(林 正幸)
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q99−021
テルミット反応で必要な酸化鉄とアルミニウムの量は?etc
質 問
この前、理科の時間にテルミット反応の実験をしたのですが、少し疑問に思うことがありました。
*アルミニウム箔より粉末を用いるのはなぜですか?
*酸化鉄からテルミット反応を用いて、純鉄22320kgをつくるには
どれだけベンガラとアルミニウムが必要なのですか? その計算方法を教えて下さい。
説 明
*アルミニウム箔より粉末を用いるのはなぜですか?
一般に化学反応は物質どうしが出会って(衝突して)はじめて反応することができます。反応物質が固体の場合は反応の種類にも依りますが、できるだけ両方の接触が大きくなるようにしてやらないと反応しにくいわけです。こうしてテルミット反応は粉末どうしで、よく混合してから点火をします。ちなみに温度を高くしてやると、原子や分子の熱運動が激しくなって反応しやすくなるのです。
*酸化鉄からテルミット反応を用いて、純鉄22320kgをつくるには
どれだけベンガラとアルミニウムが必要なのですか?
反応する物質の量を計算するためには、反応式が必要です。
Fe2O3 + 2Al―→ Al2O3 + 2Fe
酸化鉄(V)
ベンガラ
反応式を見るとベンガラ(Fe2O3)1つとアルミニウム(Al)2つが反応してそのとき鉄(Fe)2つが生成するがことが分かり、これはベンガラ1molとアルミニウム2molが反応して鉄2molが生成することを意味します。1molは物質が6×10^23個であり、物質量(mol)は個数の単位と考えてよいことを思い出してください。まず鉄を2molつくるにはベンガラが1mol必要であることに注目します。
次にmolをgに換算します。そのためには次の関係を学習したはずです。
1molの質量はその物質の原子量や分子量など(式量)に
グラム単位を付けた量である。
こうして原子量
O=16 Al=27 Fe=56
から次の量が分かります。
鉄(Fe)1mol= 56g
鉄(Fe)2mol=112g
ベンガラ(Fe2O3)1mol=160g
結局つくる鉄と必要なベンガラの質量比は112/160となり、この比はいつも一定のはずです。そこで鉄22320kgに必要なベンガラをx[kg]とすると次の方程式ができます。
112/160 = 22320/x
これを解いて
112x = 22320×160 = 3571200
x=31886
つまり必要なベンガラはおよそ31900kgです。
次に鉄を2molつくるにはアルミニウムが2mol必要であることに注目すると次の方程式ができ
112/54 = 22320/y
y = 10761
必要なアルミニウムはおよそ10800kgと分かります。
q99−022
酸・塩基の規定度からpHを求める方法を教えてください
質 問
1規定塩酸、0.1規定塩酸の理論上のpHの求め方を教えてください。
0.1mol/lといっしょになって、分からないんです。
化学は化学Aしかやったことがなく、参考書を見てもわかりません。
説 明
酸性・塩基性の強さや中性は、すべて水素イオンのモル濃度で表現できます。そしてpHはその指数部分の符号を変えた数値です。たとえば
中性 [H+]=10^-7 はpH7です。
現在高校ではモル濃度は教えても規定度は教えません。モル濃度は
「溶液1[l]当たりに溶質が何モル溶けているかという数値」
です。これに対して酸・塩基の規定度は(酸化・還元の規定度もあります)
「溶液1[l]当たりに、酸性を示す水素が何モル含まれているか、
あるいは塩基性を示す水酸基が何モル含まれているかという数値」
です。たとえば
1mol/l塩酸(HCl) の規定度は1[N]
1mol/l硫酸(H2SO4)の規定度は2[N]
となります。
もうひとつの問題は酸や塩基の強弱です。酸の方で説明すると、塩酸のように100%水素イオン(と塩化物イオン)に電離していると言えるものが強酸です。
HCl ―→ H+ + Cl-
これに対して酢酸は通常1%程度が水素イオンに電離していて、このようなものは弱酸と呼ばれます。
CH3COOH ―→ CH3COO- + H+
したがって1[N]塩酸の水素イオンのモル濃度は
1mol/l=10^0となり、そのpHは0です。
また0.1[N]塩酸の水素イオンのモル濃度は
0.1mol/l=10^-1となり、そのpHは1です。
これに対して弱酸ではその電離度を考慮しないと水素イオンのモル濃度が分かりません。
以上は最小限の説明です。さらに疑問があればまたメールを送ってください。
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