[コメント]
 EHCというサークルがある。これは愛知県で電子工作を趣味とする理科教師のグルー
プである。名称はElectronics Hobby Circle の頭文字をとっている。このサークルは、
その2、3年前から電子工作に興味をもってデジタルストップウオッチなどを自作してい
た私が、1981年秋の県教研で「エレクトロニクス工作学校」を開こうと呼びかけたこ
とに始まる。そして毎月10数人が私の家に集まるようになった。その第1回が翌年1月
である。
 それ以来このサークルは発展を続けてメンバーは30人ほどになり、会場も休日の学校
に移して今でも2カ月に1回以上のペースで活動している。これは「ものをつくる」こと
がいかに面白いかを、如実に物語っている。私たちは自己開発をモットーにして交代で講
師を務めてきた。こうして15年に及ぶ間に数え切れないほどの作品を産み出してきた。
これらはサークルとして記録をする必要がある。
 ところで、エレクトロニクス技術がこれほど生活の中に入り込んできている現在におい
ても、そのおもしろさを実感できる機会はほとんどないと言える。高校の物理の教科書は
といえば、ほとんどの生徒にとって電気が頭の痛いものになってしまっている。ものをつ
くる立場から教材を再編成したら、どんなに面白くかつその有用性が実感できることだろ
う。
 今から10年近く前に、私は息子に実際に回路を組みながら「エレクトロニクス」を体
験学習させたことがある。そのときのメモが埋もれて残っている。これに光を当てて改訂・
追加すれば、高校生は言うに及ばず、理科教師にも役立つものが提供できるのではないか
と考えたわけである。
 もとより私は化学系の人間である。高校時代にはアマチュア無線をやりたいと送受信器
を組もうとして失敗に終わっている。このような素人が自分が納得できるように解説した
ものは、それなりに意味を持つように思える。そしてこれもEHCの記録のひとつになる
だろう。
  
[目次]
1.はじめに
2.抵抗とオームの法則
3.デジタル情報の発生
4.センサーとブリッジ回路
5.ダイオードと整流回路
6.ダイオードの特性と発光ダイオード
(これ以下は「その2」にある。)
7.トランジスタの特性
8.スイッチング回路とダーリントン接続
9.コンデンサの性質
10.平滑回路と微分回路
11.オペアンプの増幅回路
12.減算回路とコンパレータ

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                                   林 正幸

父と子のエレクトロニクス(アナログ編:その1)

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1.はじめに

 エレクトロニクス技術が現代社会で極めて大きな役割を果たしていることは万人が認め
るところである。時計、炊飯器からテレビ、コンピュータ、そして工場ロボットやインタ
ーネットなどの通信システムにいたるまで、その優れた機能に感動してしまう。
 ひとつには、これらのものを利用する能力があればよいという考え方がある。確かにい
ちいちそのしくみにまで踏み込んでいては仕事にならない。しかしもう一方で理科が好き
な高校生などは、その背景にあるエレクトロニクス技術を理解したいと思うだろう。ある
いは自分でもその技術を習得して何かを作ることができたらと願う。なかには市販の工作
キットに手を出した生徒もいるだろう。それにエレクトロニクス技術の基礎が分かってい
れば、たとえばコンピュータの利用能力も高まるに違いない。
 こうして多くの高校生が店頭に並ぶエレクトロニクス関係の本を手にする。しかしその
ような本はあふれるほどあるにもかかわらず、そのほとんどがある機器の組み立ての説明
にとどまっていたり、より専門的な知識を持たないと理解できなかったりするのである。
「どうして高校生が納得できるエレクトロニクス技術の基礎を解説した本がないのだろう
か。」実はこのような思いは多くの理科の先生にも共通しているのである。
 この文章の作者である私自身が、このようなところからエレクトロニクス技術の勉強を
始めた。それはひとりではなく、EHC(Electronics Hobby 
Circle)という理科教師のサークルをつくってみんなで助け合って進んでいった。
そんな中で高校生だった息子がエレクトロニクス技術を教えてほしいと頼んできた。その
ときの内容をベースにこの文章は作られている。
 ここで強調したいのは、実際の「もの」に触れ「もの」を扱えるように勉強することの
意義である。私たちのサークルは常に「もの」をつくりながら勉強してきた。それは風呂
ブサーのような簡単なものから始まった。しかしこれとてそこにあるエレクトロニクス技
術を理解することは簡単ではない。そして高感度電圧電流計、デジタルストップウオッチ、

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加速度計などと続いて行った。さらにそれが手づくりコンピュータ、高圧電源装置、静電
気メーター、ポケコン計測システムなどに発展した。こうして私たちは実用性がある知識
を習得してきた。また自分の息子に対しても、「プロトボード」を使って実際に回路を組
み、テスターなどで計測して教授した。つまり回路の設計ができてこそ、エレクトロニク
ス技術の面白さと有用性が実感できるのである。
 こんなわけでエレクトロニクス技術を勉強するに当たっては、「もの」を準備して取り
組むことを要請する。すぐに欲しいのは
(1)プロトボード
(2)0.5mm被ふく単線とニッパ
(3)単1乾電池4本とホルダー
(4)いろいろな値のW/4(4分の1ワット)抵抗器
(5)ダイオードと発光ダイオード
(6)トランジスタ
(7)テスター
などである。さらに
(8)コンデンサ
(9)半固定抵抗
(10)センサー
(11)オペアンプ
(12)電源トランスまたはスライダックス
(13)パーツケース
(14)オッシロスコープ
などである。読み進むに応じて順次そろえて行けばよいが、オッシロはかなり高価である。
しかしこれは学校にある備品なので、先生に頼んで使わせてもらうこともできる。
 プロトボードははんだ付けをしなくても、パーツ(部品)やジャンパー線を穴に差し込
むことで簡単に回路を組むことができる。さまざまなタイプが市販されているが、電源タ
ーミナルが3つあるものを選んでほしい。そしてジャンパー線はでき合いのものを買うの
は馬鹿げているので、数種の色の0.5mm被ふく単線を購入して適当に切って利用するの
がよい。その直流電源は電池が安価で優秀である。プロトボードのつかい方は商品の説明
書を読めば分かる。

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 抵抗器はほとんど4/Wの小さいもので十分である。そしてそろえて行くなら次の数値
ないしそれに近いものを選ぶとよい。
  25Ω,50Ω,100Ω
  250Ω,500Ω,1K
     ・・・・・
  250k,500k,1M
手元にない数値は抵抗器を直列や並列にして作ればよい。ここで抵抗の大きさを示すカラ
ーコードについて説明しておく。
  0:黒     1:茶
  2:赤     3:だいだい
  4:黄     5:緑
  6:青     7:紫
  8:灰     9:白
小さい抵抗器には4つのカラーリングが並んでいる。始めの3つが抵抗の数値を表し、最
後がその製品の許容誤差である。たとえば始めの3つが緑、青、赤の順なら
  5600Ω=5.6k
である。つまり始めの2つは上2桁を表し、3つめがそれに続く0の個数を表しているの
である。4つめはふつう銀色で許容誤差10%である。
 テスターは針が振れるアナログタイプと数字が表示されるデジタルタイプがある。どち
らでもよいが、直流・交流両方の電圧・電流それに抵抗が色々なレンジで計測できるもの
を選ぶ。数千円のものである。なおデジタルタイプではレンジが自動的に切り替わり、そ
の他の機能も備えたマルチメーターと呼ばれるものがある。テスターも説明書を読んで、
注意深く使うように心がける。

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2.抵抗とオームの法則

 抵抗器とは電流を制限する素子であり、たんに抵抗と呼ばれることが多い。もちろん超
伝導状態でないかぎり、すべての物体は大なり小なり電気抵抗を持っており、ふつうは温
度が高くなるとその数値は大きくなる。
 抵抗に関してはよく知られているように、オームの法則が成り立つ。
 「物体を流れる電流は、それにかかる電圧に正比例し、その抵抗に反比例する。」

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これは次の関係式で表すことができる。
    I=E/R     {1}
      I:電流
      E:電圧
      R:抵抗
抵抗の基本単位Ω(オーム)は、電圧が1V(ボルト)のときその電流が1A(アンペア)
になるような抵抗を1Ωと定めている。
    1KΩ(キロオーム)=1000Ω
    1MΩ(メガオーム)=1000KΩ
[実験2−1]オームの法則
父(F)「図2ー1の回路を組んで、そこに流れる電流を計測しなさい。」
子(S)「1.45mAです。」
F「それではオームの法則を使って計算で求めてみよう。」
S「I=8/(5.6×1000)=0.00143〔A〕
    1A=1000mA(ミリアンペア)だから
    0.143×1000=1.43
つまり1.43mAです。」
F「よく一致しています。」
参考:EHCでは電源トランスと3端子レギュレータを使った±8Vの直流電源を製作し
   ている(この機器はトランスから12Vの交流も引き出している)。したがってこ
   の実験も8Vになっている。しかし乾電池の6V電源を使っても数値が少し異なる
   だけで本質的な違いは出てこない。臨機応変に対応してほしい。
 これはごく基礎的な実験だが、抵抗の単位にはkΩを、電流の単位にはmAを使うこと
が多いので
    8〔V〕/5.6〔kΩ〕=1.43〔mA〕
と計算できるように慣れておこう。
 さてオームの法則は次のようにも書ける。
    E=IR     {2}
これは「抵抗(物体)の両端の電圧は、そこを流れる電流とその抵抗の積に等しい」こと
を意味している。つまり抵抗とそこを流れる電流が分かっていれば、電圧は計測する必要

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                 図2−1〜4




がないのである。図2−2の回路を見てみよう。全体の抵抗は37KΩなので流れる電流
は{1}式から
    I=8/37=0.216〔mA〕
したがってR1の両端の電圧は{2}式から
    E=0.216×10=2.16〔V〕
2の電圧は
      0.216×27=5.83〔V〕
と計算される。
 また関係式{2}には別の解釈がある。「抵抗がある素子を電流が流れると、その下流
では電流と抵抗の積に相当するだけ電圧が降下する」のである。これは簡単に電圧降下と
呼ばれ、すぐ後で紹介する電位で回路を見ていくときのカギになる。
 さらに関係式{2}にはもうひとつの解釈がある。それは「直列回路では電流は一定な
ので、抵抗の両端の電圧はその抵抗の大きさに正比例する」である。この考えによれば電
流を求めなくても、全体の電圧を抵抗に応じて次のように比例配分するだけでその両端の
電圧を計算することができる。
  R1: 8×{10/(10+27)}=2.16〔V〕
  R2: 8×{27/(10+27)}=5.84〔V〕
これは回路中のいろいろな抵抗の電圧を把握するのに役立つ。さらにR1の電圧が求まれば、
2の電圧は
    8−2.16=5.84〔V〕
と簡単に計算できることも押さえておこう。
[実験2−2]直列抵抗

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F「次は図2−2の回路を組んで、それぞれの抵抗の両端の電圧を計測してみよう。」
S「R1が2.19Vで、R2が5.81Vです。ほぼ予想通りです。」
F「それでは図2−3の回路ではどうですか。」
S「R2の方が0.71Vとえらく小さいです。」
F「すこし発想を変えましょう。テスターのマイナスを電源のグランド(GND)に固定
します。電池ならマイナス極に固定することになります。」
F「そしてS点の数値を読みなさい。」
S「もちろん0.71Vです。」
F「それではR1の電源に近い方はどうですか。」
S「8Vきっかりです。」
 実験のようにある基準を決めて、その基準点とある点の電圧を計る場合、その数値はそ
の点の電位と呼ばれる。基準点は目的に応じて決めればよいが、実験のように定められる
ことが多い。そしてそれぞれの点の電位が分かれば、ある2点間の電圧はふたつの電位の
差で求められる。回路を電位で把握することも大切なことである。
 すると、図2−3のS点の電位は0.71Vでほぼ0Vと見なしても差し支えない。つま
りこのようにけた違いに小さい抵抗は、電位からすれば無いのと同じである。それは2桁
以上違う抵抗ならなおさらである。このことは次節のデジタル信号で重要な意味を持って
くる。
 もうひとつ、図2−3には新しい回路の書き方が紹介されている。上向きの矢印は電源
の電圧が高い方の端子に接続していることを示している。つまりその点の電位はこの実験
では8Vである。また地面に接続したような記号はグランドと呼ばれ、そこが電位を計る
基準点であることを示している。つまりこの実験では電源の電圧が低い方の端子に接続し
ている。電位の考え方で回路を把握するなら、この方が分かりやすい表現となる。
 次に図2−4の並列抵抗の例を見てみよう。この場合は2つの抵抗にかかる電圧は同じ
なので、それぞれの抵抗に流れる電流は、{1}式で別々に計算することができる。具体
的には
  R1: I=8/1=8〔mA〕
  R2:   8/10=0.8〔mA〕
である。もちろん回路全体、つまり電源から流れ出す電流は
    8+0.8=8.8〔mA〕

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である。ここにもけた違いの抵抗の効果が現れている。私たちは抵抗がけた違いに大きす
ぎたと判明したとき、新しい抵抗をそれと並列にはんだ付けするだけである。
 抵抗器はその消費電力(P)に応じて発熱する。
    P=EI=I2R     {3}
過大な発熱は抵抗器を破壊してしまう。そこで電流が大きくなる場合は、予め{3}式で
見積もりをしてそれに見合ったワット数の大きい抵抗器を選択する。また必要に応じて許
容誤差が1%の精密抵抗器を利用することもある。

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3.デジタル情報の発生

 デジタルという言葉が飛び交っている。これについては第2編でくわしく解説するが、
ここではその基礎知識を提供する。情報にはアナログとデジタルの2つがある。エレクト
ロニクスでは電位の高さを示すのに、ひとつは前節の実験2−2のように、0.71Vとか
8Vと表現する。このような情報がアナログであり、連続的な数値のどれかで表現される。
これに対してもうひとつは、電源電圧ないしそれに近い電位ならならH(ハイ)または1、
0Vないしそれに近い電位ならL(ロー)または0と表現し、その中間の電位もどちらか
に振り分けてしまう。そして中間の電位は誤差の原因になるので避けるようにする。この
ような情報がデジタルであり、1か0の2つの数値のみで表現する。これだけではデジタ
ル情報はあまり役に立たないように思える。しかし2進数の例で分かるように、それらを
組み合わせて使えば無限の情報を表現できるのである。
  H(ハイ)または1・・・電源電圧の電位(たとえば8V)
  L(ロー)または0・・・0V
 ここではデジタル情報を発生する回路について考えてみよう。
[実験3−1]スイッチによる情報の発生
F「図3−1の回路を組んで、スイッチを入れたときと切ったときのS点の電位を計測し
なさい。ただしスイッチは回路のその部分をジャンパー線で接続したり、それを外したり
することで代用します。」
S「スイッチを入れたときは0V、切ったときは8Vです。」
F「デジタル情報として行ってみなさい。」
S「そうか。スイッチを入れたときはLを発生し、切ったときはHを発生します。」
F「簡単ですね。」

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S「しかしどんな意味があるのかな。」
 スイッチを入れたときに0VつまりLになるのは当然である。これに対して切ったとき
はどうだろうか。前節で紹介したオームの法則の「直列回路では電流は一定なので、抵抗
の両端の電圧はその抵抗の大きさに正比例す
る」という解釈を応用してみよう。スイッチ
が切れているのは10K対して桁違いに大き
い抵抗があることに相当する。だからS点の       図3−1&2
電位は8VでHというデジタル情報を発生す
るのである。
 CdSという光センサーがある。これは名
前からも分かるように硫化カドミウムが光の
強弱でその抵抗値を大きく変動させることを利用した素子である。
[実験3−2]CdSと情報の発生
F「これがCdSという光センサーです。2本の端子をテスターにつないで、光が当たっ
ているときと、それをさえぎったときの抵抗を調べてみなさい。」
S「面白い。
    明るいときはだいたい1kで、
    手で隠すと100k以上に
なります。」
F「今は蛍光灯の光が当たっていますが、昼間ならもっと小さい抵抗になります。」
F「それでは、昼間ならHというデジタル情報が発生し、夜になるとLを発生する回路を
プロトボードに組んでみなさい。」
S「なるほど。こうですね。これで夜になると自動的に街灯がつくようにできるわけなん
だ。」
 この実験の回路は図3−2のようである。光が当たっているときはCdSの抵抗は
10kに比べて桁違いに小さいので、S点の電位は8Vに近くてH信号を発生する。これ
に対して光が無くなると今度はCdSの抵抗は10kに比べて桁違いに大きくなるので、
S点の電位は0Vに近くてL信号になるのである。もちろん、実際に街灯を点灯するには
さらに回路をつけ加える必要がある。それは情報の処理を含んでいる。そうなればデジタ
ル情報の理解は深まるであろう。なお、ここで「信号」という用語を使った。これは伝達

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することに注目したときの情報の呼び方である。

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4.センサーとブリッジ回路

 今度はアナログ情報に話を移そう。サーミスタという温度センサーがある。温度によっ
てその抵抗が変化する素子である。ここに規格も不明の安価な10kのサーミスタがある。
前節のCdSと同じようにテスターでその抵抗を計測してみると
    30℃では  7.9k
    45℃では  6.0k
であった。このようにサーミスタは温度が高くなるに連れてその抵抗が小さくなる。そし
て10kというのは常温における数値を示している。横軸に温度を縦軸に温度をとってグ
ラフを描くと、図4−1のような右下がりで下に凸のなだらかな曲線になる。ちなみにそ
れぞれの温度は、精密な温度計を差した水を加熱してつくった。多くのセンサーはこのよ
うに抵抗値の変化という形でアナログ情報を発生するものである。
 このサーミスタはたとえば体温計として利用することができる。そのためには35から
41℃の間でもっと細かい測定をしてデータを持っている必要がある。これくらい狭い温
度範囲になるとそのグラフはかなり直線に近いものになる。
 ところでこの単純な体温計は、変動部分が計測する全体の抵抗値の数分の1である。も
し変動部分のみを計測することができたら、はるかに精密な体温計がつくれるのではない
だろうか。それにはどんな方法があるのか。まず図4−2のような10k抵抗とサーミス
タを直列にした回路を考えてみよう。サーミスタも抵抗の一種であることに気付けばこれ
は見慣れた回路である。そしてT点の電位を計測してみると
    35℃では  3.38V
    41℃では  3.14V
であった。この回路は電位というアナログ情報を発生する。それは温度という情報を電位
という情報に変換しているとも言える。さてこれだけでは前の体温計と本質的に同じであ
る。
 そこで別に3.15Vの電位をつくって、こことT点の電圧を計測する回路を考えてみよ
う。この場合もオームの法則の「直列回路では電流は一定なので、抵抗の両端の電圧はそ
の抵抗の大きさに正比例する。」が役立つ。8Vの電圧を4.85:3.15に分割すれば
よいのだから、この比になる2つの抵抗を選んで、たとえば4.85kと3.15kを直列

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                 図4−1〜3




にすればよい。このようなやり方を電圧の抵抗分割という。ところがひとつ問題がある。
そんな精密な抵抗がどこにあるだろうか。そこで図4−3のような回路を工夫する。ここ
で2kは半固定抵抗(可変抵抗の一種)である。S点の電位を計算してみると
    半固定抵抗が2kのときは  3.45V
    半固定抵抗が0kのときは  2.87V
となる。こうしてサーミスタを41℃の湯に浸けて、テスターの電圧がきっかり0Vにな
るように半固定抵抗を調節するのである。こうして簡単に基準電位の3.15Vを作ること
ができるのである。
[実験4−1]ブリッジ回路
F「それでは図4−3の回路を組みなさい。」
F「そしてサーミスタを41℃にして、そのときの電圧が0Vになるように半固定抵抗を
調節します。テスターのレンジは大きい方からしだいに小さいレンジに切り替えて計測し
ていきます。」
S「結局、細かい計算をしなくても、適当に抵抗を選んで試してみればいいわけですね。」
F「その通り。それでは湯の温度を35℃にすると電圧はいくらになりますか。」
S「0.227Vです。変動部分だけを取り出しているので、テスターのレンジを切り替え
てより精密な計測ができますね。」
S「ついでに1℃刻みにデータを採ってみます。」
 この回路は2つの電位を橋渡ししているので、ブリッジ回路と呼ばれる。物理ではホイ
ートストンブリッジが生徒の頭を悩ます。本質的には同じものだが、ここで紹介したブリ
ッジの方は分かりやすく実用性がある。
 今後のためにすこし補足しておこう。上の説明ではテスターを単に計測器として扱った。

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確かにテスターはそう考えても、ほとんどの場合にあまり問題がないように設計されてい
る。しかしもうすこし厳密に考えると、テスターは回路の一部を構成することになる。そ
れはテスターがないときとまったく同じというわけにはいかない。つまりT点とS点の電
圧を測定しようとテスターを挿入すると、そのことが元の回路に影響を与えてしまう。
 上の説明ではT点とS点は接続していなくて、左右は別々の回路としてT点やS点の電
位を考えてきた。電流はそれぞれ上から下に流れるだけで、だからこそオームの法則が利
用できた。しかし考えてみよう。たとえば35℃にしたときにはT点の電位はS点より
0.227Vだけ高い。だから左の10k抵抗を流れ下った電流の一部は、テスターを通っ
て右の2K半固定抵抗や5.6K抵抗に分流する。これは一種のかく乱要因である。もちろ
んそれを承知の上で、常にテスターを接続した回路でサーミスタの温度とそのときの電圧
を測定してデータを採っておけば、これは体温計として立派に役立つ。しかしブリッジに
発生する電圧情報を続く回路でさらに処理していく場合には、その影響を無視できるよう
な形でその電圧をキャッチすれば回路設計が明解になる。それを満足させる素子が後出の
オペアンプである。ブリッジ回路はふつうオペアンプと結合して利用されることを覚えて
おこう。
 以上を通して、抵抗ひとつをとってみても技術的にはずいぶん豊な内容を持っているこ
とが理解できたであろう。

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5.ダイオードと整流回路

 ダイオードはp型半導体とn型半導体を図5−1のように接合した素子である。p型の
端子をアノード(A)、n型の端子をカソード(K)という。ダイオードの基本的性質は
「アノードからカソードに向かって(順方向)は電流が流れるが、逆向き(逆方向)には
流れない」ことである。つまり回路を見るときには「順方向に電圧がかかるときダイオー
ドは単にリード線であり、逆方向に電圧がかかるときはそこが断線している」と考えれば
よい。したがってダイオードの記号の中の三角は一方通行の矢印で、たて線は進入禁止の
標識であると覚えておく。ちなみにダイオードはリングを記した方の端子がカソードであ
る。この文章は技術を中心にしているので、ダイオードの性質を理論的に説明することは
しない。
 第2編で紹介するOR(オア)回路を、ダイオードの性質を利用して組んでみよう。こ
れは2つの入力端子からH(ハイ)かL(ロー)のデジタル信号を入力する。そして両方

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ともLを入力したとき出力端子からL信号を出力し、残りの場合はすべてH信号を出力す
るような回路である。すこし乱暴だが、ここでは入力端子を直接に電源(の電圧が高い方)
に接続したり、グランド(電源の電圧が低い方)に接続したりする。



                 図5−1〜3




[実験5−1]ダイオードのOR回路
F「始めに、使用する1S1588というダイオードの導通のあるなしを計測してみよう。
テスターの抵抗レンジは、内蔵電池で抵抗器に電流を流してその大きさで抵抗を計測する
しくみになっている。そしてマイナスのテストリード(ふつう黒色を使う)が電池のプラ
ス側になっていることに注意します。」
S「と言うことは、マイナスのテストリードをアノードに、プラスのテストリードをカソ
ードに接続して、その抵抗を計ればよいのですね。」
F「そうです。」
S「20Ωくらいです。」
F「数値はレンジにも依ります。要するにほぼ導通状態です。これに対してテストリード
を逆にするとどうかな。」
S「全然針が振れません(指で触れると体の抵抗値を示す)。」
F「絶縁状態です。」
F「それでは図5−2の回路を組んで、OR回路になっていることを確かめなさい。」
S「まず両方にLを入力すると、0VでつまりLを出力する。一方をHに他方をLにする
と、7.4Vで、これはHを出力する。そして両方をHにすると、やはり7.4VでHです
ね。すごい、これは理屈がある回路ですね。」
F「論理回路と言います。」
 それでは順番に考えていこう。始めに両方にLを入力する場合は、回路に電圧がかから

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ないわけだからS点の電位は当然に0Vである。次にダイオードD1にHをダイオードD2
にLを入力する場合は、まずD1と100kの直列部分に注目する。ダイオードには順方向
に電圧がかかっているので、これは単にリード線にすぎない。それならS点の電位は電源
電圧になる(次節ですこし電位が低くなるわけを勉強する)。そしてS点からダイオード
2を経てグランドに至る部分を見てみよう。これはダイオードに逆方向に電圧がかかって
いるので、断線していて回路がないのと同じである。これで確かにH信号を出力する。も
ちろんD1とD2を反対にしても結果は同じである。最後に両方にHを入力する場合は、ど
ちらのダイオードもリード線だから、S点の電位は電源電圧になりHを出力する。
 次に整流回路に移ろう。これは交流を直流に変換する回路である。交流というのは、時
々刻々に電流の向きが変化するもので、家庭に来ている交流は横軸に時間を縦軸に電圧を
とると波のようなグラフ(数学的にはサインカーブという)になる。もっとも簡単な整流
回路は図5−3のようである。ただしこれだと交流の片側だけしか受け入れないので電圧
が半分になる。このような整流を半波整流という。ちなみに交流の電圧は変化するのでそ
の平均値で表現する。サインカーブのような交流では最大値が平均値の「ルート2」倍、
つまり1.41倍になっている。
 整流回路の実験には電源トランスが必要になる。トランスは2つのコイルの相互インダ
クタンスによって交流の電圧を変換するものである。入力電圧と出力電圧の比は、それぞ
れのコイルの巻き数の比になる。いずれ自分で直流電源を製作するなら、出力が24V、
1Aでセンタータップのあるもの(12Vが取り出せる)あたりが望ましい。それからオ
ッシロスコープが利用できるとよい。
[実験5−2]全波整流回路
F「図5−4の回路を組みなさい。ここで使うダイオードは1S1885です。電圧が高
いから気を付けて。」
F「まずトランスから出力する交流の電圧を計測します。交流レンジと直流レンジで調べ
なさい。」
S「交流としては13.5Vです。そして直流としては0Vです。」
F「トランスは表示よりすこし高い電圧になります。今度は整流回路の出力の電圧を計測
します。」
S「直流としては13.5V、交流としては・・・」
F「ちょと待って。それはテスターの限界です。」

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F「それではオッシロスコープで電圧の波形を観察してみよう。」
F「図5−4のグラフのようになっていますね。」
S「面白い。直流はでこぼこなんですね。」
F「これでも電流の向きは同じなので直流です。その波形からとくに『脈流』と言うこと
があります。実際にはコンデンサを使って平滑な波形にします。」
F「交流の方を見ましょう。周期、つまりひとつの波が通過する時間はいくらですか。」
S「16.6ms(ミリ秒)です。」
F「ということは、 周波数、つまり1s間に通過する波の数はいくつですか。」
S「1000/16.6=60.2 60個です。」
F「つまり60Hz(ヘルツ)ですね。関東では50Hzです。」
S「オッシロってすごいなあ。」
 また2つの場合に分けて考えてみよう。始
めにトランスの出力がPがプラスでQがマイ
ナスの場合は、まずPから流れ出した電流は
ダイオードD2が通行止めだからTに向かう。
そしてD3が通行止めだから、その電流は          図5−4
10k抵抗を通ってSに向かう。ここではダ
イオードはどちらも一方通行で通行可能に見
えるが、Sの電位は10k抵抗によって電圧
降下しているので、電位が高いPにはさかの
ぼれない(PからSへの流れは通行止めにな
っていた)。そこで電流はQに流れる。
 次にPマイナスでQがプラスのなった場合は、Qから流れ出した電流はD4が通行止めだ
からTに向かう。そしてD1が通行止めだから、その電流は10k抵抗を通ってSに向かう。
そして電位が高いQにはさかのぼれないので、電流はPに向かう。こうしてどちらの場合
もTからSに向かう電流が生じる。つまりTが直流のプラスにSがそのマイナスになるわ
けである。
 最後に図5−5に私たちが愛用している電源装置の回路図を紹介しておく。ここで3端
子レギュレータは電圧が高いでこぼこの部分をカットして、安定した一定電圧を得ること
ができる素子である。またレギュレータの後のダイオードは逆起電力回避のためである。

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                  図5−5





つまり通常は無いのと同じだが、外部回路でスイッチを切ったときなどに大きな逆向きの
起電力が発生して電源装置を破壊してしまうことがある。このとき出口にダイオードがあ
れば、大部分の電流はそこを流れるので内部を保護することができる。これもダイオード
の大事な使い方である。

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6.ダイオードの特性と発光ダイオード

 すでに学習した抵抗は、それにかかる電圧に正比例して流れる電流が大きくなる。オー
ムの法則である。それではダイオードではどうなるだろうか。電圧が可変の電源装置があ
れば文句はないが、別の簡単な方法がある。図6−1のような回路を組んで、抵抗をいろ
いろな大きさに入れ替えて、それぞれのときの電圧と電流を計測すればよい。これは「電
圧降下」の考え方を応用している。つまり抵抗を直列に入れて電流を流してやれば電圧降
下が起こり、それを差し引いた電圧が目的の素子にかかるようにできるのである。半固定
抵抗があれば予め決めた電圧をつくることもできるが、電圧と電流の関係をグラフに描く
ためならそこまで骨折る必要はない。
[実験6−1]ダイオードの特性
F「図6−1の回路を組んで、抵抗を入れ替えて、そのつど電圧と電流を計測しなさい。
ダイオードは1S1588を使います。」
S「図6−2のようなデータとグラフになりました。」
S「ところでこの結果は、抵抗を使わずにダイオードの両端に直接に電源電圧をかけた場
合とまったく同じになるのですか。」

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                 図6−1&2




F「なります。ダイオードにかかる電圧が同じなら、いつでもそれに応じた決まった電流
が流れます。電流と電圧は1対1に対応しています。」
 得られたグラフから、ダイオードの2つの特性を確認することできる。ひとつは、電圧
があまり増加しないのに電流が急激に増加することである。オームの法則は成り立たない。
大まかに把握すると「ダイオードに電流が流れているときはその大小に関係なく、両端の
電圧はいつも0.7V前後でほぼ一定している」。
 もうひとつは、「ダイオードはかかる電圧が0.7V近くまで上がらないと、その電流は
ゼロである」。つまり順方向でも電圧が低ければ絶縁状態であることである。これからす
るとダイオードは川の堰(せき)にたとえられる。その高さ以上の水位がないと水が流れない
のである。
 始めの特性から、前節のOR回路の実験でH出力のときに電圧がすこし降下していたわ
けが理解できるだろう。回路の中に電流が流れているダイオードがあれば、そこで必ず
0.7V前後の電圧降下があることは押さえておこう。そして後の特性は、次節で登場する
トランジスタの「バイアス電圧」を理解するのに役立つ。
 ここでダイオードの規格に触れておく。パーツショップでダイオードを買うときは、
「最大整流電流(IO)」に注目しよう。これはそのダイオードで図5−3の半波整流回路
を組んだときに取り出せる電流の許容量である。平たく言えば「流してよい電流の最大値」
である。
    1S1588  120mA
    1S1885    1A
これは回路を設計するときに重要な数値となる。
 もうひとつ「逆方向電圧(VR)」というものがある。ダイオードはふつう逆方向には電

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                 図6−3&4



流は流れないと考えてよいが、ある電圧を越えると流れてしまう。その限界電圧がこの数
値である。
    1S1588   30V
    1S1885  100V
 関連してツェナダイオード(定電圧ダイオード)を紹介する。これは逆方向電圧を逆手
にとって、図6−3のように回路の中で電源電圧とは別の一定電圧を得るのに利用するも
のである。この回路に使っているAD589はそのツェナ電圧(VZ)が1.23Vである。
これは逆方向電圧の一種である。3.3k抵抗を流れる電流が少なくなるとその電圧降下が
小さくなるため、S点の電位が1.23Vを越えてツェナダイオードは導通状態になって電
流を増やす。こうして抵抗を流れる電流が多くなるとその電圧降下が大きくなり、S点の電
位が1.23Vを割り込もうとすると、途端にツェナダイオードはほぼ絶縁状態になって電
流を制限する。こうしてS点の電位はいつも1.23Vに維持されるわけである。私たちは
これをADコンバータAD7576の基準電圧に利用している。
 続いて、発光ダイオード(LED)の勉強をする。これは電流を流すと光を発するダイ
オードであり、電気製品のさまざまな表示に利用されている。発光ダイオードには図6−
4のように、2本足で赤、黄、緑、青の光を発するものと、四角くて数字を表示する7セ
グメントLEDと呼ばれるものがある。前者では長い方の端子がアノードであることを覚
えておこう。後者では液晶表示の似たものがあることに注意しよう。それはLEDなら赤
い光を発するし、液晶なら黒い数字である。
 いずれにしても普通の発光ダイオードの特性は次の2つである。
(1)適正な電流は15から20mAである。
(2)電流が流れているときの電圧降下は2.2V前後でほぼ一定である。

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[実験6−2]LEDの適正電流
F「発光ダイオードに直列に抵抗を入れて、電流を制御します。どんな大きさの抵抗が適
当であるか、試行錯誤で捜しなさい。電源はいつもと同じで8Vです。」
S「図6−1の回路で普通のダイオードをLEDに置き換えればよいですね。」
F「実際の回路設計では電圧の計測は不要ですが、今回は参考にそれもやりましょう。」
F「ところで大事な注意事項があるのだが・・・」
S「分かっています。大きい抵抗から試していくのです。電流が流れすぎると破壊される
のでしょ。」
S「手元にある抵抗の中では270Ωが適当です。そのときの電流は20mAで、LED
の両端の電圧は2.2Vです。」
(参考に普通の発光ダイオードの特性を示すグラフを図6−4に紹介しておく。)
F「よろしい。」
 この実験のように、プロトボードに回路を組んでテスターで電流を計測して適当な抵抗
を見つけていくのは、要領がいいしかも確実なやり方として体得していってほしい。確か
に計算で次のように適当な抵抗を予想することはできる。つまり、流れる電流が20mA
で抵抗の部分での電圧降下が5.8Vになるような抵抗は、オームの法則から
    R=E/I=5.8〔V〕/20〔mA〕=0.29〔kΩ〕
単位を変えて290Ωとなる。しかしその上でプロトボード上の回路で確認することが、
考え違いや計算ミスを正すのにも重要である。それに実際に使われる回路はもうすこし複
雑で、その中で正確な数値を計算で見つけることはかなりの専門性を要求される。たとえ
ば発光ダイオードの場合は、もうひとつトランジスタやICが直列に入ることが多い。そ
んなときには大まかな計算で当たりを付けておいて、すぐにプロトボード上の回路でいく
つか試してみれば、大した苦労もなく適当な抵抗を見つけることができる。このようなや
り方は「現物(げんぶつ)合わせ」と呼ばれている。
 私たちは、抵抗のカラーコードに自信が持てなかったり見にくいときには、いちいち本
を調べたり明るいところで目を凝らしたりするより、テスターで確かめる。ダイオードや
発光ダイオードのアノードとカソードがはっきりしないときは、テスターの抵抗の最小レ
ンジ(Ω)につないで、針が振れたりLEDが光るときに黒のテストリードが触れている
方がアノードと見つける。現物合わせは技術の基本と心得よう。
 なお、7セグメントLEDについては「デジタル編」でくわしく説明する。

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