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せめて二酸化窒素の道路汚染調査は本格的に取り組みたい。
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[5]ベンゼン環の構造式は(A)か(B)の一方を書く約束になっている。なおそれは
面倒であるので、右のような簡略構造式を使用することが多い。これは次のようなルール
に基づいている。
(1)線の角や端には炭素原子があるとする。
(2)炭素・炭素の二重結合は = で、三重結合は ≡ で示す。
(3)炭素が4価になるように水素原子があるとする。
(4)炭素、水素以外は通常どおりに書く。
ただし高校ではベンゼン環以外に使用することは避けている。
[b]芳香族炭化水素
主な芳香族炭化水素の示性式は次のようである。

(キシレン)のように、ベンゼンの水素2つを原子または基で置き換えた芳香族化合物
には、上のように(3種)の異性体が存在する。そしてそれらは(o− オルト)、m−
メタ、(p− パラ)で区別される。また(ナフタレン)やアントラセンはベンゼン環が
融合した形をしているが、ともにすべての原子が(同一平面上)にある。
芳香族化合物では上記のように、簡略構造式を含む示性式を使うことにする。
工業原料として重要な(ベンゼン)、(トルエン)、キシレンは、現在では原油から得
られる重質ナフサに接触改質という反応(7節)を行って生産される。
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[3]ベンゼンスルホン酸
ベンゼンに濃硫酸を加えて加熱して、ベンゼンスルホン酸が合成される。

この反応ではベンゼン環の水素と硫酸のヒドロキシル基が水として切り取られる。
( −SO2OH )はスルホ基と呼ばれる官能基である。スルホ基も硫酸と
同じような(強酸)であるが、14章に出てきた硫酸エステルとは構造が異なるので注意
しよう。(スルホ基)を持つ化合物は(スルホン酸)と呼ばれる。そしてこのような反応を(スルホン化)と言うことがある。
また前章では合成洗剤の、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムにも触れた。
参考:スルホ基を −SO3H と表すことが多いが、あまり勧められない。
[c]アルケンへの付加反応
芳香族炭化水素はベンゼン環の部分が、水素と残部に切れてアルケンの二重結合に付加
反応する。これはベンゼン環への付加ではないので注意しよう。
(エチレン)に塩化アルミニウムを触媒としてベンゼンを付加して、エチルベンゼンが
合成される。

そしてエチルベンゼンのエチル基から水素を(脱離)して(スチレン)が合成される。

スチレンはポリスチレンの原料である。
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そして塩酸を加えると次のように反応して、再びクレゾールにもどり水に溶解しにくく
なる。

これは8章で学習した、弱酸の塩に(強酸)を加えると(弱酸)が生成する反応である。
[3]クレゾールは(炭化水素基)が占める割合が大きいので、このままでは水に溶けに
くい。しかし中和して塩になると水に溶けやすくなる。せっけんや合成洗剤もそうであっ
たが、(イオン結合)は有機化合物を(親水性)に変えるはたらきをする。
なお実験に使ったクレゾールはオルト、(メタ)、パラの3種の異性体の混合物である。
これはクレゾールせっけんという消毒殺菌剤などとして使用される。
[c]フェノールの合成
プロピレンにベンゼンを付加して得られるクメンを、次のように酸素で酸化し、硫酸を
触媒にして分解すると、(アセトン)と共に(フェノール)が合成される。

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[d]サロメチールとアスピリン
[1]芳香族カルボン酸もエステルを生成する。すでに確認したように(サリチル酸)は
カルボン酸でもある。メタノールに濃硫酸を加え、サリチル酸を溶かして加熱を続けると、
次のように油状物質の(サリチル酸メチル)が生成する。これは(サロメチール)と呼ば
れる鎮痛塗布薬である。
[2]またサリチル酸はアルコールに似てヒドロキシル基を持つ。これに無水酢酸を反応
させると、次のようなカルボン酸エステルに似た(アセチルサリチル酸)が生成する。こ
れはアスピリンと呼ばれる(解熱剤)である。

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[b]アミド(実験のまとめ)
[1]水に(アニリン)と(無水酢酸)を加えて振り混ぜると、次のように(アセトアニ
リド)が生成して(ペースト状)になる。

反応混合物に水を追加して加熱溶解する。これを冷水に注いでかき混ぜると、溶解度が
(小さい)アセトアニリドが(再結晶)して析出する。さらに水道水で冷却してからろ過
すると(うろこ状)の白色結晶が得られる。アセトアニリドは解熱剤として利用される。
[2]下に示すようにアセトアニリドは、(カルボキシル基)のヒドロキシル基の部分と
(アミノ基)の水素の部分が切り取られてできる( −CONH− )という構
造を持つ。実際にこの物質は酢酸とアニリンからも脱水反応で合成できる。これは(アミ
ド結合)と呼ばれる官能基である。そしてアミド結合を持つ化合物は(アミド)と呼ばれ
る。
また(尿素)は、炭酸 HOCOOH とアンモニア HNH2 が脱水反応したような構造
をしており、アミドの一種である。これは人間が最初に合成した有機化合物であることは
13章で触れた。尿素は皮膚の(保湿)成分であり、また尿素(ユリア)樹脂の原料であ
る。

[3]タンパク質は生命活動を営む能力を持つ分子であるが、これもアミドの一種である。
タンパク質については18章でくわしく学習する。
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の汚染調査にも利用されている。
[b]染料の色
[1]現代のファッションは色抜きには考えられないが、そもそも色とは何であろうか。
光がない暗闇はすべてのものは(黒色)である。そして光が当たるとノートは白色であり、
タンポポの花は黄色である。つまり色は光と物質の両方で生み出される。
2章では光の色がその波長によっていることを学習した。それは色が色覚とも関係して
いることを意味している。私たちの目は(赤)、(緑)、青紫の3つのセンサーを持って
いる。そして脳は赤と緑と青紫の3つの光を受けると(白色)と感じ、まったく光を受けないと黒色と感じる。また赤と緑を受けると黄色と緑と(青紫)では青色と、青紫と赤では赤紫色と感じます。それは次のようになっている。

これでは6種の色しか無いことになるが、それぞれの色の強度の差によってさらに色々な
色を感じるようになっている。
[2]太陽光はすべての波長の光を含んでおり、通常の照明もそのように作られている。
これを受けると、染料のような着色性物質はある(波長)の光を吸収し、残りを反射する。
したがって赤を吸収すれば、緑と青紫のセンサーが刺激されて青色に見える。黄を吸収す
れば青紫色に見える。ちなみに植物の葉に含まれる葉緑素(クロロフィル)は緑色である
が、それは(赤紫 つまり赤と青紫)を吸収しているためである。したがって植物に赤紫の光を当てれば黒色に見える。
[3]それでは物質はどうして特定の波長の光を吸収するのだろうか。これはかなり単純
化して言うと、原子スペクトルと逆の現象である。2章では原子をつくる電子は原子核のまわりを運動しており、それはとびとびの軌道になっており、外側ほど大きいエネルギーを持つことを学習した。分子をつくる共有結合の電子も2つの原子核のまわりを運動しており、これも原子と同じようにとびとびの軌道(分子軌道と呼ばれる)になっている。
(続く)
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[4]常温では共有結合の電子はもっとも内側のエネルギーの小さい(分子軌道)にある。
それがより上の軌道に移動するには、両方の軌道のエネルギー差だけのエネルギーを必要
とする。2章では光はその波長に対応したエネルギーをもつ光子であることも学習した。
だからぴったりの(エネルギー)を持つ光子が来ると、それを受け取って電子がより上の
軌道に移動する。こうしてそれそれの物質はそれに固有の波長の光を吸収するのである。
[5]多くの分子の分子軌道のエネルギー差は(紫外線)の領域の電磁波になる。そして
染料などでは二重結合と単結合がひとつ置きに連なっている。このような結合は(π−共
役系)と呼ばれ、エネルギー差が小さくて(可視光線)を吸収して色が現れるわけである。
[c]医薬
[1]病気を薬剤によって治療することは、人類の長年の夢だった。1899年にサリチ
ル酸と無水酢酸を反応させて得られる(アスピリン)が、優れた解熱作用を持つが発見さ
れた。1924年にフレミングは青カビから、病原菌の発育を阻害する(ペニシリン)と
いう抗生物質を発見した。また1935年に人工的に合成したp−アミノベンゼンスルホ
ンアミド(スルファミン)が感染症に強い効能を示すことが分かった。

[2]現在では体内の(生化学反応)が解明され、それに対応した医薬が合成されるよう
になった。さらに2000年には人間の遺伝子情報(ゲノム)がすべて解読され、それを
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踏まえた研究も始まっている。遺伝子については18章でくわしく学習する。
「3」しかしペニシリンやスルファミンといった化学療法剤の多用は、それが効かない
(耐性菌)の出現を招き、新薬の開発といたちごっこになっている。また医薬には(サリ
ドマイド)のような(副作用)が隠れている可能性があることも忘れてはいけない。
[d]農薬
[1]古くから農業は雑草や害虫などとの戦いでもあった。1939年にミューラーが、
ジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT)が優れた殺虫作用を持つことを発見し、
大量に生産されるようになった。当初は人間に対する毒性は低いという試験結果を踏まえ
て、農薬としてだけでなく、伝染病を媒介する昆虫を駆除するのにも利用された。

[2]しかし6章で紹介したようにカーソンがその(残留毒性)を告発し、現在では使用
禁止になっている。現在でも分解されにくいDDTは脂肪組織に蓄積し、食物連鎖で生物
の体を渡り歩いて残留している。そして1996年にシーア・コルボーンがその著書「奪
われし未来」で、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)というDDTの真の毒性をあばき出
した。
[3]DDTと同時期にベンゼンヘキサクロリド(γ−BHC)や有機リン系のパラチオ
ンが開発されたが、いずれも現在は使用禁止になっている。ちなみに有機リン系農薬は
(サリン)などの毒ガスの開発にもつながった。
[4]現在でも農薬の開発は続けられている。そして問題は農薬に限らない。いったい私
たちは、合成化学物質とどのように付き合っていくべきだろうか。それを考える手がかり
に、少し長いが「奪われし未来」の第14章「無視界飛行」の全文を資料として紹介して
おく。
[5]教師としての私の願いは、企業に奉仕するだけでなく、人類全体のため地球環境の
ために研究し発言する科学者を目指す生徒が育つことである。
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接触改質(リフォーミング)と呼ばれる。
リフォーミングで得られるベンゼン、トルエン、キシレンが石油化学工業の基本原料で
あることは1節で学習した。
参考:現在は自動車の動力源が燃料電池に切り替えられようとしている。
[d]ナフサ熱分解
軽質ナフサを短時間高温にすると(エチレン)、(プロピレン)、そしてブタジエンな
どに分解する。これが(ナフサ熱分解)であり、次のような反応が含まれる。
CH3(CH2)3CH3 −→ CH2=CH2 + CH3CH2CH3
ペンタン エチレン プロパン
CH3CH2CH3 −→ CH2=CHCH3 + H2
プロピレン 水素
エチレン、プロピレンが石油化学工業の基本原料であることは13章で学習した。そして
(ブタジエン)は左のような構造を持ち、合成ゴムの
CH2=CHCH=CH2 原料である。
ブタジエン

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参考:波数は波長の逆数(1/波長)として計算される数値である。

(町田著「赤外・ラマンスペクトルの解釈」(共立出版)より)
波数3000cm-1 O−H の伸縮(水素結合のため幅が広がっている)
1717 >C=O の変角
[b]スペクトル分析
くわしい説明はさておき、物質と相互作用した光はその物質についての(情報)を持っ
ているということが根本である。天文学においてはるか彼方の星について、まるでそばで
調べてきたように研究できるのはこのためである。ちなみに現代天文学では電波やX線の
スペクトルも観察している。
医療で使われるようになった核磁気共鳴画像診断(MRI)は、(核磁気共鳴スペクト
ル)の応用である。核磁気共鳴スペクトルは、強い磁場の中におかれた物質(の原子核)
が吸収する電磁波のスペクトルを解析するものである。
現代では多種多様なスペクトル分析が物質の構造や(状態)の解析に利用されている。
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4.次の場合を反応式で書け。
(1)エチレンに塩化アルミニウムを触媒にしてベンゼンを付加する。
(2)o−クレゾールが水酸化ナトリウム水溶液に溶ける。
(3)サリチル酸とメタノールからサロメチールが合成される。
(4)水にアニリンと無水酢酸を加えて振り混ぜるとアセトアニリドが生成してペースト
状になる。
5.「アゾ染料」実験に関する次の文を完成し、下の問に答えよ。
水酸化ナトリウム水溶液に(2−ナフトール)を溶かし、さらし布に染み込ませる。
(塩酸)にアニリンと(亜硝酸ナトリウム)を加えると(塩化ベンゼンジアゾニウム)が
生成する(a)。これにさらし布を浸けると、(赤橙色)に染色できる(b)。
(1)下線部(a)の反応は何と呼ばれるか。 (ジアゾ化)
(2)下線部(b)で生成する官能基の構造式と名称を書け。
−N=N− アゾ基
(3)これと同じ原理で赤紫色に発色させて、大気中の二酸化窒素を検出する試薬は何と
呼ばれるか。 (ザルツマン試薬)
6.石油化学工業に関する次の文を完成せよ。
原油の主成分は(アルカン)やシクロアルカンなどの(炭化水素)の混合物である。原
油は精留塔で(分留)して、沸点が低い順に石油ガス、(軽質ナフサ)、重質ナフサ、
(灯油)、軽油が取り出される。
ガソリンは(揮発性)のナフサを原料とする。現在では(軽油)などを、触媒を使う
(クラッキング)と呼ばれる工程にかけて分解して補充している。
またガソリンの品質向上のため(重質ナフサ)を、(リフォーミング)という工程にか
けて、枝分かれ状アルカンや(芳香族炭化水素)が富むようにして加える。またこれから
(ベンゼン)、トルエン、(キシレン)を分離して原料にする。
軽質ナフサの一部は(ナフサ熱分解)という工程にかけて(エチレン)、(プロピレ
ン)、ブタジエンなどを生産して原料にする。
分留した残油は、脱硫して(重油)として工業用燃料にしたり、(減圧蒸留)して潤滑
油や(アスファルト)などを得る。
( )組 ( )番 氏名( )
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