キーワード
化学、高校、実験、(高校化学、化学実験)
二酸化ケイ素、マグネシウム、ケイ化マグネシウム、シラン
二酸化窒素、一酸化窒素、水、銅、硝酸、濃硝酸
赤リン、塩素酸カリウム、マッチ、酸化還元反応

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                                   林 正幸

  シラン・二酸化窒素・赤リン

1.解 説

 非金属元素の各論で、17族の「ヨウ素と塩素」の他にどんな実験を加えるか。私は
15族の「二酸化窒素と水の反応」と「赤リンが爆発」、そして14族の「シランの発
生」を取り上げることにした。
[a]シランの発生
 この実験は劇的なので前から取り上げようと考えていた。そしてまたケイ素は現在の
生活の中ではたいへん重要な地位を占めている。
 白色の二酸化ケイ素粉末にマグネシウム粉末を混ぜて試験管に入れて強熱すると、一
瞬にズボッという音がして反応が起こり、赤熱状態になる。量が多いと危険になるが、
指示通りに注意深く操作すれば、生徒実験しても心配ない。反応式は次のようである。
    SiO2 + 4Mg ―→ Mg2Si + 2MgO
 放冷すると、やがて試験管の底付近に細かいひびがピシピシと入って行く。これをわ
ら半紙に包んで割ると、ガラスにへばり付いた黒色のケイ化マグネシウムが得られる。
これをガラス破片ごと2mol/l塩酸に投入すると、次の反応でシランが発生し、
    Mg2Si + 4HCl ―→ 2MgCl2 + SiH4
この気体は空気に触れるや、パチパチと音を立てて燃焼する。反応式は次のようである。
    SiH4 + 2O2 ―→ 2H2O + SiO2
そしてできた二酸化ケイ素が白煙になる。
 この実験は松本さんと杉山剛英さんからの情報を参考にした。
[b]二酸化窒素と水の反応
@濃硝酸に銅片を投入すると、次の反応により二酸化窒素が発生する。
  Cu + 4HNO3 ―→ Cu(NO32 + 2H2O + 2NO2
A二酸化窒素は赤茶色の気体で、刺激臭をもち、空気より重い。
B二酸化窒素の入ったメスシリンダーを水に倒立させると、しだいに水が上昇して、気体
は3分の1の体積になりかつ無色となる。これは二酸化窒素が次のように反応して水に溶

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けて硝酸が生成するとともに、代わりに無色で水に溶けにくい一酸化窒素が生じたためで
ある。
  3NO2 + H2O ―→ 2HNO3 + NO
C一酸化窒素に空気を混ぜると、一部が次のように反応して再び二酸化窒素を生じる。
  2NO + O2 ―→ 2NO2
そしてある程度同じ反応をくり返すことができる。
[c]赤リンが爆発
 マッチのすり面は側薬として赤リンが塗り付けてある。これと、セロテープに貼った塩
素酸カリウムを接触させて、金づちでたたくと一瞬に次のように反応して爆発する。
    6P + 5KClO3 ―→ 5KCl + 3P2O5
これは酸素原子のやり取りとして理解できる酸化還元反応である。
 マッチの軸の頭には頭薬として塩素酸カリウムがにかわと混ぜて固めてある。この実験
はマッチの発火のしくみを示している。

2.操作法(生徒向けプリント)

[a]シランの発生
(1)二酸化ケイ素粉末0.6gとマグネシウム粉末1.0gを計り取る。
注意:この実験は量を間違えて多くするとたいへん危険になる。
(2)乾いた試験管にこれらを入れ、口を指で押さえて振り混ぜてから、スタンドに斜め
に固定する。
(3)バーナーの強火で加熱する。激しい反応が起きたら火を止める。
注意:試験管の口から、生成物質の一部が飛び出すことがある。
(4)2分ほど待つうちに試験管の底付近にひびが入る。これをわら半紙で包んでピンセ
ットの尻で軽くたたいて割る。
(5)100mlビーカーに2mol/l塩酸約50mlを入れて、これに反応生成物質を
ガラス破片ごと投入し、発生する気体の様子を観察する。
(6)観察が終わったらビーカーはドラフトに移す。
[b]二酸化窒素と水の反応
(1)乾いた100mlメスシリンダーに濃硝酸5mlと銅片2枚を入れ、ろ紙をふたに
して二酸化窒素を捕集する。

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注意:二酸化窒素は皮膚や爪を変色させる。
(2)300mlビーカーに水を約300ml入れ、これにメスシリンダーを手早く倒立
させて様子を見る(気体の色や体積の変化)。
注意:反応溶液も水に注ぐようにする。
(3)数分したら、メスシリンダーを持ち上げて空気を入れ、すぐまた水に浸けて様子を
観察する。
[c]赤リンが爆発
(1)セロテープを2cmほどに切り、これに塩素酸カリウム粉末を貼りつけ、薬品面を
上にして硬い板に載せる。
(2)これにマッチのすり面を、側薬(あずき色の面)を下にして重ねる。
(3)金づちで軽くたたくと爆発する。
注意:金づちの平面の方で、それが水平になるようにたたく。斜めにたたくと当たった部
   分のみが反応する。熱い粒子が水平に飛び散るので、目の高さは板より上にして観
   察する。

3.準備・かたづけ

A 4つの実験机に置くもの(3グループにひとつ)
・デジタルてんびん、薬包紙
・二酸化ケイ素粉末、マグネシウム粉末
・2mol/l塩酸、濃硝酸
C 各実験机に持っていくもの(10〜11こ)
・乾いた試験管、スタンド
・マッチ、燃えがら入れ
・わら半紙、ピンセット
・100mlビーカー、300mlビーカー
・乾いた100mlメスシリンダー、ろ紙
・銅片  ×2
D あとで教卓に取りに来させるもの
・マッチのすり面(1/3)
・塩素酸カリウム、セロテープ

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・硬い板、金づち(4セットを準備)

4.注意・結果

 シランを発生させたビーカーは後で洗浄し、ガラス破片を捨てる。

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