キーワード
高校、化学、教材、自主編成、教科書、(高校化学、化学教材)

                                   02.8
                                   林 正幸

 12.遷移金属元素の単体と化合物

授業計画

時間       項  目 備考
 1 実験1 錯イオンと多価イオン
 2 1.遷移金属元素
   2.錯イオン     [a]化学式と、錯イオンの命名法
 3            [b]アクア錯イオン
              [c]アンミン錯イオン
              [d]クロロ錯イオン
 4 3.多価イオン                    プリント基板
 5 4.合金と磁石                    ネオジム磁石
 6 実験2 金属イオンの分離
 7 5.金属イオンの反応 [a]銀イオンの反応
              [b]カドミウムイオンの反応
 8            [c]クロムイオンの反応
              [d]バリウムイオンの反応
 9 6.放射性同位体   [a]同位体
              [b]放射性同位体
              [c]トレーサーと年代測定
10            [d]放射線の被害
   7.原子力発電    [a]核反応のエネルギー
              [b]連鎖反応と臨界
11            [c]原子力発電
              [d]ウランの濃縮
              [e]運転中の事故

                  - 1 -

              [f]再処理と放射性廃棄物
12 宿題




























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1.遷移金属元素

[a]遷移金属のまとめ
[1]遷移元素は周期表の3から11族までの元素であり、ランタノイドと(アクチノイ
)を含み、すべて(金属)である。族番号が異なってもその性質はいずれも(似かよっ
ている)。それは教科書付録の「原子の電子配置」を調べれば分かるように、どの原子も
その最外殻電子の個数が()ないしときに1とほとんど同じであることに依っている。
 また(ひとつ内側)の電子殻に入っていた電子が最外殻に(移る)ことも多く、これま
で使ってきた「希ガスの電子配置になろうとする」という考えが単純には適用できない領
域である。
[2]大まかに言うと、遷移金属の特徴は次のようである。
・単体は(融点)が高く、(密度)も大きい。
・イオンは(2価)、3価のものが多く、(有色)なものが多い。
・(触媒)作用を持つものが多い。















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2.錯イオン

[a]化学式と、錯イオンの命名法
[1]11章で次の錯イオンについて学習した。
    [Al(OH)4]-     テトラヒドロキソアルミン酸イオン
    [Zn(OH)4]2-    テトラヒドロキソ亜鉛酸イオン
前者は次のように、アルミニウムイオンと水酸化物イオンが結び付いている。
    Al3+ + 4OH- −→ [Al(OH)4]-
ここで水酸化物イオンのような金属イオンに結び付くものは(配位子)と呼ばれ、金属イ
オンが結び付ける配位子の個数は(配位数)と呼ばれる。
[2]よく出てくるものを次に示す。
    金属イオンの化学式   名称        配位数
       Ag+     銀イオン        (
       Al3+    アルミニウムイオン   (
       Cu2+    銅イオン        (
       Zn2+    亜鉛イオン       (
       Au3+    金イオン        (
       Fe2+    鉄(U)イオン     (
       Fe3+    鉄(V)イオン     (
       Co2+    コバルトイオン    (4と6
      参考:配位数の呼び方は次のようである。
         2:() 4:(テトラ) 6:(ヘキサ
    配位子の化学式    名称        呼び方
      OH-     水酸化物イオン    (ヒドロキソ
      H2O     水          (アクア
      NH3     アンモニア      (アンミン
      Cl-     塩化物イオン     (クロロ
      CN-     シアン化物イオン   (シアノ

                              (続く)

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[3]錯イオンの名称は次のように命名する。
    配位数+配位子+金属イオン(陰イオンになる場合は「酸」を加える)
  例(前の2つも参考にする)
    [Al(H2O)4]3+   テトラアクアアルミニウムイオン
      (前のように陰イオンになる場合はアルミン酸という。)
    [Ag(NH3)2]+    ジアンミン銀イオン
    [Fe(CN)6]4-    ヘキサシアノ鉄(U)酸イオン
    参考:正式には最後の例のようにすべて金属イオンの酸化数を入れる。
[問1]次の名称の錯イオンの化学式を書け。
   テトラアンミン銅イオン      [Cu(NH3)4]2+
   テトラクロロ金酸イオン      [AuCl4]-
   ヘキサアクアコバルトイオン    Co(H2O)6]2+
   ヘキサシアノ鉄(V)酸イオン    [Fe(CN)6]2-















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[b]アクア錯イオン(実験のまとめ)
[1]()を加えたエタノールに(塩化コバルト)を溶解させる。この溶液は熱湯に浸
けると(青色)に、氷水に浸けると(赤色)に変化する。
 これは低温ではコバルトイオンが水分子と結び付いた赤色のヘキサアクアコバルトイオ
ンに、高温では青色のジクロロジアクアコバルトに変化するためである。
   [Co(H2O)6]2+ + 2Cl- ←→ [CoCl2(H2O)2] + 4H2
    赤色(低温側)          青色(高温側)
ここではコバルトイオンの(配位数)が変化している。
参考:[CoCl2(H2O)2] は錯イオンではなく錯体と呼ばれる。

[問2]塩化コバルト水溶液を紙に塗って乾燥したものはコバルト紙と呼ばれる。晴天の
ときと雨天のとき、あるいは水分があるときとないときの色を考えてみよう。
    晴天 or 水分がない     青色
    雨天 or 水分がある     赤色

[2]似た例に硫酸銅がある。青色の硫酸銅の正確な化学式は
    CuSO4・5H2
であり、名称は(硫酸銅五水和物)である。このように結晶中に含まれ水分子は(結晶
)と呼ばれる。この結晶中には
    (テトラアクア銅イオン [Cu(H2O)4]2+
が含まれている。陰イオンは硫酸イオン SO4 2- であり、もうひとつの水分子は陽イオン
と陰イオンの大きさの違いから生じるすき間を埋めるはたらきをしている。
 この青色の結晶を蒸発皿に入れて強熱すると(白色)粉末に変化する。これは次のよう
に結晶水が追い出されるためである。
    ( CuSO4・5H2O ―→ CuSO4 + 5H2 )
       硫酸銅五水和物    無水硫酸銅
白色粉末は(無水硫酸銅)という。これに水を滴下すると再び青色になる。こうして銅イ
オンそのものには色が無く、水分子と錯イオンを形成すると(青色)になることが分かる。
もちろん硫酸銅水溶液中でも銅イオンは(アクア錯イオン)になっている。

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[c]アンミン錯イオン(実験のまとめ)
[1](硫酸銅)水溶液にアンモニア水をかき混ぜながら少しずつ加えていくと、始めに
青白色)沈でんを生成するが、過剰になると再び溶解して(深青色 or コバルト
色)になる。
[2]始めは次のように青白色の(水酸化銅)が生成する。これは水に(溶けにくい)物
質である。
    ( Cu2+ + 2OH- ―→ Cu(OH)2 )
水酸化銅
8章で学習したように、アンモニアは弱塩基でその水溶液は一部が次のように電離して水
酸化物イオンを含んでいる。
    NH3 + H2O ―→ NH4 + + OH-
  アンモニア  アンモニウムイオン 水酸化物イオン
[3]アンモニア水が過剰になると、水酸化銅が(アンモニア分子)と次のように反応し
て深青色の(テトラアンミン銅イオン)になる。この錯イオンは水に溶けやすい。
    Cu(OH)2 + 4NH3 ―→ [Cu(NH3)4]2+ + 2OH-
               テトラアンミン銅イオン

[問3]硫酸亜鉛水溶液にアンモニア水を加えていくと、始めに白色沈でんを生成するが、
過剰になると再び溶解して無色になる。始めに起こる反応式と、過剰になるときに生成す
る錯イオンの化学式および名称を書け。。
    Zn2+ + 2OH- ―→ Zn(OH)2
    [Zn(NH3)4]2+   テトラアンミン亜鉛イオン
  参考:アンモニア水は水酸化物イオンの濃度が小さいので
     Zn(OH)2 が [Zn(OH)4]2- に変化することはない(11章を参照)。

[4]銀イオンのアンミン錯イオンについては、14章で取り上げる。



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[d]クロロ錯イオン(実験のまとめ)
 金箔に(濃硝酸)をかけても、(濃塩酸)をかけても変化しない。それは金がイオン化
傾向が極めて小さく変化しにくいことに依っている。しかし両者を混ぜると(金箔)は反
応して(黄色)水溶液になる。このとき金は
    (テトラクロロ金酸イオン [AuCl4]-
に変化する。とくに濃硝酸と濃塩酸を1:3に混ぜたものは(王水)と呼ばれる。














[e]考察
(1)金属イオンと配位子は配位結合で結びつくことが多い。この化学結合について調べ
てみよう。







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3.多価イオン

 遷移金属のイオンは2種以上の原子価を持つものが多い。ここでは鉄イオンについて調
べてみよう。
[a]鉄イオンの生成(実験のまとめ)
[1](塩酸)に(鉄粉)を加えると水素が発生して(淡緑色)水溶液になる。未反応の
鉄粉をろ過して除き、ろ液の半分に(過酸化水素水)を加えて加熱すると、激しく泡を出
して水溶液は(黄褐色)になる。
[2]始めの反応は次のようであり、2価の鉄イオンが生成する。(鉄(U)イオン
Fe2+ )は淡緑色である。
    Fe + 2HCl ―→ FeCl2 + H2 
               塩化鉄(U)
イオン反応式では次のようになり「電子やり取り反応」であることが分かる。
    Fe + 2H+ ―→ Fe2+ + H2 
[3]あとの反応は次のようであり、3価の鉄イオンに変化する。(鉄(V)イオン
Fe3+ )は黄褐色ないし濃い場合は赤褐色である。
    2FeCl2 + H22 + 2HCl ―→ 2FeCl3 +2H2
                        塩化鉄(V)
 この反応を酸化数で検討すると次のようになる。
    FeCl2 の Fe   +2→+3  (酸化される
            or 塩化鉄(U)ないし鉄(U)イオンは還元剤
    H22 の O     −1→−2  還元される
            or 過酸化水素は(酸化剤
[4]原始地球の海水には大量の(鉄(U)イオン)が溶けていた。そして20億年前にな
ると、海中の光合成生物が盛んに酸素 O2 を発生するようになった。酸素は(酸化剤)で
あり、鉄(U)イオンは酸化されて酸化数が+3の鉄を含む(酸化鉄(V) Fe23 )に変
化した。そしてこの物質は水に溶けにくいので海底に堆積して(しま状鉄鉱床)になった
と考えられる。

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[b]鉄イオンの反応(実験のまとめ)
[1]鉄(U)イオンを含む水溶液に(水酸化ナトリウム)水溶液を加えると(緑白色)沈
でんが生成する。また(鉄(V)イオン)を含む水溶液では(赤褐色)沈でんが生成する。
 前の反応は次のようで緑白色の水酸化鉄(U)が生成する。
  ( Fe2+ + 2OH- ―→ Fe(OH)2 )
               水酸化鉄(U)
あとの反応は次のようで赤褐色の水酸化鉄(V)が生成する。
  ( Fe3+ + 3OH- ―→ Fe(OH)3 )
               水酸化鉄(V)
 このように同じ鉄イオンでも異なった結果になる。
[2](鉄(U)イオン)に(ヘキサシアノ鉄(V)酸カリウム K3[Fe(CN)6] )を加え
ると(濃青色 or あい色)沈でんが生成する。これに対して鉄(V)イオンでは褐色にな
るだけである。
 前の反応で生成する物質は「ターンブル青」と呼ばれ、絵の具の(顔料)に使用される。
[3]鉄(U)イオンに(チオシアン酸カリウム KSCN )を加えても変化は起こらない
が、(鉄(V)イオン)では(血赤色)に変化する。
 以上の知識を利用すれば、サンプルにどちらの鉄イオンが含まれるかを識別できる。

[c]エッチング
[1]プリント配線では銅を塩化鉄(V)水溶液で溶かす。このとき銅は次のように反応し
て銅イオンになって溶解する。
    Cu ―→ Cu2+ + 2e-
    2e- + 2Fe3+ ―→ 2Fe2+
[問]銅のエッチングでは鉄(V)イオンが酸化剤としてはたらくことを酸化数の変化から
確認せよ。
    鉄(V)イオンは酸化数が +3→+2 と減少し
    還元されるので酸化剤としてはたらく。



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4.合金と磁石

[a]合金
[1]()の融点は 1083℃ と比較的高いが、これに(スズ)を加えると融点が 数
100℃ も低くなり、手軽に融解して鋳型(いがた)に流し込み目的の形態を作り出すこと
ができる。これは(青銅)と呼ばれ、青銅器時代という歴史を画した。
 このように2種以上の元素を混合して得られる金属は(合金)と呼ばれ、金属単体には
ない新しい性質が付与される。銅の単体の結晶配列は面心立方格子であるが、銅原子とス
ズ原子の大きさが似ているので、青銅では左図のように配列はそのままで銅原子とスズ原
子が(置き換わって)いる。

             

        (北田著「初級金属学」より)
[2]8章では(炭素)を 4% ほど含む(銑鉄)が硬くてもろいことを学習した。これ
はどうしてだろうか。常温の鉄の結晶配列は体心立方格子である。そして炭素原子は鉄原
子に比べてかなり(小さい)ので、右図のように鉄原子どうしのすき間に(侵入して)い
る。すると鉄原子は本来の格子点からずれた位置になって、ひずんだつまり(力のかかっ
)状態におかれる。したがって銑鉄は小さい力では変形しない。また大きい力を受ける
と、炭素原子が(邪魔に)なって新しい金属結合を形成するように(結晶配列)がずれる
ことができずに破壊される。
[3](アルミニウム)に銅を加えて(ジュラルミン)という合金にすると、どうして変
形しにくくなるだろうか。本来アルミニウムは()と馴染みやすくないので、両者を液
体状態で混合し(急冷)して固体にする。するとアルミニウムの結晶に分散した銅原子が、
時間と共にいたるところで集まって微細な結晶になって析出する。そしてこの結晶が邪魔
になりアルミニウムの結晶配列がずれにくくなって硬くなるのである。このような現象は

                  - 11 -

時効硬化)と呼ばれる。
 ところで結晶の中で原子が(移動)することができるのだろうか。結晶の中には格子点
に原子が入っていない(空孔)と呼ばれる部分があり、それが下図のように移動すること
などにより、原子は次第に移動していく。

   

[b]磁石
[1]子どものとき磁石で遊んでその不思議さに興味を持ったことがあるだろう。磁石は
どんな物質であろうか。人間が最初に見つけた磁石は(磁鉄鉱)であった。これは方位磁
針として利用され、その振る舞いに魔力を感じた。これは( Fe34 )という化学式の
酸化鉄である。この化学式は酸化鉄(U)と酸化鉄(V)が1:1に含まれる
FeO・Fe23 という化合物と理解できる。
[2]20世紀になると新しい強い磁石が発明された。(アルニコ)磁石はアルミニウム、
ニッケル、コバルトの(合金)である。その優れた温度特性から電流計などに利用される。
 (フェライト)磁石は炭酸バリウムと(酸化鉄(V))を焼結した(セラミックス)の一
種であり、BaO・6Fe23 という化合物である。保磁力が強くて安価であるため、ス
ピーカー、磁気テープなど多方面に利用される。
 さらに強い磁石として(サマリウム)・コバルト磁石と(ネオジム)・鉄・ホウ素磁石
が発明されている。サマリウム Sm やネオジム Nd は周期表で(ランタノイド)に属
する元素である。
[3]磁石に目に見えて引き寄せられる物質には()、コバルト、ニッケルなどがあり、
これらは(強磁性体)と呼ばれる。
 また以上の磁石は永久磁石と呼ばれる。この磁性の秘密は物理学にゆずりたい。磁石に
は他に電磁石がある。

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5.金属イオンの反応

 それぞれの金属イオンの特性を知っていると、それらを含む水溶液から金属イオンをひ
とつずつ沈でんとして分離することができる。実験では次の4種の金属イオンを含むサン
プルを扱った。
    銀イオン        Ag+
    カドミウムイオン    Cd2+
    クロムイオン      Cr3+
    バリウムイオン     Ba2+
ちなみに陰イオンはすべて硝酸イオン NO3 - である。それは硝酸塩がどれも水に(溶け
やすい)ためである。なおカドミウムとバリウムは典型金属元素であるので注意しよう。

[a]銀イオンの反応(実験のまとめ)
[1]青紫色のサンプルに(塩酸)加えると(白色)沈でんが生成する。これは(銀イオ
)が塩化物イオンと次のように反応して塩化銀が生成するためである。
  ( Ag+ + Cl- ―→ AgCl )
              塩化銀
塩化銀は水に溶けにくい物質であり、これをろ過して次に進む。ちなみに最初に塩化物イ
オンを加えるのは、それと反応して沈でんを生成する金属イオンが少ないためである。
[2]さてしばらくすると塩化銀は(灰紫色)になってくる。これは光に感光して次のよ
うにわずかばかり銀が生成するためである。
    2AgCl ―→ 2Ag + Cl2
 銀塩写真ではフィルムに、より感光性が高い(臭化銀 AgBr )の微粒子が塗り付け
てある。光が当たった部分はそこに銀が生成する。こうしてフィルムに形成された潜像は、
現像)という操作により、ネガフィルムで肉眼でも見られるような画像となる。実際に
はフィルムを取り出す前に、未感光の臭化銀を溶かして取り除く(定着)という操作が必
要である。
[3]同じように(塩化物イオン)によって沈でんするものには
    塩化鉛 PbCl2

                  - 13 -

がある。ただしこれはある程度は水に溶け、とくに熱湯にはかなり溶解する。

[b]カドミウムイオンの反応(実験のまとめ)
[1]ろ液に(硫化水素 H2 )を吹き込むと(黄色)沈でんが生成する。これは(カド
ミウムイオン)が硫化物イオンと次のように反応して硫化カドミウムを生成するためであ
る。
    ( Cd2+ + S2- ―→ CdS )
               硫化カドミウム
[2]硫化水素は硫化鉄(U)に希塩酸を加えると次のように反応して発生する。
    ( FeS + 2HCl ―→ FeCl2 + H2 )
      硫化鉄(U)
硫化水素は(無色)で(腐卵臭)のある気体である。これはすこし水に溶けてわずかに
酸性)を示す。
問1 硫化水素を発生させる反応は、塩の反応のひとつである。どんなタイプの反応であ
るか。
    弱酸の塩に強酸を加えると弱酸が生成する。
[3](硫化物イオン)による沈でんは、(酸性)では生成しにくく塩基性では生成しや
すい。酸性でも沈でんするものには
    硫化銀 Ag2S      硫化銅 CuS
    硫化鉛 PbS
などがある。この実験では塩酸を加えて水溶液が酸性になっているところへ硫化水素を吹
き込んでおり、硫化カドミウムもこの仲間であることが分かる。ちなみにこれらはイオン
化傾向が小さい金属の硫化物である。
これに対して中性ないし塩基性ではじめて沈でんするものには
    硫化鉄 FeS      硫化亜鉛 ZnS 
などがある。実際に硫化鉄は酸性にすると逆向きに反応して、上のように硫化水素が発生
する。

(続く)

                  - 14 -

                                   No

[4]硫化カドミウムは(カドミウムイエロー)と呼ばれ、絵の具の顔料として使用され
る。またこれは半導体で光が当たると電気抵抗が小さくなり、化学式どおりにシーディー
エスと呼ばれる(光センサー)としても利用される。またカドミウムイオンは神通川を汚
染し、(イタイイタイ病)を引き起こした。

[c]クロムイオンの反応(実験のまとめ)
[1]硫化水素を吹き込んだ反応混合物を煮沸して、沈でんの粒子を大きくすると同時に
溶けて残留している硫化水素を追い出してから、ろ液にアンモニア水を加えると(深緑
)沈でんが生成する。これは(クロムイオン)が水酸化物イオンと次のように反応して
水酸化クロムが生成するためである。
    ( Cr3+ + 3OH- ―→ Cr(OH)3 )
                 水酸化クロム
そしてこのろ液が無色になるのは、有色のクロムイオンが取り除かれるためである。
[2]8章で学習したように金属の水酸化物は塩基である。その中で水に溶けにくいもの
は(弱塩基)であり、
    水酸化銅   Cu(OH)2    水酸化鉄(U) Fe(OH)2
    水酸化鉄(V) Fe(OH)3    水酸化亜鉛  Zn(OH)2
    水酸化アルミニウム Al(OH)3
などがある。もちろん水酸化クロムもこの仲間である。
[問2]上の5種の水酸化物の中で次に該当するものを選べ。
(1)アンモニア水の代わりに水酸化ナトリウム水溶液を十分に加えるとヒドロキソ錯イ
オンを形成して溶解する(両性水酸化物)。
    Zn(OH)2     Al(OH)3
(2)アンモニア水を過剰に加えるとアンミン錯イオンを形成して溶解する。
    Cu(OH)2     Zn(OH)2
[3]クロムは金属光沢を失わず耐磨耗性が大きいので、水道の蛇口やドアの取っ手など
の表面の(めっき)に使用される。また鋼にクロムなどを加えた合金は(ステンレス鋼
と呼ばれ、耐食性に優れており流しなどに使用される。

                  - 15 -


[d]バリウムイオンの反応(実験のまとめ)
[1]ろ液に炭酸アンモニウム (NH4)2CO3 水溶液を加えると(白色)沈でんが生成す
る。これは(バリウムイオン)が炭酸イオンと次のように反応して炭酸バリウムが生成す
るためである。
    ( Ba2+ + CO3 2- ―→ BaCO3 )
                 炭酸バリウム
[2]炭酸塩は(酸性)では分解してしまい沈でんは生成しないが、この実験ではひとつ
前の段階でアンモニア水を加えて塩基性にしていることに注目しよう。同じように(炭酸
イオン)によって沈でんするものに
    炭酸カルシウム CaCO3
がある。
[3]ちなみに、最後のろ液には加えた試薬やそれらが反応して生成した物質が溶け込ん
でいる。
[問3]改めて実験「金属イオンの分離」の操作と結果を流れ図にまとめてみよう。

   

[e]考察
(1)沈でんや水溶液の色についてまとめてみよう。

                  - 16 -

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                                   No

6.放射性同位体

[a]同位体
[1]これまで水素、炭素、酸素などすべての元素は、ドルトンが考えたようにただ1種
の原子、つまり水素原子、炭素原子、酸素原子などからできていると説明してきた。しか
しより厳密にはすべての元素はそれぞれ数種の原子から構成されている。原子の(種類
は原子番号つまり陽子数で分類されるが、(陽子数)が同じで中性子数が異なる、つまり
原子番号が同じで(質量数)が異なる原子が存在し、それらは互いに(同位体)と呼ばれ
る。
次に同位体の例と天然における存在率を紹介する。
        水素             炭素
    1H    99.985%     12C   98.89%
    2H     0.015      13C    1.11
      マグネシウム           塩素
    24Mg  78.99%      35Cl  75.77%
    25Mg  10.00       37Cl  24.23
    26Mg  11.01
[2]同位体の性質は互いに(極めて)似ており、通常の化学的方法では区別することが
難しく、したがってただ一種の原子として扱われる。

[問1]元素が本当にただ1種の原子からできていれば、その原子量は質量数に近いつま
り整数に近い数値になるはずである。しかし実際には質量数が異なる同位体の混合物であ
る。塩素は塩素35 35Cl を 75% 、塩素37 37Cl を 25% 含む。塩素の原子
量を計算してみよ。
    35×0.75+37×0.25 = 35.5
                    答 35.5

[b]放射性同位体
[1]1898年に(マリー・キュリー)は夫と協力して、強い放射線を出す(ラジウム

                  - 17 -

Ra )という元素を発見した。
[2](放射線)とは原子から電子をはじき飛ばしてイオンにするだけの大きいエネルギ
ーを持つ粒子のことである。主な放射線には
    ヘリウム4の原子核 4He(2価の陽イオンであり、アルファ線という)
    電子 e-ベータ線という)
    中性子 n (中性子線という)
    (ガンマ線)、エックス線(これらは紫外線より波長が短い光子である)
がある。
参考:放射線を出す性質は(放射能)と呼ばれる。

[3]ラジウムには10種以上の同位体が存在し、そのすべてが放射線を出して別の元素
に変化していく。自然に放射線を出す同位体は(放射性同位体)と呼ばれる。たとえばラ
ジウム226 226Ra はラドン222 222Rn とアルファ線 4He に変化する。
    226Ra ―→ 222Rn + 4He
このように原子核が変化して別の元素が生成する反応は(核反応)と呼ばれる。そしてこ
れは「原子は不滅である」というドルトンの考えが成り立たない世界があることを意味し
ている。
参考:核反応の反応式は記憶しなくてよい。
[4]人工的に核反応を引き起こすこともできる。たとえば(ベリリウム9 9Be )にア
ルファ線を照射すると炭素12 12C と中性子線 n に変化する。
    9Be + 4He ―→ 12C + n
[5]92番のウランより原子番号が大きい元素は(天然)には存在しない。しかしウラ
ン238 238U に中性子線を照射するとベータ線 e- 2個を放射して94番の(プルト
ニウム239 239Pu )が生成する。
    238U + n ―→ 239Pu + 2e-
このように合成される(人工)元素の同位体はすべて放射性である。


(続く)

                  - 18 -

                                   No
[c]トレーサーと年代測定
[1]放射線は粒子1個1個を検出することができるので、放射性同位体を利用した分析
は極めて高感度になる。
 非放射性の金片の表面に放射性の金198 198Au を含む金を押しつけ、時間をおいて
からもとの金片を薄片にして調べたところ、内部の薄片から放射線が検出された。このよ
うにして(結晶)の内部でも、原子どうしが入れ替わってゆっくりと(拡散)が起こって
いることが確認された。放射線によってその振る舞いを追跡するために利用する同位体は
トレーサー)と呼ばれる。
[2]放射性同位体が放射線を出して変化し、もとの半分の量になるまでの時間は(半減
)と呼ばれる。半減期はその放射性同位体の原子核の性質に基づいており、一切の外的
条件に左右されない。
 (炭素14 14 )という放射性同位体の半減期は 5760年 である。これは大気上
層において宇宙線の作用でわずかずつ生成し、大気中を拡散し、他方で放射線を出して別
の元素に変化していく。その結果大気中に含まれる炭素14は炭素全体の1兆分の1とい
う(一定の)濃度に保たれている。そして光合成で二酸化炭素を吸収し呼吸で再び排出し
続けている植物体の炭素についても、植物を捕食し呼吸で二酸化炭素を排出し続けている
動物体の炭素についても同じ濃度に保たれる。ところがそれらが生命活動を終えると炭素
の(循環)から切り離され、それから現在に至るまでは炭素14の濃度は減少するだけで
あり、5760年 で半分になる。こうして炭素14の濃度を測定することにより、およそ
5万年 前までの(年代)を知ることができる。

[d]放射線の被害
[1]放射線が人体にどんなに重大な被害を及ぼすかは、広島・長崎の原子爆弾による惨
禍を見れば明らかである。
 放射線はその大きいエネルギーのため原子を(イオン化)し、それによって分子を破壊
し、細胞の構造を破壊する。
[2]放射線を大量に被爆すると、下痢、おう吐、発熱、脱毛、出血、衰弱などの症状が
現れ、そして死に至る。
 それだけでなく放射線がこわいのは、たった1個の放射線でも決定的な影響を及ぼす可

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能性がある。つまり遺伝子を損傷させて、白血病を始めとする(がん)を引き起こしたり、
子孫に(遺伝的)影響を与えたりすることである。
 こうしてエックス線撮影を受けるかどうかは、病気発見のメリットと放射線被害のデメ
リットを自分で評価して結論を出すべきことである。
[3]アルファ線、ベータ線は貫通力が小さいが、ガンマ線、エックス線、中性子線はコ
ンクリート壁も突き抜ける。しかし放射性同位体が、呼吸、飲食、接触により(体内)に
取り込まれると、前者も重大な影響を与える(体内被爆)。
 ちなみに、原子力発電所の事故に備えて(ヨウ素剤 ヨウ化カリウム)が保管されてい
る。これは事故によってまき散らされる放射性同位体の中で、ヨウ素129 129I やヨウ
素131 131I は揮発性ですみやかに大気を汚染する。ヨウ素は成長期の子どもの甲状腺
に取り込まれやすいので、直ちに非放射性のヨウ素剤を投与して、放射性のヨウ素が取り
込まれにくくするためである。


















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7.原子力発電

[a]核反応のエネルギー
[1]核反応によって発生するエネルギーは(桁違いに)大きい。たとえば(ウラン
235 235 )の原子核にスピードの遅い中性子(熱中性子)が衝突すると、図のように
分裂して2個の原子核と1〜3個の中性子に変化する。この種の核反応は(核分裂)と呼
ばれる。このとき発生するエネルギーは炭素が燃焼するときの25万倍(同じ質量で比較
して)である。

   

      (ポーリング著「一般化学」(岩波)より)
[2]このエネルギーが最初に利用されたのは、不幸にも広島に投下された(原子爆弾
であった。このとき発生したエネルギーは 1.6×1014J で、TNT火薬2万トンが発
生するエネルギーに相当する。

[b]連鎖反応と臨界
[1]ウラン235の濃度が高くなるにつれて、核分裂で発生した中性子が外に抜ける前
に別のウラン235の原子核に衝突して再び核分裂を起こすようになる。このようにひと
つに反応が次の反応を引き起こす反応は(連鎖反応)と呼ばれる。そしてひとつの核分裂
で発生した中性子のうち平均1個が次の核分裂を引き起こして、核分裂が継続するように
なる状態は(臨界)と呼ばれる。
[2]臨界を越える濃度では核分裂は(ねずみ算)式に拡大して一気に膨大なエネルギー

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が発生する。これが原子爆弾の原理である。99年に日本で起きたJCOウラン加工施設
の事故でも、くり返し臨界を越える核分裂が起きて、中性子線などが放射された。

[c]原子力発電
[1]ウラン235の核分裂を臨界ぎりぎりに(制御)して持続的にエネルギーを発生さ
せ、それで発電機を回すのが現在の方式の(原子力発電)である。
 核分裂を起こす部分は原子炉と呼ばれ、その多くは図のような軽水炉と呼ばれるタイプ
である。()を入れた圧力容器に(濃縮ウラン)を詰めた燃料棒と、その間にホウ素な
どを入れた(制御棒)が差し込まれている。水は核分裂で発生する中性子の速度を(減速
して)核分裂が起こりやすくすると共に、発生する熱エネルギーを熱交換器で別の水に伝
えるはたらきをする。制御棒は中性子を吸収して核分裂を(起こりにくく)する。
[2]また核分裂によってできる核分裂生成物には(放射性同位体)が多く含まれ、発生
する中性子によっても新たに放射性同位体が生成するので、これらが外部に(漏れ出さな
)ようにする必要がある。

   



                         (続く)

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                                   No
[d]ウランの濃縮
[1]天然のウランには核分裂を起こすウラン235は 0.7% しか含まれておらず、残
りはウラン238である。このままでは臨界に到達するのが難しいのでウラン235を濃
縮してその濃度を大きくする。同位体の性質は極めて似ているので、これには高い技術が
求められる。そしてこれは核兵器の製造に結び付くので日本では行わず、濃縮ウランはす
べて米国から輸入している。
[2]ガス拡散法では、気体分子はその(分子量)が小さいほど拡散しやすいことを利用
する。製錬したウランを(六フッ化ウラン UF6 )に変化させ、加熱して気体にして多孔
質の隔膜を透過させるとわずかにウラン235の濃度が大きくなるので、これを何回もく
り返す。このあと固体の(二酸化ウラン UO2 )などに変化させ、成形して(核燃料)と
なる。
[3]軽水炉にはウラン235の濃度が 3% になった核燃料が使用される。なお核燃料
と言っても、燃焼反応を起こすのでなく、これは核分裂で熱エネルギーを発生する原料で
ある。
[問2]ウラン235を含む六フッ化ウランと、ウラン238を含む六フッ化ウランのそ
れぞれの分子量を計算せよ(F=19)。
    235UF6 =235+19×6=349
    238UF6 =238+19×6=352

[e]運転中の事故
[1]1979年に米国で(スリーマイル島)原子力発電所が事故を起こした。このとき
原子炉内の水が減少して温度が 2000℃ まで上昇し、水素爆発が起きた。非常用炉心
冷却系はうまく作動せず、原子炉の破壊を防ぐために大量の放射性ガスが放出された。
[2]1986年に旧ソ連で(チェルノブイリ)原子力発電所が事故を起こした。これは
黒鉛炉と呼ばれるタイプで、核分裂を制御できなくなって大爆発で発電所全体が破壊され、
膨大な放射性同位体が国境を越えてまき散らされた。半径 30km は居住不可能となり、
今だ公式な報告はないが、原爆に匹敵する被害が出たとも言われている。
[3]ちなみにそのような事故に遭遇したときは、風向風速を考慮してひたすら逃げるし
か方法がない。愛知県西部では、冬の季節風の風上 100km に敦賀原子力発電所があ

                  - 23 -

ることは記憶しておこう。
[4]日本でも1981年の敦賀原子力発電所の放射性廃液漏れなどの事故がある。事故
原因のひとつは、過酷な条件で運転される原子炉に用いる金属材料が(応力腐食割れ)を
起こすためである。
[5]加えて日本では、事故や破損がくり返し(隠ぺい)され、国民の不信を招いている。
 
[f]再処理と放射性廃棄物
[1]使用済み核燃料には、ウラン238とプルトニウム239、それに核分裂生成物な
どが含まれる。これらを分離する操作は(再処理)と呼ばれるが、日本ではこの技術が確
立しておらず、現在はフランスなどに依頼している。
 (プルトニウム239)は強い放射線を出し、半減期が長く、体内に取り込むと排出さ
れにくいので、取り扱いが難しい。
[2]日本ではこれとウラン238を、新しい方式の原子力発電で用いる(高速増殖炉
と呼ばれる原子炉の核燃料として利用する予定であるが、その開発は行き詰まっている
(11章を参照)。そしてプルトニウム239は(核兵器)になるので、非核三原則を国
是(こくぜ)とする日本が大量に保管することは許されない。
[3]また核分裂生成物は強い放射線を出し、半減期の長い同位体を含み、高レベル(
射性廃棄物)と呼ばれる。この放射線が静まるには数万年という時間が必要である。
 放射性廃棄物の処分技術は世界的に確立しておらず、現在はその貯蔵タンクが蓄積して
いく一方である。一体そのような長年月に渡って、責任を持って保管できる国家や企業が
存在するのだろうか。

[問3]私たちは原子力発電をどのように考えたらよいだろうか。

  





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宿題(12章)

1.錯イオンの実験に関する次の文を完成し、下の問に答えよ。
 水を加えたエタノールに(塩化コバルト)を溶解する。これを熱湯に浸けると(青色
に、氷水に浸けると赤色)に変化する(a)
 硫酸銅水溶液にアンモニア水を少しずつ加えていくと、始めに青白色)沈でんが生成
し(b)、過剰になると再び溶解して(深青色)になる(c)
 金箔に(濃硝酸)をかけても、(濃塩酸)をかけても変化しない。しかし両者を混ぜる
(d)と反応して黄色)水溶液になる(e)
(1)(a)、(c)、(e)で生成する錯イオンの化学式と名称を書け。
  (a)[Co(H2O)6]2+  ヘキサアクアコバルトイオン
  (c)[Cu(NH3)4]2+  テトラアンミン銅イオン
  (e)[AuCl4]-    テトラクロロ金酸イオン
(2)(b)の変化をイオン反応式で書け。
    Cu2+ + 2OH- ―→ Cu(OH)2
(3)(d)でできる混合物は何と呼ばれるか。  (王水
(4)青色の硫酸銅の化学式と、無水硫酸銅の色を書け。
    CuSO4・5H2O  白色
2.鉄イオンの実験に関する次の文を完成し、下の問に答えよ。
 (塩酸)に(鉄粉)を加えると水素が発生して(淡緑色)水溶液が得られる(a)。未
反応の鉄粉をろ過して除き、ろ液の半分に(過酸化水素水)を加えて加熱すると、激しく
泡を出して水溶液は(黄褐色)に変化する(b)
(1)(a)の変化を普通の反応式で書け。
    Fe + 2HCl ―→ FeCl2 + H2
(2)(b)の反応式は次のようである。
    2FeCl2 + H22 + 2HCl ―→ 2FeCl3 +2H2
このときの酸化剤と還元剤の名称を上げ、その中で酸化数が変化する元素の記号とその変
化を例にならって示せ。  例 Fe(0→+2)
  酸化剤  過酸化水素  O(−1→−2)
  還元剤  塩化鉄(U)  Fe(+2→+3)
(3)2種の鉄イオンに3種の水溶液を加えた。その結果を示す次の表を完成せよ。
    水溶液          鉄(U)イオン    鉄(V)イオン
 水酸化ナトリウム         灰緑色沈でん    (赤褐色沈でん
 ヘキサシアノ鉄(V)酸カリウム  (濃青色沈でん)    褐色水溶液
 チオシアン酸カリウム      (変化なし)     (血赤色水溶液
(4)ヘキサシアノ鉄(V)酸カリウムの化学式を書け。
    3[Fe(CN)6]
3.次の文を完成せよ。
 (アルミニウム)に銅を加えて(ジュラルミン)という合金にする。両者は馴染みやす
くないので、液体状態で混合し(急冷)して固体にする。するとアルミニウムの結晶に分
散した(銅原子)が、時間と共にいたるところで集まって微細な(結晶)になって析出す

                  - 25 -

る。そしてこれが邪魔になりアルミニウムの(結晶配列)がずれにくくなって硬くなる。
このような現象は(時効硬化)と呼ばれる。
フェライト)磁石は炭酸バリウムと(酸化鉄(V))を焼結した(セラミックス)の一種
である。保磁力が強くて安価であるため、スピーカー(磁気テープ)など多方面に利用さ
れる。
4.次の4種の金属イオンを含む水溶液がある。
    銀イオン カドミウムイオン クロムイオン バリウムイオン
これらを沈でんにして分離したい。
(1)次の4つの操作はどの順番で行えばよいか。 ()→()→()→(
  (a)炭酸アンモニウム水溶液を加える。
  (b)硫化水素を吹き込む。
  (c)アンモニア水を加える。
  (d)塩酸を加える。
(2)各操作によって起こる沈でん生成の反応式と沈でんの色を書け。
  (a)Ba2+ + CO3 2- −→ BaCO3   白色
  (b)Cd2+ + S2- −→ CdS   黄色
  (c)Cr3+ + 3OH- −→ Cr(OH)3   深緑色
  (d)Ag+ + Cl- −→ AgCl   白色
(3)硫化水素はどのように発生させるか。
    硫化鉄に希塩酸を加える。
(4)銀塩写真の感光剤の物質名と化学式を書け。 (臭化銀) (AgBr
(5)イタイイタイ病を引き起こした元素名を書け。   (カドミウム
(6)クロムの利用例を2つ上げよ。
    めっき   ステンレス鋼
5.次の各問に答えよ。
(1)原子番号が同じで質量数が異なる原子は何と呼ばれるか  (同位体
(2)マグネシウムは Mg24 を 79% 、Mg25 を 10% 、Mg26 を
11% 含む。マグネシウムの原子量を計算せよ(答は小数1位まで)。
  24×0.79+25×0.10+26×0.11=24.32
                    答 24.3
(2)原子から電子をはじき飛ばしてイオン化するだけの大きいエネルギーを持つ粒子
は何と呼ばれるか。           (放射線
(3)ウランの濃縮に関する次の文を完成せよ。
 製錬したウランを(六フッ化ウラン)に変化させ、加熱して(気体)にして多孔質の隔
膜を透過させるとわずかに(ウラン235)の濃度が大きくなるので、これを何回もくり
返す。このあと固体の(二酸化ウラン)などに変化させ、成形して(核燃料)となる。
(4)核分裂の連鎖反応がぎりぎり継続する状態は何と呼ばれるか  (臨界
(5)使用済み核燃料に含まれるものを3つ上げよ。また再処理後に高レベル放射性破棄
物になるものに×をつけよ。
    ウラン238   プルトニウム239   核分裂生成物×

               ( )組 (  )番 氏名(       )

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