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98A−046
差出人:林 正幸
送信日:98年10月7日
件 名:溶解(5)など
こんばんは、林です。
山本さんが濃度の高い過マンガン酸カリウムの水溶液が不透明で光を透過させないことに触れています。これはおそらく過マンガン酸イオンが緑や青の光を吸収するだけでなく、ある程度はすべての色の光を吸収するからと思います。たとえば生物の教科書には葉緑素の吸収スペクトルが載っていますが、強弱はあっても吸収は全可視光領域に及んでいます。着色物質はどれでもそうなっているのではないでしょうか。
溶解の最後はコロイド溶液です。私はずっとコロイドはすっきりしないという印象を持っています。それはコロイド粒子の構造がより具体的に教えられないことにあると思います。言い換えると、どのようにして分散できているかです。
・コロイド粒子は電気を帯びているというが、それはどのようにしてなのか(とくに疎水コロイド)。
・親水コロイドは多量の電解質で沈殿するというが、たとえば豆腐は塩析かそれとも凝析か。とくにたんぱく質が絡んでくると電解質が水和水を奪うだけでなく、「変性」が伴ってくると思われる。
・寒天のゲル化などもその分子構造から教えたい。
・牛乳の脂肪球は通常のコロイド粒子の大きさを越えているのに水に分散している。これには界面活性が関係しているはずですね。
などなど、自分の勉強不足をさらけ出しています。
これに対してコロイド溶液の特徴についてはその意味が教えられます。チンダル現象は光子と微粒子の弾性衝突である「散乱」が本質です。「弾性」とは、光の波長が変化しないとも言えます。そうそう、山本さんからのレイレイ散乱(とも言うのです)の疑問は、私の思い込みから生じています。正しくは「波長が短いほど散乱されやすい」と言うべきで、粒子の大きさは関係がありませんでした(ただし粒子が光の波長に対して十分に小さいと言える範囲で)。そして改めて理化学辞典を調べてみると、散乱とは「波がその波長に比べてあまり大きくない障害物に当たったとき、それを中心として周囲に広がっていく波(普通は球面波)ができる現象」とありました。たしかに通常のコロイド粒子は光の波長より小さいですから、散乱が起こります。ところで硫黄コロイドが成長していくにつれて散乱光の色が変化するのはとのように説明できるのでしょうか。ここでは粒子の大きさが問題になります。つまり粒子が小さいときはレイレイ散乱が成り立つため青い光が散乱されやすい。それが粒子が大きくなるにつれてすべての光が散乱されて白色になるそうです。でも途中で赤みを帯びる理由は分りません・・・・・。もうひとつ言えることは、真性溶液がチンダル現象を示さないのは、小さい分子やイオンは(無色なら)光をほとんど透過させることを意味しており、粒子が波長に比べて小さ過ぎる場合は散乱は起こりにくいのですよね。
話がそれましたが、ブラウン運動は水分子の熱運動を暗示しています(ブラウンは花粉が生きているからと誤解したことも面白い)。電気泳動もコロイド粒子が電気を帯びているという事実を示しています。透析は浸透現象のよい例です。
さて、皆さんはコロイド溶液をどのように教えていますか。ではまた。
98A−047
差出人:山本 喜一
送信日:98年10月6日
件 名:透明と不透明(3)
こんばんは、山本です。
過マンガン酸カリウムの濃い溶液が不透明になる理由がわかりました。過マンガン酸カリウムは可視光領域に広い吸収帯を持っているためでした。私は、物質の光の吸収帯は限られたある特定の波長だけだと思っていたのですが、今日、過マンガン酸カリウムの吸収曲線を発見して、そうではないことを知りました。それは、ピークはあるものの、すそ野が広い吸収曲線だったのです。これでは、濃い過マンガン酸カリウム溶液は、可視光のすべてを吸収して不透明になりますね。
では、また。
98A−048
差出人:林 正幸
送信日:98年10月8日
件 名:高分子(5)
こんばんは、林です。
昨日のメールがまだ送信できていませんが、例によって、モデムが壊れかけているのかプロバイダーが悪いのか、はっきりしません。しかし今日は今日で新しいメールを書きます。
タンパク質はα−アミノ酸が脱水縮合によって連結した高分子化合物である。多種多様なタンパク質が存在して、「生命活動を営む」という極めて高度なはたらきを備えている分子である。それはどのようにして実現しているのだろうか。
アミノ酸はアミノ基とカルボキシル基をもつ化合物を言うが、天然のタンパク質は、2つの官能基が同じ炭素原子に結合しているα−アミノ酸からできており、かつ実際にはその炭素原子にひとつは水素原子が結合しているという特徴があり、次のように表現できる。
H
|
H2N−C−COOH
|
R
いくつかのアミノ酸についてRの部分を紹介しよう。
グリシン R=H
アラニン =CH3
グルタミン酸 =CH2CH2COOH (このアミノ酸は2つのカルボキシル基を持つ)
システイン =CH2SH (このアミノ酸は硫黄原子を含む)
フェニルアラニン =CH2C6H5 (C6H5はベンゼン環である)
アミノ酸は、酸であり同時に塩基でもある「両性」物質である。アミノ酸にニンヒドリン水溶液を加えて加熱すると紫色を示す(ニンヒドリン反応)。タンパク質は水を加えて加熱すれば一部は加水分解してアミノ酸を生じるので、この反応は間接的にタンパク質の検出に利用できる。すべての生物とほとんどの食品はニンヒドリン反応を示す。
アミノ酸の説明はこの程度に留めました。
さてα−アミノ酸が縮合重合するとペプチド結合と呼ばれる次の部分がたくさんできる。
−CONH−
たとえばタンパク質の、グリシン、アラニン、システインと続く部分がどうなるか、構造式を書いてみよう。それぞれのタンパク質の複雑な構造はすべて、30種ほどのα−アミノ酸がどのような順に連結するかで決定されている。アミノ酸の配列順はそのタンパク質の「一次構造」と呼ばれ、その情報は遺伝子DNAに記録されている。そして細胞内のリボソーム上で、指定された順にアミノ酸が次々に連結して目的のタンパク質が産み出される。
タンパク質分子は合成されるにつれて、らせんに巻いていく。それは図(省略)のように各ペプチド結合が3つ前および3つ後のペプチド結合と水素結合で結び付くためである。この「らせん」はタンパク質の「二次構造」と呼ばれる。さらにタンパク質分子は所々で屈曲して立体的に複雑になっていく。これは「三次構造」と呼ばれ、互いに離れた位置にある余分のアミノ基とカルボキシル基が次のようにイオン結合を形成して(中和して)分子鎖を結び付いたり
−NH3 + -OOC−
システインのチオール基(−SH)どうしが酸化されて次のようにジスルフィド結合を形成して分子鎖を結び付いたり
−S−S−
する結果である。さらにタンパク質分子は他のタンパク質分子やその他の分子と結び付いてより複雑な構造を完成させることもある。これはタンパク質の「四次構造」と呼ばれる。たとえば赤血球のヘモグロビンは、図(省略)のように2種4つのタンパク質が絡み合ったグロビン分子に、円板状の4つのヘム分子がはめ込まれており、2つのヘム分子が共同で1つの酸素分子を抱えることが分っている。
タンパク質は、細胞内のまるで「ゆりかご」のような環境で始めて、その特異な立体構造を作り上げ、そして生命活動を営むはたらきをすることができる。したがってその環境が変われば、タンパク質分子はかんたんにその立体構造を変形させ、その高度なはたらきを失ってしまうだろう。これをタンパク質の「変性」と言う。変性は熱、酸、塩基、重金属イオン、アルコールなどで起こり、二度ともとの構造に戻らないことが多い。変性の条件は生命の危険と直結していることに注意しよう。やけどは生命を奪うことがあり、水俣病は水銀化合物が原因になった。しかしアルコールが消毒殺菌に利用されることもある。
タンパク質はこの他に、ビウレット反応やキサントプロテイン反応を示す。
タンパク質が生命活動を営むもっとも典型的な例は、「酵素」としてはたらくことである。酵素とは生物体内で作用する触媒である。このときタンパク質分子の特異な立体構造が「かぎ穴」のようにはたらく。図(省略)のように、特定の反応物質(「基質」ということがある)が「かぎ」のようにタンパク質分子と結び付いて、特定の反応のみが実行される。このほかに、細胞膜で特定のホルモンを認識する「レセプター」としてはたらくタンパク質や、筋繊維を形成してその収縮に係わるタンパク質もある。
いやいや、もっと時間を掛けて生徒に話したいですね・・・・・。
ではまた。
98A−049
差出人:山本 喜一
送信日:98年10月9日
件 名:銀樹作成セット
こんばんは、山本です。
値段は、銀樹基本セット(純銀板80×20×0.3mmと硝酸銀飽和溶液50ml)で1万円。
電解装置(直流電源と電解漕、クリップなど)が1万円。
樹脂封入セット(ポリエステル樹脂10回分など)が5千円。
だそうです。
で、このセットでできる銀樹は、6時間の電解で10〜15mm! 四ヶ浦さんの銀樹の方が立派ですね。と言うことは、四ヶ浦さんのやり方を実験セットにして売れば、この会社の製品以上のものになるということですね。
この会社のセットがどれくらい売れているか知りませんが、もう少し立派な銀樹ができるセットにしてほしかったですね。では。
98A−050
差出人:野中 直彦
送信日:98年10月10日
件 名:砂糖について
修学旅行は大変でした。毎日、睡眠時間が3時間。バス、列車の中では眠れないタイプなので、その後の1週間は回復に費やされました。
NHKのためしてがってんより
ショ糖の仲間
和三盆・ざらめ・角砂糖・粉砂糖・三温糖・黒砂糖・グラニュ−糖・氷砂糖・上白糖
ショ糖以外の仲間
麦芽糖(水あめ)・オリゴ糖
新甘味料
アスパテ−ル・ソルビト−ル・ラクチト−ム・キシリト−ル・エリスリト−ル・ステビア
砂糖(ショ糖)の原料はさとうきびです。これを水に溶かして、煮詰めて水を飛ばして冷やしたのがショ糖88%の黒砂糖ができる。黒砂糖はさとうきびの味わいを残しているために、深い味わい・強い香りが特長である。さとうきびの溶液を精製して、種結晶を入れて結晶化させショ糖99%にしたものがグラニュ−糖、同じようにしているが色がついて少し茶色になっているのかざらめです。さらめ・氷砂糖・角砂糖・粉砂糖はグラニュ−糖の仲間です。グラニュ−糖は、すっきりした甘さで不純物が少ないため、料理の素材を損なうことがありません。ショ糖はその分子構造から水分を吸収しやすく、細かくするとカチカチに固まってしまいます。そこで、細かくしたグラニュ−糖に、ショ糖を加熱して分解したブドウ糖と果糖を加えると粉状でサラサラした砂糖になります。これが、上白糖です。ブトウ糖と果糖が加わったためショ糖は97%です。ざらめと同じくすこし茶色がついていると三温糖です。細かくなっているため解けやすく、手早く使えるため料理には欠かせないものです。
新甘味料のキシリト−ルは白樺からとれるのです。キシリト−ルはスプ−ンの上で、砂糖と同じくよく燃えます。つまり、同じくらいの高カロリ−なのですが、体には吸収されにくく、虫歯菌の栄養になりにくいということで、最近はガムに使用されています。
ところで、最近、アスパテ−ルの新甘味料が話題になっているとジャスコ(ス−パ−)の棚に書いてあり、当店ではそのようなものを含んだものを販売していませんとのことでしたが、何が問題になっているのか教えてください。
98A−051
差出人:山本 喜一
送信日:98年10月10日
件 名:コロイドについて
こんにちは、山本です。
林さんがコロイドについていろいろ書いていますが、ご指摘のとおり、ここは学問的な裏付けが浅い部分ですね。コロイド粒子の大きさについてでさえ、教科書では1〜100nmとありますが、「化学と教育」45巻(1997年)には宇都宮大学の加藤貞二さんという方が、「コロイド粒子の上限を1μm程度にとるのが今の学会の流れ」と書いています。また、「化学と教育」37巻(1989年)には都立大の佐々木恒孝さんという方が「コロイドの本を開くと、コロイド粒子の大きさは10^-7〜10^-5cmと書いてある。しかし、これは一応の便宜的な表現で、分散系としては10^-5cm以上の大粒子でも、最近では10^-7cm以下のいわゆる超微粒子でも、コロイド分散系として問題にする。」と述べています。
この二つの論文には、コロイドに関してなかなかおもしろいことが書かれていると思いますので、要点を紹介します。
加藤貞二 『「コロイド」に界面化学的な視点を!』
・コロイドという用語には2種類の使い方がある。ひとつは、いわゆる微粒子分散系を表す狭義のコロイドを指す。第2のコロイドは一つの次元でもコロイドサイズ(1nm〜1μm)に入るもの、たとえば超薄膜、微細繊維、微細多孔体まで含む広義のコロイドを指す。日本化学会編集の「コロイド科学」(東京化学同
人)は広義のコロイドを指している。
・「凝析」という言葉は最近使われていない。凝析は「凝集」の現象の一部である。
・限外顕微鏡というものは、大学の専門家でさえ、今は使っていない。
・沸騰水に塩化鉄(V)水溶液を滴下して生じる物質は、鉄の水酸化物と酸化物の複雑な混合物で、教科書の反応式のように水酸化鉄(V)だけができるわけではない。
・水酸化鉄(V)よりもっとわかりやすい実験は、ヨウ化カリウムと硝酸銀水溶液によるヨウ化銀生成反応である。これは、溶液の濃度によってコロイドになったり、沈殿になったりする。つまり、特殊な物質がコロイドになるのではなく、あらゆる物質がある特定の大きさで分散すればコロイドになるという視点を持ち込める。
なお、この論文で加藤さんは「塩析」を次のように説明しています。
たとえばタンパク質や石けんのように水に溶ける物質の溶液に多量の電解質を
加えると、これらの物質と水との相互作用が抑えられ、水に対する溶解度が減少
して析出してくる現象をさす。親水コロイドに多量の電解質を加えると凝集する
のも同じ理由であって、疎水コロイドへの電解質添加による凝集とは、機構がこ
となる。
佐々木恒孝 『コロイド・界面化学のTextbook Error』
・ 粒子が十分に大きいと重力の作用で比重が水より大きいものは沈殿してしまうが、粒子が小さくなるに従ってブラウン運動が活発となり、液中に浮かぶ機会が生じてくる。しかし粒子がさらに小さくなるとブラウン運動はいっそう激しくなり、そのために粒子間の衝突と凝集力による粒子径の増大作用が著しくなり、ある大きさ以下の微粒子は不安定となるので、分散媒に安定に浮かぶ粒子の大きさの範囲が自ら決まる。これがおよそ10^-5〜10^-7cmの範囲となる。
・ 密度が19.3g・cm^-3もある金コロイドが水に浮くのは、通常の室内におかれた状態でコロイド溶液が、わずかの室温の変動で起こる対流によって、絶えずかき回されているためである。計算によると、2.1×10^-6cmの金コロイド粒子が全く温度変化のない水中で、20cmを沈降するには約4.5ヶ月かかる。その沈降の途中ごくわずかの対流があっても沈降は妨げられ、粒子はかき混ぜられ均一化される。
疎水コロイドが表面に電荷を持つ理由については、私もよくわかりません。豆腐が固まる機構については、化学と教育に論文が出ていたような気がしますので、見つかったら送ります。では。
98A−052
差出人:山本 喜一
送信日:98年10月11日
件 名:豆腐作りの化学
こんにちは、山本です。
豆腐が固まる理由について、やはり「化学と教育」に論文がありましたので、要点を送ります。
村田容常(お茶の水女子大)「豆腐作りの化学」化学と教育,43,100(1995)より
大豆タンパク質は2S、7S、11S、15S(数字の大きい方が分子量大)の各グロブリンに分類され、11Sが40%、7Sが30%を占めている。ゲル形成には、大豆タンパク質の加熱変成が重要で、生の大豆タンパクはゲル化しない。加熱すると7Sタンパク質がすみやかに変性され、11Sタンパク質も100℃で完全に変性する。11Sタンパク質が完全変性すると強いゲル形成能を現し、疎水領域が増加する。(山本注:つまり、11Sタンパク質は強い親水性タンパク質らしい。)ここへニガリなどの凝固剤を加えると、変性したサブユニット(ポリペプチドの鎖が球状に固まったもの)がイオン結合、疎水結合(疎水性部分を持った物質が集合)などにより会合してゲル化するものと考えられる。また、ゲル形成には−SH基も重要な要素である。加熱中に−SH基どうしが−S−S−結合を作り、3次元網目構造を作ると考えられる。
というわけで、豆腐は塩析というよりはタンパク質の変性が主のようですね。いつか、四ヶ浦さんが豆腐が固まる原因について、話していた記憶があります。もう一度聞かせてもらえれば、勉強になります。
それから、村田さんのこの論文には豆腐について、次のようなことも書いてありました。
・大豆に水を吸わせてすりつぶしたもの(呉)を加熱する操作は、タンパク質を変性させてゲル化させるためだけではなく、有害成分であるトリプシンインヒビター(タンパク質消化阻害因子)やリポキシゲナーゼ(大豆不快臭の原因を作る)を失活させる作用がある。
・豆乳をニガリで凝固させ、穴の開いた箱に入れて押し固めたものが木綿豆腐。絹ごし豆腐は濃い豆乳を作り、穴のない箱の中で凝固剤を入れて固めたものである。スーパーなどで売られているパック豆腐は、絹ごしに近い豆乳をいったんさましたのち、グルコノデルタラクトンを加え攪拌した後、プラスチック容器に充填、密封加熱してゲル化させたものである。
・グルコノデルタラクトンは冷やした豆乳と均一に混合する。これを加熱すると、グルコノデルタラクトンがグルコン酸に変化し、pHが5.3程度に下がる。大豆のグロブリンはpH4.5で等電点になって沈殿、加熱した豆乳はpH5.7ぐらいから沈殿するので、これでゲル化するわけである。
授業で一般的に行われている豆腐作りは木綿豆腐ですよね。私もこの前「豆腐のできる豆乳」を使って、生徒に豆腐を作らせたのですが、やり方は木綿豆腐でした。この論文を読んでいて、絹ごし豆腐やグルコノデルタラクトン豆腐を作ってみたくなりました。では。
98A−053
差出人:鈴木 久
送信日:98年10月12日
件 名:アルケ資料、返送はがき 第1号受け取り
アルケのみなさん、こんにちは。
今日、前事務局の野中さんからのハガキと山本さんからの資料が届きました。
山本さんからの資料
1 今回の資料について 36部
2 夏の大会のレポート「授業に新聞を使って」 35部
3 ナイター資料「ザルツマン試薬は使える、逆さコップの実験」 35部
理科教室の原稿の前書きが含まれています。掲載楽しみですね。
オウム事件での広瀬健一(物理専攻)が脳生理学の本などを読んで自分の過ちに気づいたという記事などいろいろ考えさせられます。39ページの力作です。乞うご期待。パソコン通信で、自由の森の遠藤 豊さんがヤマギシに心酔してなにやら行動が変だとかと伝え聞きました。それに、この記事の広瀬氏の最初に読んだ本の脳内物質云々からしてトンデモ本のようにも思えるし(~_~;) いろいろ考えさせられます。
逆さコップの資料まだ整理してなくてすいません。覚えています。いつか、こちらはまとめてアルケ資料として送ってもいいかもしれませんね。
野中さんのハガキに担当 平教諭とありました。私としては、同じ学年とか生徒会担当とかわかるとお互い声が書けやすいかなと思って書いたのですが。たしか、3年の学年主任? 部活は何を担当されていますか? 担当と職名とは区別して書いたつもりなのですが。これから、ハガキを書かれる方よろしくお願いします。
一応、一人一人お顔やレポートを思い浮かべてハガキに一言書いたのですが、失礼な言葉でしたらお許しください。なお、レポートをよろしくと書かれた方、今回にというのではなく、この1年でという意味です。−言い訳するような文なら始めから書くな−
できれば、皆さんも一言だけでもハガキに書いていただければうれしいです。さらに、やる気のある方はレポートへのコメントもよろしく。もちろん義務ではありません。
98A−054
差出人:山本 喜一
送信日:98年10月13日
件 名:アスパルテームについて
こんばんは、山本です。
野中さんから質問のあったアスパルテームですが、1988年の新聞に記述がありました。それによりますと、この年、アスパルテームが失明、めまい、頭痛、てんかんなどの副作用を起こすとして、英米の科学者が人工甘味料の見直しを各国当局に求めたそうです。これらの科学者の研究では、副作用に悩んだ551人のうち30%が重い症状を呈し、そのうち11人が片目または両目の視力を失い、3分の1の人が激しいめまいを、約半数がひどい頭痛に悩まされたそうです。(もともとこれを報じたのは英紙ツデーだそうです。)
それから、アスパルテームが消化分解されてできるフェニルアラニンが、フェニルケトン症という病気の人には非常に有害だそうです。また、アスパルテームを含む食品を調理したり、保存すると、ジケトピペラジンという物質ができ、これはもともと生体内には存在しない物質なので生体への影響が解明されていないということも述べられています。
上の新聞記事以外では、環境教育事典(労働旬報社、1992年)のアスパルテームの項に記述がありました。そこには、アメリカで1974年に認可されたが、動物実験のデータ評価をめぐって論争があり、81年まで使用が一時保留にされたこと、フェニルケトン症の人に対してアスパルテームはフェニルアラニンを含むという警告文がアメリカでは表示されていることが書いてありました。なお、この本には、失明や頭痛、てんかんなどの副作用については述べられていません。
98A−055
差出人:山本 喜一
送信日:98年10月13日
件 名:コロイドの授業
こんばんは、山本です。林さんから、コロイドの授業内容についてのお尋ねがありましたので、書いてみたいと思います。
1時間目 実験「変な溶液」
・塩化銅(U)と炭酸カルシウムを少し試験管にとって、水を加え、かき混ぜる。塩化銅(U)は溶けるが、炭酸カルシウムは溶けない(溶けにくい)。ここで、両方を観察させ、溶けているものは透明、溶けてないものは不透明を再確認する(これは1学期にもやった)。次に両方をろ過する。溶けてしまったものは、ろ紙を通過してしまうことを再確認(これも1学期にやった)。
・そして、溶けたものはなぜ透明になるのか?(溶質がバラバラのイオンや分子に分かれるから)
溶けたものはなぜろ過できないのか?(溶質がろ紙の穴より小さいから)の2点を復習。
・最後に、墨汁と牛乳をろ過させる。牛乳や墨汁は不透明だから溶けていないのに、ろ過できない「変な溶液」であることを分からせる。そして、その理由を考えさせ、コロイド粒子であることを説明する。
2時間目 コロイド溶液の性質
・金のコロイドを見せ、原子の集まり方が小さいと、色も変わってしまうことを見せる。スプーンにそれを塗って金メッキする。
・レーザー光線でチンダル現象を見せる。コロイド溶液としては、薄い牛乳を使用。また、レーザーの光が通っているところで、黒板消しをたたいてチョークの粉を降らせると、光の筋が見えることも実験。ヘッドライトや映画館の光の筋の話をして、コロイド粒子は気体の中に散らばっているものもあることを説明。
・牛乳に食塩を入れ、それを半透膜の袋に入れて透析。半透膜の外にCl−イオンが出てきたことを、硝酸銀で確認。
・ブラウン運動。これは、教科書の図で説明。
3時間目
・コロイド粒子どうしが結合しない理由を説明。(疎水コロイド、親水コロイド、保護コロイドのしくみと凝析、塩析を説明。)
・その後、凝析と塩析の実験。
教師用実験台で、1リットルビーカーの中に、水酸化鉄(V)コロイドを作る。生徒はそこから少しずつそれを持っていって、自分の実験台で、飽和硫酸銅溶液を1ml加えて静置。
「豆腐のできる豆乳」を50mlずつ持って行かせて、75℃に加熱。試験管に硫酸カルシウムを0.5入れ、少しの水に懸濁。それを豆乳に入れて、攪拌、静置。固まったら、ロートにガーゼを敷いてその中に入れ、少ししぼってから、ビーカーの水に放す。一口豆腐の出来上がり。(ちょっと硫酸カルシウムが多いので、粉っぽい豆腐)
(なお、豆腐が固まるのは塩析といえないことは、メールで書いたとおりでした。)
4時間目
・いろいろなコロイド。分散媒が固体・分散質が液体のコロイド、分散媒が液体・分散質が気体のものなどの例を紹介。分散媒、分散質とも気体のコロイドはなぜないのか?と生徒に質問。「気体は分子がバラバラだから」という答えは、なかなか出ませんでした。
・電気泳動。0.5%ヘキサシアノ鉄(U)酸カリウム20mlに、1%塩化鉄(V)水溶液1mlを加えて紺青ゾルを作る。これをシャーレに入れ、オーバーヘッドプロジェクターで映す。溶液に電極を入れ、15V程度の電圧をかけ、少しすると、電気泳動がみられる。
・チキソトロピー。ベントナイトという粘土を、重さで約10倍の水に懸濁させる。それを平底フラスコに少し入れ、硫酸亜鉛水溶液を少し入れる。かき回して静置すると、ゲル化して、フラスコを逆さまにしてもこぼれ落ちなくなる。ところが、フラスコを揺り動かすとゾル化して、流動性が出る。それを静置すると、再びゲル化する。何回か繰り返せるので、フラスコを生徒に回す。チキソトロピーは底なし沼の例があり、ボールペンのインクもその性質を使っていることを話す。
・夕焼けを作る。薄い牛乳、および、それ同じくらいの白さの炭酸カルシウム懸濁液を1リットルビーカーに用意する。両方の後ろから、懐中電灯の光を通すと、牛乳を通ってきた方の光が赤くなる。
以上です。感想などを聞かせてください。では。
98A−056
差出人:鈴木 久
送信日:98年10月14日
件 名:アルケ事務局通信 No6
アルケミストのみなさんこんにちは 事務局の鈴木です。
昨日はがきの第2弾が到着しました。岐阜の長野 勝さんからです。メッセージ付き第1号でした。お忙しいとは思いますが、みなさんよろしくお願いします。
さて、ハガキの大きさの関係から、アルケへの注文・要望・最近の関心・他会員へのメッセージが書ききれない方はメールでもかまいません。よろしくお願いします。
98A−057
差出人:四ケ浦 弘
送信日:98年10月14日
件 名:銀樹実験セットについて
山本さん。いろいろ情報ありがとうございます。
銀樹実験セットが発売されているとは知りませんでした。金が名前の由来になっている金沢でも、電解による金、銀のきれいな結晶ができればいいと思って金箔屋さんといろいろ話していたのですが、商品化というのは相当精力をそそがないと実現しないものです。
金属結晶のサンプルやアクセサリーとして使えるきれいな銀樹は<電解液を飽和溶液にする>というところがポイントだ思います。それは私のオリジナルだと思っていましたので<またもやパクられたかな>という気がします。私の独りよがりだったのかもしれません。
銀樹のサイズは電解液の量と電解時間によって決まりますので、いくらでも大きなものは作れます。この方法は、すでに化学と教育などに発表してしまった方法ですから、内容的には公知です。
私のアイデアで商品化されているものには、温度計入りライター、サンプル付き周期表、温泉豆腐などがありますが、くやしいものもうれしいものもあります。私はこれらで儲けようという気持ちはないので、役に立って喜ばれれば、うれしいのですが、自分のやったことは自分のやったこととして認めてほしいし、残したいとは思います。
ところでこれまで以上にきれいな銀樹をつくる方法を金沢高校科学部の西大介君がみつけました。12月の石川県の化学研究発表会で、さびない銀の保存方法とあわせて報告する予定です。
山本さん。銀樹セットのパンフレットがありましたら、ぜひ送ってください。
98A−058
差出人:林 正幸
送信日:98年10月14日
件 名:コロイド教材について
こんばんは、林です。
いま中間試験中ですが、問題作りと採点、それにこの間の授業の整理などで、いつもより忙しいくらいです。それから、困ったことにどうやら本当にモデムが壊れてきたようです。このメールもすぐに遅れるか、悲観的です。
山本さん、コロイド粒子や、豆腐づくりについての情報をありがとう。やはり、凝析とか塩析とかおおまかにひっくるめてけりが付くほど、コロイドは単純ではありませんよね。私の本棚にあった「分散と凝集の化学」(森山著、産業図書)を拾い読みしてみました。そして次のような授業構成にしたいと思いました。
水や塩化ナトリウムのような小さい分子やイオンのおよそ10倍以上あり、そして溶媒に分散できる粒子をコロイド粒子と呼ぶことにする。コロイド粒子は、水のような溶媒の熱運動で分散されると同時に、自身の重力で沈降したり(溶媒の密度によっては浮上)、粒子間力(ファンデルワールス引力)でもって互いに凝集して沈降したりする。
したがってコロイド粒子になるには、大きすぎないことと、次のようなさまざまな分散条件を備えていることが必要になる。ただし小さい粒子は粒子間力が大きいので単純ではない。
(1)コロイド粒子が正または負の電気を帯びて互いに反発する。
これは粒子自身が電離したり、溶媒中の陽イオンか陰イオンを吸着して実現する。
(2)溶媒が表面に吸着して凝集を妨げる(溶媒和)。
水の場合は水和であり、このようなコロイド粒子は凝集しにくく親水コロイドと言う。タンパク質は親水基を外に向けていてこれに当たるが、酸・重金属なとで変性を受けると疎水基が外に顔を出して凝集することが多い。
(3)分散剤が表面に吸着して凝集を妨げる。
分散剤はコロイド粒子が電気を帯びるためにはたらくこともある。幅広い界面活性剤のはたらきを具体的に紹介すべきである。
それからゲル化は特別に扱いたい。溶媒を包み込んで流動性をなくするわけで、寒天、ゼリーからマヨネーズ、アイスクリームなどの食品、それから各種化粧品。
以上ですが、いくつか実験を加えたいです。ではまた。
98A−059
差出人:鈴木 久
送信日:98年10月14日
件 名:アルケ事務局通信 No7
アルケのみなさんこんにちは
毎日ハガキが返信されてくるのが楽しみです。今日は、林 正幸さん、藤田 勲さん。そして、OBの石井信也さんからきました。職を離れてますます元気な様子がわかります。これから、ハガキを出される方、担当 化学だけでなくできれば学年とかいろいろさしつかえない範囲で書いてください。
今日、出張で教育センターへ行きました。図書館をのぞいたら、藤木 源吾「化学実験講技法」がありました。1つ1つ実際にチェックしてみたいです。
先日、生徒に「もし二酸化炭素の中に入ったら重く感じるのか?」とたずねられました。一瞬「重く感じるし、軽く感じる」と答えてしまいました。圧力は空気より感じるが、浮力もその分かかる。ただし、人間の体に感じる程ではないでしょうが。。。。しかし、浮力というのはその以前よりより大きくなった圧力によってより押し上げられて大きくなるのですね。当たり前のことかもしれませんが、改めて認識しなおしました。
中1の生徒に、有名なアンモニアの噴水の実験を見せました。スポイトで入れた水に、アンモニアの気体が溶ける。そのとき、フラスコの中のアンモニアの気体はどうなるか? 「薄くなる.。」そうですね、今の彼らにはこの言葉がぴったりです。圧力も、気圧も習っていないのだから。気体の薄さこそが、気体の圧力が下がったことなのですから。以前、このあたりでいつも圧力が・・・・と出てきてやりにくかったことを思い出しました。ただし、薄くなったから下から水が下から入り込んでくるというのは、怪訝な顔で聞いていましたが。。。次の課題ですね。
98A−060
差出人:山本 喜一
送信日:98年10月15日
件 名:人工ナメクジ
こんばんは、山本です。
今日、ニフティの発言を読んでいましたら、浸透圧のところで「人工ナメクジ」という実験が目に入りました。もともとはNHKの「やってみよう何でも実験」で紹介されたもののようですが、セロハンチューブに色を付けた水を入れ、それに塩や砂糖をかけてみせるというものです。
「ナメクジに塩は浸透圧の実験だ。今日はそれをやるぞ。でも、生きているのはかわいそうだから人工ナメクジだ」とやれば、うけそうですね。なお、これをニフティに書き込んでいたのは、左巻さんでした。では。
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