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99A−151
差出人:山本 喜一
送信日:99年12月21日
件 名:木炭の炎(2)

 こんばんは、山本です。
 藤田さん、さすがですねえ。たくさんの文献に目を通して、あれだけのことを見つけるとは・・・。すごい。こちらは、1週間くらい風邪を引いていて、コンピュータに向かう気がしませんでした。
 それにしても、炎の中のラジカルが発光することとか、メタンの燃焼反応もかなり複雑であること、そして、高温ではCOが発生しやすいことなど勉強になりました。そういえば、水性ガスを作るときも高温の石炭に水を反応させますよね。
 とりあえず、藤田さんのメールに感激したので書きました。では、また。


99A−152
差出人:林 正幸
送信日:99年12月23日
件 名:製鉄における主要な反応は?

こんばんは、林です。
 やはり12月は忙しいですね。どうやら冬休みになりました。「どうやら」というのは、休みに入ったという実感がないのです。それは集中して何かに取り組めるほど長くないからでしょうか。
 前の日曜日は新婚の次男たちが我が家を来訪しました。さすがに幸せそうで、親としてはひと安心です。私はこの日もサークルに出かけましたが、家内は掃除とご馳走づくりに奔走していました。
 28、29日の安房科学塾には、愛知から岡田さんと私、それに野曽原さんの教え子という澤田さんの3名が参加します。前にも書いたように、私は今回は「自由エネルギーの導入について」を提起します。もちろん原発問題の討論も楽しみにしています。
 松本さん、本日アルケ通信1号を受け取りました。ご苦労さまでした。
 さて藤田さんが
<引用>
 一般に、炭素は低温で燃えるとCO2を発生し、高温ではCOを生成すると言われ
ています。それは,次の平衡が成立していて低温側ではCO2側に、高温ではCO側
に片寄っているからです。
  C + CO2 = 2CO −41kcal
<以上>
と書いてくれたことで気付いたことがあります。製鉄の溶鉱炉(高炉)中ではコークスと空気で一酸化炭素が生成します。私はこれを不完全燃焼ととらえていましたが、間違いですね。高温では一酸化炭素の方ができやすいと説明するべきでした。現に転炉で銑鉄に酸素を吹き込むときも発生するのは一酸化炭素です。そして酸化鉄が存在するときに次の反応が起こります。
    Fe2O3 + 3CO ―→ 2Fe + 3CO2
しかし生成した二酸化炭素の一部は上の反応で一酸化炭素に戻されることになります。となると
    Fe2O3 + 3C ―→ 2Fe + 3CO
が主要な反応ではないかという疑問も生まれてきます。手元の文献では高炉ガスの成分などが調べられないのですが、実際はどうなっているのでしょうか。
 ではまた。


99A−153
差出人:藤田 勲
送信日:99年12月23日
件 名:今年も安房科学塾に行きます

こんにちは、埼玉の藤田です。
 昨日、アルケ通信が届きました。事務局の松本先生、ご苦労様でした。通信の発送が遅れたのには、何か事情がおありだったようですね。私は学校が近いですし、何か手伝えることがあったら遠慮しないで言ってください。メールでは頻繁にやりとりしていても、印刷された各人の資料を直接手にしてみるのは、やはりいいものです。次回は私もがんばって何か書いてみようと思います。
 盛口先生は相変わらずがんばっていますね。「イソプレン万歳」はなかなかの力作ですよね。生体膜を通してみた生物進化を、化学の言葉で物語に仕上げてしまうのですから、やはりすごいです。高校生にも分かる化学の言葉を使って、油脂を含めた脂質の化学的な性質を分子レベルで明らかにしようとする姿勢は、大いに刺激になりました。
 さて、今年も盛口先生のところで28日(火)、29日(水)に安房科学塾が開かれます。この会は異分野の人も集まりますので、アルケとはまたひと味違った面白さがあります。「イソプレン万歳」を盛口先生に書かしめた岩田先生もおそらくいらっしゃると思います。毎年、持っていくものに困ってしまうのですが、今回は私は次の3点ほどの実験をやってみようと思っています。すでに知られているものもあるかもしれませんが、私にとっては新鮮でしたので紹介したいと思っています。
 その1 透明コーラを作る
     コーラのカラメル色素は活性炭ではうまく脱色されませんね。実は意外
(でもない?)なものが大変いい吸着剤になるのです。さて、何でしょ
う?これで、廃油や赤ワインもよく脱色できます。
   その2 マグネシウムペレットの原理
     市販のマグネシウムペレットでは、常温でマグネシウムから水素ガスが出
ますが、それを使った実験は札幌の杉山さんがHPで紹介していますね。わ
     たしはその原理を示す実験をします。
 その3 チキソトロピー
     ベントナイトを使ったものは山本さんがすでに紹介していますが、私は他
のでやります。大阪の米沢さんの発案ですが、何を使うのかは後のお楽し
     みに。
 その4 サイコロ型のミョウバン結晶
     夏のアルケの合宿ですでに紹介しましたが、今回透明なのが再現性よくで
     きるようになりました。何がミョウバンをサイコロ型にするのだと思いま
     すか。これを特定するのに大変苦労しましたが、実はこの添加物も各家庭
     にもよくあるものなのですが、それはお楽しみに。
 結晶作りは大変奥が深いですね。夏以降はほとんどこればかりをやっていました。でも、ようやく少しずつ分かってきたという感じです。実験はいつもそうですが、分かってしまうと、なあんだと言うことになりますね。分かるまではホントに地獄のような毎日の繰り返しなのですが・・・。それから、時間があれば鬼塚さんと共同で実験した「砂糖の黒いヘビ玉」も紹介したいと思っています。鬼塚さん、安房塾で紹介しても構いませんか? 


99A−154
差出人:鬼塚 公志
送信日:99年12月24日
件 名:安房科学塾行きたいですね

こんにちは、鬼塚です。
 安房科学塾が28日、29日にあるのですか。行きたいですね。色々な業種(?)の人たちが集まるということは、新たな発見などがあって面白いですからね。東京方面はこちらからいくと逆方向になって帰りの便が取れなくなると思うのでいけません。本心は行きたいのですが・・・・。
 < 時間があれば鬼塚さんと共同で実験した「砂糖の黒いヘビ玉」も紹介したいと思っています。鬼塚さん、安房塾で紹介しても構いませんか?>
 一向にかまいません。
(中略)
 来年の1月下旬に環境教育の実践発表をしなくてはいけません。年に15校ほどが選ばれ、環境教育の実践を行い発表するものです。他の学校は持ち回りでずっとやっていたようですが、今回定時制・通信制の高校が当番になり、うちの学校でもしなくてはいけなくなりました。
 昼仕事をして夜勉強する生徒がほとんどですから、時間的な制約があるので実践といっても授業の中ですることしかできないので実験を取り入れた授業をしました。内容はプラスチックの識別と再生です。今度のアルケ通信に送ります。
 ではでは。


99A−155
差出人:藤田 勲
送信日:99年12月24日
件 名:中臺さんがメール始めました

今晩は。
 鬼塚さん、「ヘビ玉」の件、快諾ありがとうございます。時間があれば紹介させていただきますが、もうちょっとテーマを絞ろうかとも考えていますので、紹介できなかったらごめんなさい。
 ところで、中臺さんがどうにかメールを始められそうな気配です。もう林先生の所にはアクセスがありましたか。もしまだのようでしたら、お手数ですが確認していただけませんか。
 林先生、製鉄の反応ですが、今調べているところですのでもうしばらくお待ちください。今言えることは下の2つの反応が炉の高温部と低温部で同時に起こっているということです。
   Fe2O3 + 3C ―→2Fe + 3CO
   Fe2O3 + 3CO ―→ 2Fe + 3CO2
この詳しい裏付けを調べています。
 では、また。


99A−156
差出人:野中 直彦
送信日:99年12月25日
件 名:アルケ資料届きました

やっと少し暇になったかなというところです。
届いた資料を読みながら、また知恵を絞りたいと思います。
とりあえず、届いたという報告でした。


99A−157
差出人:山本 喜一
送信日:99年12月26日
件 名:ホタルの赤い光

こんばんは、山本です。
 千葉では、昨日と今日の2日間、「科学の祭典」が3会場で行われました。私も空気と水の汚れについて演示したのですが、同じ会場にキッコーマンの人が来ていて、バイオで作ったホタルの光を見せてくれました。細菌にルシフェラーゼを作る遺伝子を組み込んで培養する技術を開発できたので、比較的安くルシフェラーゼが手に入るようになったそうです。
 細菌から作ったルシフェラーゼを水に溶かします。そして、それとは別にATPとルシフェリンの水溶液を作っておきます。両者を混ぜると、鮮やかな蛍光が出て、見ていた人から歓声が上がりました。この溶液は100mlあたり1500円くらいで販売しているようで、結婚式などで、ワイングラスの中で発光させてキャンドルサービスの代わりに使われているようです。
 さらに面白いと思ったのは、ルシフェリンを作る遺伝子の一部を操作して、一つだけ、あるアミノ酸を別のアミノ酸に変えたルシフェラーゼを作らせることができて、それでルシフェリンを発光させると、赤い蛍光がでることです。「自然界では絶対に見られないホタルの光だ」と言っていましたが、まさに、ワイングラスの中で光る赤い色は幻想的でした。
 赤以外にも、緑がかった蛍光なども作れるそうですが、青い光はできていないとのことでした。青はエネルギーレベルの高い光なので、できないのかも知れないと言っていました。
 なぜ赤いホタルの光がでるのかを質問したのですが、よく分かっていないようです。ルシフェラーゼというタンパク質の立体構造や、ルシフェリンの発光反応の速さなどが関係しているようですが・・・。
 それとは別に面白かったのは、武田一美先生の水素爆鳴気でした。ポリ袋に爆鳴気を入れて爆発させてみた後、「ガラスの容器でやったら大変なことになるぞ」と言って、平底フラスコでやって見せてくれたのです。爆鳴気を入れたフラスコに電極付きのゴム栓をはめ、細かいステンレスの網で作ったかごの中に入れました。されに全体を透明な塩ビシートでくるんで、爆発させました。大音響とともに、フラスコが木っ端みじんに砕けて、爆発のものすごさがよく分かりました。今度私もやってみようと思っています。
 最後に、中臺さんも祭典に顔を見せていて、メールのことを話していました。まだ、やりとりがうまくできないので、自分のアドレスを藤田さんに送って、それを林さんに転送してもらいたいと言っていましたので、藤田さんよろしくお願いします。
 では。


99A−158
差出人:杉山 剛英
送信日:99年12月29日
件 名:脱稿しました

 拙著「どきどき化学なるほど実験」脱稿しました。どっかで聞いたような題ですね。
    目     次
1.えんぴつ蓄電池
  〜究極の燃料電池〜
2.シランガスと共有結合の強さ
  〜なるほど原子の大きさが〜
3.簡易分光器で炎色反応を解析する
  〜隠された色が語る〜
4.液体窒素型霧箱
  〜He原子核の飛跡を見よう〜
5.過冷却水がストロー氷でみるみる凝固
  〜最大の感動〜
6.溶解=水分子との結合
  〜溶けるは混ざるではない〜
7.濃硫酸でマグネシウムは溶けない
  〜水の力を知ろう〜
8.熱と電気抵抗
  〜原子の振動を感じよう〜
9.電子メロディを使った水の電導性
  〜指の汚れもバッチリ〜
10.塩化亜鉛の融解と電導性
  〜融けた状態で音色が変わる〜
11.デシタルマルチメーターGBW9000を使った実験
  〜実験に革命を〜
12.食塩を融かす
  〜800度で液体とは〜
13.濃硝酸と食塩で金を溶かす
  〜化学の醍醐味〜
14.熱電対のしくみとペルチェ素子
  〜逆も真なり〜
15.ピッタリ一致!電極金属と電圧の関係
  〜金属の力くらべ〜
16.気体分子を叩く!受ける!
  〜分子運動を制御しよう〜
17.光の吸収と見える色
  〜えっ!?青は赤を通さない〜
18.紫外線を使った実験
  〜ミジンコも走る!目に見えない光〜
19.テルミット反応
  〜豪快!鉄の玉を作ろう〜
20.酸素の力
  〜身近な物質の本当の性質〜
21.メスシリンダーで振動反応
  〜ダイナミックな色変わり〜
22.注射器でシャルルの法則
  〜簡単に絶対零度がわかる〜
23.カルシウムを使った実験
  〜金属の性質〜
24.空気の浮力
  〜アルキメデスの原理を空気で〜
25.窒素酸化物
  〜公害物質の正体をみよう〜
26.三態変化
  〜分子の振る舞いを想像できる?〜
27.音源定位実験
  〜耳と脳の驚くべき仕組み〜
28.8mmビデオで天体を撮ろう
  〜地球の隣人に目を向ける〜
29.写真によるヘール・ボップ彗星軌道図作成実習
〜宇宙での三態変化〜
教材開発のポイント
あとがき。


99A−159


99A−160
差出人:山本 喜一
送信日:00年1月1日
件 名:今年もよろしくお願いします

アルケのみなさん、明けましておめでとうございます。山本です。
 四ヶ浦さんからさっそく、安房塾のようすや大学での研究について、メールが寄せられました。やはり、キーワードは情報と環境なんですね。そういう名前を付けた学部、学科が増えましたね、確かに。四ヶ浦さんは、研究者の立場から環境問題についてどんな提言ができるのかを模索しているようですね。私は、授業で環境をどう扱うのか、そして「生きる力になる」化学の授業とは何なのかを探し続けたいと思っています。
 杉山さんの本は、早く手に取って読んでみたい気がします。今年の科教協の全国大会(8月2,3,4日)は千葉ですが、そのときにでもお会いできて、著者割引で少し安く手に入れば・・・、と思っています。
 では、今年もよろしくお願いします。


99A−161
差出人:杉山 剛英
送信日:00年1月2日
件 名:あけましておめでとうございます

杉山剛英です。  アルケの皆様あけましておめでとうございます。 拙著は194ページ、イラスト100枚(作者は私の妻)となりました。販売価格は1600円くらいと思います。3月末から4月にかけてくらいに発売されると思います。学校図書館にはぜひ購入依頼をお願いします(^^)。実験は私のHPの集大成みたいなものです。ただ、前文とあとがきはいままでよくあった「楽しい実験で化学を好きになろう」式のものではありません。また、敵を作りそうです。  年も改まりましたので近況を..... 以前も宣伝しましたが、私の部屋には2.5m天体観測ドームをつけました。望遠鏡はコンピュータ制御の20cm反射望遠鏡です。勝手ながら私の部屋の雰囲気をjpgのファイルとして添付しました。やはり学習研究環境は大切だと思います。これから新築改築される場合にはお父さんの部屋をしっかり確保しましょう。私を先例として使ってください。  現在2冊目の著書「イラストでわかる化学」を執筆しようとしています。といってもこの「どき化なる実」で実績を積めればですが。  今年から北海道高等学校理科研究会(北理研)の研究部長をつとめることになりました。北海道の理科教師1500名を束ねる大仕事です。平成15年の全国理化学大会の準備もしなくてはなりません。サイエンスレンジャーにもなりました。これは、人買いに買われた感じですが、全国の先生方と交流がもてるのを楽しみにしています。どうも科教協にはいけそうにありません。今年の全国理化学大会が8月2,3,4日あたりにありそうです。





99A−162
差出人:林 正幸
送信日:00年1月3日
件 名:新年を迎えて

明けましておめでとうございます、林です。
 31日夕方からはインターネットに接続しないようにしていました。何も起こらなくて良かったですね。そして年始は次男夫婦の来訪と、姪夫婦が子連れで来訪、で家内も私も大忙しになりました。今日3日がやっとゆったりした正月です。
 振り返って年末の安房科学塾では、懐かしい顔に出会えました。そして私は予定どおり「自由エネルギーの導入について」という報告をし、結構手ごたえがある言葉をいくつも受け取りました。しかし同時に、エントロピーも何らかの方法で付け加えるべきかとも考えました。
 また盛口さんについては、今回のアルケ通信もそうですが、かつての「犯罪者」的意識から、積極的に新しい化学教育を創り出そうとする姿勢に変わってきているように感じました。彼にはこの8、9日に愛知の「討論合宿」に参加してもらえるように頼んでいますので、その内実をもっとしっかり見抜きたいと思っています。
 そして四ケ浦さん、地球の歴史をひも解くような研究が現在の地球の自然の中でできるのですね。すばらしいと思いました。それが持つ意味をさらに私たちに伝えてください。
 さて藤田さんが年賀状で「メール交換も曲がり角なのかも知れないと考えています。」と書いてくれました。分かる気がします。愛知には「愛知科学教育ネット(akkn)」というメーリングリストがあり、もちろん私も係わっています。それに対してメンバーのひとりがやはり年賀状で「教育ネット読んでいます。化学と物理とでは見方がちがう感じで面白いですね。またアップします。」と書いてくれました。また事務局のひとりがメールで「「愛知科学教育ネット」発足2年目の新年を迎えました。今年も科学・教育・情報・人生などさまざまな交流を通し、より充実した楽しいネットにしてゆきたいと思っています。」と書いています。これは「多様な価値観の共有」ではないでしょうか。こちらはもっとゆっくりとしたペースで進んでいます。
 お互いに今打ち込んでいることを、時間を見付けて書き合いましょう。そして遅くなってからでも、関心を持ったことにはメッセージを送りましょう。話し合いとちがって、メールは残っています。お互いに置かれている状況によって応対できることには差があります。しかしできれば枠を広げてみたいものです。メールを書くことは自己の確認になります。忙しさの中でもそんな時間を見付けていきましょう。
 私にとって昨年は新しい仕事の仕方、つまり授業プリントづくりを見付けた年でした。もちろんこれまでもプリントを作ったことはたくさんあります。しかし今回はかなり教科書に沿っています。このような形で自分の思いを表現するのもよい面があると考えています。今年はそんな仕事を着実に続ける年になります。ただしこれは「守り」に入った姿勢です。これはやや悔しい面もあります。しかしここはがまん、定年を過ぎたら大いに「攻め」をしたいと思っています。
 ではまた。


99A−163
差出人:山本 喜一
送信日:00年1月5日
件 名:豊かなゼロ成長の勧め

こんにちは、山本です。
 昨日の朝日新聞の社説は「豊かなゼロ成長の勧め」という表題でした。”数字が上がると喜び、下がるとあわてる。日本人はいつから「成長の奴隷」になってしまったのだろうか。”という文章で始まるこの社説を一気に読み終えて、「そうだ、そうだ」とうなづきました。
 私は、ご存じのように、ここ2,3年、環境のことを考え始め、いろいろな資料を集めたり、人の話を聞いてきました。そして思うことは、環境問題のどれを取ってみても、結局は大量生産・大量消費・大量廃棄というライフスタイルを改めなければ根本的には解決しないということです。
 例えば、ダイオキシンとゴミ問題。性能の良い焼却炉を作っても、ゴミが増えたのでは、ダイオキシン問題は解決しません。そのゴミを減らすために、リサイクルを進めたとしても、リサイクルするにはエネルギーが必要です。エネルギーを作るために、二酸化炭素を増やしたり、放射性廃棄物を増やす必要があります。あちらを立てれば、こちらが立たず。結局は、大量生産、大量消費をやめるしか道はないということになります。
 空気を汚す二酸化窒素問題も、その解決を探っていくと、同じ結論になります。車を改善して二酸化窒素の排出量を少なくしても、車そのものが増えたのでは同じです。たとえ電気自動車や、燃料電池自動車が普及し、二酸化窒素濃度が下がったとしても、車の増加は別の環境破壊を引き起こすでしょう。
 この社説は、こうも言っています。”水面より上に顔を出すのが、まるで国民的目標であるかのように、公共事業、減税と予算をばらまいてきた。それで手にしたプラス成長の代償は、あまりにも大きい。国と地方の借金は、3月末で608兆円。・・・国家財政破れて山河荒れる、である。”
 環境に与える負荷のできるだけ少ない技術を開発しながら、少ない資源を大事に使って生活すること、それしかないと思うのですが、いかがでしょうか。
追伸
 私のHPに2学期の前半の授業である溶解とコロイド、それに、気体の授業書をアップしました。良かったら見て下さい。では。


99A−164
差出人:山本 喜一
送信日:00年1月6日
件 名:「酸と塩基」をアップしました

こんにちは、山本です。
 昨日に引き続き、2学期の授業プリントをHPにアップしました。今度は、2学期後半に行った「酸と塩基」の部分です。ただ、もっとも力を入れた「二酸化窒素と酸性雨」の部分は、新聞記事を使った授業だったため、さらりとしか触れられませんでした。ここのところは、今度の科協協大会で発表するつもりですので、後でアルケの資料としておくります。
 こうして2学期のプリントをながめていますと、やはり私の授業は「いかに分かりやすく教えるか」という私なりの工夫の連続だと思えてきました。良く、「分かりやすい授業を心がけるよりも、ものと遊ぶことを大切にして、遊びから生徒が何かをつかめばよい」という声もありますが、限られた授業時間の中で、こちらの意図を伝えるには「分かりやすさ」の追求は必要なことだと考えます。
 「生徒の認識の順序性を考え、学問の系統性を意識して、分かるように教える」と言うと、アルケとは違う教え方のような気がしますが、私は一理あるのではないかと思えてきました。要は分かるように「何を」教えるか、それが焦点でしょう。例えば「酸と塩基」では、酸は分子性物質でありながら水に溶けるとイオンに変わるということを分かるように教えればよいのか、それとも、人間活動によって酸性雨がもたらされているということを分かるように教えることが大切なのか。そういう議論が大切だと思うのです。
 まあ、とにかくこれで今年度の1,2学期のプリントはすべてアップしました。感想などを聞かせてもらえれば幸いですが、他人が作った文字だらけのページを読むのは疲れますよね。何かの参考になれば、と思って掲載しています。
 では、また。


99A−165
差出人:藤田 勲
送信日:00年1月7日
件 名:今年もよろしくお願いします

新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 昨年は、実験についてはいくつかの新しい発見があったり、懸案だった疑問が解決したりと、実り多い年でした。ただ、年末の安房塾が風邪のために参加できなかったことが、唯一の心残りで残念でした。少しばかり発表の準備はしておいたのですが、冬休みに入った頃から気がゆるんだのか体調を崩してしまいました。今もどうも万全とは行かない状態です。四ヶ浦さんをはじめとして何人かの方にはご心配をしていただき、ありがとうございました。今年はいくつの発見に出会えるのか楽しみでもあり、もうこれが最後でこのまま枯れてしまうかもしれないと思うと不安でもあります。しかし、「準備のないところにチャンスはない」わけですから、地味にがんばるしかないと思っています。
 ところで、今回は皆さんのメールを読んで思ったことをいくつが書き添えておきたいと思います。
 四ヶ浦さんの「金沢大学地球環境学講座」での研究は、ぜひ一度たっぷりと話を聞いてみたいものです。「一見おもしろそうでも,大気,水,土,バクテリアどれをとっても大変難しく,そこから意味のあるテーマを設定し,一定の答えと提言を出していくのは大変なことです」と書いていますが、地球環境という学際的な分野ではまだ道が引かれていない分だけ困難とも言えるでしょうが、エキサイティングでもあると思います。これは、端から見た私の勝手な思いですが・・・。点から線を引き、面を作り、意味のある形に仕上げるのに必要な資質は何だ、と四ヶ浦さんは思いますか?
 つぎに、杉山さんのメールです。私は、天体観測ドームをつけた研究室のイラストを見て、大変羨ましく思いました。住宅事情の違いもあるのでしょうが、書斎が12畳もあるなんてすばらしいですね。私の所は4畳半の部屋に本が山積みです。よく見ると、ヒドラとミジンコを飼っている水槽も見えます。化学だけではない、研究対象の広さを感じます。これは、出版予定(おめでとうございます!!)という『どきどき化学なるほど実験』の内容(目次から推察する限りにおいてですが)にも反映されているようですね。似顔絵は杉山さんご本人ですか?残念なことに、私はまだ直接お目にかかったことはありません。
 最後に、山本さんのメールについてです。まず、「ホタルの赤い光」についてですが、こういう話題には私はワクワクしてしまいます。タバコモザイクウイルス(?)にルシフェラーゼを作らせる、という話は新聞で読んだ記憶があります。これが既に実用化されているのですね。驚きました。さらに赤い発光もできるとはびっくりです。この変異ルシフェラーゼによる発光強度はどの程度なのか、また、正常ルシフェラーゼを混ぜた酵素液ではルシフェリンがどんな色に発光するのか、など興味がわいてきます。
 それから、山本さんの環境を意識した視点には、いつも感心させられています。朝日新聞の社説「豊かなゼロ成長の勧め」を私も読んでみました。「環境問題のどれを取ってみても、結局は大量生産・大量消費・大量廃棄というライフスタイルを改めなければ根本的には解決しないということです。」という山本さんの指摘はもっともだと思います。しかし、私のような環境問題に疎いものにとっては、いくつかの素朴な疑問もわいてきます。
 その1つは、「大量生産・大量消費・大量廃棄というライフスタイル」が持ち込まれたのはなぜなのかという点についてです。それが国の経済体制と不可分の関係にあったのはもちろんのこととしても、爆発的に急増した人口を支えてきた点にも注目すべきではないでしょうか。2つ目は、「大量生産・大量消費・大量廃棄というライフスタイル」に替わる新しいライフスタイルのビジョンについてです。6日の朝日(9面)には「プラスチック禁止の王国」という記事が載っていました。ヒマラヤのブータンではプラスチックの袋などの使用、販売を法律で禁止するそうですが、それだけでは問題の解決にならないのは言うまでもないことです。新しい魅力あるビジョンが鮮明にならないと、なかなかライフスタイルは変わらないと思うのですが、いかがでしょうか。そして、これから21世紀にかけて世界的に人口が減っていくと言われていますが、この傾向は歓迎すべきことなのでしょうか。長期的な人類という種の繁栄、保存という点から見て世界的な人口減少がどういう意味を持つのか考えてみる必要があるように思います。


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