96.10.20
事務局:林 正幸
MOLの会通信96−10号
参加者は、岡田、鹿野、鈴木ひ、林まさ、船橋、村山、水谷、水野でした。以下に報告
する内容の他に、
(1)実験に対する生徒の姿勢や実験の指導法
(2)「絵でわかる熱力学」(小暮著、オーム社)がお勧め(鈴木ひ)
(3)発展途上国(フィリピン)における教員研修制度に関する問題提起
(4)日本における研修体制の貧困ぶりと自主研修の気概
などが話題になりました。
科教協「お楽しみ広場」から(船橋)
[a]笛づくり
太めのストローの端を30゜に切り、ネガ
フィルムをスペード型に切り抜いて、図のよ
うにリードとしてセロテープで取り付ける。
スペードの頭の部分がストローの斜めの穴を
少しだけはみ出すようにし、茎の部分で折っ 図1
て穴をふさぐかふさがないか程度に加減し、
根の部分をストローにセロテープで巻き付け
て固定する。リードを口の中に入れて吹いて
音が出るように工夫する。うまくできたら丸い風船を図のようにセロテープでしっかり取
り付けるとでき上がり。反対から吹いて風船を膨らませ、離すとブーブーと音を立てる。
音色はひとつひとつ微妙に違う。トロンボーン式にさらに太いストローをかぶせて長さを
変えると音程が変化する。途中に線香で穴を空けてみたが、かえって音が出にくくなる。
高い音程は、ストローの長さよりリードの加減で実現するらしい。ついでに簡単なストロ
ー笛の作り方も紹介された。
[b]虹づくり
黒い紙に強力スプレーのりを吹き付けて、これにガラス製の「虹ビーズ」をフィルムケ
ースに入れて針で穴を開けた紙をかぶせ、こしょうをを振りかけるように均等にまく。余
分なビーズは回収する。できたスクリーンを、太陽を背にして見ると虹が見える。スクリ
ーンを太陽光に対して斜めにするとより太くて鮮やかな虹が観察できる。両目の視差の加
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減からか、よく見るとすこしずれて2つの虹が重なっている(副虹ではない)。また部屋
を暗くして豆電球で照らすと、それを中心に円形の浮き上がった3D虹を見ることができ
る(どうしてそうなるのか?)。この虹ビーズは0.1mm程度の細かなもので、近く中村
理科から売り出されるとのこと。
[c]ホログラムシート
これで光源を眺めると8方にスペクトルができて実に美しい。シートに段ボールなどで
枠を付けて生徒に観察させるとよい。その仕組みはどうやら4枚の回折格子を45゜ずつ
ずらして貼り合わせたもののようだ。シートに近ずくと2次のスペクトルまで見えてにぎ
やかだ。花火も8倍楽しめる。夜景や自動車のヘッドライトの波を眺めたら、それはもう
幻覚の世界であるとのこと。このシートは東急ハンズで売っている。これを鏡に貼り付け
て「鏡の部屋」を作ったら、学校祭で受けるかも。
[d]フラッシュロック
暗いところで石英片岩という白い石をこすりあわせると、ピカッ、ピカッと光る。岩石
に生じたひずみが光エネルギーに変換されるためである。圧電素子に似ている。阪神大震
災のときの発光現象は、この岩石が野島断層に分布していることによる。そんなことを知
らなかったら、さぞかし無気味に感じたことであろう。
藍のたたき染め(岡田、鹿野)
植物の藍が手に入った。見てみるとタデである。きいてみると藍はダデ科である(なっ
とく!)。さらしの上に裏を下にして葉をのせ、上下10枚くらいのわら半紙で挟んで金
づちでたたく。そして空気に晒しておくと、すこしずつ黄緑色が青緑色に変わっていく。
時間がかかるので、最後にどうなるのか、水洗いに耐えるのかなどは分からなかったが、
葉の模様ができて、Tシャツなどを染めたら良さそうであった。
イソジンとマッチ(岡田、鹿野)
デンプン水溶液をつくって、その50mlくらいにうがい薬イソジンを数滴加えると青
色に発色する。ヨウ素・デンプン反応である。この容器の中で数本束ねたマッチに点火し
て燃焼させ、ふたをして振り混ぜると脱色される。ヨウ素が発生する二酸化硫黄で還元さ
れてヨウ化物イオンになったためである。
I2 + SO2 + 2H2O ―→ 2I- + 4H+ + SO42-
ワンカップ酒のびんで実験したが、もとより集気びんでできそうである。ヨウ素は酸化還
元反応を受けやすく、ヨウ素滴定という分析法もある。また時計反応や振動反応にも利用
されている。
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ホームページで
教研情報の発信・交流を!(林まさ)
理科教育の研究交流の新しい手段としてインターネットが注目される。それで9月10
日にはホームページを立ち上げた。
http://www.zzz.or.jp/masasuma/index.htm
これによって理科教師がそれぞれ情報を発信するようになれば、そして互いにのぞいて利
用・批判するようになれば、日常的な研究交流が実現する。
私としてはホームページを次のような構成にした。
1 自己紹介
2 私が好きな実験
3 私の教材と主張など
4 掲示板
5 お勧めリンク先
現在150K余りの情報を掲載している。メモリーの節約のため文字情報に限定している。
詳しくはこの内容を紹介したレポートを参考にしてほしい。
ちなみにインターネットには光と陰あると言われるが、出版社、新聞社、放送局に中央
集権化された現在の情報社会が、ホームページによって根本から民主化されるという期待
が、私を駆り立てたもうひとつの原動力である。
今回はこれに掲載している実験から、まだサークルに紹介していない実験を取り上げた。
[a]酢酸エチルの合成
短時間でできるのが特徴。太い試験管(酢エチが環流しやすいため)に酢酸8ml、濃
硫酸4ml、エタノール8mlをこの順に加えて振り混ぜ、1分以上放置する。他方で水
約30mlに氷ワンブロック(酢エチが揮発しにくい)を入れたビーカーを用意しておい
て、反応混合物を注ぐ。これに炭酸ナトリウム8gを少しずつ加えて硫酸を中和する(塩
析効果)。これを元の試験管に戻すと、酢酸エチルが上層に分離する。生徒は脱脂綿に付
けてカラー印刷を拭いて消すと喜ぶ。濃硫酸が多いという意見があったので、半分にして
試してみたところ全く問題がなかった。
[b]アセトアニリドの合成
エステルに比べてアミドの地位を同等にするために取り上げたい実験。アセトアニリド
を再結晶で分離する点も価値がある。三角フラスコに水20mlとアニリン2.0ml、無
水酢酸2.4mlを入れて、1分ほど振り混ぜて反応させるとペースト状になる。
C6H5NH2 + (CH3CO)2O ―→ C6H5NHCOCH3 + CH3COOH
これに水30mlと沸とう石を入れて全体が溶解するまで加熱する。他方で水約70ml
を入れたビーカーを用意しておいて、反応混合物を注ぎガラス棒で器壁をこすりながらか
き混ぜると、アセトアニリドが結晶化してくる。これを水道水で冷却してからろ過すると
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鱗片状の白い結晶が得られる。ちなみにこの薬品は解熱剤である。
酸化銅の還元(鈴木ひ)
中学の授業の中で、酸化銅を生徒が思いつく食品などさまざまなもので還元することに
こだわってきた。具体的には10円玉をバーナーで焼いて黒く酸化し、これを熱いうちに
たとえばマヨネーズに浸けると銅の地肌が現れる。ただし一部黒い部分も残る。これを還
元と見てよいか。水でやると同様な結果が得られるが、はっきりと黒い粉が底に沈む。酸
化銅がはげ落ちている。これに対してエタノールに浸けると、より長く反応して完全に銅
のきれいな地金が現れて黒い粉も全くできない。どうやら水を含む食品などではこのやり
方では還元反応は起きないようである。
アルコールづくり(村山)
最近アルコール発酵に凝っている。本が何種類も出ている。果汁100%のりんごジュ
ースに1l当たり50gの砂糖を加え、これにドライイーストを茶さじ1杯加えて1週間
ほど放置すると立派に酒になる。
C6H12O6 ―→ 2C2H5OH + 2CO2
ブドウ糖
酵母は18〜25℃でうまくはたらくので、いまどきなら室温でかまわない。アルコール
分は市販のものより低めである。ただし砂糖を加えないとよい結果が得られない。味をよ
くするのにタンニンが有効で、紅茶などを加える。酵母は加え過ぎると臭いが着く。グレ
ープジュースでも同じようにできる。蜂蜜はその成分が果糖といわれるが、おいしい酒に
なる。1週間してから、少し砂糖を加えて今度はせんをしておくと、発生する二酸化炭素
のために発泡性の酒になる。
文化祭に向けてぶどう酒づくりを企画したらえらく生徒が燃えた。ぶどうをつぶして同
じようにすればよい。ぶどうを洗わなければ、酵母は付着していて時間さえ置けばそのま
までも発酵する。ただしこのぶどう酒はかなりくせのある味になり、飲みやすいとは言え
ない。
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林 正幸と主万子の始めの
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