- 1 -
0.50℃ 26.70kΩ
0.00 27.28
−0.50 27.87
−1.00 28.48
−1.50 29.10
−2.00 29.74
これを最小2乗法で1次式に直すと
R = −1.215t + 27.28
となり、上の抵抗に対応すると温度を計算すると次のようになる。
27.0kΩ 0.23℃
28.0 −0.59
29.0 −1.41
29.5 −1.83
これから、−2.00〜0.50℃の範囲では、温度と抵抗の関係はほぼリニアであること
が分かる。
[3]回路を組み計測をくり返す中で、購入した1%精密抵抗(中国製)の値は1%以上
のばらつきがあり、あまり当てにならないことが分かってきた。そこで精密なデジタルL
CRメーター(AX−6040 アデックス)で抵抗を計測して選ぶことにした。ところ
がこのメーターにして1%の誤差がある。
このレンジでは2.5kΩが2.05℃である。したがって27kΩの基準点ではその1
%である0.27kΩが0.22℃であるのでそれだけの誤差を伴う。ただし振れ幅の方は
2.5kΩが対応し、その誤差は±0.02℃に留まる。
これを踏まえて回路は、基準点の温度が±0.22℃の範囲で調節ができるように製作す
る必要がある(減算回路の比較電圧を加減する)。
[4]校正には水の凝固点を計測する。
始めに、製作した温度計の29.5kΩの基準点がゼロ点調節を回して−1.81℃を、
その上で27kΩの基準点が振れ幅調節を回して0.24℃を示すようにする(くり返し確
認する)。これで振れ幅の方は誤差1%以下で調整できた。
次に水の凝固点を計測する。具体的にはD節における計測法の<準備など>のようにす
る。たとえば凝固点が0.11℃であったとする。それは、振れ幅の誤差を無視して、2つ
の基準点の表示が0.11℃だけ大きすぎることを意味する。そこでゼロ点調節を回して2
9.5kΩの基準点が−1.92℃を示すように校正する。その上で振れ幅調節を回して
(回さなくてもよい可能性がある)27kΩの基準点が0.13℃を示すように校正する。
そして基板に
29.5kΩの基準点 −1.92℃
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27kΩの基準点 0.13℃
と記し、今後の調節に利用する。これで−2.00℃付近でも誤差は0.02℃に抑えられ
る。
[5]加えてベンゼンの凝固点降下も計測できるように考えた。
ベンゼン 凝固点 5.46℃(5.455℃)
モル凝固点降下 5.07℃(5.065℃)
つまりもうひとつ0.00〜6.00℃のレンジを加える。ただしPWDDの精度から
0.02℃刻みにする。
上の4次式から計算すると
0.00℃ 27.28kΩ
1.00 26.14
2.00 25.05
3.00 24.01
4.00 23.02
5.00 22.08
6.00 21.18
そこでベンゼンのレンジでは
27.0kΩ 0.24℃(調整後では上の例では0.13℃)
22.0kΩ 5.08℃
を基準点にする。このレンジでは27.0kΩがゼロ点になる。すると5.0kΩが4.84
℃である。したがって22kΩの基準点ではその1%である0.22kΩが0.21℃(
0.02℃刻みなので実際は0.22℃)であるのでそれだけの誤差を伴う。
上の7つのデータを最小2乗法で1次式に直すと
R = −1.017t + 27.28
となり、4つの温度に対応する抵抗を計算すると次のようになる。
0.00℃ 27.28
2.00 25.15
4.00 23.12
6.00 21.08
つまりこの温度範囲でも温度と抵抗は十分にリニアである。ただし傾きはすこし異なる。
[6]校正にはベンゼンの凝固点を計測する。
始めに、製作した温度計の27kΩの基準点がゼロ点調節を回して、水で校正したたと
えば上の例では0.14℃(正確には0.13℃にすべきだが)を、その上で22kΩの基
準点が振れ幅調節を回して5.08℃を示すようにする(くり返し確認する)。後者の基準
点は1%の誤差を含む。
- 3 -
次にベンゼンの凝固点を計測する。具体的にはD節における計測法と同じようにする。
たとえば凝固点が5.54℃であったとする。それは22kΩの基準点の表示が0.08℃
だけ大きすぎることを意味する。そこで振れ幅調節を回して、5.00℃を示すように校正
する。
そして基板に
27kΩの基準点 0.13℃(前と同じ)
22kΩの基準点 5.00℃
と記し、今後の調節に利用する。

- 4 -
[7]回路図は前ページのようである。サーミスタの抵抗変化は200kΩとの間の電圧
変化として検出する。大きな抵抗を相手にするのは、サーミスタの電流を減らして発熱を
抑えるためである。そして電源電圧が9Vで一定であるので、抵抗分割により常にサーミ
スタの抵抗に比例した電圧が検出できる。そしてサーミスタの代わりの基準点の抵抗の電
圧もDIPスイッチで選べるようにする。
この電圧をOPアンプの(−)に、そして比較電圧を(+)に入力する。サーミスタの
抵抗は温度が高くなると小さくなるので、この減算回路によって温度が高くなるに連れて
大きくなる電圧が出力される。比較電圧は微妙であり、必要なら関係する抵抗28.5kΩ、
26kΩなどを加減する。
あとはAD変換のための電圧増幅である。水のレンジ−2.00〜0.50℃では電圧変
動が約0.12Vであり、それを約4.8V(PWDDの設計から)にすべきであるので、
40倍に増幅すべきである。しかし理由はよく分からないが実際には60倍程度に増幅す
る必要がある。そしてベンゼンのレンジ0.00〜6.00℃では20倍に増幅すべきであ
るが、これも実際には30倍程度に増幅する。増幅率も微妙であり、必要なら関係する抵
抗4kを加減する。そしてレンジの切り替えには6pトグルスイッチを使う。
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28.5k(27k+1k+510Ω)
抵抗 2k ×2
20k
51k
6pトグルスイッチ 160円
10pおすコネクター(みぞあり) 120円
フラットケーブル(10本 8cm)

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@前ページの実態配線図のように、ユニバーサル基板に電源ジャック、2つの可変抵抗、
トグルスイッチの穴を開ける。DIPスイッチ、オペアンプをはんだづけし、可変抵抗、
トグルスイッチも取り付ける。
A抵抗などの残り線で5つの半円状端子をつくる。
B抵抗などをはんだづけする。
Cおすコネクターに、▽印に黒色が来るように8cmのフラットケーブル(ゆ着部分の
方)を裏から差し込んで、万力で締め、ケーブルを返してカバーを差し込む。
部品面からケーブルの他端を、右に茶赤コードが来るようにして、半円状端子に2本ず
つはんだ付けする。そしてコードをめっき線で固定する。
サーミスタを電源ジャックにはんだづけする。
D基板の足にするビス・ナットなどを取り付ける。
<点検>
E基板を「電源・デジタル表示装置」につないで電源を入れ、オペアンプが熱くなるなら
すぐに電源を切って点検する。
F「テンキー」で−2.00〜0.50℃のレンジを設定する。そしてトグルスイッチをこ
のレンジに倒す。
°C = 13150403(アスキーコード)
GDIPスイッチの2をONにし、ゼロ点調節の2k可変抵抗をまわして
−1.81±0.22℃
が表示できるか点検する。できない場合は、減算回路の28.5kあるいは増幅率に関する
4kを微調整する(以下同様)。
続いて3をONにし、振れ幅調節の10k可変抵抗をまわして
0.24±0.22℃
が表示できるか点検する(少々不足していてもOK。以下同じ)。
H別の領域に0.00〜6.00℃のレンジを設定する。そして刻みは0.02℃にする。そ
してトグルスイッチをこのレンジに倒す。
DIPスイッチの3をONにし、ゼロ点調節を回して
0.24±0.22℃
が表示できるか点検する。続いて4をONにし、振れ幅調節を回して
5.08±0.22℃
が表示できるか点検する。
I校正についてはA節を参照する。
J校正が完了してDIPスイッチの2から4の基準値が確定したら、レンジを選んで基準
値に調節し、1をONにしてサーミスタを差し込めば、温度が計測できる。
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(2)マグカップに「寒剤」を準備して−5℃前後にし、(a)と同じように計測する。
参考:実験に使うレンジは−0.00〜6.00℃の範囲(0.02℃刻み)を表示する。
(3)サンプルの計測容器はせんをして教卓に返す。
参考:水のモル凝固点降下 1.86℃
ベンゼンの凝固点 5.46℃
ベンゼンのモル凝固点降下 5.07℃
<計測データなど>
サンプルの質量モル濃度 0.2mol/kg
サンプル 凝固点 凝固点降下
(a)水溶液
@ブドウ糖 ( )℃ ( )℃
Aエタノール ( ) ( )
B塩化ナトリウム ( ) ( )
C硝酸マグネシウム ( ) ( )
(b)ベンゼン溶液
@ナフタレン ( )℃ ( )℃
A安息香酸 ( ) ( )
<準備など>
溶液の調製と計測は分業すると時間が節約できる。
・水の凝固点を計測したい場合は、ポリコップを3つ重ね、氷が多い氷水を入れて穴の開
いた発泡スチロールのふたを被せ、センサーを差し入れて振りながら表示が安定するのを
待つ。
・ベンゼンの凝固点を確認したい場合は、サンプルと同じように計測する。冷却は氷水で
よい。
・高精度温度計
凝固点降下計測のための自作温度計であり、電源デジタル表示装置(PWDD)に搭載。
温度センサーは石塚電子の高精度サーミスタ103AT−1(10k)である(センサー
は検出部の回路とセットにして扱う)。
2つのレンジは
水 −2.00〜0.50℃(0.01℃刻み)
ベンゼン 0.00〜6.00℃(0.02℃刻み)
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実験ではレンジを切り換え、調節をして提供する。
・計測容器
20mLスクリュー管の首にビニタイを付け、その先を折り曲げてプラ容器の壁につり
下げられるようにする。
・マグカップ
容量が適切である。プラスチック製であると断熱性が高い。
・寒剤
水溶液の場合は、氷に飽和食塩水と食塩を加えてはしでよくかき混ぜる。くり返し使用
で温度が上がるようなら、食塩水の一部を別の容器に移し、氷と食塩を補うなどする。
氷は冷蔵庫の製氷器のものでもよい。食塩は安いものを使う。
ベンゼン溶液の場合は、飽和食塩水の代わりに水を使う。
参考:凝固点に比べて寒剤の温度をかなり低くするのは、早く過冷却を破るためである。
<データなど>
(a)水溶液
ブドウ糖 Δ0.37℃
エタノール 0.36
塩化ナトリウム 0.71
硝酸マグネシウム 1.13
硫酸ナトリウム 0.82
(最後のデータは興味深いが、講座プランでは取り上げないことにした。)
(b)ベンゼン溶液
ナフタレン Δ1.04℃
安息香酸 0.50
エタノール 0.76
冷却条件が計測に影響する。冷却曲線を描くのは、手間の割りによい結果が得られない。
早く過冷却を破って、最高到達温度を凝固点とする方が簡単である。
小数2桁目に、ある程度の誤差が入るのは避けがたいように思われる。
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