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林 正幸
おもしろニッケルめっき
1.解 説
昨年の春に東急ハンズで、「めっき工房」(マルイ鍍金工業製)の実演を見たとき、そ
のアイデアにえらく感動して大枚1万円札をはたいて購入してしまった。そして自分でも
やってみるうちに、「これは生徒実験に使える」と確信するようになった。
その原型は昨年夏の科教協大阪大会でも「お楽しみ広場」で紹介した。そして今年にな
っていよいよ授業に投入するということで、いくつか改良したのがこの「おもしろニッケ
ルめっき」である。
このアイデアが優れているのは、めっきの原理まる出しであることである。メッキした
い銅のプレートは、負極につないだピンセットで触れて陰極にする。これでプレートは電
源によって電子が押し込められた状態になる。陽極になる黒鉛棒の先にはさらし(商品は
フエルトを使用)を被せてめっき液を染み込ませ、これをプレートに塗っていく。めっき
液中のニッケルイオンは次のように電子と反応してニッケル自身になって、銅のプレート
の表面に付着していく。
Ni2+ + 2e- ―→ Ni
ちなみに陽極での反応は次のようである。
2H2O ―→ 4H+ + O2 + 4e-
商品は電解脱脂という前処理も行うようになっているが、この実験に関するかぎりその
必要性もなく、操作は至って簡単である。
この実験のもうひとつの工夫は、油性マジックペンでプレートにイラストなどを描き、
後でエタノールで拭き取って、ニッケルめっきの中にそれを銅の表面として浮き出させる
ことである。これで実験の楽しさは倍加して、すべての生徒におみやげが付く。
この実験では電圧は3Vが適当であり、単1乾電池2本を使えば、並列にして同時に2
人の生徒が実験しても平気である。
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2.操作法(生徒向けプリント)
(1)銅のプレートを雑用紙の上にのせ、皮脂が付いたり、ミスをしたりしないように、
油性マジックペンでイラストなどを描く。
参考:この実験ではすべての生徒にプレートを配布する。
(2)プレートのエッジを手でもって、バーナーの炎の30cmほど上で、30秒ほどあ
ぶってインクを乾かす。
注意:銅の表面が酸化さえることがないように、ピンセットなどは使わない。
(3)黒鉛棒の先に、2つ折りしたさらしを被せて輪ゴムで止める。
(4)図のように電池(3V)に接続して、負極につないだピンセットでプレートを押さ
えながら、正極につないだ黒鉛棒のさらしにニッケルめっき液を染み込ませてプレートの
表面に塗っていく。めっき液はひんぱんに染み込ませ、また強くこすらないようにする。
注意1)クリップでなく、ピンセットと黒鉛棒自身を持って実験する。
2)くり返し塗ると、めっきがきれいになっていく。
3)時間の節約のため、1つのホルダーに正極・負極2本ずつクリップコードを接続
して(並列にする)、同時に2人の生徒がめっきを行う。
(5)水洗いしたら、先生にエタノールでマジックインクを拭き取ってもらう。
(6)さらしは捨て、輪ゴムは教卓に返す。
3.準備・かたづけ
A 4つの実験机に置くもの(3グループにひとつ)
なし
B 6つの実験机に置くもの(2グループにひとつ)
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なし
C 各実験机に持って行かせるもの(10〜11こ)
・銅のプレート(0.5mmの銅板を40×65mmに切ってもらう) ×生徒数
・雑用紙 ×生徒数
・油性マジックペン(サクラ製「マイネーム」の極細・細書き両用のもの) ×2
・マッチ、燃えがら入れ
・ニッケルめっき液(50mlビーカー)
水1lに次の薬品を溶解する。
結晶硫酸ニッケル 150g
硫酸アンモニウム 18g
ホウ酸 15g
備考:以前は硫酸アンモニウムの代わりに塩化アンモニウムを加えていたのですが、塩素
が発生するので変更しました(03年)。
・ホルダー入り乾電池(単1×2)
・クリップコード(赤・黒) ×2セット
・さらし(4.5×9cm)、輪ゴム、黒鉛棒(φ5mm l=15cm) ×2
・ピンセット ×2
D 教卓に準備するもの
・エタノール、さらし
4.注意・結果
・銅のプレートは教卓から持って行かせるときにも、エッジをつかむ用に注意する。
(汚れたプレートはエタノールで拭くとよい)
・めっき液は各グループに20mlほど渡して、クラスごとに新しくする。
・クリップは黒鉛棒がかみやすいように大きいものを使う。
・乾電池のチェックは怠らないようにする。
(10Ωを接続した状態で1.40V以上あるか)
・めっき液を塗るとき、強くこするとマジックインクがはがれてめっきが汚くなる。
(むらも見ようによっては味わいがある)
・時間が許せば表裏両方にめっきさせてもよい。
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