01.9
事務局:林 正幸
MOLの会通信01−9
参加者は岡田、澤田、鈴木とし、林まさ、船橋の5名でした。雑談の中で管理主義の動
向が話題になりましたが、それが教師の協力体制を破壊し、生徒の自主性を否定する結果
になることは証明済みです。「教育にとって大切なことは何か」を考える教師の輪を広げて
いくことでしょう。また10月の「科学の祭典」の出展準備として、ダニエル型電池と鉛
蓄電池の操作確認をしました。また最後には
「生徒化学実験の安全性確保」
「環境問題におけるエントロピーの位置づけ」
について話し合い、終了したのは7時でした。なお岡田さんの「有機化学の導入」は次回
まわしになりました。失礼!
続:白金と王水(岡田)
白金を王水に溶かすのに苦労している岡田さん、ホットプレートを使わない方法を試し
ているが、塩酸をかけてから硝酸をかけても、試験管の中で王水に白金箔を沈めても反応
しない。
と思いきや、今回サークルが終わるときには、試験管の中で気付かないうちに溶けてい
ました。これまで冬場に実験していたので、温度かもしれない。ただし加熱してはうまく
いかないのは分かっている。これは微妙な条件があるらしい。たとえば恒温そうを使って
調べてみてはどうだろうか。
カラフルな金属結晶モデル(船橋)
直径が50〜60mmの、モールを貼り付けたピンク、黄色、緑の発泡スチロールが大
量に入手できた。工場が倒産したためだそうである。
そこで早速、カラフルな体心立方、面心立方、六方最密構造のモデルを作ってみた。
0.8mmの塩ビ版で箱を作り、丸い玉のまま詰め込む方式である。
サークルでは船橋さんが準備万端、参加者は展開図の塩ビ版を折り曲げてセロテープで
箱にするだけ、数分ののちにデモ用の大きいモデルを完成できました。
このスチロール球は買えば1個が100円以上する代物、それを100以上ももらって
大満足、帰りが大きい荷物になりました。
燃料電池(船橋)
中村理科の「燃料電池」、定価は3万近い。注射器で水素と酸素を供給するとソーラーモ
ーターはもちろんのこと、小型のマブチモーターがまわり、そして豆電球も点灯する。酸
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素を空気に代えてもOK。電解液は水酸化ナトリウム水溶液で、教材としても説明しやす
い。
負極 2H2 + 4OH- −→ 4H2O + 4e-
正極 4e- + O2 + 2H2O −→ 4OH-
ただし内部がブラックボックスになっていて、しくみが観察できないのが難点である。
そして生成する水はどうなるのか、疑問が生まれました。これに対して内田洋行から組み
立て式の「生徒実験用太陽電池」が出ている。船橋さんはこちらも入手していて、検討、
工夫をしてみるそうです。
三色電球(澤田、鈴木とし)
電球に凝り始めた澤田さん、飯田さんの蛍光灯による加法混色に刺激されて、今回は赤、
緑、青の三色の電球を白い紙の上に三角形に配置して、中央に物体を置いて色々な影をつ
くる。それぞれの電球にはスイッチが付けてあるので、単色や二色の実験もできる。
面白いのは、中央に白い六角柱を置くと、側壁が赤、黄、緑、シアン、青、マゼンタと
すべて異なる色になる。また背が低いリングを置くと、外壁と内壁が補色になる。そして
紙コップを逆さにすると、コップのはかまが程良い壁になってコップの底に、中心部が白
色の見事な加法混色が見られました。
電球は東急ハンズで400円で購入したが、緑がすこし青ぽいのが気になるとのこと。
グルコノラクトンの豆腐(澤田、鈴木とし)
豆乳を凝固させるグルコノラクトン、10キロ単位でしか入手できないところを、藤沢
薬品が試供品と説明書を送付してくれた。
鎖状のグルコースのアルデヒド基をカルボキシル基にした構造のグルコン酸が、さらに
分子内エステル化した、分子式が C6H10O6 のδ−ラクトン(六角形の環状)である。
これは水溶液で高温になるとグルコン酸になり、その酸性が豆乳を凝固させるようで、パ
ック充填式の豆腐の製造に向いている。ちなみにグルコン酸の酸性はα位のヒドロキシル
基で高められている。
これでスジャータの豆乳を固めようとチャレンジ。標準の500mlあたり1.5gでは
軟らかすぎたと、今日は2gと2.5gを加え、かつ加熱時間も変えてみました。温度を高
くしないと固まらなかったということで、湯煎で92℃にした。できばえを吟味する中で、
加熱時間を92度で10分くらいと長く、そしてグルコノラクトンは2g以下に抑えた方
が良さそうに思えました。ただし蒸し器で10数分加熱した場合は、すが立ってだめであ
ったとのこと。
なお船橋さんの経験によると、ある時期から豆乳が凝固しにくくなったそうである。参
加者は4種の豆腐を食べてかなりお腹がふくれましたが、2人のチャレンジは続いていく
・・・。
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注射器による分子量測定(岡田)
1mgの精度のデジタル天秤を購入した岡田さん、盛口方式の分子量測定を生徒実験さ
せ、失敗が無く非常に良好でだった。
50mlのディスポーザル注射器の50mlのところで固定できるように、焼いたくぎ
で穴を通しておく。ミニの三方コックが針の代わりにちょうどはまる。そこでまずコック
を閉じてピストンを引きくぎで止めて、50mlの真空をつくってその質量を計ると、
31.119gであった。次に空気を50ml入れると31.176gである。温度は27
℃であり、圧力は1atmとして計算すると分子量が28.0で誤差が1程度。さらに簡易
ボンベから気体を入れて計測すると、酸素は分子量が31.0、窒素は26.6、二酸化炭
素は43.8となりました。
ポイントはくぎで固定した体積を、少々違っても50mlとして生徒に与えて計算させ
ると、状態方程式に代入するだけで分かりやすい。また天秤が風を受けないようにする。
電気泳動(林まさ)
バットの底に5cm角のステンレス板を2枚向かい合わせてビニールテープで固定しま
す。そしてスライドガラスにマッチの軸を貼った低いテーブルを間に縦に置きます。スラ
イドガラスとステンレス板は1cm離れるようにします。そして約12cmに切ったペー
パークロマト用のろ紙を2枚、両方のステンレス板にまたがるように平行に乗せます。そ
して5cm角のクッキングペーパーを、ろ紙に被せるようにステンレス板の上に乗せます。
こうして5%硫酸ナトリウム水溶液をピペットで染み込ませます。スライドガラスの上は、
ろ紙との間に水溶液を含ませないように別のろ紙で吸い取ります。この部分のろ紙は表面
に液があふれないように注意します。
9V乾電池(006P)2つで電気分解を始めます。そして1cm角に切ったクロマト
用ろ紙に、一方は濃度が高いテトラアンミン銅イオン、他方は過マンガン酸イオンの溶液
を染み込ませて液を切り、それぞれろ紙の中央に置きます。5分もすると銅の錯イオンは
陰極の方に、過マンガン酸イオンは陽極の方に移動していることが観察できます。10分
で3mmほど移動します。おまけで20分すれば5mmほどになります。しかしこれ以上
はろ紙が乾燥してきて無理があります。陽極のクッキングペーパーはステンレス板の端の
部分が黄色のなります。反応して鉄イオンができているのです。
サークルでの実験が良い結果にならなかったのは、やはり硫酸ナトリウムの濃度が小さ
過ぎたようです。
簡易DNAモデル(林まさ)
かつて構造式を書いた円板を階段状に貼り合わせるDNAモデルを生徒に製作させてい
たが、最近もっと簡略なモデルの図版を入手した。つまり
アデニンをA、シトシンをC、グアニンをG、チミンをT
そして
デオキシロボースをD、リン酸をP
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とのみ表した短冊を階段状に貼り合わせるのである。これは6種の構成物質を色分けでは
っきりと認識させられるというメリットがある。ただし元の図版は糊しろが小さくて貼っ
ていくあとから剥がれてしまう弱点があり、その面積を2倍にするという修正をしました。
あとは1cmに切ったストローと、たこ糸があればよい。
早速授業に使いたいと、印刷した画用紙はすべて無くなりました。
天然高分子化合物の授業(林まさ)
「天然高分子化合物」の授業プリントを紹介した。
実験1 「わら」から紙をつくる
1.セルロースとポリイソプレン
2.セルロース工業
実験2 デンプンとタンパク質
3.デンプン
4.糖類
5.アミノ酸とタンパク質
6.核酸
7.岩石
セルロースでは紙を取り上げないのはおかしい。そしてポリイソプレンを付加重合の例
として位置づけました。高分子を天然物から教え始めるには配慮が必要です。タンパク質
は「生命活動を営む分子」という視点から展開しました。核酸はそれとの対比もあって化
学的側面を中心に取り上げた。岩石、鉱物も外したくないと思います。
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