07.1
                                   林 正幸

   任意のpH溶液の調製

解 説

[1]pHが0から4とか14から10のあたりは、1mol/Lの塩酸や水酸化ナトリウ
ムおよびそれらの水道水による希釈でまかなえる。しかし中性に近い領域は微妙である。
参考:水道水は法律によりpHが5.8〜8.6とされているが、実際には7付近の水が供
   給されている。
 緩衝溶液は確かであるが、いくつもの標準溶液を準備しておくのはやっかいである。そ
こで妥協案として、リン酸を水酸化ナトリウムで部分中和することにした。2つの溶液で
pHが4から10の広い範囲を何とかカバーしようというのである。やってみると濃度は
0.02mol/Lが適切であった。
[2]混合比を見つけるために、始めは溶液を標定した。つまりシュウ酸の0.05
mol/Lの標準溶液を調製し、これで水酸化ナトリウム水溶液を標定し、希釈して濃度を
0.1mol/Lに調整した。次にこれでリン酸水溶液を標定し、濃度を0.1mol/Lに
した。
備考:リン酸の第1中和点のpHが、理論値4.3、文献値(ポーリングの一般科学)
   4.6、実際の0.05mol/Lリン酸二水素ナトリウム水溶液5.2とずれている。
   止もう得ず5.2として、pHメーターで検出した。
その後両溶液を5倍に希釈し、「pHと混合比」の関係をpHメーターを使って確定した。
[3]実際のpH溶液の調製では、どのみち混合後に一方の溶液を数滴追加をして目的の
pHにすることが現実である。そこでもっと簡単に溶液を調製し、計量容器も駒込ピペッ
トやメスシリンダーを使うことにした。

操 作

[a]0.02mol/L溶液の調製
(1)始めに次のように3mol/Lのリン酸と水酸化ナトリウム水溶液を調製する。
・リン酸(85%、密度1.69g/mL)51mLを水に溶かして250mLにする。
・水酸化ナトリウム(94%)32gを水に溶かして250mLにする。
参考:この溶液は別の目的にも利用できる。もちろん別の濃度でもよい。
(2)上の溶液を150倍に希釈して0.02mol/Lの溶液にする。
実際にはメスピペットで1mLを採り、メスシリンダーで水149mLを加える。

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[b]任意のpH溶液の調製
(1)pHメーターを6.9で1点調整する。
備考:pHメーターはホリバのツインpHを使った。
(2)次の「pHと混合比」を参考にして、駒込ピペットやメスシリンダーで混合する。
そしてpHメーターで計測し、ずれがあれば一方の溶液を数滴(量によってはもっと多
く)加えて目的のpHに調整する。
参考:50mLビーカーの場合は、20mL以上ないとpHメーターで計測できない。
        pHと混合比(共に0.0200mol/L)
    pH4.0  リン酸10mLに、水酸化ナトリウム9.3mL
      4.5                   9.5
      5.0                   9.6
      5.5                   9.8
      6.0                  10.5
      6.5                  11.8
      7.0                  14.5
      7.5                  17.5
      8.0                  19.5
      8.5                  20.2
      9.0                  20.7
      9.5                  21.1
     10.0                  21.8

参 考

 実際にはユニバーサル指示薬のpHが0.5刻みの色見本の作成をした。10mL当たり
5滴を加えた。それぞれを20mLスクリュー管に入れ、次ページの「サンプルラック」
に並べると、実に美しい。しかし残念ながら1週間ほどすると色が褪せてくる。









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