆0.1個に相当する。
 ここで崩壊エネルギーの計算が合わない。
  高さ          平均416m
  総重量       1憶2500万トン
とすると
  1.25×1011×9.8×208=2.5×1014[J]
となります。桁違いになるのはどうしてでしょうか。

消臭剤(澤田)

 消臭剤は次の方法でにおいを消している。
  化学的消臭  中和や酸化還元で臭わない物質に変える
  物理的脱臭  活性炭などで吸着する
  生物的防臭  悪臭を発生する微生物を殺菌したり、
             その繁殖を抑制する微生物を使う
  感覚的消臭  強い芳香で覆ったり、他の成分と混合して芳香にしてしまう。
 トイレ用のスプレー式消臭剤の成分表示は両性界面活性剤となっています。アンモニア、
低級アミンは酸性(反応して陰イオンになる)の部分が、硫化水素、メチルメルカプタン
は塩基性(陽イオンになる)の部分が反応するようです。そしてスカトールなどは親油性
の部分でミセルをつくるようです。
 ここまで下調べができたので、アンモニア、硫化水素、ベンゼン蒸気などでその効果の
ほどを調べてみたい。それにしても消臭したあと空気中に留まる薬剤は、安全なのでしょ
うか。

有機化学の導入(岡田)

 炭化水素のところで、始めに全生徒に分子模型を渡して異性体探しをする。
    C512     3種
    C614     5種
    C716     9種
模型を使うので、構造式の意味するところが具体的に分かり、思い違いがない。

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 そして命名法を教え、すべての異性体の名称が分かると、その面白さから生徒が化学に
乗って来ます。
 確かに物質を分子模型で次々に組み立てられることは、一種の驚きであり、化学理論の
勝利の証ですよね。

化学Aの自主編成(西尾)

 西尾さんの高校で協同で取り組んでいる化学Aの自主編成の3学期分の授業プリントが
紹介されました。環境・エネルギー問題など現代の課題を前面に出した緻密な内容です。
 教材作成の意図や実践についてもっとくわしく知りたいものです。



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