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99A−046
差出人:林 正幸
送信日:99年9月15日
件 名:浸透の実験

こんにちは、林です。
 せっかくの休日がにわか台風の影響で雨降りですね。そして残暑が厳しくて生徒もしんどそうです。私自身の体調はどうやらもどってきました。
 生徒にやらせられる浸透の実験に改めて挑戦していました。この種の実験はいろいろ手がけてきたのですが、いまひとつ納得がいかないままになっていました。業者に作らせた半透膜の容器でさえ、液漏れしてくることがありました。
 今回は内ふた式のフィルムケース(フジフィルム)を使うことにしました。内ふたをカッターで丸くくりぬき、切り開いて水に浸したセルロースチューブを貼りつけるのです。つまりケースと内ふたの間に挟んで押し込むのです。これで糸で縛るよりはるかに簡単確実に半透膜の容器が作れます。もちろんフィルムケースの底の方は切り取っておきます。
 あとは1mol/lショ糖水溶液を注いでガラス管付きのゴムせんをしっかりはめ、ビーカーの水に漬けます。このときセルロースチューブの部分に空気がたまらないように全体を一度斜めにします。
 これでだいだいうまく行きますが、数分待っても水溶液の上昇が見られないときは、半透膜の容器を作り直します。このやり方は手間がかからないのでやり直しもあまり苦になりません。これで時間内に水面が2、3cm上昇します。時間さえおけば、ガラス管から水溶液があふれ出します。
 まだ授業には投入していないので、最終的にうまくいくかどうかの確認はできていませんが、期待をして実験プリントを作りました。
 ではまた。


99A−047
差出人:高橋 匡之
送信日:99年9月16日
件 名:高校大学教育改革フオーラムについて

こんにちわ、岩手の高橋です。
 先週の土曜日、「高校大学教育フオーラム」が開催されて、私も意見提示者として参加してきましたので、その報告をします。
 岩手大学の教職員組合で、2カ月に1回程度の学習会を開いていたそうです。大学内部のいろいろな問題を話し合っていたのだそうですが、高校の先生もいれて話し合ったほうが有意義なのではないかということで、高橋に白羽の矢があたり昨年の12月に、どのような方向でそういう会をもっていったいったら良いのかということが話し合われました。その場では、冬休み明けの1月末かまたは2月上旬にそういう会をもちましょう。ということでその場は終えましたが、このことを高教組につたえたところ、趣旨は理解できるが時期が悪いということで、流れてしまいました。その後は高教組本部と岩大教職組が直接話し合いをもって、今回のフオーラムが開催されたわけです。
 岩手県では、高校の先生と大学の先生が集まって、教育について話し合うという場は今までになかったことだけに、会としては画期的な出来事だったといえます。当日は一般の方も含め、約120名ぐらいの方が集まって話し合いをもちました。
 大学からは、
  工学部の先生
  ・ 入学してくる学生が年々幼くなっている。
  ・ 高校と大学の大きな違いは、教わる教育から学ぶ教育への変換にある。
  ・ 大学の法人化の問題。
  法律の先生
  ・ 法律の勉強には答えがない。いろんな解釈によって、様々な答えがでてくる。
    高校を終えたばかりの学生の意識を変えていくことが大事である。
 高校からは
  単位制高校
  ・ 単位制高校のシステムは、未来型のあるべき姿だと考える。生徒一人一人
   を型にはめることなく、自主性を育てていくことが重要であると考える。
  普通高校
  ・ 現在の教育課程に至るまでの歴史と大学入試の関わり、そして大学入試セ
   ンター試験に関する意識調査の結果が報告された。
 一般に参加された方からもたくさんの意見がだされた。なかでも高校生をもつ親の立場から出された意見は、貴重なものだったと思う。「現在の高校は大学入試に合格させることを最大の目標としており、生徒一人一人にじっくり考える時間を与えていないのではないか。課題をどんどん出して、そして模擬試験でも全員受験させている。子どもたちに自己決定させるとか、夢を抱かせる教育はできないものか。」というものだった。
 それに対して、私は「大学受験を考える時に、3年間はとても短い。だから効率よく受験勉強をさせるためにとられている体制なのだ。」というようなことを発言した。短い時間のなかで考えもまとまらずに話してしまった。普段考えていることは、この母親が発言したようなことを考えていたはずなのに、逆の立場にとらえられるような発言になっていまったと反省している。終わってから、じっくり考えてみたら、いろいろなことが整理されてきたので、まとめておきたいと思う。
《高校の現状》
 大学入学試験に合格させるという、大義名分のもとに
 @ 問いと答えの間がない。
    問題を見たら、ある程度方針を決めて、どんどん解いていかなければ時間がない。
    じっくり考える余裕を与えられない。
 A 3年間という間に、受験先を決定しなければならない。
    このことは@と同じ事がいえる。
    週末には課題をどっさり出されて、じっくり自己を見つめるゆとりがない。
 B 模擬試験も平日に実施される分については(ほとんどは休日に実施されるが、学
   校行事などの関係で、授業日に実施されることもある。)授業の一貫として実施さ
   れるので、 全員受験となっている。生徒自身の考えによって選択する余地のない
   状況がでている。
 C 何も考えないで教師の言うとおり、勉強した生徒の多くが受験に成功している。
   したがって、「入学したての大学生は幼くなってきた。」という指摘につながる。
   社会のこと、友達のことより、自分のことだけを考える、視野の狭い人間つくりを
   しているのではないか。
 D しかし、入試制度がある以上は、ここからはみ出して教育することはできないことも
   事実である。
   岩手の進学校といわれている学校では、学校の性質と予備校の性質を合わせ持っ
   ている。
   都会の学校では、課外授業などないし、長期休業においても講習などない。課外授
   業とは、授業終了後に行う大学受験のための問題演習のことであり、夏休みの講習
   も同じである。都会の高校生は、授業を終えると、自分の意思で、予備校に通う。
   岩手の高校では、課外も講習も希望制ではある。しかし、ほとんどの生徒が受講して
   いる。
 E 大学が入試制度をいくら変えても、高校側は受験指導をやる。小論文でも、面接でも
   そして推薦でも、徹底してやるであろう。 
 これらのことを考えるとき、大儀名文がなくならない限り、高校の現場は変わらない。逆に益々受験競争は激しさを増すばかりの感じを受ける。
  根本の問題がどこにあるのかを自由に話し合うことができ、問題点を浮き彫りにできるのが、今回のフオーラムであることを実感した。

《今回実施したアンケートについて》
1 現在実施されている「大学入試センター試験」についてどう思いますか。
  @ 必要である  A いらない   B 簡単に結論を出せない
2 1で@と答えた方に、その理由をお尋ねします。
@ 入試センター試験の結果から、各大学の出願状況の資料が得られる(業者より)
  ので、願書を提出する際に適切な指導をすることができる。
A 入試センター試験の対策として、模擬試験を受験することにより、各学校間の成
  績を比較しやすく、指導の手がかりを得ることができる。
B 入試センター試験は良問が多く、授業をしていく上で、とても良い教材となっている。
C 入試センター試験が良問であるため、国立個別試験あるいは私立大学の入試問題
  に良い影響を与えている。
D 入試センター試験は、受験生が目標としやすく、受験勉強として取り組みやすい。
E 理系に進学希望であっても、入試センター試験において国語や社会を試験課目と
  して課せられることが多く、受験を機会に幅広い学習が要求される。
F その他(あなたのご意見)
3 1でAと答えた方に、その理由をお尋ねします。
  @ 入試センター試験は受験競争を激化させる一方である。
  A 入試センター試験は生徒の経済的負担を多くしている。
  B 入試センター試験は受験生の学習面での負担を多くしている。
  C 入試センター試験を実施しなくても、個別試験だけで大学入試は対応できる。
D その他(あなたのご意見)
4 1でBと答えた方に、その理由をお尋ねします。
@ 入試センター試験を大学入試資格試験に制度を変更するべきである。
A 大学入試は入試センター試験一本だけとする。
B その他(あなたのご意見)


99A−048
差出人:野中 直彦
送信日:99年9月17日
件 名:資料の送付はどちらへ?

松本さんへ
 合宿レポート楽しく読みました。
 私も私なりのレポートを送りたいとおもいます。
 ところで、レポートは自宅か学校かどちらへおくればいでしょうか。


99A−049
差出人:野中 直彦
送信日:99年9月17日
件 名:四塩化炭素のかわり?

 受験にあまり関係ない化学でゆっくりやっています。
 気体の状態方程式を使った分子量の測定で四塩化炭素のかわりは何を使っていますか。ジエチルエーテルを使う場合は火を消すなどの配慮が必要でしょうか。


99A−050
差出人:鬼塚 公志
送信日:99年9月18日
件 名:角砂糖はなぜ燃えるのか

こんにちは、鬼塚です。
 以前、杉山美次さんがメールで「角砂糖が燃えるのは、炭酸カリウムなどの触媒作用ではなく、角砂糖が流れ出さないようにすれば燃える。」という内容だったと思いますが、この件が今までひっかかっていました。そこで、次のような実験をしました。
・焼き落とし
1.飽和ほう砂、飽和食塩、飽和硝酸カリウム水溶液を用意する。
2.ビーカーにタバコの灰50mlを入れ、水を少量(20ml)ほど入れてよくかき混ぜる。10分ほどたったらろ過する。
3.更紙か中質紙に4つの溶液を筆にしみ込ませて一筆書きの絵を描き、乾燥させる。
4.線香の火で点火すると、ほう砂と食塩は燃え広がらないが、硝酸カリウムとタバコでは燃え広がる。
5.5%過酸化水素水にタバコの灰を入れるとタバコの燃え残りの部分だけ少し酸素が発生する。
 このことから、タバコの灰には酸化剤としての何かが含まれていると考えられるのではないか。普通タバコに火をつけると消えるが、最後まで燃えるように発火剤がタバコにしみ込ませてありますが、燃え残りの発火剤が灰の中に残っていたものと考えらます。普通、灰に水を入れると液は透明だと思うのですが、タバコの灰の液は少し黄色に見えます。これはタールのせいかもしれませんが・・・。 ただ、タバコや酸化カリウムを角砂糖につけたときの燃え方と食塩やホウ砂をつけたときの燃え方が少し違うようにも見えます。タバコの灰を角砂糖に少量つけても盛り上がるように燃えますが、食塩やホウ砂の場合は、流れ出さないように黒いかすが盛り上がり燃えるように見えます。タバコの灰の触媒作用という見方も捨てがたいと思います。みなさんどう考えますか。


99A−051
差出人:藤田 勲
送信日:99年9月18日
件 名:RE:角砂糖はなぜ燃えるのか

今晩は。
 鬼塚さんの「角砂糖はなぜ燃えるのか」を読みました。こういうふうに疑ってみる姿勢は大事ですね。そして実際にやってみることで何か新しいものが見えてきますよね。
 さて、ことの発端は高梨さん(慶応幼稚舎)がさ・ら・え書房から出した「おさとうの実験(だったかなあ)」に書いてあったと思いました。
 私は試していませんが、もし塩をかけたときとタバコの灰をかけたときで燃え方が違うとすれば、やはり働きに違いがあるのでしょう。塩の場合にはたぶん融けた砂糖がしみ込んで、塩がロウソクの芯のような働きをするからでしょう。アルコールでしめらせた塩がよく燃えるのは経験するところですね。塩はやはり芯でしょう。ざら紙に塩では防炎紙ですよね。塩は可燃性の液体を吸い上げ気化させる芯の役割はしていても、紙が燃えるのを助ける働きはしないでしょう。
 「粉のはなし」(名古屋俊士、日刊工業、1991)にも鬼塚さんが指摘のように「巻紙用麻紙には、助炎剤として、酸化剤等の薬品処理がされている」とあります。タバコの灰の定性分析で金属元素はカリ、シリカ、カルシウム、アルミニウムが多いとも書いてあります。このことから、タバコの灰は炭酸カリウムが主成分としても、他にケイ酸塩やアルミノケイ酸塩が含まれているものと思われます。非金属元素は炭素の他に、窒素やリン、硫黄も少量はあるでしょうから、硝酸塩やリン酸塩や硫酸塩もごく少量はあるかもしれません。
 この本によると、灰の燃焼促進作用はカリによるのだそうです。(なぜ?)コークスが立ち消えしやすいのはカリが少なく、白炭にかける消粉には20%もカリがふくまれていて、白炭の火付きをよくしているそうです。(ホントかな?)もし本当なら、塩化カリウムでは砂糖の燃え方が塩化ナトリウムと違うことになりますね。
 「化学と教育」にも米沢さんがカリの触媒作用について書いていたと思いましたが、今度調べておきます。
 長くなりました。では、また。


99A−052
差出人:鬼塚 公志
送信日:99年9月19日
件 名:角砂糖はなぜ燃えるのか(2)

 藤田さん早速ご返事ありがとうございます。
 今日、また少しばかり角砂糖を燃やしてみました。今までやったのをまとめてみたいと思います。資料は学校なので思い出したものだけを書きます。

・燃えた物質
 タバコの灰、蚊取り線香の灰、ベーキングパウダー、炭酸水素ナトリウム
 塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硝酸カリウム
 クエン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム
 酸化カリウム(金属カリウムを燃焼させて作る)
・最初は燃えるがそのうち消える物質
 硫酸アルミニウムカリウム
・燃えない物質
 更半紙の灰、炭酸カルシウム、硫酸銅、硫酸カルシウム
 塩化物や硝酸塩は火付きは良いようです。硫酸物は化合物によりました(硫酸ナトリウムは燃焼したと思いますが思い出せません)。

 藤田さんのご指摘のように
>塩化カリウムでは砂糖の燃え方が塩化ナトリウムと違うことになりますね。
 燃えるか燃えないかを見ていたので、よく覚えていませんが、塩化カリウムは塩化ナトリウムより火付きがよかったようです。また、カリウム塩はほとんどの場合火付きが良いのでカリウムは燃焼のために必要な物質のように思えます。
>「巻紙用麻紙には、助炎剤として、酸化剤等の薬品処理がされている」
 タバコ・蚊取り線香の灰はよく燃え、更半紙(うちの学校のざら紙)の灰は流れるだけで燃えないことから助炎剤が含まれているためでしょうね。
 また、何か分かったら報告します。


99A−053
差出人:高橋 匡之
送信日:99年9月19日
件 名:RE:角砂糖はなぜ燃えるのか

こんにちわ 岩手の高橋です。
 鬼塚さんと藤田さんのやり取りを見ていて、すごいなと感激しながら読んでいました。
 藤田さんの「白炭」の話には、納得できるものがあります。
『「白炭」というのは「しろずみ」ともよばれています。名前のとおり炭の表面が白
い灰でおおわれて、折った時の断面は銀白色に近い、艶のある硬い炭です。たたけば
澄んだ金属音がします。火つきは黒炭に比べて
よくありませんが、火持ちがよく燃え方がおだやか(600℃前後の低温です。)
で、うなぎの蒲焼きや魚の塩焼きをはじめ日本の焼物料理にとって最高の燃料です。
この種の硬い木炭の中でも一段と硬く、それでいて火持ち、燃え方の良い代表的なも
のが和歌山県田辺付近でウバメガシを原料としてつくられる備長炭(ビンチョウタ
ン)であり、江戸時代紀州藩が育てた傑作といわれています。』(炭素は七変化 石
崎信男著 研成社)
 以前、全国理科教育大会のフイールドコースで、岩手県の山形村で、炭焼き体験会を企画しました。その時、白炭つくりの最後の作業を体験しました。炭焼き釜の口を開けると、真っ赤になった炭があり、その炭を棒の先に金物がついたもので、静かに静かにかき出します。そしてかき出すとすぐに、灰をかけて酸素を遮断して消します。これで、冷えると「白炭」のできあがりです。できた白炭で、空気電池など試してみると、立派に電極となり、黒鉛化していることがわかりました。できたての「白炭」は、灰がいっぱいついているのです。
 藤田さんと鬼塚さんのやりとりを読んでいて、こんなことを思い出しました。売っている「備長炭」は白炭の面影は全然ありません。炭そのものを水洗いして、表面の灰をすっかり落としてから乾燥させているのだと思います。


99A−054
差出人:藤田 勲
送信日:99年9月19日
件 名:RE:角砂糖はなぜ燃えるのか(2)

 鬼塚さんが砂糖にのせて燃やした物質を見て、グループ分けを考えてみました。
  グループ1 塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム
         融解した砂糖を吸い上げて気化させる芯の役割
  グループ2 炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、炭酸カリウム、
        酸化カリウム
         砂糖をアルカリ分解して揮発性の有機物を生じさせる役割
  グループ3 硝酸カリウム
         酸化剤
  グループ4 クエン酸
         それ自身が燃える有機物
 つまり、砂糖が燃えるためには芯に当たる物質が必要であると言うこと以外に、持続的な燃焼には砂糖が重合してグラファイト化(炭化)するのを妨げ、砂糖の炭素骨格が分解して揮発性の生成物を生じさせる方向に向かわせる物質が必要だと思います。グループ2の燃え方はグループ1より良いと予想できますが、いかがでしょうか。
 炭酸カルシウム(沈降性?)と硫酸カルシウム(石膏ですか)で燃えないのは結晶粒子が細かすぎて砂糖が目詰まりするからでしょうか。硫酸銅では砂糖やその分解物により還元された銅を生じるのと、無水硫酸銅になって目詰まりするのでしょうか。硫酸アルミニウムカリウムが結晶ミョウバンなら芯になりそうですが、いずれ焼きミョウバンになれば目詰まりしそうです。ただ、炭酸マグネシウムが砂糖を燃やすのは理解に苦しみます。タバコの灰、蚊取り線香の灰、ベーキングパウダーはアルカリとしてグループ2に入れて良いでしょう。更半紙の灰が燃やさないのは分かりません。
 要するに、カリが触媒というのは可溶性のアルカリが砂糖の熱分解を促進して可燃性有機物を生じやすくするからだと考えましたが、いかがでしょうか。


99A−055
差出人:山本 喜一
送信日:99年9月19日
件 名:硫酸カルシウムの溶解度について

こんばんは、山本です。
 砂糖の燃焼について、話が盛り上がっていますね。どういうことになるか楽しみに読ませてもらっています。
 さて、以前、硫酸カルシウムの溶解度について話題になりましたが、上森良男さん(北陸大学薬学部 薬品物理化学教室 助教授)から、次のようなメールをいただきました。ご本人の了解を得ましたので、アルケMLとして転送します。
<メールここから>
突然メールを差し出すご無礼をお許しください.
アルケのHPにまよいこんで,硫酸カルシウムの溶解度についてのご議論に横から
口を挟んだ格好になりました.
そのごのメールリストを見ていたのですが,先生が化学モノグラフをお持ちでな
いことがわかり,私も書店に注文してみたのですが絶版のようです.何とかこの
本の内容をお伝えしたいのですが,著作権がありコピーする訳にもいかず,WP入
力する元気もなくいました.ところで,新実験化学講座 をお持ちではないでし
ょうか,その,1基本操作[1]のp.236-p.239に私のいった内容が書いてあります.
<ここまで>
 というわけで、私の学校の図書館で、新実験化学講座 を探してみましたら、運良くそろっていましたので読んでみました。難しい式が出てきて、理解しにくいところもあるのですが、溶解度積がそのまま溶解度の計算にあてはまるのは、次の3点を満たしている場合であることが分かりました。
(1)溶解しているイオンの活量係数が1であること。
(2)溶液中において、イオンは完全解離していてイオン会合を起こしていないこと。
(3)陽イオンの加水分解や酸生成などの副反応が起こっていないこと。
 硫酸カルシウムを水に溶かした場合、(3)はないものの、活量係数が1ではないこと、そしてカルシウムイオンと硫酸イオンが水溶液中で会合していること
  Ca^2+ + SO4^2− ←→ Ca^2+・SO4^2−
により(1)、(2)を満たしていないので、溶解度積と実際の溶解度に大きな開きが出ることが分かりました。
 溶解度が比較的高く、しかも多価−多価の電解質は、溶解度積が単純に溶解度を表さないことが多いので注意が必要なようです。逆に、溶解度積と溶解度が近いものは、溶解度が低く1価−1価の電解質(AgCl、BaSO4など)に多いようです。
 上森良男さん、ありがとうございました。
 では、また。


99A−056
差出人:山本 喜一
送信日:99年9月19日
件 名:浸透の実験について

こんばんは、山本です。
 林さんから、浸透圧の実験について、そのやり方のメールが届きました。私も今、ちょうどその辺を授業しています。
 私は、実験装置は使わず、ナスを使って演示しています。ナスを薄い輪切りにしたものを3つのポリ袋に入れ、ひとつはそのまま、もう一つには塩、最後のひとつには砂糖をまぶしてしばらくおきます。5,6分したら、それぞれのポリ袋をもんで、どれくらい水分が出るかを見せます。塩や砂糖をまぶしたものからは、驚くほどたくさんの水が出てきますので、ここから浸透現象を説明しています。キュウリからたくさんの水分が出てくるのは想像できるでしょうが、ナスからも本当にたくさんの水が出てきます。気が向いたら試してみて下さい。
 では。


99A−057
差出人:山本 喜一
送信日:99年9月20日
件 名:温暖化もう手遅れ?

こんばんは、山本です。
 今日、新聞(日経)を読んでいましたら、表題のような記事が目に飛び込んできました。それによりますと国連環境計画が「地球環境概況2000」をまとめ、その内容として温暖化はすでに手遅れの可能性があること、熱帯林の破壊は取り返しがつかない状態であること、水不足も深刻になっており、砂漠化、水質汚染も21世紀にはさらに進むという悲観的な見通しが書かれているようです。
 「地球環境概況2000」は日本など100カ国以上から30の研究期間、150人の専門家の意見をまとめた「もっとも権威ある評価報告書」だと国連は言っています。
 この予測の確かさは議論のあるところだと思いますが、21世紀を目前にして、国連がここまで強い警鐘を鳴らしていることは、頭に入れておきたいと思っています。


99A−058
差出人:山本 喜一
送信日:99年9月20日
件 名:放射線のしきい値

 もう一つ新聞記事の話題です。夏休みの宿題として「科学関係の記事を集めなさい」という課題を出したところ、日経の8月21日に載った「(放射線)一定量まで無害?」という記事を切り抜いてきた生徒がいました。
 これによりますと、国際放射線防護委員会は今まで、どんなに弱い放射線でもガンを作る作用があるものと(しきい値がないものと)考えてきたが、放射線が遺伝子を傷つけても修復されることや、たくさんのキズを持った細胞はアポトーシスすることなどが分かってきたので、これらの処理能力を超えたときにガンを作ると考えた方が合理的であるという考えが出てきたようです。
 証拠には、同じ被爆線量でも、弱い放射線を長時間あてた方が、強いものを短時間あてたものより発ガン率が低いというネズミの実験があげられるそうです。
 それと、いつか杉山さんのメールにあったことですが、放射線をまったく与えないとかえって細胞が不活性になるという話は、私は知りませんでした。この記事やメールの内容が正しければ、放射線の認識を変えなければなりませんね。
 では、また。


99A−059
差出人:鬼塚 公志
送信日:99年9月20日
件 名:なぜ角砂糖は燃えるのか(3)

 藤田さんの分類分けにそって本日少ししてみました。前回の例が少し間違っていました。引用と今までの分をあわせておきます。
 グループ1 塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム
       融解した砂糖を吸い上げて気化させる芯の役割
 グループ2 炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、炭酸カリウム、
       酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂
       タバコの灰、ベーキングパウダー、ワラの灰
       砂糖をアルカリ分解して揮発性の有機物を生じさせる役割
 グループ3 硝酸カリウム
       酸化剤
 グループ4 クエン酸、粉糖
       それ自身が燃える有機物
 グループ5 硫酸銅5水和物、カリウムミョウバン
       酸化マグネシウム、酸化銅(U)
その他、分類としてはグループ1

>グループ2の燃え方はグループ1より良いと予想できますが、いかがでしょうか。
 ご指摘の通りグループ2は3〜5秒で燃え出しますが、グループ1は10秒以上かかります。ただ、塩化カリウムに関しては、5秒ほどで燃えだし、グループ1のような燃え方をします。
 グループ1の燃え方 とけて流れながら燃える。10秒以上の加熱。
 グループ2の燃え方 所々黒く盛り上がって燃える。5秒ほどの加熱。
 グループ3の燃え方 パチパチしながら燃える。
 グループ4の燃え方 可燃物が燃えて砂糖が燃える。
 グループ5の燃え方 硫酸銅、カリミョウバンは黒くなってフタのようになる。
           30秒以上加熱して焼けた部分と砂糖の間がたれて燃える。分類としてはこれは
           グループ1に入れて良いと思いますが、燃え方が違うので一応別にしています。
 炭酸塩などは加熱されて酸化物になるので、酸化物の燃焼がどうかとしてみました。酸化マグネシウム、酸化銅はとけて流れながら燃えますが(20秒加熱)、酸化アルミニウム、二酸化マンガンは流れるだけで燃えることはありませんでした(30秒加熱)。

 燃えなかったもの−−20秒以上加熱しても流れるだけで燃えない。
 1 ブドウ糖 可燃物であるがもえなかった。
 2 炭酸カルシウム(沈降製)、硫酸カルシウム(焼き石膏)
 3 炭素粉末、更半紙の灰、ティッシュの灰(パルプ100%)
   金属塩が含まれないので、燃えない。
 4 酸化アルミニウム、二酸化マンガン

 炭酸マグネシウムと酸化マグネシウムの関係は次のように考えられるのではないかと思います。
 炭酸マグネシウムは全体的に黄色になって10秒たらずで燃え出します。それに対して、酸化マグネシウムは20秒以上加熱してとけながら燃えます。炭酸塩がよく燃えるのは炭酸塩が加熱され、酸化物になるときにグループ1のように芯になる物質ができ燃える。
 金属塩が加熱され、芯になる物質がができそれに砂糖が揮発性の物質を生じさせると燃焼するのであれば、銅の網を作り、それに角砂糖を入れて燃やすと燃えるのではないかと考えました。
 銅を選んだのは熱伝導率が良いためです。銅の網は、ハンダの時に使用するもので余分なハンダを吸い取るのための銅です。これを開いて角砂糖をしっかりつつみ、銅と銅の隙間を広げて加熱すると、20秒以上加熱するとまず角砂糖が融けてきて銅の間から飛び出し、黒くなって燃え出します。火を遠ざけるとそのうち銅の隙間が詰まって消えますが、確かに角砂糖は燃えました。
 みなさんはどのように考えられるでしょうか。


99A−060
差出人:林 正幸
送信日:99年9月20日
件 名:「酸と塩基」の意義は?

こんばんは、林です。
 高橋さん、メール「高校大学教育改革フオーラムについて」の「まとめ」には、受験体制の厳しさがにじみ出ていますね。この体制は一部ではますます「狂化」されていくでしょうが、他方では矛盾が吹き出し、改革を余儀なくされています。7月のメール「近況報告」では、「勉強の方はスーパー化学で自習してがんばろうと思うので、先生には、できるだけたくさんの実験をしてもらって、化学の面白さをたくさん教えてもらいたいと思います。」という感想が紹介されていましたよね。問題を投げ掛ければ、それを受けとめる生徒も生まれてきます。「両面作戦」でがんばりたいと思います。
 野中さん、私はジエチルエーテエルで分子量測定の実験をさせたことがありますが、少量ですから引火の心配はないと思います。
 「角砂糖はなぜ燃えるのか」は複雑そうですね。私は炭酸塩が燃焼に対して触媒作用を持つと聞いたことがありますが、どうなんでしょうか。
 山本さん、「一円玉と水銀」は了解です。化学反応は多様ですね。そして「浸透の実験」ですが、昨日「MOLの会」がありそこでも試したのですが、「フィルムケース方式」はくり返し成功しています。ちょっと自信が生まれてきました。また「漬物方式」は宿題の問題として取り上げたいと考えています。
 いま授業プリント「酸と塩基」に手を着けようとしていますが、その意義がいまひとつ納得できていません。似た物質をまとめて整理する価値はありますが、それだけでは満足が行きません。私の頭の中にはぼんやりと「環境」という用語が浮かんでいます。水圏と生物の体液に対して大きな影響を持つのが酸と塩基・・・・・。しばらく考えてみますが、ヒントになることがありましたら、あるいは皆さんの視点などを教えてください。
 ではまた。


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