03.9
                                   林 正幸

  マンガン乾電池

解 説

 乾電池についてはすでにこのホームページのダニエル電池とマンガン乾電池マンガ
ン乾電池と鉛蓄電池
で紹介しているが、私としては性能がいまいちで満足していなかっ
た。そして実際の電池では二酸化マンガンは電気分解で製造するもの(「電マン」と呼
ばれる)が使われているので、今回はそれを購入してもう一度自分なりの処方を検討し
てみた。
 実際の乾電池の形にするのは手間がかかるので、手軽にでき原理が分かる処方を考え
た。セパレータはろ紙からセロハンに代えた。正極活物質は脱脂綿の上からかけて染み
込ませるようにした。塩化亜鉛水溶液の濃度は、この処方では15%がベストで、その
とき豆電球が15分以上明るく点灯するようになり、大幅な改善ができた。ちなみに同
じ条件で通常の二酸化マンガンを使うと5分しか点灯しない。なお水溶液の濃度が5%
%でも10分は豆電球が点灯する。
 主要な反応式は次のようである。
  負極  4Zn ―→ 4Zn2+ + 8e-
      4Zn2+ + 8H2O ―→ 4Zn(OH)2 + 8H+
      4Zn(OH)2 + ZnCl2 ―→ ZnCl2・4Zn(OH)2
  正極  8MnO2 + 8H+ + 8e- ―→ 8MnO(OH)

準 備

・亜鉛板、炭素板、バット
・50mlビーカー、ガラス棒
・セロハン(19×10cm)
・カット綿(15×5cm)
 (商品をさらに2枚にはがして、幅5cmに切る 0.75g)
・塩化アンモニウムを加えた15%塩化亜鉛水溶液
 (塩化亜鉛6gと塩化アンモニウ1gに水33mlを加えて溶解する)
・二酸化マンガン(電マン)
・黒鉛粉末
・豆電球とクリップコード

操 作

(1)バットの底を上にして亜鉛板を置く。
(2)塩化アンモニウムを加えた15%塩化亜鉛水溶液で濡らしたセロハンを被せ、カ
ット綿を置く。
(3)50mlビーカーで、二酸化マンガン1gと黒鉛粉末5gに15%塩化亜鉛水溶
液13mlを加えてガラス棒で混ぜ、全体に広がるようかける。
(4)炭素板を被せて、豆電球に接続する。
(5)終わったら、脱脂綿とセロハンの部分は水に洗い出して重金属処理をする。電極
板は水洗いする。

<追記(09.7)>
アルカリ乾電池
 上の「塩化アンモニウムを含む15%塩化亜鉛水溶液」を3mol/L水酸化カリウム
水溶液に、正極をステンレス板に代えると、アルカリ乾電池ができる。
 電圧は1.46Vで、電流は150mAほど流せる。ソーラーモーターにつなぐと、勢
いよくまわり続ける(残念ながら豆電球は無理)。
 反応式は「電池工業会」のホームページを参考にすると次のようである。
  負極 Zn ―→ Zn2+ + 2e-
     Zn2+ + 2OH- ―→ ZnO + H2
  正極 2e- + 2H2O + MnO2 ―→ Mn(OH)2 + 2OH-

(1)亜鉛板の表面に3mol/L水酸化カリウム水溶液1mLを塗ってセロハンを被
せ、カット綿を載せる。
(2)50mLビーカーに酸化マンガン(W)1gと黒鉛粉末5gを入れてガラス棒で
かき混ぜ、3mol/L水酸化カリウム水溶液13mLを加えてさらにかき混ぜ、カッ
ト綿に均等に浸み込ます。
(3)ステンレス板を被せ、ソーラーモーターにつなぐ。


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