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参考:このスペースを利用して「電子得失表」を再度掲げておく。
電子得失表
電 大 Al ←→ Al3+ + 3e-
子 ↑ 2OH- + H2 ←→ 2H2O + 2e-
を | Zn ←→ Zn2+ + 2e- 還
失 小 Fe ←→ Fe2+ + 2e- 元
う Pb ←→ Pb2+ + 2e- さ 酸
‖ ‖ H2 ←→ 2H+ + 2e- れ 化
酸 還 Cu ←→ Cu2+ + 2e- る 剤
化 元 4OH- ←→ 2H2O + O2 + 4e- ‖ ‖
さ 剤 2I- ←→ I2 + 2e- 電
れ Ag ←→ Ag+ + e- 小 子
る 2Br- ←→ Br2 + 2e- | を
◎ 2H2O ←→ 4H+ + O2 + 4e- ↓ 得
◎ 2Cl- ←→ Cl2 + 2e- 大 る
(注意:◎は条件によって入れ代わる。)
[b]考察
・金属と典型元素の復習をしておこう。
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(熱伝導率)が高いためである。
[5]炎が黄橙色になるのは(ナトリウム)元素に特有である。一般に物質を炎にさらし
たときにそれに含まれる元素に特有の色を発することは(炎色反応)と呼ばれる。これは
原子スペクトルと似た現象であり、分析や花火に利用される。1章で扱ったバイルシュタ
イン反応は、(銅)元素の炎色反応が(緑色)であることに依っている。また塩化リチウ
ムを加えた炎が(赤色)になったのは(リチウム)元素の炎色反応である。
それからナトリウムを封入したランプも黄橙色を発し、(トンネル)内の照明に利用さ
れる。これは黄橙色のような波長の長い光は、空気中に浮遊する微粒子に(散乱)されに
くく遠くまで見通すことができるためである。
[c]ナトリウムの反応性
[1]ナトリウムが常温の(水)と反応するのは、電子得失表を応用して次のように理解
される。ナトリウムは次のように電子を(失う)。
( Na ―→ Na+ + e- )
そして教科書などに載っている16種の金属のイオン化列を参考にすると、その電子を失
う傾向は電子得失表においてアルミニウムの上に来ることが分かる。したがってナトリウ
ムと水分子は(右下がり)の斜線で結ばれ、次のように(電子やり取り)反応が起こる。
2Na ―→ 2Na+ + 2e-
2e- + 2H2O ―→ 2OH- + H2 (+
2Na + 2H2O ―→ 2Na+ + 2OH- + H2
これを普通の反応式に直すと[a]に示したものになる。
[2]一般に金属が反応する場合はそれが(陽イオン)になることを伴うので、その反応
性は(イオン化傾向)が大きいほど激しいのである。
参考:16種の金属のイオン化列を記憶しておこう。
[3]このようにナトリウムは単体に戻りにくいので、塩化ナトリウムの融解塩電解(タ
ウンズ法)で生産する。
問 塩化ナトリウムの融解塩電解において、単体のナトリウムが生成する電極とそこで起
こる反応のタイプ、およびその電極における反応式を書け。
陰極 電子を得る反応
e- + Na+ ―→ Na
(続く)
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[d]リチウム
リチウムは次のように電子を与える。
Li ―→ Li+ + e-
1molの電子を与えるのはもちろん(1)molのリチウムであり、リチウムの原子量
が7であるので、それは(7)gである。この質量は他の原子に比べて小さい。つまりこ
れを利用すると小型で電力のある電池がつくれるわけで、現在はくり返し充電可能な(リ
チウムイオン電池)に使用されている。
[e]塩化ナトリウムと水酸化ナトリウム
[1]塩化ナトリウム NaCl は海水に(3%)ほど含まれる。私たちの体は塩化ナト
リウムを必要とする。現在日本では海水から食塩を生産するのに、塩田法ではなくイオン
交換膜法で行っている。しかしそれでは不足するので岩塩などを輸入している。(岩塩)
は海などが干上がって形成されたものである。
[2]水酸化ナトリウム NaOH は食塩水の電気分解で塩素などとともに生産する。
水酸化ナトリウムは強塩基であり(皮膚)や粘膜をおかす。
[3](固体)の水酸化ナトリウムは(白色)で、空気中に放置するとすぐにべたべたし
てくる。この現象は(潮解)と呼ばれ、水蒸気を吸収しやすいことを示している。粒状の
水酸化ナトリウム、あるいは水酸化ナトリウムと酸化カルシウムの混合物である(ソーダ
石灰)を詰めた吸収管に、8章で発生させたアンモニアを通じるとそれに含まれる水蒸気
を除去することができる。
[4]また水酸化ナトリウム水溶液を入れた試薬びんの口の辺りには白い粉が付着してく
る。それは次のように二酸化炭素を吸収して(炭酸ナトリウム)を生成するためである。
( 2NaOH + CO2 ―→ Na2CO3 + H2O )
これは水酸化ナトリウムが(酸性酸化物)である二酸化炭素と反応したのである。
[f]炭酸ナトリウムの生産
[1](炭酸ナトリウム Na2CO3 )を工業的に生産する方法は(アンモニアソーダ
法)と呼ばれ、近代化学工業のスタートとなった技術である。炭酸ナトリウムは(ガラ
ス)の原料などになる。
[2](塩化ナトリウム水溶液)に(アンモニア)を十分に溶かし、これに(二酸化炭
素)を吹き込んでいくと、次の反応によって
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( NaCl + H2O + NH3 + CO2
―→ NaHCO3 + NH4Cl )
炭酸水素ナトリウム 塩化アンモニウム
少ししか水に溶けない炭酸水素ナトリウムが沈でんして生成する。これを(熱分解)する
と次のように反応して目的の炭酸ナトリウムが生成する。
( 2NaHCO3 ―→ Na2CO3 + H2O + CO2 )
炭酸ナトリウム
[3]このルーツは次の反応が発見されたことである。
NaCl + NH4HCO3 ―→ NaHCO3 + NH4Cl
炭酸水素アンモニウム
(炭酸水素アンモニウム)は次のようにアンモニアと炭酸が中和して生成する塩である。
NH3 + H2CO3 ―→ NH4HCO3
炭酸は二酸化炭素が水と反応して生成する。
CO2 + H2O ―→ H2CO3
[4]ここで最大の問題はアンモニアであった。それが(ハーバー法)で生産されるよう
になって解決した。
二酸化炭素は(石灰岩)を次のように熱分解して生産する。
CaCO3 ―→ CaO + CO2
もちろん炭酸水素ナトリウムの熱分解で生成する二酸化炭素も回収して使用する。
他方の酸化カルシウムは(塩基性酸化物)で水と反応して水酸化カルシウムを生成する。
CaO + H2O ―→ Ca(OH)2
この水酸化カルシウムは生成する塩化アンモニウムと次のように反応してアンモニアを完
全回収することができ、こうして高価なアンモニアを(循環)利用する技術が確立した。
2NH4Cl + Ca(OH)2 ―→ CaCl2 + 2H2O + 2NH3
塩化カルシウム
塩化カルシウムは副生産物になる。
問 教科書に載っている工程図を見て吟味しよう。
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である。
水酸化カルシウム Ca(OH)2 は消石灰とも呼ばれ、すこし水に溶けて(強い)塩基性
を示す。これは酸性化した土壌を中和するために利用される。
(塩化カルシウム CaCl2 )はその凝固点降下のはたらきによって道路の(凍結防止
剤)などに利用される。
硫酸カルシウム CaSO4 はすでに触れたように石こうとして利用される。これは
(水)を加えるとしばらくして固化するので、塑像や(ギブス)に利用される。また難燃
性の(石こうボード)を生産する。
[d]2族の補足
(塩化マグネシウムMgCl2 )は海水の塩分の15%ほどを占めている。この物質は
豆乳を固めて(豆腐)にする凝集剤として使用される。
マグネシウム元素は光合成において光エネルギーを化学エネルギーに転換する色素であ
る(クロロフィル)分子に含まれる。
(硫酸バリウム BaSO4 )はきわめて水に溶けにくく、またX線を透過しにくい。そ
こでこの物質を水に分散させた(バリウムミルク)を飲んで胃壁に付着させ、レントゲン
撮影をしてがんなどの検診に使用している。
ラジウムについては次章で学習する。
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同時に(アルミニウム)は上のように塩基の(水酸化物イオン)とも反応する。このよう
に酸とも塩基とも反応する金属は(両性金属)と呼ばれる。亜鉛も次のように塩基の水酸
化物イオンとも反応するので両性金属である。
Zn + 4OH- ―→ [Zn(OH)4]2- + 2e-
テトラヒドロキソ亜鉛酸イオン
ちなみにアルミニウムや(亜鉛)は、周期表において非金属との境界線(付近)に位置
する金属元素であることに注目しよう。
[c]両性水酸化物など
[問]水酸化亜鉛の実験のイラストを描け。
[1]はじめは(亜鉛イオン)が次のように反応して水酸化亜鉛を生成する。これは水に
(溶けにくい)物質である。
( Zn2+ + 2OH- ―→ Zn(OH)2 )
水酸化亜鉛
続いて(水酸化ナトリウム)が過剰になると、水酸化亜鉛はさらに次のように反応して
(テトラヒドロキソ亜鉛酸イオン)になる。この錯イオンは水に溶けやすい。
Zn(OH)2 + 2OH- ―→ [Zn(OH)4]2-
8章で学習したように金属の水酸化物は塩基であり、酸と(中和)反応する。水酸化亜
鉛の場合は硫酸と次のように反応する。
Zn(OH)2 + H2SO4 ―→ 2H2O + ZnSO4
硫酸亜鉛
これをイオン反応式に直すと次のようである。
Zn(OH)2 + 2H+ ―→ 2H2O + Zn2+
(続く)
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[2]こうして(水酸化亜鉛)は酸とも塩基とも反応することが分かる。このような物質
は(両性水酸化物)と呼ばれる。そして水酸化アルミニウム Al(OH)3 も両性水酸化物
である。
[3]10章では金属の酸化物の中には、塩基性酸化物として酸と反応して塩を生成する
と同時に、酸性酸化物として塩基とも反応して塩を生成するものがあることに触れた。こ
れらは(両性酸化物)と呼ばれ、(酸化アルミニウム Al2O3 )や酸化亜鉛 ZnO が
含まれる。たとえば酸化アルミニウムは水酸化ナトリウム水溶液と次のように反応する。
Al2O3 + 2OH- + 3H2O ―→ 2[Al(OH)4]-
酸化アルミニウム
[4]なお以上3種の両性を示す反応は、水酸化ナトリウムのような(強塩基)を加える
場合に見られ、アンモニアなどの弱塩基では起こらない。
[d]軽金属
[1](アルミニウム)やマグネシウムは次のように、鉄や銅に比べて密度が小さく(軽
金属)と呼ばれる。
ナトリウム 0.917[g/cm3] 鉄 7.86[g/cm3]
マグネシウム 1.74 銅 8.93
アルミニウム 2.69 水銀 13.6
チタン 4.54 金 19.3
[2]アルミニウムは軽いが、しかし軟らかく(変形しやすい)。そこでアルミニウムに
銅を加えて合金にし、その性質を改良する。これは(ジュラルミン)と呼ばれ、航空機材
料に使用される。
[3]またアルミニウムの電気伝導度は銅に次ぐものである。しかし体積あたりでなく
(質量)あたりでは銅を越える。こうして(送電線)には、鋼線を芯にしたアルミニウム
線が使用される。
[e]腐食と防食
[1]金属の利用には腐食を防ぐことが欠かせない。とくに水分があるとさびやすく、そ
のような変化を(湿食)という。
それは電子を(失う)ことで始まり、鉄の場合は次のような反応である。
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Fe ―→ Fe2+ + 2e-
そして電子は次のように(水)および(酸素)に奪われる(電子得失表を参照)。
4e- + 2H2O + O2 ―→ 4OH-
この反応では図のように(局部電池)が形成され、中心部が負極に、酸素が多い周辺部が
正極になる。
[2]鉄板の表面に亜鉛の被膜を形成したものは(とたん)と呼ばれる。これでは鉄より
イオン化傾向が(大きい)亜鉛が次のように電子を与え、
Zn ―→ Zn2+ + 2e-
鉄は電子を失う反応を免れる。こうして亜鉛が無くなるまで鉄のさびを防ぐことができる。
海水にさらされる船体の鉄板には(亜鉛)のブロックが固定される。
[3]ちなみにアルミニウムは(イオン化傾向)が大きいにも係わらず、腐食しにくいの
はどうしてだろうか。それは表面が酸化されると薄くて丈夫な(被膜)となり、金属内部
を(保護)するためである。この被膜を電気分解によって人工的に形成したものは(アル
マイト)と呼ばれる。
[f]12〜14族の補足
(水銀 Hg )は常温で液体の金属で、鉄を除く多くの金属を溶解し、その溶液は(ア
マルガム)と呼ばれる。奈良の大仏は金のアマルガムを塗って、水銀を蒸発させて金メッ
キしたと言われている。
水銀は有機物と反応しやすく、その化合物は(神経)をおかす猛毒である。私たちは工
場廃液に含まれる水銀によってひき起こされた(水俣病)を忘れるわけにはいかない。か
つて農薬や乾電池などに水銀が使用されたが、現在ではそのようなことはなくなった。
(スズ Sn )もその融点が232℃と低い。これに(鉛 Pb )を加えた合金は(ハ
ンダ)と呼ばれ、電気配線に使用される。
カドミウムについては次章で学習する。
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3.次のアンモニアソーダ法の工程図を見て、下の問に答えよ。
(1)(ア)〜(エ)の工程の反応式を書け。
(ア)CaCO3 −→ CaO + CO2
(イ)NaCl + H2O + NH3 + CO2 −→ NaHCO3 + NH4Cl
(ウ)2NaHCO3 −→ Na2CO3 + H2O + CO2
(エ)2NH4Cl + Ca(OH)2 −→ CaCl2 + 2H2O + 2NH3
(2)(イ)のうち、アンモニア、水、二酸化炭素で起こる反応式を書け。
NH3 + CO2 + H2O −→ NH4HCO3
(3)完全回収する原料(オ)と、副生産物(カ)の名称を書け。
(オ)アンモニア (カ)塩化カルシウム
4.アルミニウム、亜鉛の実験に関する次の文を読み、下の問に答えよ。
アルミ箔にろ紙を乗せて水酸化ナトリウム水溶液を染み込ませ、その表面に過酸化水素
水をかけてから黒鉛板を被せると、電池(a)になってソーラーモーターがまわる。
硫酸亜鉛水溶液に水酸化ナトリウムを加えると、はじめ白色沈でんを生成する(b)が、
過剰に加えると再び溶解して無色透明になる(c)。
(1)電池(a)の負極の反応式を書け。
Al + 4OH- −→ [Al(OH)4]- + 3e-
(2)下線部(b)(c)で生成する物質およびイオンの化学式と名称を書け。
(b)Zn(OH)2 水酸化亜鉛
(c)[Zn(OH)2]2- テトラヒドロキソ亜鉛酸イオン
(3)両性水酸化物とはどんなものか。
酸とも塩基とも反応する水酸化物
5.次の記述に相当する名称や用語を答えよ。
(1)単位質量あたりもっともたくさんの電子を与える金属で、充電可能な電池に利用さ
れる。 (リチウム)
(2)固体の水酸化ナトリウムを空気中に放置すると、水蒸気を吸収してすぐにべたべた
してくる。 (潮解)
(3)消石灰とも呼ばれ、酸性化した土壌の中和するために利用される。
(水酸化カルシウム)
(4)光合成において光エネルギーを化学エネルギーに転換するクロロフィル分子に含ま
れる金属元素 (マグネシウム)
(5)鉄板の表面に亜鉛の被膜を形成した製品 (とたん)
(6)液体の水銀に他の金属が溶けた溶液 (アマルガム)
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