05.12
                                   林 正幸

  銅薄層の生成とエッチング

解 説

 この実験は、プラン「元素を自分で取り出してみよう」の検討の中で開発し、「リチウ
ム」に席を譲ったものである。ダニエル型電池をつくりながら、おみやげに銅のイラスト
や文字が書かれた美しいステンレス板ができる。
 ダニエル型電池は、硫酸亜鉛水溶液の代わりに硫酸ナトリウム水溶液を使う。これでク
ッキングペーパーを燃えるごみとして捨てられる。もちろん反応式は変わらない。
  負極 Zn ―→ Zn2+ + 2e-
  正極 2e- + Cu2+ ―→ Cu
 始めはステンレス板の代わりに炭素板を使っていたが、表面が粗いため後半のエッチン
グがうまくできなかった。ステンレス板は、ビタミンC入りの塩酸による前処理が、きれ
いな銅薄層につながる。電池をショートすると短時間できれいな銅ができ、時間が長くな
ると黒色がかってくる。また途中でくり返しステンレス板を離すとむらが解消される。
 エッチングは薄層のおかげで見る見る銅が溶けていく。その反応式は次のようである。
    Cu ―→ Cu2+ + 2e-
    2e- + 2Fe3+ ―→ 2Fe2+
これは2価の鉄イオンの酸化還元電位が低いために起こる。油性ペンで被覆された部分は
銅が溶けず、プリント配線のしくみが分かる。

準 備

・ステンレス板(45×150mm 厚さ0.1または0.5mm)
・亜鉛板(45×150mm)
・ビタミンCを1%に溶かした4mol/l塩酸
 (長期間は保存できない。炭酸ナトリウムで中和処理する。)
・2%硫酸ナトリウム水溶液
・飽和硫酸銅水溶液
・30%塩化鉄(V)水溶液
 (くり返し使用する。)
・エタノール
・トレイ
・クッキングペーパー(5×15cm)
・セロハン(10×19cm)
・木のおもり
・豆電球
・クリップコード(ダブルクリップ)

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・油性ペン
・ティッシュペーパー

操 作

銅薄層の生成
(1)ビタミンCを1%に溶かした4mol/l塩酸40mlをトレイに入れ、ステンレス
板を15分間浸ける。
(2)別のトレイを逆さに置き、亜鉛板を乗せ、クッキングペーパーを被せる。
注意:亜鉛板の磨いてある方の端5mmは、クリップで挟むために被せない。
(3)2%硫酸ナトリウム水溶液7mlをペーパーに浸み込ませ、セロハンを被せる。
(4)もう1枚のクッキングペーパーを乗せ、飽和硫酸銅水溶液7mlをペーパーに浸み
込ませる。
(5)ステンレス板を取り出して水洗いし、被せて木のおもりを乗せる。
参考:おもりは0.5mmのステンレス板では不要である。
(6)はじめに、短時間だけ豆球につないで電池になっていることを確認する。
注意:亜鉛板を挟む方は「ダブルクリップ」にする。
(7)続いて、電池を90秒だけショートしてからクリップを外す。この間15秒ごとに、
ステンレス板を裏返して銅の付着状態をチェックし、またすぐに元にもどす。
参考:ステンレス板を裏返すのは、銅を断続的に生成させるためでもある。その方がむら
   無く銅が付着する。
(8)すぐにステンレス板を水洗いし、ティッシュで拭く。
(9)亜鉛板をたわしでこすって水洗いし、ペーパー類は可燃物に捨てて、かたづける。
エッチング
(1)ステンレス板に、油性マジックでイラストや文字を書く。
注意:よく出るマジックを使い、十分に黒くなるように書く。
(2)30%塩化鉄(V)水溶液40mlをトレイに入れ、ステンレス板を浸けて、トレイ
をゆっくり傾けて水溶液が流れるようにする。
注意:水溶液は衣服に付くと落とせない。
(3)銅が溶けたら、ステンレス板を取り出して水洗いし、ティッシュペーパーで拭く。
(4)マジックの部分をエタノールを染み込ませたティッシュで拭き取る。



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