99.5
事務局 林 正幸
MOLの会通信99−5
参加者は岡田、河合、澤田、鈴木とし、戸田、林まさ、船橋の7名でした。始まる前に
は、ホームページづくりや、3月にスタートした愛知科学教育ネット(「メーリングリス
ト」 現在会員18名)が話題になり、インターネットの広がりをうかがわせました。ま
た駄洒落の連発や浸水事件もあり、楽しいサークルでした。
授業プリント「元素と原子」(林まさ)
今回は中間試験までの
1章 元素と原子
2章 化学結合と物質
を紹介した。
化学史を踏まえた展開で生徒に、「ものごとがどのように認識されていくか」、また
「現在学んでいる知識や法則が絶対的なものではない」といったことを理解させたいと考
えている。
化学の始めの部分は抽象的で分かりにくい。そんな中で「しょう油から食塩を分離する」
や「ワインを蒸留してブランデーをつくる」はいい教材だ。「それならしょう油の実験を
してみよう。」 「85℃で分留して沸点が低い方は火が着き、高い方は火が着かないこ
とを確かめるのもよい。」 といった話題も出た。
ナイロンの界面重合をめぐって(岡田)
「6,10−ナイロンがよく合成されるが、6,6−ナイロンでもできますよね。その
方が教科書にも合うし・・・」 6,10−の方がうまくできると言われていたが、アジ
ピン酸クロリドで同じようにできるはず。
「四塩化炭素からジクロロメタンにしたが、それも発ガン性が気になりヘキサンに変え
た。ところが密度が水より小さいことを忘れて、後からヘキサメチレンジアミン水溶液を
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加えたので、大失敗した。やり直したが、同じ溶液を使っているのに何故か2、3のグル
ープがナイロンを引き上げると切れてしまう。」
「私もヘキサンでやっているが、同じ体験をしている。重合を阻害する物質がビーカー
に付着していたりするのではないかと、10種以上の物質を試したがいずれもうまくでき
た。原因がよく分からない。」
あとで思ったが、溶解性で話題にしたように、ヘキサンは一級と特級では大きく違う。
一級では微妙に不純物の影響があるかも・・・。
「5円玉の穴をパチンコ玉が通り抜ける!」(船橋)
空のワイン瓶の口に5円玉を乗せ、紙の筒を首までかぶせてその上から1cmの鉄球を
入れると、見事穴を通り抜けて瓶の底に落ちる。パチンコ玉でもできる。穴のない1円と
ビー玉でもOK。
種明かしは、5円玉が鉄球の重量で跳ね上がっている。
授業開きに使ったが、大受けだった。
えんぴつ蓄電池(船橋)
杉山(剛)さんのホームページに載っている。2本の鉛筆をいわゆる泥棒削りして硫酸
ナトリウム水溶液などに立て、006p電池(9V)でしばらく電気分解して、次に「電
子メロディ」(ナカムラ)をつなぐと高らかに音楽が流れる。手まわし発電機を使うとき
は、まわしながらクリップを外さないと、放電してうまく行かない。
水の電気分解で生成した水素と酸素が鉛筆の芯に吸着されて、水素・酸素の燃料電池に
なっている。
塩化亜鉛水溶液を使うと亜鉛が析出して、ソーラーモーターを3秒ほどまわせる。
ペルチエ素子2題(船橋)
これもアルケの杉山(剛)さんに依る。
ペルチエ素子(MO40)をバッテリー(12V)につなぐと、2.6Aほどの電気が流
れ、冷却面はデジタルマルチメーター(GBW9000)で計ると−20℃になった。
これを7cm角のアルミブロックに乗せて発熱面を放冷しながら、水滴を垂らすと数秒
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で氷になる。しばらくするとアルミが持てないほど熱くなる(70℃ほどの温度差ができ
る)ので、長時間のときは冷たい水などで冷やすとよい。
この実験は携帯のバッテリーがあると便利である。
反対にペルチエ素子の両面にCPUテープ(放熱用接着テープ)で銅板を貼り付け、曲
げて銅板を熱湯と氷水に浸けるとソーラーモーターがまわる。銅板を入れ替えると、反対
にまわる。電圧は0.66Vあった。
結晶モデルを8倍楽しむ(船橋)
結晶モデルに凝っている船橋さん、EHCでは結晶・分子モデル製作シリーズが進行し
ている。今回のアイデアは、ポリカミラー(ポリカーボネート製のフレキシブルミラー)
のコーナーリフレクターを作って、1つの単位格子で8倍のイメージを楽しめる。
なおこの鏡は、自分の顔を写すと必ず目がコーナーにある。そして鏡をどう回転させて
も顔が逆さに写っている。
デジタル表示加速度計(船橋)
加速度計はEHCでも工夫してきた。数年前には4万円の素子があることが分かったが、
あまりに高価で1台試作しただけだった。それがエアバッグの普及で、なんとデジタル表
示のキット(HARRIS)で4700円。100分の1Gの精度で−Gから+Gまで、
物理実験などにバッチリである。
シランの発生(林まさ)
二酸化ケイ素0.6gとマグネシウム末1.0gを乾いた試験管に入れて振り混ぜ、スタ
ンドに斜めに固定してバーナーで強く加熱する。しばらくすると瞬時に反応が起き、黒い
ケイ化マグネシウムができる。反応が激しく、今回は試験管が割れて落ちた(すこし反応
混合物が飛び出すこともある)。試験管の下部を割ってガラス片ごと2mol/l塩酸約
50mlに投入すると、シランが発生して空気に触れるやバチバチと燃焼する。
SiO2 + 4Mg ―→ Mg2Si + 2MgO
Mg2Si + 4HCl ―→ 2MgCl2 + SiH4
SiH4 + 2O2 ―→ SiO2 + 2H2O
非金属各論の実験教材のひとつにしている。
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ザルツマン試薬の活用(林まさ)
従来のアルカリろ紙による二酸化窒素の汚染調査に変えて、アルケの山本さんのやり方
に変えた。
1%スルファニル酸水溶液(A液)と、0.01% N−(1−ナフチル)エチレンジア
ミン二塩酸塩水溶液(B液 リン酸を6%になるように加える)。両液10mlずつを透
明なポリ袋(私は32×38cm)に入れ、空気を包み込んで数分激しく振ると、うすく
赤紫色になる。それから、二酸化窒素を発生させたり、自動車の排気ガスを取り込んだり
して試したら毒々しいほどの色になり、改めて排気ガスの汚染のひどさを実感した。
そして反応にすこし時間がかかるので、数分待つ必要がある。なおザルツマン試薬は不
安定と言われているが、10日くらい放置しても大丈夫である。
二酸化窒素は水と次のように反応するが、
3NO2 + H2O ―→ 2HNO3 + NO
おそらく濃度がごく低いときは
2NO2 + H2O ―→ HNO3 + HNO2
のように反応して、この亜硝酸がジアゾ化とカップリングの反応を起こすのだろう。
アゾ染料と一緒に実験している。
ナスとこんにゃく(澤田)
「ナスをこんにゃくと煮ると緑色になる。」 ナスの色素はアントシアン系、アルカリ
性では緑色になる。こんにゃくは現在は水酸化カルシウムで凝固させている。フェノール
フタレインをたらすと真っ赤。
なおカレー粉の色素のひとつはクルクミン、これがアルカリ性で赤色になる。
こうしてみると、身近なところに酸・塩基教材がある。
だんごで正四面体など(河合)
何でも教材にしてしまう河合さん、今回は「だんご3兄弟」にちなんで串刺しだんごで
正四面体を組み立てるクイズ(図解できなくて失礼)。
他にルーマニアの周期表を、日本人学校の先生の多久和さんから入手。そして写真入り
周期表を切り取ったりして黒板に貼って利用するアイデア。
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いま授業で「何でも原子で考えよ。人間みな原子・分子で平等だ。」などと攻めている。
そうしたら「どうして色が着くか」と質問されて困った。
一度徹底して考え通してみるのも勉強になる。この日は口頭だったが、次にレポートを
期待したい。
ついでにフラウンホーファー線や、ナトリウムランプ下の黒い炎についても話し合った。
「超能力」をめぐって(戸田)
ホームページを立ち上げ中の戸田さん、「毎年生徒にアンケートを採っているが、幽霊や
超能力を信じるのが80%、90%といる。テレビの影響も大きい。超能力がどんなもの
か、私がそのような演示をして考えさせている。」
これは理科教育の根幹に係わる。生徒が「超能力を信じない」と言うようになれば事足
れりではない。そもそも認識とはどのようにして形成されるものかを納得させる必要があ
るのではないか。信頼できそうな筋から情報を集めることではないのだ。
ちなみに「風船に針が刺せるほど上手な針灸師がいるという話に、奥さんに風船に鉛筆
を刺してみせて驚かせた」という話も飛び出した。
綿の苗(戸田)
「綿の苗を植えませんか。」 綿は1年草で種子から育てるが、発芽しても枯れること
が多い。そこで1昼夜水に浸けたあと、3日間30℃の恒温槽に入れてから植え付けたら
うまくいった。
日当たりがよいところに移植すれば、秋にはたくさんの綿ができる。
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林 正幸と主万子の始めの
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