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[c]塩の反応
13 宿題(演習)
生徒の混乱を避けるため、酸と塩基はアレニウスの定義に限定した。
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No
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参考:正確には塩化水素(気体)が水に溶けたものを塩酸と呼ぶ。
問1 「亜鉛と硫酸の反応」実験をイラストで描け。

問2 次の酸が水に溶けて電離する反応式を書け。
硫酸 H2SO4 −→ 2H+ + SO4 2-
硫酸イオン
硝酸 HNO3 −→ H+ + NO3 -
硝酸イオン
酢酸 CH3COOH −→ CH3COO- + H+
酢酸イオン
リン酸 H3PO4 −→ 3H+ + PO4 3-
リン酸イオン
[4]酢酸の化学式は示性式と呼ばれるもので13章で学習する。ここではこの一例のみ
が登場するので、とりあえず記憶しよう。また(酢酸)分子には全部で4つの水素原子が
含まれるが、水に溶けて水素イオンになるのは1つだけである。つまり分子中のすべての
水素が電離するわけではない。
なお(イオン式)が書けるように、原子価やイオンの価数に注意を払おう。
[5]1分子の酸からいくつの水素イオンが生じるかによって、塩酸、硝酸、酢酸は(1
価)の酸であり、硫酸は(2価)の酸であり、リン酸は(3価)の酸であると言う。
塩基についても同様の用語を使う。
(続く)
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No
[b]塩基とは何か
[1]塩基と呼ばれるグループは、その水溶液が
・なめるとある種の(苦味)がある。
・指示薬BTBを(青色)にする(リトマス紙を青色にする)
・塩素のような非金属と反応する
という共通の性質がある。もちろん
・酸と反応してその性質を打ち消す
のも共通である。これらの性質は(塩基性)と呼ばれる。
[2]塩基が共通の性質を持つ理由は
「(塩基)は水に溶けると水酸化物イオン OH- が生じる」
ためである。したがって塩基性は(水酸化物イオン)が持つ性質と言うことができる。
たとえば水酸化ナトリウムは水に溶けると次のように電離して水酸化物イオンが生じる。
( NaOH −→ Na+ + OH- )
ナトリウムイオン
塩基の多くは(イオン性)物質であり、これが電離することは6章で学習した。
(アンモニア)は分子性物質の塩基であるが、次のように水と反応して水酸化物イオン
が生じる。
( NH3 + H2O −→ NH4 + + OH- )
アンモニウムイオン
当面はこのような例はアンモニア以外は登場しないので覚えてしまおう。
問3 次の塩基が水に溶けて電離する反応式を書け。
水酸化カリウム KOH −→ K+ + OH-
カリウムイオン
水酸化カルシウム Ca(OH)2 −→ Ca2+ +2OH-
カルシウムイオン
水酸化銅 Cu(OH)2 −→ Cu2+ + 2OH-
銅イオン
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No
[2]塩基の強弱は複雑なので、酸の場合と似た考え方をするとして、結論だけを確認し
ておきたい。
問3 1節で出てきた塩基を強塩基と弱塩基に分けておこう。
NaOH 、KOH 、Ca(OH)2 > NH3 、Cu(OH)2
水酸化ナトリウム 水酸化カルシウム アンモニア 水酸化銅
水酸化カリウム
[b]酸性・塩基性の強さ
[例題]0.001mol/l硫酸の水素イオンのモル濃度はおよそいくらか。
この水溶液1[l]を考えると
H2SO4 は(0.001)mol溶けている。
硫酸は(2)価であり、そして(強)酸であるので
水素イオン H+ は(0.002)mol溶けている。
答 0.002mol/l
酸に価数があり、また酸に強弱があるため、水溶液の酸性の強さは、溶けている酸のモ
ル濃度ではなく、(水素イオン)のモル濃度で表すことが合理的である。
水溶液の塩基性の強さは水酸化物イオンのモル濃度で表す。
参考:塩基性をアルカリ性と言うことがある。
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No
[4]同様にして塩基性とは
[OH-]>10-7[mol/l]
である。そして水のイオン積から
( [H+]<10-7[mol/l] )
であるとも言える。
これから導かれる結論は、酸性、中性、(塩基性)のすべてが水素イオンのモル濃度で
表示できるということである。
問1 0.01mol/l水酸化ナトリウム水溶液の水素イオンのモル濃度はいくらか。
(1)この水溶液1[l]を考えると
NaOH は0.01mol溶けている。
水酸化ナトリウムは1価で強塩基だから
水酸化物イオン OH- は0.01mol溶けている。
つまり [OH-]=0.01=10-2[mol/l]
(2)水のイオン積から
[H+]×10-2 = 10-14
[H+]=10-12
答 10-12mol/l
参考:10a×10b = 10a+b
10-c = 1/10c
(a、b、cは負でも成り立つ)
[c]水素イオン指数
[1]ところで、酸性、中性、塩基性を表示するのに、水素イオンのモル濃度の(指数)
部分の符号を変えた数値を使うことができる。たとえば
[H+]=10-5[mol/l] では 5
中性 [H+]=10-7[mol/l] では 7
問1 [H+]=10-12[mol/l] では 12
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というようである。この数値は(水素イオン指数)ないしpH(ピーエイチ)と呼ばれる。
問2 酸性、中性、塩基性と、水素イオン濃度、pHの関係をまとめてみよう。

[2]水溶液の液性はたいてい(pH)で表示される。それなら水素イオンのモル濃度で
はなく、その指数部分を使う意味は何だろうか。
すこし難しくなるが、6章で物質が変化する「勢い」はモル濃度に比例することを学ん
だ。しかしより正確にはモル濃度の指数部分に比例しているのである。こんなわけで溶液
を2倍、3倍と希釈しても顕著な違いが現れないことが多い。その場合は溶液を(10)
倍、(100)倍と希釈するとよい。
問3 「紫キャベツの変色」実験をイラストで描け。

[3]また上の実験は、水溶液のpHが物質に大きな影響を与えることを示している。生
物体内の各種の(酵素)は一種の触媒であるが、それぞれには(最適pH)がある。たと
えば胃でタンパク質を消化するペプシンは、胃酸(塩酸)によってpHが2になるときに
もっともよくはたらく。私たちの血液はpHが7.5に調節されており、たとえば過呼吸に
よってpHが大きくなると意識を失うなどの障害を引き起こす。
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No
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す。このとき次の反応が起きる。
( CO2 + H2O −→ H2CO3 ) (タイプ1)
炭酸
生成する(炭酸)は弱酸である。
[2]割りばしをよく燃焼させ、できた(灰)を水に落としてかき混ぜると、BTBが
(青色)になり水溶液が(塩基性)になることを示す。
灰の中にははしの成分元素のカリウムが(炭酸カリウム K2CO3 )となって含まれる
ためである。炭酸カリウムがすこし塩基性であることは次節で学習する
[c]炭酸カルシウムから水酸化カルシウムをつくる(実験まとめ)
「1](炭酸カルシウム)製のチョークをそのまま水に浸けておくと、ユニバーサル指示
薬が(深緑色)になり、(すこし)塩基性であることを示す(このことも次節で学習す
る)。
[2]同じチョークをバーナーで強熱すると(酸化カルシウム)が生成する。このとき次
の反応が起きる。
CaCO3 −→ CaO + CO2
炭酸カルシウム 酸化カルシウム
酸化カルシウムも白色固体で、見た目の変化はあまりない。もちろん二酸化炭素は失われ
る。
このチョークを(水)に浸けると、ユニバーサル指示薬が(紫色)なり、水溶液は先の
実験に比べて(より強い)塩基性を示す。このとき次の反応が起きる。
( CaO + H2O −→ Ca(OH)2 ) (タイプ3)
水酸化カルシウム
加熱時間が短いので生成する水酸化カルシウムは少ないが、これは強塩基であるので明ら
かに水溶液の塩基性が強まる。
(続く)
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No
[d]酸性酸化物と塩基性酸化物
[1]実験を整理すると
(二酸化硫黄 SO2 )
(二酸化炭素 CO2 )
は水と反応して酸を生成し、
(酸化カルシウム CaO )
は水と反応して塩基を生成する。
前者のように
(1)(水)と反応して酸を生成したり
(2)(塩基)と反応して塩を生成する
酸化物は(酸性酸化物)と呼ばれる。
後者のように
(3)水と反応して(塩基)を生成したり
(4)酸と反応して塩を生成する
酸化物は(塩基性酸化物)と呼ばれる。
[2]硫黄や炭素のような(非金属)の酸化物の多くは(酸性)酸化物である。そしてカ
ルシウムのような(金属)の酸化物の多くは(塩基性)酸化物である。
参考:(2)と(4)のタイプの反応は次節で学習する。
[e]酸性雨
[1]酸性酸化物の多くは(気体)である。石炭の主成分元素は炭素であり、石油の主成
分元素は炭素と水素であるので、これらを(燃焼)すると、二酸化炭素と水蒸気が大量に
発生する。
(C)+ O2 −→ CO2
2(H)+ O2 −→ H2O
またこれらには少量の成分元素として(硫黄)が含まれるので、二酸化硫黄も発生する。
(S)+ O2 −→ SO2
さらに燃焼では空気を加えるが、(空気)は高温になるとその成分の窒素と酸素が化合し
て一酸化窒素 NO 、二酸化窒素 NO2 が発生する。
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N2 + O2 −→ 2NO
N2 + 2O2 −→ 2NO2
[2]これらの(酸性酸化物)は大気と混合し、それに含まれる水蒸気や水滴と反応して
(酸)になる。これはタイプ1の反応である。こうして雨は酸性となるのである。
発生する酸性酸化物が二酸化炭素ばかりであった時代は、それから生成する(炭酸
H2CO3 )が弱酸の中でも弱い方なので、雨の酸性はpHが(6)に近くて問題は無かっ
た。
しかし人間が石炭、石油などを大規模に燃焼させるようになると、状況は一変した。二
酸化硫黄からは実験で確認したように(亜硫酸 H2SO3 )という弱酸が生成する。
そして亜硫酸はさらに紫外線と酸素によって硫酸という(強酸)に変化する。
H2SO3 +(O)−→ H2SO4
実験では亜硫酸が過酸化水素によって硫酸に変化したことを思い出そう。
加えて高温燃焼に伴って発生する二酸化窒素は水と反応して(硝酸 HNO3 )という強
酸などに変化する。
2NO2 + H2O −→ HNO3 + HNO2
[3]こうして雨の酸性はpHが(5や4)という強さになり、(土壌の酸性化)による
森林の立ち枯れ、湖沼の酸性化による水生生物の死滅、大理石の彫刻の腐食、コンクリー
トの建物の腐食(酸性雨つらら)などの被害が出ている。
ちなみに酸性雨のもとになる酸性酸化物は、(慢性気管支炎)など呼吸器系の障害も引
き起こす。
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No
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(2)酢酸ナトリウム CH3COONa
CH3COOH + NaOH −→ H2O + CH3COONa
酢酸 水酸化ナトリウム
[b]注意したいこと
[1]ひとつは、アンモニアが関係する中和反応である。たとえば塩酸との反応は次のよ
うであり
( HCl + NH3 −→ NH4Cl )
塩化アンモニウム
水が生成しない。これを理解するには酸と塩基の考え方のレベルを上げる必要があるが、
とりあえずそのようなものとして受け入れておこう。
[2]ふたつは、(中途半端)な中和反応の存在である。
H2CO3 + NaOH −→ H2O + NaHCO3
炭酸水素ナトリウム
つまり、炭酸と同じ物質量の水酸化ナトリウムしか加えなければ、中和反応は炭酸の水素
を残した塩を生成する。
[3]みっつは、完全な中和反応で生成する塩でも(厳密には)中性でないことがある。
「酸性酸化物と塩基性酸化物」実験では(炭酸カリウム K2CO3 )や炭酸カルシウム
CaCO3 がすこし(塩基性)であることを観察した。この理由は17章でくわしく学習
するが、簡単な法則性があるので利用しよう。
強酸と強塩基からできる塩 完全に中性
強酸と弱塩基からできる塩 弱酸性
弱酸と強塩基からできる塩 弱塩基性
炭酸カリウムと炭酸カルシウムはいずれも(弱酸)と強塩基からできる塩である。ちな
みに塩化アンモニウム NH4Cl は(弱酸性)である。
さらに炭酸水素ナトリウム NaHCO3 は水素イオンになる水素原子が残っている塩で
あるにも係わらず、この法則性に従って(弱塩基性)であることは注意しよう。
このようなことは次の中和滴定において無視できないことがある。
(続く)
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No
[c]食酢の中和滴定
[1]濃度不明の酸や塩基の水溶液がある場合、中和反応によってその濃度を計測するこ
とができる。この基礎になるのは、すでに学習した反応量(第3章)とモル濃度(第6
章)である。ここでは一歩進んだ扱いをする。
[例題]予め5倍にうすめておいた食酢を(ホールピペット)で10mlきっかり三角フ
ラスコに採り、指示薬として(フェノールフタレイン)2、3滴を加える。(ビュレッ
ト)に準備した0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液を滴下していくと、( )
ml加えたところで水溶液がすこし(赤色)になった。以上の実験から食酢中の酢酸のモ
ル濃度を求めよ。
(0)モル濃度の復習をしておこう。
c[mol/l]の溶液v[ml]に含まれる溶質の物質量n[mol]は
1[l]=1000[ml]ならc[mol]含まれるので
( cv/1000 )で求められる。
参考:以上は n = cv/1000 とまとめられる。
(1)酸と塩基が中和するとき、酸からの水素イオンの物質量と塩基からの
水酸化物イオンの物質量は(等しい)。
(2)5倍にうすめた食酢の酢酸のモル濃度をc[mol/l]とすると
中和した酢酸の物質量は
(10c)/1000[mol]
酢酸は1価であるからそれから生じる水素イオンは
(1)×10c/1000 [mol]
(3)中和した水酸化ナトリウムの物質量は
0.1×( )/1000[mol]
水酸化ナトリウムは(1)価であるのでそれから生じる水酸化物イオンは
1×0.1×( )/1000[mol]
(4)以上から、両辺の1000を省いて
1×10c = 1×0.1×( )
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c=( )
もとの食酢のモル濃度は5倍だから
答 ( )mol/l
[2]ここでフェノールフタレインは(中和点)を検出するために加える。中和で生成す
る酢酸ナトリウムはすこし塩基性なので、pHが9のあたりで無色から赤色に変わるこの
指示薬が選ばれている。またこのように溶液を滴下して中和反応に必要な体積を計測する
分析操作は(中和滴定)と呼ばれる。
[d]中和滴定の関係式
以上を振り返ってみると、水素イオンの物質量は
酸がn価でモル濃度がc[mol/l]で体積がv[ml]である場合
n×(cv/1000)[mol]
である。
また水酸化物イオンの物質量は
塩基がn'価でモル濃度がc'[mol/l]で体積がv'[ml]である場合
n'×(c'v'/1000)[mol]
である。
したがって中和滴定では、それぞれの1000を省いて
( ncv = n'c'v' )
という関係式が成り立つ。
問 濃度が分からない水酸化ナトリウム水溶液10mlを0.5mol/l硫酸で中和した
ところ17.4mlを必要とした。この塩基水溶液のモル濃度を計算せよ。
塩基水溶液をc[mol/l]とすると
2×0.5×17.4 = 1×c×10
c=1.74 答 1.74mol/l
(続く)
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No
[e]酸化物と酸・塩基の反応
[1]すでに学習したように石炭、石油を燃焼させると二酸化硫黄が発生する。これを含
む排煙を水と混ぜてかゆ状にした水酸化カルシウムと反応させると、次の反応で90%以
上の二酸化硫黄を除去することができる。
( SO2 + Ca(OH)2 −→ CaSO3 + H2O ) (タイプ2)
亜硫酸カルシウム
二酸化硫黄は酸性酸化物であり生成する亜硫酸カルシウムは(塩)である。したがってこ
れは前節のタイプ2の反応である。
(2)酸性酸化物は塩基と反応して塩を生成する。
このようにして硫黄分を除去して大気汚染を防止する技術は(排煙脱硫)と呼ばれる。
ちなみに亜硫酸カルシウムは硫酸カルシウム CaSO4 に変化させて(石こう)として販
売される。
[2]胃酸過多の人に酸化マグネシウムを含む薬を投与する。すると胃酸である塩酸が次
のように反応して「むねやけ」がおさまる。
( MgO + 2HCl −→ MgCl2 + H2O ) (タイプ4)
塩化マグネシウム
酸化マグネシウムは(塩基性酸化物)であり、生成する塩化マグネシウムは塩である。し
たがってこれは前節のタイプ4の反応である。
(4)塩基性酸化物は酸と反応して塩を生成する。
(2)(4)のタイプの反応は中和反応と似ていることに注目しよう。
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No
アンモニアは気体の塩基であり、揮発性の塩基と言える。これに対して水酸化カルシウ
ムは固体であり、不揮発性の塩基である。
一般に次のようにまとめることができる。
(6)(発性塩基の塩)に(不揮発性)塩基を加えると、揮発性塩基が発生する。
[3]塩化アンモニウムの白煙
捕集した塩化水素とアンモニアを近づけると、次の反応によってはっきりとした(白
煙)が生じる。
HCl+ NH3 −→ NH4Cl
塩化アンモニウム
白煙は生成した(塩化アンモニウム)の固体である。一般に煙は半透明であり、気体で
はなく液体か固体の微粒子である。
[b]弱酸と弱塩基をつくる(実験のまとめ)
[1]水酸化銅の生成と中和
青色の(硫酸銅)水溶液に(水酸化ナトリウム)水溶液を加えると、次の反応によって
(水酸化銅)の沈でんが生成する。
( CuSO4 + 2NaOH −→ Na2SO4 + Cu(OH)2 ) (タイプ8)
硫酸銅 水酸化銅
( H2SO4 と Cu(OH)2 の塩)
水酸化銅は水に(溶けにくく)、青色である。ろ液が(無色)であることに注意しよう。
水酸化銅は(弱塩基)である。これに対して水酸化ナトリウムは強塩基である。
一般に次のようにまとめることができる。
(8)弱塩基の塩に強塩基を加えると弱塩基が生成する。
そして水酸化銅に硫酸を加えると、次のように(中和反応)して元の硫酸銅にもどる。
H2SO4 + Cu(OH)2 −→ 2H2O + CuSO4
ちなみに(青色)は銅イオンによっている。
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[2]炭酸の生成と分解
これは実験はしなかったが、石灰岩(主成分は炭酸カルシウム)に希塩酸(うすい塩酸)
を加えると、次の反応により(二酸化炭素)が発生する。
CaCO3 + 2HCl −→ CaCl2 + H2O + CO2
炭酸カルシウム
この反応は2段階に分けると理解しやすい。まず次の反応によって(炭酸)が生成する。
( CaCO3 + 2HCl −→ CaCl2 + H2CO3 ) (タイプ7)
( H2CO3 と Ca(OH)2 の塩) 炭酸
炭酸は弱酸である。これに対して塩酸は強酸である。
一般に次のようにまとめることができる。
(7)(弱酸の塩)に(強酸)を加えると弱酸が生成する。
そして炭酸は(分解)しやすく、続いて次の反応によって二酸化炭素を発生する。
H2CO3 −→ H2O + CO2
この2つの反応式を(積み算)すると始め示した全体の反応式が得られる。
[c]塩の反応
いくつかの似たタイプの化学反応が存在する。その特徴を把握しておくと、反応式を整
理したり記憶したりするのに役立つ。
そして中和反応こそは、この章で学習した最大の似たタイプの反応であることに注目し
よう。
問 (5)と(8)のタイプの反応についてそのイメージを図示してみよう。

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No
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(3)排煙を水酸化カルシウムと反応させて脱硫するときの反応式を書け。
SO2 + Ca(OH)2 −→ CaSO3 + HO
4.中和反応に関する次の問に答えよ。
問1 次の酸と塩基の中和の反応式を書け。
(1)塩酸と水酸化ナトリウム
HCl + NaOH −→ H2O + NaCl
(2)リン酸と水酸化カルシウム(完全に中和する場合)
2H3PO4 + 3Ca(OH)2 −→ 6H2O + Ca3(PO4)2
問2 次の塩はどんな酸と塩基から生成するか、反応式で書け。
(1)硝酸カリウム ( HNO3 + KOH −→ H2O + KNO3 )
(2)酢酸ナトリウム( CH3COOH + NaOH −→ H2O + CH3COONa )
問3 次の文を完成せよ。
予め5倍に希釈した食酢を(ホールピペット)で10mlきっかり採り、指示薬として
(フェノールフタレイン)を加え、(ビュレット)に準備した0.1mol/l水酸化ナト
リウムで(中和滴定)すると、14.3mlで溶液がうすい(赤色)になった。元の食酢に
含まれる酢酸のモル濃度は(0.715)mol/lである。
問4 次の間に成り立つ関係式を書け。
(1)c[mol/l]の溶液 v[ml]に含まれる溶質の物質量 n[mol]
n = cv/1000
(2)n 価で c[mol/l]の酸 v[ml]と、n' 価で c'[mol/l]の塩基
v'[ml]が中和する。
ncv = n'c'v'
5.塩の反応についての次の文を完成し、下の問に答えよ。
(塩化ナトリウム)に(濃硫酸)を加えると次の反応によって(塩化水素)が発生する。
NaCl + H2SO4 −→ NaHSO4 + HCl(a)
これを(下方)置換で捕集した試験管を、BTBを加えた水に倒立すると(黄色)に変色
する(b)。またこの気体に(アンモニア)を近づけると(白煙)が生じる(c)。
問1 始めの気体を発生させるときの様子をイラストで描け。
問2 下線部(a)の反応はどんなタイプか。
揮発性酸の塩に不揮発性酸を加えると
揮発性酸が発生する。
問3 弱塩基の塩に強塩基を加えると弱塩基が 図1
生成する例をひとつ上げ、反応式で答えよ。
CuSO4 + 2NaOH
−→ Na2SO4 + Cu(OH)2
問4 下線部(b)関して同時に起こることを書け。
試験管内を水が上昇する。
問5 下線部(c)の反応式を書け。
NH3 + HCl −→ NH4Cl
( )組 ( )番 氏名( )
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