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99A−031
差出人:鈴木 久
送信日:99年8月31日
件 名:RE:鈴木さんのアドレス
林 正幸さん、鈴木 久です。フォローありがとうございます。
私の方も、相変わらず松本さんからのメールは到着していません。藤田さんのメールで送られていることを知っただけです。ますます幻の報告が楽しみです。
先ほどやっと、キーボードがやっと英語から日本語入力に変更できて]でなく@が入れられました。ワードで、コピー、切り取り、貼り付けさえもできない状態です。
99A−032
差出人:山本 喜一
送信日:99年8月31日
件 名:アルミのアマルガムについて
こんばんは、山本です。
いよいよ明日から新学期ですね。しばらくは暑くて大変そうですが、みなさんのところはどうでしょうか。
藤木源吾の「化学講義実験講義法」に出ていたアルミのアマルガムと水の反応を、私は次のように理解しました。
(1)アルミ板を希塩酸や水酸化ナトリウム水溶液で処理して、表面の酸化ナトリウム被膜をはがす。
(2)アルミ板にHgCl2水溶液を塗る。
ここで、イオン化傾向に違いによって
2Al + 3HgCl2 → 2AlCl3 + 3Hg
の反応が起こり、生じた水銀がアルミニウムとアマルガムを作る。
(3)アマルガムにしたアルミ板を水に入れる。
2Al + 3H2O → 2Al(OH)3 + 3H2
つまり、水素が発生するのは、アルミと水との反応だと思います。
ただ、教科書では、冷水と反応するのはイオン化傾向でいうと、Naまでで、Al以降は熱水となら反応する金属になっていますが・・・・。みなさん、どうお考えですか?
それから、林さんの「エネルギーとは何か」と「モル濃度とは何か」ですが、林さんなりのこだわりを感じます。私なんかは、エネルギーについては”エネルギーは他のものを動かす能力”と言ってしまって、アルコールにエネルギーがある証拠として、アルコール鉄砲をやって見せ、ふたを飛ばして終わりにしています。それから、モル濃度も、1リットル中の溶質の物質量(モル)としていて、自由エネルギーと結びつけようとは考えもしませんでした。林さんが、エネルギーやモル濃度になぜそこまでこだわり、こだわったことによって生徒をどんな世界に連れていこうとしているのか、そのあたりのことを書いてくれると、もっと話が深まると思います。
99A−033
差出人:野中 直彦
送信日:99年9月2日
件 名:グアガムのスライムを作りたい
今晩は、のなかです。
藤田さんへ
グアガムのスライムがとてもよくて作りたいのですが、出入りの理科業者に「グアガム」やらいろんなガム(理科教室にのっていたガム)を頼んだら、ありませんの返事でした。
入手先を教えてください。
99A−034
差出人:高橋 匡之
送信日:99年9月3日
件 名:「今年」もよろしくお願いします
こんにちわ岩手の高橋です。
松本さん、事務局ご苦労様です。
そして、合宿の報告ありがとうございました。みなさんが、楽しそうに実験している姿が目に浮かんできました。松本さんの報告にあるとおり、素晴らしい仲間たちとこうして気軽に連絡を取り合うことができて、うれしく思います。
ここ数年、岩手では各種のイベントが開催され、科教協の大会にも、アルケの合宿にも参加できずにおりますが、忘れられないように、レポートしていきたいと思いますので、今年もよろしくお願いします。
99A−035
差出人:藤田 勲
送信日:99年9月3日
件 名:再び蛍光について
ルビーの原石、三省堂の鉱物展で買ったものですが、ブラックライトを当ててみました。結果は残念ながら、赤い蛍光は確認できませんでした。小さくて、しかも純度が良くなかったのでしょうか。
「楽しい鉱物図鑑」(堀秀道、草思社、1992)によると、蛍石の中にも蛍光をはするものがあるということなので、手当たり次第に蛍石にブラックライトを当ててみました。
紫や緑のものや完全に無色透明のものはだめでしたが、少し白っぽい蛍石は青っぽい蛍光がありました。このひかる蛍石は数年前の科教協大会で買ったものです。蛍石の着色原因は色中心だけではなく、マンガンイオンなどの不純物の影響があるようです。(「鉱物学」、砂川一郎ほか、岩波書店、1975)光るかどうかは、この不純物の量によるのでしょう。無機蛍光体を合成するときも付活剤が多すぎると光らなくなります。
なお、食塩の結晶を作るときに、少量のマンガンイオンを加えた水溶液から作ると透明なサイコロ型のものができますが、この結晶に短波長の紫外線(私は殺菌灯を使った)をあてるとピンクに光ります。アルカリハライドの無機蛍光体は今は全く使われていませんが、蛍光体研究当初はよく作られたようです。
この食塩の蛍光体は結晶全体が光るのではなく、中心部分だけが光るのですが、これもおそらく結晶面に吸着されたマンガンイオンの濃度により、蛍光を発する部分が限られるからでしょう。
99A−036
差出人:藤田 勲
送信日:99年9月3日
件 名:天然食品ノリの入手先について
今晩は。いよいよ2学期が始まりましたね。
さて、野中さんからの問い合わせですが、ノリは昭和化学を扱っている教材屋であれば手に入れることができます。この昭和化学は、食品メーカーと横のつながりがあって融通が利くようです。値段は、すべて1キロ単位でしか売ってくれませんが、だいたいの値段は次のようです。
グアガム 4〜5千円
ローカストビーンガム 1万円
キサンタンガム 1万円
もし、必要量が分かれば、大会で売れ残った余りありますので、融通できるかもしれません。その場合は連絡ください。
99A−037
差出人:林 正幸
送信日:99年9月5日
件 名:「物質とエネルギー」を掲載
こんにちは、林です。
実のところ、この一週間は感染症で朝夕2回ずつ点滴に通うことになり、学校にも行けませんでした。振り返ってみると、アルケ合宿から帰った明くる日と翌日に歯を6本抜きました。幸い痛みもなく、日中はがんばって庭の手入れなどをしていました。それがお盆の頃から腰が痛くなり、ときどき腕に湿疹が出るようになりました。一方で体がだるくても暑さの性だと納得し、他方で今年の夏休みはがんばりが効きにくいと感じていました。それが29日あたりから突然に唇が腫れ始め、頬も腫れて見るも無残な顔になり、2℃ほど発熱もしました。びっくりして病院に行ったのが31日の朝でした。そして1日は病状がさらに悪化して、事態の深刻さに気付きました。
医者に見通しを尋ねてもはっきりしたことは言えないようで、2日には学校に土曜までは休む旨を連絡しました。病院では看護婦さんに名前を覚えられ、「ちょっと良くなったですね。」などと慰められたりしました。白血球が2倍以上に跳ね上がり、「炎症反応」が強くてどうなることかと思っていましたが、どうやら4日土曜の朝で点滴は終了となりました。もちろん抗生物質をまだ飲み続ける必要はあります。
そしてなんと今日5日は息子の結納の日だったのです。幸い、相手方に目録を渡し、一緒に会食することができました。いやはや、何とか親の役目を果たしたわけです。
そんな中で授業プリント「物質とエネルギー」を完成させ、ホームページに掲載しました。次の4節から成っています。
1.物質のエネルギー
2.発熱変化と吸熱変化
3.燃焼熱とヘスの法則
4.エネルギーの流れ
山本さんの
<メールの引用>
林さんが、エネルギーやモル濃度になぜそこまでこだわり、こだわったことによ
って生徒をどんな世界に連れていこうとしているのか、そのあたりのことを書い
てくれると、もっと話が深まると思います。
<以上>
も頭に置きながら、なかなかすっきりしない文章の手直しを、点滴を受けながら考えていました。結果的には大分時間をかけたこともあって、自分としては納得できるものになりました。
松本さん、「アルケ合宿報告」楽しく読みました。
<メールの引用>
さて、私が、そうしたことをふまえて、つまり石油とか石炭の発見を否定的に見
るという立場で、化学教育を実践してゆくとなると、有機化学についての語り方も
あのようになってしまう。生物が生きる過程で創ってきた有機物を使うことの意味
を語る。又、それの対として、生物の化石を使ってさまざまな物質を作り出すとい
うことの意味を語る。
こんな化学を実践してゆくと、「松本化学は、何かの目的のためのキャンペーン
のようだ」という批判にぶつかることがある。松本は(自分の独善的なドグマの)
アジテーターだとうわけである。科学教育に携わる物は、人間の知恵が作り上げて
きた「進歩」をそれとして伝えて行くことこそ役割なのではないのか、という。ま
た、ある人は「そうしたことは、政治の考えるしごと」とさえ言う。
<以上>
私は松本さんとは異なる立場で化学を捉えているようですが、注目している問題には共通点もあります。私も自分の「こだわり」を基盤に教材を組み立てています。それぞれの教師が自分の思いを授業に入れ込み、そしてそれが交流されて行く中にこそ、化学教育の前進があると思います。その意味で松本さんの教材や主張にも大いに関心があります。これからそれがどんどん見えて来そうですね。
松本さん、事務局の仕事、ご苦労さまです。そして私もアルケミストの会のホームページにそのあらましの紹介を掲げている都合上、実務面の確認をさせてください。
(1)現在会員は29名、それにOBとして盛口さん1名が加わり、交流する資料は30+αになるかと思います。
(2)前にメールでも紹介しましたが、たぶん高橋さんが考案したと思いますが、「アルケカレンダー」という年間計画があります。もし松本流で進めるなら、その旨説明があった方が分かりやすいと思います。
ちなみに松本さんの「提案」のように、私もメールを含めて近況報告を書いて交流する意味があると思います。
ではまた。
99A−038
差出人:山本 喜一
送信日:99年9月5日
件 名:『誰にでもできる環境調査マニュアル』
こんばんは、山本です。
左巻さんに頼まれて、『誰にでもできる環境調査マニュアル』という本にちょこっと原稿を書きました。この本、最近東京書籍から出ましたので、良かったら手に取ってみて下さい。
私が書いたのは、ザルツマン試薬によるNO2の検出(ポリ袋法)と、過マンガン酸カリウムを使ったCODの実験です。他の人の環境調査は、生物的なものや地学的なものなどさまざまです。一応、環境調査をしようと思う人であれば、予備知識がない人でも実験ができるような本を目指したものです。
それから、藤田さんの蛍光の話は大変面白く読んだのですが、付活剤が多いと光らないというのは、ナトリウムの黒い光と同じ理屈なのでしょうか。つまり、出てきた蛍光を、近くにある付活剤の原子が吸収してしまうのではないかと思うのですが、どうでしょうか?
99A−039
差出人:藤田 勲
送信日:99年9月5日
件 名:濃度消光について
やはり山本さんは環境の山本で通っているんですね。CODの簡易測定は教育的だし、またザルツマンを高校現場に持ち込んだ山本さんの功績は大きいと思います。
ところで、付活剤が多いと消光することについてですが、これは山本さんの言うとおりだと思います。光がでられなくなるのでしょう。フルオレセインのような有機蛍光物質も薄い方がより鮮やかな蛍光がでるのも同じ理屈だと思います。
なお、食塩の蛍光ですが、溶融した食塩の液体にごく少量の塩化マンガンを加えてから冷却したものを試験管を割って、その食塩に殺菌灯を当てると全体にピンクに光って見えますよ。この方法で硫酸銅を加えると黄色の蛍光がでたような気がしました。以前にやったことなので記憶が定かではありませんが。
とにかく私は光り物に弱くて、盛口さんのものを参考にしながら、かつて色々な蛍光体を作って遊んだことがありました。蛍光や化学発光はいつ見ても飽きません。半ば病気かな。
99A−040
差出人:佐藤 琢夫
送信日:99年9月6日
件 名:アルコールを浸した紙が水面を勢いよく動き出す
岩手の佐藤です。
『アルコールを浸した紙が水面を勢いよく動き出す』という記事が地元の新聞に掲載されていました。このことについてまとめたものを送信します。
アルコールを浸した紙が水面を勢いよく動き出す
はじめに
この夏、岩手大学の先生方が、久慈地区の小学生を対象に「りか教室」を開催した。注)1 『教室には児童約30人が出席。演題は「身の回りからエネルギーを取り出そう」。水の中にアルコールを浸した紙を入れると、紙が勢い良く動き出し、児童らもびっくり』という下りがある。私自身、アルコールを紙に浸すなどという発想はこれまでなく、非常に興味をそそられる内容であった。
親水性と親油性
動きながら溶けていく物質として、これまで印象に残っているものにナイロン6・6の界面重合で使うヘキサメチレンジアミンがある。親水基のアミノ基(-NH2)を2つと親油基のメチレン基を6つ合わせ持つ有機化合物である。この溶解は何か単細胞の動きを見るような思いになる。実に見ていて面白い。水に溶けようとするアミノ基とそれと阻止するように反発するメチレン基が相互に水の表面で格闘を演じているように私には映る。
アルコールと水となると、分子構造から水酸基を思い浮かべる。水素結合というネットワークを形成することが、この紙の動力源になっているのかと思い追試してみた。追試は、わら半紙を長さ5cm、幅1cmの短冊状に切り、スポイトを使いアルコールで浸し、水槽の水に離してやる。
水素結合ということが、頭から離れないので、いきなり三価のアルコールのグリセリンから始める。試したけれどこれといったことは起こらなかった。このようなアルコールとして特異な物ではなく、思いなおし一価のメチルアルコールでやってみた。メチルアルコーで動きだし、この動きなのかとほっとする。
親油性が大きいアルコールでも動く!
メチル、エチル、プロピル、ブチルそしてアミルアルコールと炭素の数が多くなるに従って、動きが活発になってくる。どうも動きが親油性に関係しているように思えてくる。そこで、灯油を浸して確かめてみた。ところが、グリセリンと同様動かなかった。
どうも紙の動きは親水性や親油性による水との関わりあいではないようだ。動きはむしろ液体の揮発に関係しているように思える。グリセリンほどではないが灯油は、前述のアルコールと比べると揮発しにくい。
薬品棚からすぐ取り出せる有機化合物として、アセトンと酢酸エチルがあったので、これらも確認してみた。揮発しやすいアセトンは勢いよく動き出す。分子全体が親油性である酢酸エチルも揮発しやすいので、動き出すのではと思い試してみる。予想した通り、酢酸エチルも活発に動き出す。
アルコールを浸した紙と樟脳の舟
アルコールなどの揮発しやすい液体を紙に浸すことは、昇華する物質と同じ化学構造になると考える。そうすると、この水面上の紙の動きは、昔から紹介されている樟脳の舟の動きと同じになる。
樟脳には表面張力を弱める働きがある。樟脳の舟の進行方向に対して表面張力に強弱ができることが、この舟の推進力として説明がされている。しかし、このアルコールを浸した紙の実験から、単なる水の表面張力の強弱だけで片付けられないことが見えてきた。
油性によって水の表面張力が弱まり、水面全体にその強弱ができるということであれば、灯油でも動いていいことになる。灯油で動かなかったのは、他の有機物質とくらべて揮発しにくい点であった。樟脳とアルコールを浸した紙の推進力は、油性による表面張力を弱めること以外に、この昇華なり気化による反作用もファクターとして考える必要がある。
洗剤などの界面活性剤は、表面張力を復元できないほどに低下させる。紙に洗剤の液を滴下し水面に浮かべると動き出すが、やがて動きが止まり沈みだす。昇華なり気化しやすい油性の物質は、水の表面を自らの気化により、低下させた表面張力を復元させるのではないかと考えた。このような相互作用の中で動きが持続する。
おわりに
紙にアルコールをどう浸すかによって、その動きが予測できる。例えば、対角線上の隅にアルコールを浸すと、回転運度を始める。これ以外にも、小学生の自由な発想で取り組ませると面白いものが出てくると思われる。
教材としての位置付けは、高校生には自由研究課題として与えることができる。ただし、表面張力を物理で学んでいないので、この点を克服するという前提がある。
今回のアルコールを浸した紙の実験は大変興味深く、この実験を通して、私にとって樟脳の動きが整理された。
注)1 岩手日報 科学する心育てよう 99.8.18 朝刊
99A−041
差出人:山本 喜一
送信日:99年9月6日
件 名:〜に〜が溶けている
こんばんは、山本です。
2学期になって溶液・溶解の単元に入っています。教科書的には、凝固点降下や沸点上昇、浸透圧の説明と計算の部分ですが、私は、まず、溶けるということが身の回りでどんな役割を演じているのかを、洗い出すことにしました。
最初に、「溶ける」という言葉が日常的には溶解、融解、そして化学反応(例えば鉄が塩酸に溶ける)に使われていることを説明し、これから勉強するのは溶解であることを宣言しました。そして、溶解の身近な例を考えさせました。問としては、「〜に〜が溶けている」という例を実験班(4人)で相談して5つ以上あげなさい、というかたちにしました。
この問いは意外に難しいようで、生徒は四苦八苦していましたが、3クラスで次のような解答が出ましたので、プリントにまとめました。私としては、水というものが、環境においても体内でも、老廃物(ゴミ)を洗い流す作用を持っていること、そして、その浄化能力を超えたところで環境破壊が起こっていることを強調して、プリントを作ったつもりです。みなさんのご意見を、お聞かせ下さい。
<授業プリント>
レポート解説「〜に〜が溶けている」 No.57
まず、溶けているかいないかをはっきりさせよう。これは次のように区別する。
@本当に溶けている
液が透明である。例え色があっても透けて見える状態・・・真の溶液
Aコロイドとして溶けている
牛乳のように液が濁っているが、沈殿しない状態・・・コロイド溶液
B溶けていない
液が濁っていて、放っておくと沈殿ができる状態
しかし、私たちのまわりにある物は、いろいろな物質が混ざり合った物(混合物)なので@、A、Bのすべてに当てはまるものもある。例えばみそ汁。食塩の一部は@の状態でお湯に完全に溶けているが、みそはAやBの状態だ。みそ汁を放っておくと、みそが沈殿し、しかも、上澄みは完全に透明ではないことから分かるだろう。
各班に「〜に〜が溶けている」という例を考えてもらった。以下はその回答であるが、@だけでなくAやBの状態も含まれていることを、あらかじめ頭に入れて読んでほしい。なお、( )内は私のコメントである。
(1)飲み物編
・水道水に塩素が溶けている。
(殺菌のためだね。有機物を多く含む水に塩素を入れると、トリハロメタンという発ガン物質ができる。水道水には微量だがそれも溶けている。)
・ジュースやコーヒーに砂糖が溶けている。
(砂糖の代わりに人工甘味料が溶けているジュースもあるね。)
・インスタントコーヒーがお湯に溶ける。
(本物のコーヒーもコーヒー豆の成分のうち、お湯に溶ける物を溶かし出して飲んでいるんだ。お茶は何を飲んでいる?)
・水に二酸化炭素が溶けて、炭酸水を作る。
・栄養ドリンクに無機質が溶けている。
(無機質つまりミネラルだけではなく、ビタミンやブドウ糖なども溶けているね。)
(水道水、ジュース、みそ汁、スープ・・・と考えると分かるだろうが、AやBの状態のものを含めると、飲み物というのはすべて水に何かが溶けているものだといえる。カレーやシチューなど、どろどろした食べ物も同じだ。では、固体の食べ物は?)
(2)環境編
・雨に二酸化炭素が溶けている。
(雨はCO2が溶けているので酸性だ。さらに人間の活動によってできた窒素酸化物や硫黄酸化物がとけ込むと、酸性が強くなって酸性雨と呼ばれるようになる。)
・川の水に家庭排水が溶けている。
(たくさん溶けると、手賀沼のようにアオコが発生して、環境問題になるね。)
・海に食塩が溶けている。
(雨は、空気中のチリなどを溶かして、空気をきれいにしてくれる。川は地上の汚れを分解しながら運び去っている。そして、海は汚れを沈殿させている。こうして、水は環境を浄化するはたらきをしているのだ。)
・船の塗料が海に溶けて環境ホルモンとして作用している。
(50mプールに塗料の成分が1滴溶けたくらいの量で、貝類に影響が出る。)
・湖沼にリンが溶けている。
(以前、合成洗剤にリンが含まれていて問題になった。)
(3)生物体編
・だ液にアミラーゼが溶けている。
(だ液や胃液、胆汁、膵液などにはアミラーゼなどの消化酵素が溶けていて、食べ物を分解している。)
・血液にいろいろな栄養が溶けている。
(吸収された栄養素は血液に溶けて、からだ中に送られている。)
・小便に不純物が含まれている。
(体内でできた老廃物は、血液に溶けて運ばれ、腎臓で小便に溶けて排泄される。自然環境と同じで、私たちの体内でも水が汚れを運び去っているのだ。逆に言えば、ダイオキシンのように分解されにくく、水に溶けにくいものは、なかなか排泄されず、いつまでも体内に残ることになる。)
・汗には塩が溶けている。
(4)生活編
・お風呂にバスクリンを溶かす。
・水に石けんを溶かす。
・洗剤が汚れを溶かす。
・絵の具を水に溶かして絵を描く。
・アルコール、シンナー、ベンジンがペンキを溶かす。
(分子性物質は分子性物質に溶けやすいという例だね。)
No.58
(5)その他
・塩化水素という気体が水に溶けたものが塩酸。
(6)これは違うよ
・水に水素と酸素が溶けている。
(水素と酸素が化学反応したものが水。溶けているわけではない。)
・塩がナメクジを溶かす。
(塩がナメクジの水分を吸い出しているのであって、溶かしているのではない。)
・水にセメントが溶けて固まる。
(セメントと水は一種の化学反応を起こして固まる。)
・車のフレームは鉄を溶かして形を作る。
(これは鉄の融解。溶解ではない。)
・消化液は食べ物を溶かす。
(どちらかというと、食べ物を分解する化学変化。)
・氷を水に溶かす。
(氷が水に溶けるときは、氷が融解している。)
・血液に酸素が溶けている。
(溶けていると言っても良いだろうが、酸素は赤血球に結合している)
この次に、イルカ、アザラシなどの海洋生物の体にDDTやPCBなどの脂溶性化合物が高濃度に蓄積されている例を、資料で示しました。これらの化合物は、遠く赤道付近や工業国、発展途上国などで使われた化合物が蒸発し、気流に乗って拡散し、極地方で気流とともに下降、海に溶け、食物連鎖で彼らの脂肪組織に蓄積したものです。「水に溶けにくいものは、体にたまりやすい」という例だと思います。
99A−042
差出人:林 正幸
送信日:99年9月7日
件 名:RE:〜に〜が溶けている
こんばんは、林です。
明日は文化祭ということで、私は今年度は写真部の顧問ですから、その仕上げに付き合ってくたびれました。幸いラストスパートが利いて、20数点の作品が展示できました。
山本さんの溶解の実践では、生徒からあれだけの具体例が出てくるのは素晴らしいですね。ひとつには「発問」の仕方が良かったのではないかと考えます。私も溶解の始めに溶液の例を上げさせる予定ですので、「〜に〜が溶けている」という例を上げなさいという発問をしてみたいと思います。
藤田さん、蛍光物質について「色中心」が多すぎると消色するというのも、光励起された電子は熱的にしかそのエネルギーを放出しないという「原理」が関係しているのでしょうか。この原理は、今年の始めに「ナトリウムの黒い炎」の説明に出てきましたよね。私はよく分らないのですが、励起された電子が自分は光励起されたか熱的に励起されたかを、どのように記憶しているのでしょうか。記憶していなければ、今度は熱的に励起されたから発光してエネルギーを放出する、ということはできないはずです。このあたり、どのように理解すればよいのでしょうか。
そして山本さん、「一円玉と水銀」についてですが、水銀の水素過電圧は異常に高いですよね。かつて乾電池の亜鉛筒は水銀被膜が施されていました。その意味からすると、どうしてアルミが水銀被膜によって反応しやすくなるのでしょうか。
ではまた。
99A−043
差出人:山本 喜一
送信日:99年9月7日
件 名:左巻さんからのメール
こんばんは、山本です。
一円玉に水銀を塗る実験について、左巻さんからメールがとどきました。アルケMLに転載しても良いとのことですので、さっそくみなさんに送ります。
<左巻さんのメールここから>
山本さん、左巻健男です。
先ほど最近のアルケのMLを覗いて、
> ただ、教科書では、冷水と反応するのはイオン化傾向でいうと、Naまで
>で、Al以|降は熱水となら反応する金属になっていますが・・・・。みなさ
>ん、どうお考えですか?
と言う点に、昔から悩んできましたので、つい応答させてもらいます。
「現実態」としての金属と「理想態」としての金属、その間…をどう考えるかです。化学教科書を書くときにも悩み、結局伝統的な形にしてしまいました(『新編化学IB』東京書籍。かなり採択数が伸びている教科書なので、影響力を行使できた可能性があるのですが)。
ご存知だと思いますが、Mgも酸化皮膜を除去してやれば冷水と反応して水素を発生します。このへんは、新海勝良『工夫考案の化学実験法』(明治図書 s35再版)を読んでから悩んできました。 鉄は、超高純度のものは、ふつうの鉄とかなり性質が違ってきます。
本当に、どう考えたらいいのでしょうか?
さて、アルミアマルガムと水との反応です。
>(3)アマルガムにしたアルミ板を水に入れる。
> 2Al + 3H2O → 2Al(OH)3 + 3H2
>つまり、水素が発生するのは、アルミと水との反応だと思います。
この通りでいいと思います。
新海『化学実験の方法と基礎理論』(東洋館出版社 63.12 4版)でも、そのような解釈です。
『理科教室』誌の藤田さんのスライムを見て、グアガムで何回も挑戦したのにきれいにうまくいかなかったことを思い出しました。藤田さんの実験、山本進一さんにお話ししたらコピーを送ってくれと言われました。
みなさまの旺盛な研究意欲に圧倒されています。
『化学』誌(化学同人)11月号の「おもしろ化学実験」特集に関わっています。その後増補して単行本化するときにも関わることになっています。そのときは、みなさまのご協力をお願いいたします。
なお、山本さんには、最近著:左巻健男・市川智史共編著『誰にでもできる環境調査』(東京書籍)に、執筆いただき有り難うございました。
<左巻さんのメールここまで>
純鉄がさびにくいということは、先週、ある打ち合わせで藤田さんと会ったときに、話題になりましたね。最近、高純度の鉄を作った人がいて、その様子を見ると、鉄は本来さびにくいものであって、それがさびるのは不純物の影響だと考えた方がよいということでしたね。そこから類推して、アルミを水銀のアマルガムにするということは、アルミにしてみれば不純物が添加されたことになるので、さびやすくなるのではないかという考えが、藤田さんにあったと思います。そこのところを、私も考えてみたんですが、一円玉のようなアルミには、アマルガムにしなくても(野曽原さんの実験が示すように)鉄などの不純物が含まれているはずです。だから、不純物のせいでアルミが反応しやすくなるのであれば、アマルガムにしなくても、酸化被膜をサンドペーパーで削るくらいで、「岐阜物理サークル」で行った実験のようなことは、起こるのではないかと思います。
やはり、水銀を塗ると反応しやすくなるのは、アマルガムでは酸化被膜を作りにくくなるからだと思っています。
では、また。
99A−044
差出人:林 正幸
送信日:99年9月12日
件 名:表面張力について
こんにちは、林です。
佐藤さんが、9月6日付けメールで実験を通して表面張力に触れており、私にとって興味深くも悩ましい問題提起となりました。というのは、昨年夏に山本さんと「逆さコップ」で議論したいときに、私は「濡れ」と表面張力の関係がすっきりしないままでした。また、皆さんにも紹介した高校生の質問「油を付けたつまようじの動き」には、答えられないままだからです。
表面(界面)張力というのは、物質の表面が内部に比べて余分のエネルギー(表面自由エネルギー)を持っていることの現れですよね。そしてそれは接している相手物質に依ります。ガラス板の上に水が広がるのは、ガラスがイオン性物質で水と相性がよく、ガラス・水の表面エネルギーが小さいからでしょう。これに対して水・空気およびガラス・空気の表面エネルギーは大きくて、これらの表面は小さくしたいはずです。こうして水はガラスに濡れることになります。
さて佐藤さんの「アルコールを浸した紙が水面を勢いよく動き出す」というのは、エタノールが水に溶けてその水溶液の表面張力が水に比べて小さくなるためですよね。私としては、このとき水の表面に吸着されたエタノール分子がエチル基を空気にヒドロキシル基を水に向けて、水・空気直接対決の表面エネルギーより、水・エタノールおよびエタノール・空気の合計の表面エネルギーの方が小さくなるようにするというイメージを持ちます。しかしエチル基は小さいのでエタノール分子はどんどん水中に取り込まれていく。それがプロピル基、ブチル基、アミル基となるにつれて、しっかり表面エネルギーを下げる力を備える。「灯油で動かなかった」ひとつの理由は、水と灯油の相性が悪くてその表面エネルギーが小さくならないからではないでしょうか。つまり界面活性作用を持つ物質である必要があると思います。
「樟脳船」が走るもうひとつに原動力に「表面圧」があると思います。オレイン酸やセッケンは表面膜と呼べるうすい層を形成します。この表面膜が広がるのも上と同様に表面エネルギーで理解できますが、このとき押し広げる圧力(表面圧)がはたらきます。その反作用で船は推進されるわけです。この場合は表面膜が完成すると、船は止まります。水に指を浸けた途端に「樟脳船」が停止するのは、指の皮脂が瞬時に表面膜を形成するからでしょう。
私はこんなふうに推測してみたのですが、いかがでしょうか。ではまた。
99A−045
差出人:山本 喜一
送信日:99年9月12日
件 名:一円玉と水銀
こんばんは、山本です。
昨日、今日と文化祭がありまして、先週はその準備でだいぶ遅くまで学校に残っていましたので、メールを送れませんでした。今日は、久々にいつもの時間に帰ってきましたので、林さんの質問についての私の考えを送りたいと思います。
<引用開始>
そして山本さん、「一円玉と水銀」についてですが、水銀の水素過電圧は以上に高
いですよね。かつて乾電池の亜鉛筒は水銀被膜が施されていました。その意味からす
ると、どうしてアルミが水銀被膜によって反応しやすくなるのでしょうか。
<引用ここまで>
という質問ですが、私もアルミと水銀が電池を形成して、アルミが反応しやすくなるとは思っていません。林さんのいうように、水銀は水素過電圧が高いので、アルミが負極、水銀が正極の電池反応が起こるわけではないでしょう。
この場合は、アルミが水銀と合金を作ることがポイントだと思います。合金を作ると、アルミ原子間の距離が大きくなり、アルミが空気中の酸素や水と反応してできる酸化アルミニウムが被膜になれないのだと思います。いかがでしょうか。
ひとつ先のメール(99A−046)に進む。
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