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10 実験2 塩から酸と塩基をつくる
11 6.塩の反応 [a]気体の酸と塩基の生成
12 [b]弱酸と弱塩基の生成
[c]塩の反応
13. 宿題(演習)
課題 覚えておきたい反応式
生徒の混乱を避けるため、酸と塩基はアレニウスの定義に限定した。
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No
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[4]問1の中で酢酸の化学式は示性式と呼ばれるもので後ほど学習する。ここではこの
一例のみが登場するので、とりあえず記憶しよう。また(酢酸)分子には全部で4つの水
素原子が含まれるが、水に溶けて水素イオンになるのは1つだけである。つまり分子中の
すべての水素が電離するわけではない。
なおイオンの記号(イオン式)が書けるように、原子価やイオンの価数に注意を払おう。
[5]1分子の酸からいくつの水素イオンを生じるかによって、塩酸、硝酸、酢酸は(1
価)の酸であり、硫酸は(2価)の酸であり、リン酸は(3価)の酸であると言う。
[b]酸性
水に溶けた酸が示す性質は(酸性)と呼ばれる。これは要するに(水素イオン)が持つ
性質である。それには
・なめると(酸味)がある。
・指示薬BTBを(黄色)にする(リトマス紙を赤色にする)。
・亜鉛などの(金属)と反応して(水素)を発生する。
・(塩基)のはたらきを打ち消す。
などがある。
問2 「亜鉛と硫酸の反応」のイラストを描け。
[c]塩基とは
塩基とは「水に溶けて(水酸化物イオン OH- )を生じる物質」である。たとえば水酸
化ナトリウムは水に溶けると次のように電離して水酸化物イオンを生じる。
(続く)
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No
( NaOH −→ Na+ + OH- )
ナトリウムイオン
塩基の多くは(イオン性)物質である。
(アンモニア)は分子性物質の塩基であり、次のように水と反応して水酸化物イオンを
生じる。
( NH3 + H2O −→ NH4 + + OH- )
アンモニウムイオン
当面はこのような例はアンモニア以外は登場しないので覚えてしまおう。
問3 次の塩基が水に溶けて電離する反応式を書け。
水酸化カリウム KOH −→ K+ + OH-
カリウムイオン
水酸化カルシウム Ca(OH)2 −→ Ca2+ +2OH-
カルシウムイオン
水酸化銅 Cu(OH)2 −→ Cu2+ + 2OH-
銅イオン
(水酸化ナトリウム)、水酸化カリウム、アンモニアは1価の塩基であり、(水酸化カ
ルシウム)、水酸化銅は2価の塩基である。
[d]塩基性
水に溶けた塩基が示す性質は(塩基性)と呼ばれる。それには
・なめるとある種の(苦味)がある。
・指示薬BTBを(青色)にする(リトマス紙を青色にする)。
・(酸)のはたらきを打ち消す。
などがある。これはもちろん(水酸化物イオン)が持つ性質である。
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No
[b]塩基の強弱
塩基の強弱は複雑なので、酸の場合と似た考え方をするとして、結論だけを確認してお
きたい。
問3 1節で出てきた塩基を強塩基と弱塩基に分けておこう。
NaOH、KOH、Ca(OH)2 > NH3、Cu(OH)2
[c]酸性の強さ
問4 0.001mol/l硫酸の水素イオンのモル濃度はおよそいくらか。
この水溶液1[l]を考えると
H2SO4 は0.001mol存在する。
硫酸は2価なので、そして強酸であるので
水素イオン H+ は0.002mol存在する。
答 0.002mol/l
酸に価数があり、また酸に強弱があるため、水溶液の(酸性の強さ)は、溶けている酸
のモル濃度ではなく、(水素イオン)のモル濃度で表すことが合理的である。
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No
そして水のイオン積の関係式から、酸性とは
[OH-]<10-7[mol/l]
であるとも言える。
同様にして、(塩基性)とは
[OH-]>10-7[mol/l]
または
( [H+]<10-7[mol/l] )
である。
これから導かれる結論は、酸性、(中性)、(塩基性)のすべてが水素イオンのモル濃
度で表示できるということである。
問1 0.01mol/l水酸化ナトリウム水溶液の水素イオン濃度は何mol/lか。
(1)この水溶液1[l]を考えると
NaOH は0.01mol存在する。
水酸化ナトリウムは1価で、強塩基であるので
水酸化物イオン OH- は0.01mol存在する。
つまり [OH-]=0.01=10-2[mol/l]
(2)水のイオン積から
[H+]×10-2 = 10-14
[H+]=10-12
答 10-12mol/l
参考:10a×10b = 10a+b(a、bは負でも成り立つ)
110-c = 1/10c
[c]水素イオン指数
[1]ところで、酸性、中性、塩基性を表示するのに水素イオンのモル濃度の(指数)部
分の符号を変えた数値を使うことができる。たとえば
[H+]=10-5[mol/l] では 5
中性 [H+]=10-7[mol/l] では 7
問1 [H+]=10-12[mol/l] では 12
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というようである。この数値は(水素イオン指数)ないしpH(ピーエイチ)と呼ばれ、
よく利用される。
問2 酸性、中性、塩基性と、水素イオン濃度、pHの関係をまとめてみよう。
図3
[2]このように酸性の強さはたいてい(pH)で表示される。それなら水素イオンのモ
ル濃度ではなく、その指数部分を使う意味は何だろうか。
すこし難しくなるが、6章で物質が化学的変化をする「勢い」はモル濃度に比例するこ
とを学んだ。しかしより正確にはモル濃度の指数部分に比例しているのだ。こんなわけで
溶液を2倍、3倍と希釈しても顕著な違いが現れないことが多い。その場合は溶液を(1
0)倍、(100)倍と希釈するとよい。そんな例として紫キャベツ色素がpHの違いで
変色する実験をみてみよう。
問3 「紫キャベツ色素の変色」のイラストを描け。
[3]また上の実験は、水溶液のpHが物質に大きな影響を与えることを示している。生
物体内の各種の(酵素)は一種の触媒であるが、それぞれには(最適pH)がある。たと
えば胃でタンパク質を消化するペプシンは、胃酸(塩酸)によってpHが2になるときに
もっともよくはたらく。私たちの血液はpHが7.5に調節されており、たとえば過呼吸に
よってpHが大きくなると意識を失うなどの障害を引き起こす。
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No
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割りばしをよく燃焼させ、できた(灰)を(水)に落としてかき混ぜると、BTBが
(青色)になり、水溶液が(塩基性)になることを示す。
灰の中にははしの成分元素のカリウムが(炭酸カリウム K2CO3)となって含まれる
ためである。炭酸カリウムがすこし塩基性であることは次節で学習する。
[c]炭酸カルシウムから水酸化カルシウムをつくる(実験まとめ)
(炭酸カルシウム)製のチョークをそのまま水に浸けると、ユニバーサル指示薬が(深
緑色)になり、(わずかに)塩基性であることを示す(このことも次節で学習する)。
同じチョークをバーナーで強熱すると、一部(加熱時間が短い)が次の反応を起こす。
CaCO3 −→ CaO + CO2
炭酸カルシウム 酸化カルシウム
(酸化カルシウム)も白色固体で、見た目の変化はあまりない。
そのチョークを水に浸けると、ユニバーサル指示薬が(紫色)なり、水溶液は先の実験
に比べて(より強い)塩基性を示す。このとき次の反応が起きる。
( CaO + H2O −→ Ca(OH)2 ) (3)
水酸化カルシウム
生成する水酸化カルシウムは少ないが、これは強塩基であるので、明らかに水溶液の塩基
性が強まる。
(続く)
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No
[d]酸性酸化物と塩基性酸化物
実験を整理すると
二酸化硫黄 ( SO2 )
二酸化炭素 ( CO2 )
は水と反応して酸を生成し、
酸化カルシウム ( CaO )
は水と反応して塩基を生成する。
前者のように
(1)(水)と反応して(酸)を生成したり
(2)塩基と反応して塩を生成する
酸化物は(酸性酸化物)と呼ばれる。
後者のように
(3)水と反応して(塩基)を生成したり
(4)酸と反応して塩を生成する
酸化物は(塩基性酸化物)と呼ばれる。
実験からうかがえるように、硫黄や炭素のような(非金属)の酸化物の多くは(酸性)
酸化物である。そしてカルシウムのような(金属)の酸化物の多くは(塩基性酸化物で
ある。
参考:(2)と(4)のタイプの反応は次節で学習する。
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[e]酸性雨
酸性酸化物の多くは(気体)である。(燃焼)によって発生する二酸化炭素、二酸化
硫黄、二酸化窒素は大気と混合し、水蒸気や水滴と反応して(酸)になる。こうして雨は
酸性となる。
しかし発生する酸性酸化物が主に二酸化炭素であった時代は、(炭酸)が弱酸の中でも
弱い方なので、雨の酸性はpHが(6)に近くて問題は無かった。しかし人間が石炭・石
油などを大規模に燃焼させるようになると、それらに含まれる(硫黄)分が二酸化硫黄と
して発生するようになった。(亜硫酸)は弱酸であるが、さらに紫外線と酸素や、大気中
の「オキシダント」と呼ばれる汚染物質によって(硫酸)という強酸に変化する。加えて
高温燃焼に伴って発生する二酸化窒素は(硝酸)という強酸になる(後出)。
こうして雨の酸性はpHが(5や4)という強さになり、(土壌の酸性化)による森林
の立ち枯れ、湖沼の酸性化による水生生物の死滅、大理石の建物や彫刻の腐食(酸性雨つ
らら)などの被害が出ている。
ちなみに酸性雨のもとになる酸性酸化物は、慢性気管支炎など呼吸器系の障害も引き起
こす。
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No
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[b]注意したいこと
[1]ひとつは、アンモニアが関係する中和反応である。たとえば塩酸とのあ反応は次のよ
うであり
( HCl + NH3 −→ NH4Cl )
塩酸 アンモニア 塩化アンモニウム
水が生成しない。これを理解するには酸と塩基の考え方のレベルを上げる必要があるが、
とりあえずはそのようなものとして受け入れておこう。
[2]ふたつは、(中途半端)な中和反応である。
H2CO3 + NaOH −→ H2O + NaHCO3
炭酸水素ナトリウム
つまり、炭酸と同じ物質量の水酸化ナトリウムしか加えなければ、中和反応は炭酸の水素
を残した塩を生成する。
[3]みっつは、完全な中和反応で生成する塩でも、(厳密)には中性でないことがある。
前の実験では(炭酸カリウム K2CO3 )や炭酸カルシウム CaCO3 がすこし(塩基
性)であることを観察した。この理由は化学Uでくわしく学習するが、簡単な法則性があ
るので利用しよう。
強酸と強塩基からできる塩 完全に中性
強酸と弱塩基からできる塩 すこし酸性
弱酸と強塩基からできる塩 すこし塩基性
炭酸カリウムと炭酸カルシウムはいずれも(弱酸)と強塩基からできる塩である。ちな
みに炭酸水素ナトリウム NaHCO3 もすこし塩基性である。
このことは次のような中和滴定において無視できないことがある。
(続く)
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No
[c]食酢中の酢酸の中和滴定
[1]濃度不明の酸や塩基の水溶液がある場合、中和反応によってそれを計測することが
できる。その基礎になるのは、すでに学習した反応量(第3章)とモル濃度(第6章)で
ある。ここでは反応量の計算に関して一歩進んだ扱いをする。
[例題] 予め5倍にうすめておいた食酢を(ホールピペット)で10mlきっかり三角
フラスコに採り、指示薬として(フェノールフタレイン)2、3滴を加える。(ビュレッ
ト)に準備した0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液を滴下していくと、( )
ml加えたところで水溶液がすこし(赤色)になった。以上の実験から食酢中の酢酸のモ
ル濃度を求めよ。
(0)モル濃度の復習をしておこう。
c[mol/l]の溶液v[ml]に含まれる溶質の物質量[mol]は
( cv/1000 )で求められる。
(1)酸と塩基が中和するとき、酸からの水素イオンの物質量と塩基からの水酸化物イ
オンの物質量は(等しい)。
(2)5倍にうすめた食酢の酢酸のモル濃度をc[mol/l]とすると
中和した酢酸の物質量は
(10c)/1000
酢酸は1価であるのでそれから生じる水素イオンは
(1)×10c/1000[mol]
(3)中和した水酸化ナトリウムの物質量は
0.1×( )/1000
水酸化ナトリウムは(1)価であるのでそれから生じる水酸化物イオンは
1×0.1×( )/1000[mol]
(4)以上から、両辺の1000を省いて
1×(10c)=1×0.1×( )
c=( )
もとの食酢のモル濃度は5倍だから
答 ( )mol/l
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[2]ここでフェノールフタレインは(中和点)を検出するために加える。中和で生成す
る酢酸ナトリウム(塩)はすこし塩基性なので、そこで無色から赤色に変わるこの指示薬
が選ばれている。またこのように溶液を滴下して反応に必要な体積を計測する分析操作は
(滴定)と呼ばれる。
[d]中和滴定の関係式
以上を振り返ってみると、水素イオンの物質量は
酸がn価でモル濃度がc[mol/l]で体積がv[ml]である場合
n×(cv/1000)
で求められる。
また水酸化物イオンの物質量は
塩基がn'価でモル濃度がc'[mol/l]で体積がv'[ml]である場合
n'×(c'v'/1000)
で求められる。
したがって中和滴定では、それぞれの1000を省いて
(ncv=n'c'v')
という関係式が成り立つ。
問 濃度が分からない水酸化ナトリウム水溶液10mlを0.5mol/l硫酸で中和した
ところ17.4mlを必要とした。この塩基水溶液のモル濃度を計算せよ。
塩基水溶液をc[mol/l]とすると
2×0.5×17.4 = c×10
c=1.74 答 1.74mol/l
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No
[e]酸化物と酸・塩基の反応
すでに触れたように、(酸性)酸化物は塩基と反応し、塩基性酸化物は(酸)と反応す
る。これらは中和反応に似ている。
石灰水(水酸化カルシウム水溶液)にストローで息を吹き込むと白く濁る例では、酸性
酸化物である(二酸化炭素)が塩基である(水酸化カルシウム)と次のように反応する。
( CO2 + Ca(OH)2 −→ CaCO3 + H2O ) (2)
炭酸カルシウム
生成する(炭酸カルシウム)は水に溶けにくいので白濁し、それによって呼気に二酸化炭
素の含まれることが確認できる。そして炭酸カルシウムは塩である。したがってこれは前
節のタイプ(2)の反応である。
(酸性酸化物は塩基と反応して塩を生成する。)
胃酸過多の人に酸化マグネシウムを含む薬を投与する例では、塩基性酸化物である(酸
化マグネシウム)が酸である(塩酸)と次のように反応する。
( MgO + 2HCl −→ MgCl2 + H2O ) (4)
塩化マグネシウム
胃酸が塩化マグネシウムに変化して「むねやけ」がおさまる。(塩化マグネシウム)は塩
であり、これは前節のタイプ(4)の反応である。
(塩基性酸化物は酸と反応して塩を生成する。)
タイプ(2)の応用として排煙脱硫を見てみよう。石炭・石油を燃焼させると二酸化硫
黄が発生する。この排煙を水酸化カルシウム水溶液と反応させると、次の反応で90%以
上の二酸化硫黄を除去することができる。
SO2 + Ca(OH)2 −→ CaSO3 + H2O
亜硫酸カルシウム
亜硫酸カルシウムは硫酸カルシウム(CaSO4)に変化させて石こうとして販売される。
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No
アンモニアは気体の塩基であり、(揮発性)の塩基である。これに対して水酸化カルシ
ウムは不揮発性に塩基である。一般に、揮発性塩基の塩に不揮発性塩基を加えると、揮発
性塩基が発生する(タイプ(2)とする)。
[3]塩化アンモニウムの白煙
捕集した塩化水素とアンモニアを近づけると、次の反応によってはっきりとした(白煙)
を生じる。
HCl+ NH3 −→ NH4Cl
塩化アンモニウム
白煙は生成した(塩化アンモニウム)の固体である。一般に煙は半透明であり、気体で
はなく、液体か固体の微粒子である。
[b]弱酸と弱塩基の生成(実験のまとめ)
[1]水酸化銅の生成と中和
青色の(硫酸銅)水溶液に(水酸化ナトリウム)水溶液を加えると、次の反応によって
(水酸化銅)の沈でんを生成する。
( CuSO4 + 2NaOH −→ Na2SO4 + Cu(OH)2 ) (4)
硫酸銅 硫酸ナトリウム
(H2SO4とCu(OH)2の塩)
水酸化銅は水に(溶けにくく)、青色である。ろ液が(無色)であることに注意しよう。
水酸化銅は(弱塩基)である。これに対して水酸化ナトリウムは強塩基である。一般に、
弱塩基の塩に強塩基を加えると、弱塩基が生成する(タイプ(4)とする)。
そして水酸化銅に塩酸を加えると、次のように(中和)反応する。
2HCl + Cu(OH)2 −→ 2H2O + CuCl2
塩化銅
塩化銅は水に溶けやすい。ちなみに、(青色)は銅イオンによっている。
[2]炭酸の生成と分解
(石灰岩)(主成分は炭酸カルシウム)に(希塩酸)(うすい塩酸)を加えると、次の
反応により(二酸化炭素)が発生する。
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CaCO3 + 2HCl −→ CaCl2 + H2O + CO2
炭酸カルシウム 塩化カルシウム
この反応は2段階に分けると理解しやすい。まず炭酸カルシウムに塩酸を加えると、次
の反応によって(炭酸)が生成する。
( CaCO3 + 2HCl −→ CaCl2 + H2CO3 ) (3)
(H2CO3とCa(OH)2の塩)
炭酸は(弱酸)である。これに対して塩酸は強塩基である。一般に、弱酸の塩に強酸を加え
ると、弱酸が生成する(タイプ(3)とする)。
そして炭酸は(分解)しやすく、次の反応によって二酸化炭素を発生する。
H2CO3 −→ H2O + CO2
この2つの反応式を(積み算)すると始めの反応式が得られる。
[c]塩の反応
いくつかの似たタイプの化学反応が存在する。その特徴を把握しておくと、反応式を整
理したり記憶したりするのに役立つ。
ここでは反応物質が塩である反応を取り上げた。
問 タイプ(1)〜(4)を抜き書きしてまとめ、(1)と(3)についてそのイメージ
を図示してみよう。
(1)揮発性酸の塩に不揮発性酸を加えると、揮発性酸が発生する。
(2)揮発性塩基の塩に不揮発性塩基を加えると、揮発性塩基が発生する。
(3)弱酸の塩に強酸を加えると、弱酸が生成する。
(4)弱塩基の塩に強塩基を加えると、弱塩基が生成する。
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No
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(B)(A)を除いて、塩基性酸化物の例を1つ上げ、その化学式と名称を答えよ。
MgO 酸化マグネシウム
4.中和に関する次の問に答えよ。
問1 次の酸と塩基の反応式を書け。
(1)塩酸と水酸化ナトリウム
HCl + NaOH −→ H2O + NaCl
(2)リン酸と水酸化カルシウム(完全に中和する場合)
2H3PO4 + 3Ca(OH)2 −→ 6H2O + Ca3(PO4)2
問2 次の塩が中和によって生成する反応式を書け。
(1)硝酸カリウム ( HNO3 + KOH −→ H2O + KNO3 )
(2)炭酸カルシウム ( H2CO3 + Ca(OH)2 −→ 2H2O + CaCO3 )
問3 次の文を完成せよ。
予め5倍に希釈した食酢を(ホールピペット)できっかり10ml採り、指示薬として
(フェノールフタレイン)を加え、(ビュレット)に入れた0.1mol/l水酸化ナトリ
ウムで(中和滴定)したら、14.3mlで溶液がうすい(赤色)になった。元の食酢に含
まれる酢酸のモル濃度は(0.715)mol/lである。
問4 濃度が分からない水酸化ナトリウム水溶液10mlを0.5mol/l硫酸で中和し
たところ17.4mlを必要とした。この塩基水溶液のモル濃度を計算せよ。
塩基水溶液をc[mol/l]とすると
2×0.5×17.4 = c×10
c=1.74 答 1.74mol/l
5.塩の反応についての次の文を完成し、下の問に答えよ。
(塩化ナトリウム)に(濃硫酸)を加えると次の反応によって(塩化水素)が発生する。
NaCl + H2SO4 −→ NaHSO4 + HCl(a)
(下方)置換で捕集した試験管をBTBを加えた水に倒立すると(黄色)に変色する(b)。
この気体に(アンモニア)を近づけると(白煙)を生じる(c)。
問1 始めの気体を発生させるときの様子をイラストで描け。
問2 下線部(a)の反応はどんなタイプか。
揮発性酸の塩に不揮発性酸を加えると
揮発性酸が発生する。
問3 弱塩基の塩に強塩基を加えると弱塩基が 図1
生成する例をひとつ上げ、反応式で答えよ。
CuSO4 + 2NaOH
−→ Na2SO4 + Cu(OH)2
問4 下線部(b)関して同時に起こることを書け。
水が試験管内を上昇する。
問5 下線部(c)の反応式を書け。
NH3 + HCl −→ NH4Cl
( )組 ( )番 氏名( )
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(12)硝酸が水に溶けると水素イオンを生じる。
HNO3 ―→ H+ + NO3 -
硝酸イオン
(13)硫酸が水に溶けると水素イオンを生じる(ひとつの反応式で)
H2SO4 ―→ 2H+ + SO4 2-
硫酸イオン
(14)水酸化ナトリウムが水に溶けて水酸化物イオンを生じる。
NaOH ―→ Na+ + OH-
ナトリウムイオン
(15)アンモニアが水に溶けると水酸化物イオンを生じる。
NH3 + H2O ―→ NH4 + + OH-
アンモニウムイオン
(16)二酸化硫黄が水と反応して亜硫酸を生成する。
SO2 + H2O ―→ H2SO3
(17)酸化カルシウムが水と反応して水酸化カルシウムを生成する。
CaO + H2O ―→ Ca(OH)2
(18)塩酸と水酸化ナトリウム水溶液が中和して水と塩化ナトリウムを生成する。
HCl + NaOH ―→ H2O + NaCl
(19)塩である硫酸ナトリウムが酸と塩基から生成する。
H2SO4 + 2NaOH ―→ 2H2O + Na2SO4
硫酸ナトリウム
(20)塩化水素とアンモニアを混ぜると白煙を生じる。
HCl + NH3 ―→ NH4Cl
塩化アンモニウム
(21)石灰水(水酸化カルシウム水溶液)に二酸化炭素を吹き込むと白濁する。
CO2 + Ca(OH)2 ―→ CaCO3 + H2O
炭酸カルシウム
(22)塩基性酸化物である酸化マグネシウムが塩酸と反応する。
MgO + 2HCl ―→ MgCl2 + H2O
塩化マグネシウム
(23)塩化ナトリウムに濃硫酸を加えると塩化水素が発生する。
NaCl + H2SO4 ―→ NaHSO4 + HCl
硫酸水素ナトリウム
(24)塩化アンモニウムと水酸化カルシウムを混ぜて加熱するとアンモニアが発生する。
2NH4Cl + Ca(OH)2 ―→ CaCl2 + 2H2O + 2NH3
塩化カルシウム
(25)硫酸銅水溶液に水酸化ナトリウムを加えると弱塩基である水酸化銅が沈でんする。
CuSO4 + 2NaOH ―→ Na2SO4 + Cu(OH)2
硫酸ナトリウム
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