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98A−466
差出人:佐藤 琢夫
送信日:99年7月25日
件 名:罪つくりな科学
岩手の佐藤です。
校庭の『ねむの木』が咲き始めるとやっと久慈高校も夏休みになります。昨日(24日)から夏期講習が始まりました。私の化学は2週間の期間中、10日間です。8月17日に始業式なので、3週間ちょっとの休みということ、一年の中で一番ゆったりと過ごせる期間です。夏休みが終わると、文化祭そして推薦入試の取り組みが始まります。昨年の夏からインターネットを始めましたので、メーリングリストの方、一年が過ぎようとしています。
23日の全日空の事件、日が経つに連れて事件の重大さ、最悪の事態にならなくてよかったと思っています。新幹線のトンネルの件、原子炉の冷却水漏れがあったばかりで、ジャンボ機という巨大システムによる大惨事が起きなくてよかったと思います。
夏休みに入って 、『罪つくりな科学』(武谷三男著)を読みました。読後の感想は、この本のタイトルがネガティーブすぎる。著者は科学があるべき姿からはずれている現状を憂えて、タイトルを付けたものと思います。著者については、30年前に、岩波新書『安全性の考え方』や武谷三男著作集で弁証法の諸問題などを読んだ時以来です。特に、許容量の考え方懐かしく読みました。当時、公害列島と言われた時代で、この許容量の考え方は実に理路整然として、住民の側に立った知的武器で、今も変わらないです。
今回の全日空の事件後、機内への金属が持ち込まれないようにということで、X線装置の強化が行われるとのこと。このことによる空港関係者の被爆のことが、許容量と関連して、少し気にかかりました。
これまでの携帯電話の電磁波が人間にどのように影響するのかという視点以外に、宇宙からの電波を地球上でキャッチすることが難しくなると述べています。
ダイオキシンとミルクの関係も教材として使えます。ダイオキシンとミルクがどちらも油どおしです。『ダイオキシンは……体内に入った場合、めったなことでは出ていってくれない。唯一、体内からまとまって排出されるルートが母乳なのです。』さらに、給食で飲む牛乳そして乳脂肪が原料となるアイスクリームがあります。
著者の科学のとらえ方は、科学は先を見通すために無くてはならないもので、その使い方で、罪作りなものになると言う立場です。武谷の三段階論は複雑系を認めず、還元主義の立場が明らかです。『最近は「複雑系」などというつまらんものが学問のような顔をしていますが、私は、物事をシンプルに見ていくのがよいと思います。』
現在の問題になっている科学技術による負の遺産に対してのとらえ方は、近代科学の論理の帰結として捉えていません。しかし、『現在の地球の危機は、科学を「非科学的に扱ってきた」ことによります。どういう結果になるのかという科学的な予測を無視して、使えるものは片っ端から技術として使う』という指摘はその通りです。アセスメントとしての側面を持たない科学は存在できないはずです。
『自然は縫い目のない織物である』という見方にこれまでメールで共感していることを発信してきました。『自然は縫い目のない織物である』という立場が自然を科学的に取り扱う際、前提になると考えます。『現在の地球の危機は、自然を「非科学的に扱ってきた」ことによります。どういう結果になるのかという科学的な予測を無視して、使える自然は片っ端から技術を使い搾取してきた。』前述の著者の引用を以上のように変えて読んでみました。
近代科学は論理の中に罪作りな側面が内在しています。関係子という集合体としての自然、その関係子を近代科学の論理は断ち切って、単純化することが、大量生産の工業技術とマッチしました。
以上の科学のとらえ方は違いますが、次に上げる今後の科学技術に関する展望は、館山の出前教研などで山口先生が主張しているソフトパスの考えと類似しています。科学のとらえ方に固執せず、これ以上エネルギー的に負荷をかけることのできない地球に対して、どうするのかという立場は一致するはずです。
『未来ある地球のための設計図をゆがめられない科学。
人間不在の技術ではなく、人々のための技術。
これからの科学技術は、生産性を上げるためのものではなく、
「生き残り」をかけた地球規模の挑戦です。
国境を越えた環境問題の徹底的調査研究。
人間の体にいま何が起きているかを追跡する研究。
ダイオキシンを生まない技術など産業廃棄物処理の研究。
放射性廃棄物処理の研究。
化学物質を多量にばらまく産業構造の見直し。
大量遠隔輸送を前提とする産業構造の見直し。
鉄やアルミニウムなどエネルギー多消費型産業の見直し。
消費の増加ではなく減少につながる産業構造の研究。
自治体ごとの環境安全計画の策定。
世界規模の人権思想にもとづくエネルギー・環境政策…。
こうした研究や技術開発、そのための人材育成に、本気でお金をかけていく必要があります。
そのためには、利潤追求の論理では不可能。いままでの資本主義の考え方では限界なのです。』
著者が『これまでの進歩を手放すような論理にかたむくのは、ただのセンチメンタリズムであるだけでなく、危険なことです。私たちは過去に戻るわけにはいきません。』と述べている『進歩』のニュアンスをどの程度に理解するのか、そして『進歩』と『持続可能な社会』が共存するのか疑問です。
最後に、『とにかく、世界中から軍備を一切なくせば大半のエネルギー問題が解決することだけは明らかです』に関連して、ユーゴの爆撃後の深刻な環境破壊が報道されていました。軍備はエネルギーだけでなく決定的な環境破壊です。これも『持続可能な社会』を考えていくファクターであります。
98A−467
差出人:野中 直彦
送信日:99年7月26日
件 名:おいしいワイン飲みたいです
おいしいワイン飲みたいです。
ぜひ、教えてください。
やっぱり、安易な上っ面だけの環境ホルモンおかしいではいけないと反省させられます。
こだわりをもうすこし持てば、道は開けると思います。
ぜひ、購入先を教えてください。
98A−468
差出人:藤田 勲
送信日:99年7月26日
件 名:石井先生も合宿参加
今日は。
昨日、石井先生と科学祭りでお会いでき、アルケの合宿に参加されるとのことでした。連絡が来ないので先生は心配されていました。
その科学祭りで、先生は偏光万華鏡を子供たちに作らせていました。子供たちに教えている先生の声には大変張りがあり、お元気な様子でした。
合宿が楽しみになってきました。なお、私はアルケのナイターではスライムの話をしますので、よろしくお願いします。
ところで、野中さん、食品に添加された亜硫酸塩や亜硫酸ガスは生体内でどんな悪さをするんですか。教えてください。
98A−469
差出人:林 正幸
送信日:99年7月27日
件 名:緊急!アルケナイターについて
こんばんは、林です。
夏休みということですが、別の忙しさがあります。今日は、不振生徒の補充、図書館当番、写真部の指導などで、朝8時に家を出て帰ったのが4時半でした。科教協大会のレポートを早く作成したいのですが、全然手が付けられていません。
さきほど盛口さんから電話があり、「司会者を頼まれてアルケナイターに参加できなくなったのでよろしく。山本さんも司会者を頼まれている。」との連絡がありました。それに鈴木さんから、「松本さんはアルケ合宿のつもりだった」との情報が入りました。つまり実験紹介をできるメンバーが次の2人になってしましました。
藤田:スライム
町井:べっこうあめ、吹き矢
そこで澤田さんに電話をして、「トンボ玉」で協力してもらえるようにお願いしました。
澤田:トンボ玉、藍の苗
澤田さんから野中さんにも連絡してもらいます。鬼塚さんは3日から参加で、2日のアルケナイターには間に合いません。
こういう状況ですので、緊急に改めて実験紹介をしてもらえるメンバーを募集します。推薦も歓迎します。
話は変わって、松本さんへのメールが配信不能になっていましたが、現在は回復しています。また鈴木さんのもうひとつのアドレスは次のようでした。
q-suzuki@gb3.so-net.ne.jp
前のメールで「ne」を「or」と書いてしましました。訂正します。全体で20名ですので、送信のときは漏れなくお願いします。
ではまた。
98A−470
差出人:山本 喜一
送信日:99年7月27日
件 名:RE:罪つくりな科学
こんばんは、山本です。
武谷三男の「罪つくりな科学」は、私も5月頃読みました。だいぶ印象が薄れてしまった部分もありましたが、佐藤さんのメールでいろいろ思い出しました。
この本で私が一番印象に残っているのは、今のエネルギーや環境問題を招いたのは科学そのものだという言い方に対する次のような武谷さんの反論です。
・・・・科学それ自体にはいいも悪いもない。事実は事実だからです。社会が科
学をどう扱うかが問題なのです。・・・・
それに対して、科学そのものが悪であるという考え方はおそらく、「自然を支配しようという意識が産み落としたものが科学だから、科学は当然のことながら自然を分析し、その論理を解明し、そして自然の支配に向かった。だから環境破壊が起こっている。」というものでしょう。
私は、この冬から半年くらい、いろいろな本を読んでみて、あるいは最首先生などの話を聞いてみて思うことは、やはり武谷さんのように、科学は善でも悪でもないもので、自然の一部を正確に記述しているだけのものではないかということです。科学が生まれた背景がどうであれ、科学というものは事実(真実)を淡々と記述した体系だと思います。また、最首先生は、科学を「仮住まい」と表現していますが、僕は「本建築」だと思います。
ただ、今の科学には限界があります。たとえば、特急試薬を使った試験管内の出来事についてはかなり正確に記述できますが、ゴミ処理場の燃焼炉の中でどんな化学反応が起こっているかということは、つきとめられません。今の科学は、単純化した系で起こることについてはよく分かっても、多種多様な要素がからみ合う系になると手も足もでなくなっているということでしょう。
いつか林さんと「うばわれし未来」で著者が書いていたこと(科学の限界を知るべきだ)について、メールを交換したことがありましたが、今の科学(科学者)は分からないことまで、さも分かったものであるかのように言っているところが大きな問題だと思います。
例えば環境ホルモンですが、どんな物質がどんなふうに影響を与えるのか分かっていません。騒がれているビスフェノールAでも、現在のレベルなら成人にはまったく無害なのかも知れませんし、胎児ともども成人にも影響を与えるのかも知れません。また、二酸化炭素による温暖化にしても、排出された半分が地球のどこに行っているのかが分からない現状です。多少、二酸化炭素が増えても温暖化はしないという人も(例えば、「科学と教育」の渡辺正さん)います。
また、温暖化問題は、米ソの核の緊張時代が終わって、そのかわりに国際会議にのぼったのだという人もいます。国際緊張一定の法則というものがあって、常に国家間には緊張が必要で、そのシーソーゲームの主導権をどこの国が握るかという競争がいつの時代にも存在するという考えです。かつては、核兵器をどれくらいたくさん持っているかという主導権争いだったものが、今は温暖化問題にどこが主導権を握るかという争いになっているというわけです。ある国をナンバーワンだと世界中の人に認めさせるには、同じ土俵で相撲を取って他国に勝つ必要があります。かつて、その相撲は核開発だったのだが、今は温暖化問題になった・・・。もし、核開発競争が続いていたら、温暖化問題なんて国際会議の話題にならなかっただろうという考えです。(「地球環境問題とは何か」岩波新書)
今の科学は、環境ホルモンや温暖化など人類の死滅に関わるようなことでさえ、はっきりと解明できていないというのが現状でしょう。はっきりと分かっていないとき、われわれが選択する態度は二つあると思います。ひとつは何もしないこと、あるいはそういう問題があることさえ忘れてしまって今までどおり生活すること。もう一つは、悪い方の予測を意識して、対策をとること。このどちらを選択するのかが、「科学の限界」を知った上で、われわれに求められていることなのではないでしょうか。
野中さんから「買ってはいけない」本の紹介がありました。私も読んでみたいと思いますが、そこに書いてあることも「科学の限界」を超えた価値判断が記述されていると思って読んだ方がよいのではないでしょうか。
98A−471
差出人:小林 敏夫
送信日:99年7月29日
件 名:アルケ合宿の参加について
何にも優先して参加していた科教協大会とアルケ合宿ですが、参加が難しそうです。学校内の行事、校外の任務、が容赦なく入ってしまいます。最初はすべて断って空けていましたが、とうとう押しつぶされてしまいました。とても残念です。
一酸化窒素のこと(その後)
林さんから「その後どうですか」と言われた、2NO+O2→2NO2の実験ですが、NO100m(水上置換で集め)l、O2を50ml(H2O2と酸化マンガン(W)で発生、水上置換)を反応させると、集気瓶に水がグーッと入りました。隙間の体積(NOと思われる)を計ったら、ちゃんと25mlありました。150+50=200から8割以上水が入ってくるので驚いたのでした。
98A−472
差出人:野中 直彦
送信日:99年7月29日
件 名:ナイタ−参加できません
野中です。
ごめんなさい。今年は3年生で、就職の調整会議があります。求人数が少ない中での調整、厳しいです。一様、私は学年主任?なるものであり、8月4日がその調整会議です。これが終わってから、合宿に参加するのがギリギリです。ご迷惑をおかけしますが、ナイターに参加できないのです。
参考意見
やはり、危ないので防護メガネを使って実演してください。
やはり、熱いのでやけどに注意。
触ってやけど、服がとけることは何度もありました。
細かいガラスの破片を回収するのに掃除機が一番です。
先がとんがらないためには、ためを作って手早くまきとる。
合宿で
私は7万円で、バーナー+電動空気ポンプを買いました。プロパンのボンベを準備してもらえれば、実演可能です。大久保さん、ボンベは準備できますでしょうか。
98A−473
差出人:杉山 剛英
送信日:99年7月29日
件 名:裳華房より出版します
このたび、裳華房より「どきどき化学なるほとせ実験」{どっかで聞いたことのある題名}という実験参考図書を出版することになりました。なんとか今年度中に出版したいと思っています。中身は私のHPのもの+αで、実験の様子のCD−Rもつける予定です。大先輩に負けないよう、全力入魂で書き上げる予定です。イラストもマンガチックなものをお願いして岐阜物理サークルを越えるものを作ります。
98A−474
差出人:山本 喜一
送信日:99年7月29日
件 名:都市ガスの液体
こんばんは、山本です。
今日、液体窒素を買ってきて、化学部の生徒たちと実験しました。2,3新しい実験を試してみましたので、それは、アルケの合宿で話したいと思いますが、ひとつ疑問がでてきました。
都市ガスを液体窒素で冷却しますと、白く濁った液体が得られますが、液体の成分は何なのでしょうか?メタンではないかと私は思っていたのですが、改めて融点を調べてみましたら−183℃でした。そこで、他の成分が液体になっているはずだと思いましたので、京葉ガスという会社に電話して成分を聞いたところ、学校に送られている都市ガスは次の通りでした。
メタン (融点−183℃) 88.5%
プロパン (融点−188℃) 5.4%
エタン (融点−184℃) 4.6%
n−ブタン (融点−138℃) 0.8%
iso−ブタン (融点−160℃) 0.7%
というわけで、−196℃ではすべて固体になって良いはずですが、いつやっても白い固体を含む液体が得られます。なぜなのでしょうか?
なお、都市ガスを冷やすときは次のようにしています。まず、ガラス管付きゴム栓にポリ袋を付けたものを用意します。そして、ガスバーナーのガスねじを回して(空気ねじはしっかり閉じて)、しばらく生ガスを出したあとで、上記のポリ袋付きゴム栓をバーナーの口に押し込んで、袋の中にガスを集めます。そして、それをバーナーからはずし、今度は試験管の口に付けて、試験管の部分を液体窒素で冷やしています。
こうすると、どうしても試験管の中には最初から空気が入っていますから、それも一緒に冷やすことになってしまいます。でも、たとえその空気が液体になったとしても、わずかな量でしょう。この実験では、都市ガスを作っている何らかの成分が液体になっていると思うのですが、各成分の融点から考えると説明できません。もしかしたら、凝固点降下が起こっているのかも知れないと思うのですが、いかがでしょうか。
それから別件で、アルケの合宿についてです。野曽原さんと田中さんに連絡が取れたのですが、二人とも合宿にはでられないそうです。ただ、野曽原は全国大会の方には参加するとのことで、アルケのナイターも引き受けてくれました。中臺さんには引き続き連絡を取ってみますが、おそらく彼は科学の祭典で忙しいのではないかと思います。もし、合宿に参加するようであれば連絡しますが、連絡がない場合は不参加にしておいて下さい。
では、また。
98A−475
差出人:小林 敏夫
送信日:99年7月30日
件 名:盛口先生に熊本に来ていただきます
熊本県高校理科サークルでぜひ盛口先生に来ていただきたいと言う話が前々からあっていました。サークルの中心メンバーの吉本さんは熊本で最初に科学クラブでダイヤモンドを合成した人です。吉本さんは日教組の教研集会や科教協大会で盛口先生と知り合いになりダイヤモンドに挑戦したのです。今回、準備不足で盛口先生には気の毒ですが、サークルとしても充実した会にしたいと思っています。
以下チラシです。
化学実験教室へいらっしゃい!
日 時 8月11日 13:30〜16:00
場 所 熊本市青年会館(熊本市立総合体育館内)
電停/バス停;砂取小前・熊商前・水前寺体育館前
内 容 講演と実験とディスカツション
化学量(モル・分子量)、物質の組立(結合と物性) がストンと納得できる実験
「化学マジックABC」「手抜き実験あれこれ」 その他
参加費 社会人800円 大学生500円 高校生以下無料
講師 盛口襄先生(千葉県渋谷教育学園幕張高等学校)
1928年、京都生まれ、1950年より教壇に立ち、一貫して楽しくて本質的な化学の
授業の創造に取り組んでいる。とくにユニークなアイデアを生かした実験開発が本領。
全国各地、アメリカまでも化学実験道具を背中にしよって飛び出る元気いっぱい
実験の達人。
著書 「高校化学教育−その視点と実践」「いきいき化学アイデア実験」(新生出版)
「ダイヤモンドはつくれるか」(労働旬報社)
「いま、プラスチックが新しい」(ポプラ社)など
ナイターもあります(水前寺共済会館 11日18:30〜)
実験や科学の面白さをじっくり語り合いましょう。
熊本県高校理科サークル
(後略)
98A−476
差出人:佐藤 琢夫
送信日:99年7月31日
件 名:原子量について
原子量の取り組みについて、メールで先生方のこの実践の様子を知ることができました。また、7月15日のメールで林先生がそれらをまとめてくれました。
amuにこだわりを持つのは、ミクロの質量に単位が明記でき、ミクロとマクロを結びつけるものとしてアボガドロ数を導入できるからです。かつては、アトムの目方を測るというテキストを作り、化学史の側面から原子量を説明しました。帰納法と比べ演繹法は生徒にとってわかりにくいものです。ドルトンは、見えない原子の質量を演繹的に決めています。この取り組みは化学入門期での指導でしたので、生徒たちにはわからなかったと思います。今度は2、3年で取り扱いたいと考えています。
『化学と教育』に掲載されている原子量やアボガドロ数について調べてみました。モル質量という考え方が一つの流れを形成しています。
『化学と教育』第31巻 第1号(1983)の『高校理科T教科書における物質量について』でモル数ではなく物質量、そしてモル質量という用語の使用を強調している。
「酸素を例に取ると、その分子量は32、モル質量は32g/mol,1mo
lの質量は32gである。このように分子量とモル質量と1molの質量は同
じ数値であるが、次元が異なり、単位が異なる別の量であるから、区別して使
用しなければならないのは自然科学の常識であり、これらの三つの量と同じ関
係にある比重(単位なし)と密度(単位 g/cm3)と1cm3の質量(単
位g)とは中学理科においても明確に区別されている。」
「モル質量のことを1molの質量というのは、密度のことを1cm3の質量
というのと同じ誤りである。g/molという単位を使用する以上、それはモ
ル質量という量の単位であることを教え 質量(g)=モル質量(g/mo
l)×物質量(mol)という関係を明確に教えなければならない。」
「物質量とは質量や数に比例するが、質量や数そのものではなく、粒子集団の
多少を表す量の一種であることを十分に理解させた後、毎時間の授業のの度に
物質量を使用すると数ヶ月後に多くの生徒は無理なくこの語を使用するように
なり、現在はむしろモル数というほうが異様に感じられるようになってい
る。」
『化学と教育』第32巻 第2号(1984)の『質量ということ』にamuが紹介されています。
1amu=1.6605655×10−27g
「質量とはその物体の中にあるすべての原子の原子質量単位amuの総和に近
い量で、それを換算してgないしkg単位で示す量である。」総和に近い量と
いう表現で、質量欠損を説明しようとしている。」
『化学と教育』第35巻 第3号(1987)の『原子量の基準とアボガドロ定数』にアボガドロ定数が不変なのか否かについての説明が出ています。
「原子量の基準とアボガドロ定数との関係をめぐって、原子量の基準が変わっ
てもアボガドロ定数は変化しないという意見もあるようであるが、私は改めて
原子量の基準とアボガドロ定数との関係を考えてみたい。」
「例えば原子量の基準を12C=12から12C=120に変更したとする
と、当然、Ag1モルの質量は107.8682gから1078.682gに
変更になる。その結果、ファラディー定数は9.648456(27)×10
4 C・mol−1から10倍の
9.648456(27)×10 5 C・mol−1に増え、アボガドロ定
数も
NA=F/eの式に従えば、現在の値の10倍に変更になる。明らかに、アボ
ガドロ定数は原子量の基準の変更により変化するものである。」
「……種々の定数や値が原子量の基準の変更により影響を受けるかどうかをま
とめてみた。これらは仮定の問題とはいえ、高校生の思考訓練の観点から今な
お重要性を失っているとは思われない。」
『化学と教育』第43巻 第6号(1995)の『原子・分子の質量の表し方についての試案』に原子・分子の質量を相対質量で表すことの必然性に疑問を投げかけ、すべてモル質量で統一することを主張しています。
「原子・分子の質量は相対質量で表すといわれても、そこには相対質量で表さ
なければならない必然性はない。原子・分子の絶対質量が小さいという事実
と、原子・分子の質量を相対質量で表すことの論理的なつながりはない。」
「現在では、原子・分子の1個の質量の絶対値を質量分析器を用いて測定する
ことができる。質量分析器という道具を持っている現在の化学者にとって、原
子・分子の質量を相対質量で表す必然性は、極めて希薄である。」
「それら(原子・分子)の質量は極めて小さい値なので、一定の個数の粒子集
団の質量で表すこととし、具体的にはモル質量、単位はg/molを用いるよ
うにすればよい。」
「モル質量の原子・分子の質量を表すことにすれば、原子量、分子量、式量と
いった区別も必要がなくなり好都合である。こうしてみてくると、少なくとも
高校の化学の学習においては、相対質量で定義される原子量、分子量、式量は
不用であり、すべてモル質量で統一した方がよいと思われるが、どうであろう
か。」
98A−477
差出人:野中 直彦
送信日:99年7月31日
件 名:プロパンは普通家庭用を
野中です。
大久保さん、ご迷惑をおかけします。プロパンは家庭用プロパンボンベで、ノズルのついたものがあると
ありがたいです。無理なら無理と言ってください。小さいもので充分です。
98A−478
差出人:野中 直彦
送信日:99年7月31日
件 名:ワインの中のSO2
のなかです。
「買ってはいけない」の本には、
<引用>
ブドウを圧搾する際に、SO2を一緒にいれています。
また、長期間保存する際には、退色や変質を防ぐのにSO2は欠かせません。
ヨーロッパでは古くからSO2が使われており、その害よりも効果が重要視されています。
<引用おわり>
具体的にどう悪いのかは、はっきりしませんが、SO2に敏感に反応する人もいるようです。無農薬の食物と同様で、無添加のワインがあればそのほうがよいのでしょう。具体的には、理化学辞典などであたってみます。
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