先進科学塾1日コース

    Advancing Science Workshop

  「科学(理科)をわくわくしながら勉強する」にはどうしたらよいだろうか。
  先進科学塾はそれに答えようとする高校生向けの企画です。

蒸気圧が分かる実験1,2,3・・・

 「蒸気圧」と聞くと、「よく分からない」という人が多いでしょう。このコースではい
くつもの実験をし、それを武器にして蒸気圧にアタックします。もちろんまだ学習してい
ない人も取り組めますよ。
 「蒸気」と言えば蒸気機関車(SL)、その模型を動かすことから始めましょう。そし
て注射器を使って、いろいろな温度で、また水だけでなく他の物質でも、蒸気圧の計測を
自分の手で行います。その上で蒸気圧に関する知識と理論を学習します。さらに蒸気圧に
関する数種の実験を体験し、今度はみんなで議論しながらその謎解きをします。蒸気機関
車の原理も考えます。ここまで来れば、「蒸気圧」と聞けば、「私に任せなさい!」

        

  日 時   12月18日(土) 10時〜4時

  場 所   名古屋市科学館の8階科学実験室


   氏名:

                  - 1 -

                               04.12.18
                                講師:林 正幸

蒸気圧が分かる実験1,2,3・・・

基礎実験

実験の取り組み方
(1)危険防止のため安全めがねをかける。
(2)積極的に取り組み、助け合う。
(3)予め操作を頭に描き、分からないときは先生に確かめる。
(4)よく観察し、その意味を考察し、できるだけ疑問を見つける。
(5)「」記号がある操作はドラフトで行う。
(6)実験中に気分が悪くなったらすぐに申し出る。
(7)器具を洗浄し、廃棄物を処理し、机上を雑巾で拭く。

実験1「蒸気機関車」(デモ実験)
 蒸気機関車(SL)の模型に、水10mlほどを入れて固形燃料で加熱し、実際に走ら
せる。(あとでそのしくみや動力源について謎解きをしよう。)

実験2「蒸気圧とは」
 5ml注射器にすこし水を入れ、ピストンを引いて空間をつくる。それからピストンを
放して空間をつぶす。
備考:盛口さんのアイデア

実験3「蒸気圧の計測」
参考:通常の大気の圧力は1000hPa(ヘクトパスカル)と見なしてよい(最近までは
   それを1atm(きあつ)と言ってきた)。
   一般に気体の圧力は体積に反比例する(ボイルの法則)。つまり体積を2倍にすれ
   ば圧力は1/2倍に、体積を3倍にすれば圧力は1/3倍になる。
(1000hPaに相当する目盛り)
(1)スタンドにバネばかりを吊し、空気2mlを入れた注射器(空気用)を引っかけ、
指にすこしワセリンを付けて穴を押さえて引っ張り、体積が4mlになるときの目盛りを
読み取る。

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  1000hPa =(    )(目盛り)×2 =(    )N(ニュートン)
参考:注射器中の2mlの空気の圧力は大気の圧力と同じ1000hPaであるが、その
   体積が4mlになると半分の500hPaになる。つまりこのときの注射器のピス
   トンは500hPaで引かれている。したがって読み取った目盛りの2倍が
   1000hPaに相当する。この数値をa[N]とする。
注意:ピストンの移動には摩擦があるので、ゆっくり引っ張って4mlになる数値とゆっ
   くりゆるめて4mlになる数値を読み取って、その平均値をデータとする。
   手をゆるめたときに2mlにもどらない場合はやり直す。
備考:今回はシリコンゴムのシートが入手できたので、注射器の穴はそれで押さえた。
(水の蒸気圧)
(1)準備された30℃の水約2mlを注射器(水用)に採り、同様に引っ張り、注射器
内に空間(水蒸気)ができるときの目盛りを読み取る。この数値をb[N]とする。
参考:中の水蒸気の圧力(蒸気圧)は、次の式で計算できる。
     [(a−b)/a]×1000
注意:注射器に空気が残らないように、穴を水に付けて何度か出し入れする。
   とくに温度が高い場合は、温度変化を避けるため手早く操作する。
   空間がゆっくり拡がっていくときの数値と、ゆっくり縮んでいくときの数値を平均
   せよ。
   手をゆるめたときに空間が残る場合はやり直す。
(2)同様に55℃および80℃の湯の蒸気圧を計測する。
    30℃  (    )hPa
    55   (    )
    80   (    )
(メタノールの蒸気圧)
(1)準備された30℃のメタノール約2mlを注射器(メタノール用)に採って、同様
にメタノールの蒸気圧を計測する。
注意:メタノールは毒性があるので、皮膚に付けないようにする。実験が終わったら指先
   を水で洗う。
(2)さらにドラフトに準備された55℃のメタノールの蒸気圧を計測する。
    30℃  (    )hPa
    55   (    )
(3)計測が終わったら、注射器内のメタノールは保管容器に返す。

実験4「分圧の法則」(デモ実験)
参考:使用する圧力計は大気の圧力に比べて増加したり減少したりする分だけ(ゲージ圧

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   という)を示す計器である。
(1)圧力センサーに50ml注射器をつなぎ、空気を45mlから30mlに圧縮して
1500hPaにしたり、20mlを40mlに膨張させて500hPaにしたりして、
圧力計が正しく作動していることを確認する。
(2)試験管(15cmにカット)にエーテル数mlを注いでティッシュで軽くふたをし、
乾いた500mlペットボトル(炭酸飲料用)に滑り込ませ、すぐに圧力センサーの付い
たキャップをしっかり締め、そのままでは圧力計は0hPaを示すことを確認する。
(3)ボトルを傾けてエーテルを流し出し、しばらく手で暖めてから室温に放置して、圧
力が一定になったらその数値を読み取る。また温度計で室温を計る。


























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知識と理論

[a]蒸気圧
[1]常温たとえば30℃において、真空の容器に少量の液体の水を注入するとどうなる
だろう。

      

その温度では水は液体のはずだから何の変化も起こらないだろうか。実際には液体の水の
一部が蒸発して容器内は水蒸気で飽和される。そしてその水蒸気が42hPa(ヘクトパス
カル)の圧力を示すようになる。
参考:圧力の単位は現在標準化が進行中である。ここでは気象でお馴染みのhPaに統一
   する(最近まではatm(きあつ)という単位が使われてきた)。
   大気の圧力の平均は1013hPaであるが、この講座では
     通常の大気の圧力1000hPaであると見なしていこう。
 このように液体と共存する蒸気が示す圧力は、その温度における液体の飽和蒸気圧、あ
るいは単に蒸気圧と呼ばれる。
 これはたとえば砂糖が水に溶解するのに似ている。30℃で水に十分な量の砂糖を投入
してみよう。砂糖は溶解していき、やがて飽和状態になり、そのときの濃度は68%にな
る。
[2]上のことは次のように考えることができる。水蒸気の圧力がその温度における水の
蒸気圧より小さいときは、蒸発が起こる。そして水蒸気の圧力がその温度における水の蒸
気圧と同じなら、変化は起きない、つまり水蒸気と水は共存する。
 それでは逆に、水蒸気の圧力がその温度における水の蒸気圧より大きいときはどうなる
か。このときは水蒸気の圧力がその温度における水の蒸気圧になるまで、凝縮が起きる。
備考:この講座では化学平衡という用語は使わないもとにした。
   また固体の蒸気圧は扱わない。
[3]それでは実験2「蒸気圧とは」で、注射器に液体の水を採るとき、それだけではな
ぜ水蒸気ができないだろうか。
 注射器の内部には、そして私たちの体にも大気の圧力が掛かっており、その大きさは
1000hPa(ヘクトパスカル)である。水蒸気ができようにも、それが示すことができ
る圧力は1000hPaよりはるかに小さい。つまり水蒸気は圧しつぶされている。
 そこでピストンを引っ張って注射器の内部にかかる圧力を減らしてやる。その手助けが
あると常温でも水蒸気ができるのである。物質の状態は温度だけでなく、圧力にも依存し

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ている
ことに注意しよう。

      

[b]温度と蒸気圧
 その温度における液体の蒸気圧は、温度にどのように依存しているだろうか。これは実
験3「蒸気圧の計測」で実際に計測してみた。そしてどちらの物質の蒸気圧も温度が高く
なると大きくなる
ことが分かった。これは温度が高くなると分子の熱運動が激しくなるこ
とからも納得できる。また同じ温度でも、その蒸気圧は物質の種類に依って異なることも
分かった。
 蒸気圧と温度の関係を示すグラフは蒸気圧曲線と呼ばれる。次に水、エタノール、メタ
ノール、エーテル(ジエチルエーテル)、ブタンの蒸気圧曲線を上げておくので、参考に
しよう。

    

[c]圧力および分圧の法則
[1]ここで気体が示す圧力について触れておく。気体では、分子は広い空間にばらばら
と存在し、自由に飛行している。分子どうしはしばしば衝突する。そして分子は容器の
などにも衝突して力を及ぼしている
。この力、正確には単位面積あたりのこの力が圧力
ある。

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 したがって容器内の分子数 n が増えると圧力 P は大きくなる。
    P = k1n  ( k1 は比例定数)
たとえば[a]の[2]において、「水蒸気の圧力がその温度における水の蒸気圧より小
さいときは、蒸発が起こる」という記述がある。蒸発がおこれば、容器内の水蒸気の分子
数が増えるから、水蒸気の圧力は大きくなるのである。
 また、分子数を一定にして、容器の体積 V が大きくなると、分子が壁に衝突する回数
が小さくなるので、圧力は小さくなる(ボイルの法則 実験3を参照)。
    P = k2/V
 さらに、分子数を一定にして、温度 T を高くすると、分子の飛行速度が大きくなるの
で、圧力は大きくなる(シャルルの法則)。
    P = k3
参考:ここで T は絶対温度と呼ばれる。
[2]つながっている気体の圧力は、大きな高低差がないなら、どの部分も同じ圧力にな
る。
 大気の圧力も、窒素分子や酸素分子が物体の表面に衝突することによって生じている。
その大きさは、その上に積み重なった大気の重量、正確には単位面積あたりのこの重量に
等しい。
[3]実験4「分圧の法則」で、キャップを締めただけでは、その内側の空気の圧力は大
気の圧力、1000hPaと同じである。したがってゲージ圧を示す圧力計は0hPa(ヘ
クトパスカル)のままである。
 次にエーテルをボトル内に流し出すと、一部が蒸発してエーテル蒸気になり、圧力計は
ある数値を示す。
   結果  ゲージ圧(    )hPa  室温(  )℃
この数値はその温度におけるエーテルの蒸気圧とほぼ一致した(上の蒸気圧曲線を参照)。
つまり空気があっても、その温度におけるエーテルの蒸気圧は計測できるのである。
 言い換えると、容器が真空であろうと空気があろうと、共存するエーテル蒸気が示す圧
力は同じになる。ペットボトル内の空気はと言うと、前と同じ1000hPaという圧力
を示しているわけである。空気の方も、エーテル蒸気があってもなくても、同じ圧力を示
している。そして全体の圧力はその合計になる。
 このように混合気体中のある気体の振る舞いは、他の気体があるかどうかに左右されな

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。そしてそれぞれの気体(や蒸気)が示す圧力は分圧と呼ばれる。混合気体の全体の圧
力は各成分が示す分圧の合計になる
。これは分圧の法則と呼ばれる。

[d]蒸発と沸とう
[1]ところで物質の状態は、閉鎖された容器内ではなく、大気と接する開放されたビー
カーなどにおいてはどうなるだろうか。
 始めはビーカーに常温の水が入っているとしよう。大気の圧力が水の表面に掛かってい
る。しかし気体では広い空間に分子がばらばらと存在するだけなので、液体表面の水分子
にとっては実質的に真空と同じである(これは分圧の法則である)。そこで水の表面から、
水蒸気の圧力が常温における水の蒸気圧になるまで蒸発が起こる(さらにくわしくは「謎
解き」のときに考えてもらう)。

      

[2]ところが液体内部の水分子はその環境が異なっている。液体では分子がほぼ接触し
てひしめくような状態である
。水の表面に掛かる大気の圧力は分子から分子に伝わって、
水分子は圧し込められている。蒸気圧が1000hPaより小さい常温の水分子が、その
場で広い空間をつくって気体になることは不可能である(実験2を思い出そう)。だから
常温では水の内部での蒸発は起こらない。
[3]しかし温度が100℃まで高くなると、水の蒸気圧が1000hPaに達する。す
ると内部の水分子が大気の圧力に打ち勝ってその場で気体になることができる。これが
とう
という現象である。表面からの蒸発に合わせて、液体内部でも蒸発が起こって水蒸気
の泡ができる
。沸とうは蒸発の特別な姿である(さらにくわしくは「謎解き」のときに考
えてもらう)。

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謎解き実験

実験5 空き缶つぶし
(1)水そうに水を1/2ほど入れる。
(2)350mlアルミ缶に水を1/10ほど注ぎ、るつばばさみで挟んでバーナーで強
く加熱して、よく沸とうした状態にする。
注意:どう挟んだらよいか、次の操作から考える。
(3)素早く、口が下になるようにひっくり返しながら水の中に1/3ほど押し込む。

実験6 水流ポンプによる減圧沸とう
(1)準備された60℃の湯を試験管に1/3ほど注ぎ、小型温度計を入れてガラス管つ
きゴムせんをしっかりとねじ込む。
(2)水流ポンプにつないで、温度計を見ながら水を流して減圧する。
(3)観察が終わったら、ゴムせんを外してから水を止める。
備考:ガラス管とゴムせんの間にワセリンを塗っておく。

実験7 冷やしてお湯が沸く
(1)200ml丸底フラスコに水を半分ほど入れ、首の部分をスタンドに固定してバ
ーナーで強く加熱して、よく沸とうした状態にする。
注意:ねじはフラスコが、上下はしないが回りはする程度に締める。
(2)200mlビーカーに水道水を準備する。
(3)バーナーを外すや、軍手ですぐにゴムせんをしっかりと締め、丸底フラスコを逆さ
にスタンドに固定し直し、全体をバットに入れる。
注意:フラスコを低い位置に固定し直す。
(4)フラスコの上から水をかけて冷やす。様子を観察しながら何度か水をかけてみる。

実験8 ブタンの沸とう
(1)ドラフトに準備された液体のブタン数mlと小型温度計が入った試験管を手に取
り、はじめに沸点を調べる。
参考:卓上コンロのボンベに詰められているブタンを使う。
(2)続いて口を指で押さえて沸とうを止める。そして温度が高くなるほど指の圧力が
大きくなることを確認する。
注意:ほどほどで次に進む。
(3)今度は指を放して様子を観察する。
(4)ブタンの入った試験管はもとに戻す。
備考:四ヶ浦さんのアイデア

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<追記>
 今回は寒剤があったので、(2)の次に指を放さずその寒剤に浸けると、蒸気圧が減少
することを体感できた。

実験9 蛍光灯を暗くする(デモ実験)
 寒剤に円形の蛍光灯を端子部分を上にして半分浸け、たとえば内側の2本の端子をチョ
ークコイルを入れて交流100Vにつなぐ。点灯管の代わりに、外側の2本の端子をドラ
イバーでショートすると蛍光灯がつく。しばらくして明るさを比較観察する。
参考:寒剤はエタノールにドライアイスを沈めた。

謎解き課題

1.なぜ常温で洗濯物が乾くか
2.どうして結露が起こるか






















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謎解き実験などの秘密

実験1「蒸気機関車」
 水が加熱されて水蒸気が発生し、それがシリンダー(円筒)に導かれる。水の蒸気圧は
100℃で1000hPaになるので、そのとき水蒸気の圧力はピストンの外側の大気の
圧力と釣り合う。温度が100℃を上まわると水蒸気の圧力が勝り、ピストンは外側に向
けて圧し出される。実際の蒸気機関車では水は200℃まで加熱され、それと共存する水
蒸気の圧力(蒸気圧)は、大気の圧力の15倍になっている。
実験5 空き缶つぶし
 水が加熱されて100℃になり、沸とうする。缶内は空気が追い出されて水蒸気ばかり
になり、その圧力は1000hPaである。
 缶を逆さにして水に浸けると、100℃だった水蒸気の温度が急激に下がり、その温度
に相応しい蒸気圧になるまで、水蒸気の分子数が減少する(一部の水蒸気が凝縮して液体
の水になる)。つまり缶内の圧力が小さくなり、缶の外側の大気の圧力が勝って、缶はつ
ぶれる。
 この間に、缶の口から水そうの水が吸い込まれることはあまりない。
実験6 水流ポンプによる減圧沸とう
 水流ポンプ(真空ポンプ)で試験管内の空気を抜く、つまり窒素や酸素の分子数を減ら
すと、はじめは1000hPaだったその圧力はどんどん小さくなっていく。その時点で
試験管内の水の温度が55℃になっているとすると、153hPa(蒸気圧曲線あるいは
実験3の結果を参考にする)まで減圧された段階で沸とうが始まる(水面にかかる圧力が
その温度における水の蒸気圧と同じになると沸とうが起こる)。
 沸とうすると、水は発生する水蒸気に蒸発熱を奪われて温度が下がる(まわりの空気に
熱を奪われることもある)。しかし発生した水蒸気も抜き取られてさらに圧力が小さくな
る。そこで沸とうが続く・・・。
実験7 冷やしてお湯が沸く
 丸底フラスコにゴムせんをし逆さにして冷水を掛けると、空き缶つぶしと同じように、
水蒸気の圧力が小さくなる。しかしフラスコは丈夫なので破壊されない。そして熱容量が
大きい液体の水(湯)の方はそれほど温度が下がらない。したがって水面にかかる圧力よ
り、その温度における水の蒸気圧が高い状態になり、激しい沸とうが起こる。すると水蒸
気の分子数が増えて、水蒸気の圧力は水の温度に相応しい蒸気圧になるまで回復する。
 さらに水を掛けると同じことがくり返される。
実験8 ブタンの沸とう
 ブタンの蒸気圧は0℃で1000hPaである。したがって試験管に注がれた常温のブ
タンの蒸気圧は大気の圧力より大きく、激しく沸とうして温度が下がり、0℃になると通
常の沸とうになる。

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 試験管の口を指で押さえると、まわりからの熱でブタンの温度が上がり始める。ブタン
は沸とうしようとするが、蒸発したブタン蒸気によって分子数が増え、ブタン蒸気の圧力
も大きくなるため、蒸発のみが起こる(温度上昇が緩やかでないと沸とうすることもあ
る)。そしてブタン蒸気の圧力が大きくなることは、指で感知できる。
 そこで指を離すと、始めの状態にもどり、再び激しい沸とうが起こる。
実験9 蛍光灯を暗くする
 蛍光灯の管中には水銀があり、その蒸気に放電の電子がぶつかることで発光している
(加えて蛍光物質による発光もある)。寒剤に浸けて温度を強制的に下げると、その部分
の水銀蒸気が凝縮して分子数が少なくなり、発光が弱くなる。
備考:蛍光灯にはアルゴンなどの気体も含まれる。管内の全体の圧力は同じであるが、冷
   却された部分では水銀蒸気の分圧が小さくなる。

1.なぜ常温で洗濯物が乾くか
 常温でも蒸発は起こる。もし洗濯物を密閉した部屋に干せば、やがて蒸発は停止し、洗
濯物はそれ以上は乾かない。しかし屋外であれば、洗濯物のまわりの水蒸気はどんどん広
がっていくので、水蒸気の圧力が常温における水の蒸気圧に達することがない。風が吹け
ばさらに効果的である。これに対して梅雨どきで大気中にすでに水蒸気が多く含まれまれ
ていると、洗濯物は乾きにくい。
2.どうして結露が起こるか
 暖かい部屋では、煮炊きや、石油ストーブなどから発生した水蒸気の圧力は、部屋の温
度における水の蒸気圧より低いままである。つまり凝縮することはない。しかしそれが温
度が低い窓辺とか押入れに流れていくと冷やされ、そこの温度における水の蒸気圧より大
きくなり、凝縮して液体の水になる。












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