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98A−346
差出人:林 正幸
送信日:99年4月16日
件 名:外部からのメッセージ
こんばんは、林です。
授業も軌道に乗り、心地よい緊張感で毎日を送っています。なによりうれしいのは、これまで準備してきた授業プリントを実践的に吟味できることです。毎日のようにその内容を修正しています。ホームページの方もそれに対応して改訂しています。インターネットの良い点は、このように気軽に変更できることです。出版ではこうは行きません。
さて4月14日に上森さんという方から次のようなメールをいただきました。昨年(98年)の始めに話題のなった「硫酸カルシウムの溶解度」に関する情報です。
<メールのコピー>
突然のメール失礼します.
アルケミストにひょんなことからリンクして,貴会の活発な教育に感激しました.
貴会の方針として,このようなメールを出すことは許されないことなのかも知れませんが,勝手をお許しください.
溶解度積のデーターがほしくって,入り込んだのです.
「メーリングリスト3」でCaSO4の溶解度が問題になっていたようです.私なりの考えを述べます.溶解度はこの場合Ca2+とCaSO4の濃度の和です.CaSO4もイオン対を作って溶けるのです.また,溶解度積はCa2+とSO42-の活量の積であり,濃度の積ではないことも考慮に入れるべきだと思います.この議論には,千原秀昭,崎山稔著,「化学平衡」,化学モノグラフ27,化学同人,p.117-118が参考になると思います.
先生方に比べれば,私など講義歴も浅く,自信もありませんが.とりあえず,前掲の本をお読みになられたらいかがかと思います.
(後略)
<以上>
このように外部からメッセージを受け取るのはうれしいことです。「メーリングリスト」を公開してアルケミストの活動を紹介してきた成果です。「メーリングリスト」に入ってもらうことはできませんが、以上のようにメンバーに紹介することはできます。そして私としてはお礼のメールを発信しましたが、だれでもメッセージを上森さんに発信してもらえると、私たちの活動の輪が広がっていきます(もちろん時間の許す範囲でのことですが)。
ではまた。
98A−347
差出人:野中 直彦
送信日:99年4月17日
件 名:プレアルケ届きました
鳥取さんの追悼文集に感動しています。
熱く理科教育を語られた姿が浮かんできます。
自分も一歩でもそんな姿にちかづけれるようにと思いました。
鈴木さんごくろうさまでした。
98A−348
差出人:野中 直彦
送信日:99年4月17日
件 名:花粉症?
今年は花粉症で苦しんでいます。目がかゆい、くしゃみはでる、鼻水がとまらない。花粉は昔からあったのに、私の体質が食生活によって変わったのかな。それとも花粉が攻撃的になったなのかな。はたまた、化学物質の乱用が問題なんだろうか。
98A−349
差出人:鈴木 久
送信日:99年4月17日
件 名:アルケ事務局通信No69
アルケミストのみなさん こんばんは
そろそろ追悼文集とプレ通信は届いたでしょうか?事務局の鈴木です。今回は、岐阜のサークル通信とモルの会の通信も同封しました。
1999.4.17 鈴木 久 インターネットはorからneに変更しました。
q-suzuki@gb3.so-net.ne.jp
98A−350
差出人:鈴木 久
送信日:99年4月17日
件 名:アルケ事務局通信No70
アルケミストの皆さん こんばんは 事務局の鈴木です。
15日木曜日に高橋さんから資料が届きました。最近レスが遅くなってすいません。
98A−351
差出人:高橋 匡之
送信日:99年4月17日
件 名:RE:プレアルケ届きました
私のところにもプレアルケ通信が届きました。アッ、届いたな程度にしか思わなかったのですが、e−メイルを見たら、野中さんが「追悼文集」感動して読みましたと書いてあるので、早速中を明けて、一気に読みました。
まずは、鈴木さん、本当にご苦労様でした。ありがとうございました。
今日は、土曜日なのですが、忙しい一日でした。朝2時に起きて、2学年通信をつくりました。今回は2学年通信新年度の第一号ということもあり、ちょっと時間がかかりました。あとでアルケ資料として送ろうかな。盛岡まで北上から電車で約1時間かかるので、6時25分には家を出、6時35分の電車に乗りました。ところが今日は土曜日なものですから、電車はガラガラです。こんな日に朝2時から起きて仕事をして学校に行くなんて、面白くもなんともないと思いながら、7時45分に学校に着くと、ひたすら印刷をして、朝のホームルームに間に合わせました。私の一日なんて、書いたって、読むほうは疲れるだけなので、読み飛ばしてください。そして、私はホームルームへ行かず、授業の準備をしました。土曜日なのに3時間もある日なのです。授業も始まったばかりです。今日の授業は同素体のところなので、「黄リンの自然発火」と「赤リンと塩素酸カリウム」の爆発をやりました。2時間目は同僚の化学の教師が3年生対象にやり始めた添削(断れば良かったのに私もやりますと言ってしまった)の採点、ところが1時間たっても一クラス分が終わらない。やるなんて言わなきゃよかったと思うのだけれど、後の祭り。3時間目も同素体の授業(2年生)4時間目は3年生の有機化学の授業、さすがに疲れてきて、そうだ丸善の模型で分子模型つくりをやらせようと思い立ち、アルカン、アルケン、アルキン、そしてシクロ型の形の確認をし、炭化水素を終えました。そして、掃除もさぼらず、添削の残りをやり終え、2時からはインターハイのテニスの会議、それが6時まで続き、帰ってきたのが7時半、ビールを飲んで、寝ようかなと思ったところで、ところでe−メイルを覗いてからと思ったのが運の尽きでした。
その前に理科教室の吉埜さんと「千葉薫先生を偲ぶ」という件で、電話連絡をとり、千葉先生の追悼文集の件で、岩手県の科教協の大先輩の先生と電話でやり取りしたあとだけに、プレアルケに鳥取先生の追悼文集があることを知ってしまったら、もう読まずにはいられませんでした。本当は、もうとっくにバッタンキュウで眠っているはずのところですが、こうしてコンピューターに向かっているのだから、そうとう興奮状態にあるのだと思います。
今2年生に、化学の最初の授業で元素や原子の話をしています。そんな中で、タレスやアリストテレスはどうして『元素』を考えたのだろうか、それに対して、デモクリトスはどうして『原子論』を唱えなければならなかったのだろうかという疑問を持ちながら、田中実さんの『原子論の誕生・追放・復活』を読み始めたところだったのです。今から20数年前の科教協岩手大会のときに、教材の位置付けとして「元素」と「原子」のどちらが有効かという激しい討論をされていたなんて、すごく不思議な感じがするのです。このへん、もう少し勉強したいと思っています。そう言えば、盛口先生も時々、思い出したように『元素』に関するレポートをしますよね。そして、その岩手大会の事務局長をされていたのが、先日亡くなられた「千葉薫先生」なのです。千葉先生は高橋金三郎先生の盛岡中学の後輩にあたる方で、化学が専門の先生です。鳥取先生と同じく極地方式研究会の会員の方でもあります。
そんなわけで、追悼文集も一気に読むことができたのでした。やはりだんだん眠くなってきたので、この辺でやめにしますが、鳥取先生の論文は、もう一度じっくり読みなおしたいと思っています。久さん、ほんとうにご苦労様でした。
メイルを皆さんに送ろうとして、野中さんの宛名を見ていたら、わが岩手の佐藤琢夫さんのあて先がありませんでした。気がついたのでお知らせします。
だらだらと自分の一日を書き綴ってしまい申し訳ありませんでした。こんなに忙しいんだぞと自慢しているのではありません。あまりにもいろいろなことに振りまわされている自分に腹立たしくて、鬱憤ばらしのつもりで書かせてもらいました。ごめんなさい。
98A−352
差出人:山本 喜一
送信日:99年4月18日
件 名:硫酸カルシウムの溶解度について
こんばんは、山本です。
林さんのところに寄せられたアルケ以外の方のメール、本当にうれしいですね。インターネットならではの出来事だと思いました。
そこに書かれている硫酸カルシウムの溶解についてですが、硫酸カルシウムがイオン対で溶けるという話は興味がありますね。硫酸カルシウムの溶解度積はかなり小さな値ですから、イオン対で溶ける量はかなり多いのでしょうね。でも、なぜそういう形で溶けるんでしょうね。それから、他にも、イオン対で溶ける化合物はあるんでしょうか?疑問がふくらみます。
紹介がありました千原秀昭,崎山稔著,「化学平衡」,化学モノグラフ2という本を私は持ってないのですが、持っている方、該当のページにどんな理論が書かれているのか教えてもらえないでしょうか。
98A−353
差出人:林 正幸
送信日:99年4月22日
件 名:「物質の三態」が完成
こんばんは、林です。
皆さん、忙しく活躍ですね。私は比較的ゆとりがありますが、写真部の顧問を引き受けてすこしがたがたしています。
鈴木さん、追悼文集ありがとう。
山本さん、話を戻すようですが、「鵜呑みにしないで批判精神を育てる」について、「健康に良い」「環境にやさしい」「もうかる話」は具体例を上げて注意を呼びかけることは重要ですね。
さて、その構成にやや悩んでいた「物質の三態」の授業プリントができて、ホームページに掲載しました。
今年度も「授業ノート」で生徒からメッセージが届いています。始めは「元素・原子」を歴史的に展開しています。
「昔の人が、まちがいを恐がらなかったから今の化学があると思った。元素と単体の区別が少し分かりにくかった。他のテーマについても昔の人の考え方を知りたい。答を知っている私が思いつかない考え方をしているのでおもしろい。」
「アリストテレスはすごい考え方をしたんだなあと思いました。私はアリストテレスとちがい、ただ「知っている」だけなので、「知る」だけにならないようにしたいと思います。」
「授業で先生が「アリストテレスはいまから2500年前の人だ」と言ったのを聞いたので、すごい驚きました。だって、そんな昔の人は、何の技術もないのに、いろいろなことを考え出したりして、すごいなあと思いました。それに今日の授業は、ふしぎに思ったり、すこしおどろいたりして、おもしろかったです。」
「メンデレーエフという人は、原子を軽い順にならべ、それで表をつくりすごいと思う。しかも、昔はだれも知らなかったので感動する。化学が進歩している中、こういった”もと”がないと化学は進歩していかないのですごいと思う。」
「今私たちはラボアジェが発見した、物質が突然誕生したり消滅したりすることがないということを、あたりまえのように知っているけど、質量保存の法則など学ばなければ気づきもしないことを、ラボアジェは自ら発見したなんてすばらしいと思った。」
「メンデレーエフさんはすごいと思った。
なんかマジックって言ったら大げさだけど、1時間”ホー”っと納得する授業だった。元素を覚えるのは苦手だったけど少し興味をもった。」
「ドルトンはよくすべての物質は原子と呼ぶ小さい粒からできているということが分ったなあと思った。
化学の進歩はすごいなあと思った。最初、走査型トンネル顕微鏡ってなんだよそれと思っていたけど、すごいものということが分った。」
ではまた。
98A−354
差出人:鈴木 久
送信日:99年4月27日
件 名:アルケ事務局通信No71
みなさんこんばんは。事務局の鈴木です。
きょう、鳥取先生の奥さんから鳥取先生の最後のコンピューター関係の仕事の別刷り8種他が送られてきました。次回のアルケミストの通信にどう扱うかお聞きするつもりです。私にとって懐かしい冊子も入っていました。¥(^O^)¥わーぃ
また、先日、村上 明先生からお礼の手紙をもらいました。奥さんからの心のこもった手紙と共に次回のアルケでお送りするつもりです。
98A−355
差出人:林 正幸
送信日:99年4月29日
件 名:アルケ資料届けます
こんにちは、林です。
ちょっとメールが途絶えている(鈴木さんを除いて!)ことからすると、皆さん疲れ気味かな。かく言う私がそうなのです。
いまアルケ通信の資料を準備しています。今回届けられるのは次のものです。
(1)授業プリント
中間試験までの分で、「元素と原子」「化学結合と物質」です。
(2)アルケ「メーリングリスト」
ただし目録のみでです。あまりに量が多くて印刷の限界を越えました。
(3)「MOlの会通信」
98年12月号(前回)です。
(4)「私が好きな実験」
松本さん、杉山さんから情報を得た「シランの発生」などと、山本さんから盗んだ「二酸化窒素の汚染調査」など、です。
明日(30日)の夜に愛知科教協の事務局会議が開かれるので、鈴木さんに手渡しできるかな。
ではまた。
98A−356
差出人:山本 喜一
送信日:99年4月29日
件 名:液体窒素に溶けるもの
こんにちは、山本です。
今年も授業で液体窒素の実験をやりました。そして、残った液体窒素で、去年からの懸案であった「窒素ガスを液体窒素で冷やしたらどうなるか」という実験をやってみました。
(1)
まず、穴のあいたゴム栓にポリ袋の口をしばりつけたものを用意。そして、試験管に液体窒素を少し入れ、そのポリ袋付きゴム栓を付けました。もちろん、あらかじめポリ袋はペチャンコにして空気を追い出しておきました。試験管内の液体窒素がすべて蒸発し、ポリ袋がふくらんだことを確認してから、試験管の部分を液体窒素で冷却してみました。そしてしばらくおいたのですが、試験管内に液体窒素は現れませんでした。去年は同じようにやって液体窒素ができたのですが・・・。これは林さんの言うように「気体を沸点まで冷却しても凝縮しない」ということが正しいのかと思いました。
(2)
次に、液体窒素を深い容器に入れ、図のように長短2本の試験管を入れておきました。
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すると、長い試験管には液体がたまったのですが、短い方には何もたまりませんでした。長い試験管の口の部分は空気と接しているため、空気が冷えて凝縮したのでしょうが、おそらく、短い試験管の口の部分は窒素ガスなので、冷却しても何の変化も起こらなかったのだろうと思います。(1)の窒素ガスを冷却しても何も起こらないという実験と同じ現象でしょう。
(3)
(1)のポリ袋の窒素を半分抜いて、そこに酸素ガスを入れてみました。これを冷やすと、まず酸素が凝縮し、そこに窒素ガスが溶け込むのではないかと思ったのです。この予想は的中しました。ポリ袋はペチャンコになって、淡いブルーの液体が得られたのです。
(4)
(3)のポリ袋は窒素と酸素を半々に入れたものだったのですが、空気ではどうなるかと思いました。酸素は5分の1ですから、5分の4の窒素がそこに溶け込めるかどうか知りたかったわけです。そこで、(1)のポリ袋の混合気体を追い出し、代わりに空気を入れて冷却してみますと、何と、これも袋がぺちゃんこになりました。そして、試験管内にできた液には、青い色はほとんど認められませんでした。
さらに、その液の底には白い沈殿が認められました。おそらく氷かドライアイス(その両方?)でしょう。「似たもの同士は良く溶ける」といわれますが、液体酸素に窒素ガスはかなり溶けるようです。ただ、水やドライアイスは溶けにくいのかも知れません。また、ポリ袋がぺちゃんこになったので、アルゴンも溶けたようですが、確信は持てません。
また、この実験から、(2)の長い試験管にたまったものは「液体空気」だと言って良いだろうと思いました。
(5)
液体窒素を金属の空き缶に入れると、液体がしたたり落ちてくるという実験がありますが、この液体も(4)の実験から純粋な酸素ではないと思われます。液体空気とも言えないでしょうが(液滴ができてからしたたり落ちるまでの時間に、それほどたくさんの窒は溶けないでしょうから)、窒素は含まれていると思います。「窒素を含む液体酸素」といえば、実体に近いでしょうか。
缶からしたたり落ちる液体を、タバコの火に落とすとぱっと火が輝きますね。酸素を多く含むせいでしょうか。
(6)
液体窒素にヨウ素が溶けるかと思ってやってみたのですが、溶けないようです。液体窒素に色が付きませんでしたから。
(7)
では、水素は溶けるか思ったのですが、液体窒素がなくなってしまい、実験できませんでした。こんな実験をしていると、液体窒素を溶媒にして何かと何かを反応させることはできないものだろうか、などと新しいテーマも浮かんできました。皆さんは液体窒素でどんな実験をしていますか?
98A−357
差出人:佐藤 琢夫
送信日:99年4月30日
件 名:大小のシャボン玉のゆくえ
岩手の佐藤です。
新学期が始まり、一ヶ月が過ぎようとしています。当地の桜はやっと満開のピークが過ぎ、葉桜が目立ってきました。明日は,メーデーの後で恒例の分会の花見が予定されています。
今年度は進路の仕事だけということにならないように戒めていきたいと思っています。そこで、化学準備室に毎日1時間以上は居ることにしています。そういう中,かつて発行した化学通信を1集から現在読んでいます。その中から実験を2点、授業で演示(『大小のシャボン玉のゆくえ』)と生徒実験(『銅を徹底的に化学変化させたらどうなるか』)を行いました。
1点目は『大小のシャボン玉のゆくえ』(化学通信91年)です。授業開きとして、3年に行いました。C・V・Boys著『シャボン玉の科学』(1980年 槇書店発行)にじつに興味深い実験が紹介されています。大小のシャボン玉を通じたら、大きなシャボン玉に小さなシャボン玉が吸収されます。
三方活栓のコックを回して、二つのシャボン玉が通じるようにします。生徒たちに『コックを開くと大小シャボン玉はどうなるか』と問いかけます。
@同じ大きさになる。 A大きい方に吸収される。 B小さいほうに吸収される。
C変化がない。
多くの生徒は『同じ大きさになる』と予想します。
この現象を『シャボン玉の科学』では、次のように述べています。『小さいシャボン玉の内圧が、大きいシャボン玉より高いので、小さいシャボン玉は収縮し、大きいシャボン玉をより大きくしてしまう。』シャボン玉の内圧の違いに、この根拠を置いて説明しています。
社会事象と自然科学をオーバーラップさせ、授業は脱線することがあります。『この大小のシャボン玉のゆくえ』は『マタイ効果』そのものです。(聖書のマタイ伝によると、「富めるものはますます富み、貧しいものはますます貧しくなる」と記されていて、この記述に由来したのが『マタイ効果』です。)
これと類似したものとして、有機化学の『マルコウニコフの法則』があります。ハロゲン化水素が付加反応を起こす時,水素原子をより多くもつ炭素原子に、ハロゲン化水素の水素原子が付加します。
次に,『マタイ効果』ではないが、『力の論理』を感じさせる反応があります。大理石に塩酸を注ぎ、二酸化炭素が発生する反応です。強酸によって弱酸の塩から、弱酸が追い出された反応です。以上のように、現実の社会が反映させるような論理が登場します。
その一方では、『平等』の論理が貫かれたものもあります。科学の歴史の中で、『原子論』は、社会が個人を大切にする民主主義の中で発展してきました。分子の質量の大小に関係なく、すべて等しく分子が振舞っている例で、『アボガドロの法則』です。分子の種類に関係なく、同温・同圧で同数の分子があれば体積が同じです。
また、このことは希薄溶液にもあり、溶液の『束一性』として取り扱われています。希薄溶液の浸透圧,蒸気圧降下、沸点上昇、及び凝固点降下に見られます。原子量1の水素イオンと分子量180のグルコースの分子が対等に振舞う世界です。以上、社会と自然科学の事象をアナロジーとしてとらえてみました。
2点目。3年生に、2時間連続で『銅を徹底的に化学変化させたらどうなるか』と銘打って実験を行いました。これは今から16年前に行った実験をもとに行いました。(化学通信82年)この実験は、かつて林先生が実践した『元素「銅」の旅』を参考にして行ったものでした。2年生までの知識を、実験の中で活かせられるのか。変化の中で変化せず保存されている銅を通し、元素の概念を、この実験の中で自分の言葉として表現させたい。以上がねらいです。
元素について。今回の実験で、金属銅以外はすべて銅はイオンとして存在しています。金属銅は原子から出来ているのか、イオンからできているのか、とらえ方で違ってきます。物質の存在様式は、原子であったり、イオンや分子であったりいろいろです。例えば,水素は電気分解の前後で、水素イオンであったり,水素分子であったりします。元素としての水素という言葉には普遍性があり、その具体的な存在様式ということで原子,イオや分子が登場すると思います。
実験の順序 銅 ―薬責め:硫酸→(銅)―薬責め:過酸化水素→(硫酸銅)―薬
責め:炭酸カルシウム→(水酸化銅 )―火責め:加熱→(酸化銅)―薬責め:塩酸
→(塩化銅)―薬責め:アルミホイル→(銅)なお、実験中では、黒板には( )の
物質名は伏せておきました。
実験後、以上の順序を整理した後で、男子生徒に質問しました。『銅は一体どうなったのか』。生徒からは駄洒落で、『どうにもならなかった』と返ってきました。
今回工夫したところは、酸化力のある硝酸は使わず、硫酸と過酸化水素にしたところです。酸化剤の意味、銅のようにイオン化傾向の小さい金属は酸化され、塩基の酸化銅になれば、硫酸と中和反応が起こり、溶解すると説明しました。銅と硝酸は既に実験していたので使いたくなかったのと、一度二酸化窒素のガスを吸っているということもあり、避けたかったこともありました。
3点目。エントロピーの式(S=Q/T)について。S=Q/Tの式にふとしたことで、適用してみました。
『消毒用のアルコールを塗ると腕がひんやりする。』『水を蒸発させるのに熱エネルギーが必要だ。』どちらもエントロピーが大きくなる変化です。前者は、強制的な熱エネルギーの供給はありません。S=Q/TのTが小さくならないとSは大きくなりません。後者は、状態変化なので温度の上昇は頭打ちです。強制的な熱エネルギーの供給で、Sが大きくなります。
強制的な熱エネルギーの供給のない、断熱膨張と断熱圧縮について。ここのところがあやふやなのですが敢えて次のように考えます。『分子の数が同じで体積に大小があった場合,体積の大きく自由度が大きければエントロピーは大きいとします。断熱膨張は、Sが増すことからS=Q/TのTが小さくなる(温度の降下)。断熱圧縮はこの逆で、Sが小さくなることから、S=Q/TのTが大きくなる。』いかがでしょうか。
私の隣席の同僚が数学で,今月号の『数学教室』にエントロピーが掲載されていたので、読んでみたのがきっかけでした。『熱力学=物質の内部構造を知ることなしに、物質の諸性質間の関係を知る学問』と書いてありました。
98A−358
差出人:林 正幸
送信日:99年5月1日
件 名:教師にもやっとゴールデン・ウイーク
こんばんは、林です。
私たち教師にもやっとゴールデン・ウイークがやって来ました。今日(5月1日)は出勤するときに道路は人も車もまばらで、「世間は休みなんだ」とすこし恨めしくなりました。
昨夜は愛知科教協事務局を開き、今年度の「理科実験お楽しみ広場」は6月26日(土)に淑徳高校で 実施することを決めました。なお私個人は前回のメールで書いたように館山の「出前教研」に参加します(日程の調整ができると良かったのですが・・・・・)。
佐藤さん、忙しい中で授業研究のための時間を確保していくのはたいへんですね。『銅を徹底的に化学変化させたらどうなるか』は懐かしい気分になりました。ところで、硫酸銅に水酸化カルシウムを加えても水酸化銅ができるのですか。
それからエントロピーですが、断熱系では熱の出入りが無いわけですから、その意味ではエントロピーは増加しないですね。『消毒用のアルコールを塗ると腕がひんやりする。』は積極的に加熱していませんが、アルコールが腕から熱エネルギーを得る変化で、『水を蒸発させるのに熱エネルギーが必要だ。』と似た内容になると思います。もちろん断熱系で蒸発が起これば温度がさがりますが、それは蒸発熱が必要だからで、蒸気と液体の全体のエントロピーは変化しません。
山本さん、逆さコップ、ザルツマン試薬、そして液体窒素と、実験に執念と根性が感じられます。ヨウ素が液体窒素に溶解しないのは、ヨウ素の分子間力がかなり大きいためでしょうか。
ところで4連休で私は何をすると言うのでしょうか。今年は「ガーデンパーティ」の計画もないし、結局授業プリントの次の章、つまり「気体の性質」を書き始めることになりそうです。でも「ちいと芸が無いのお」。皆さんはどんなふうですか。
ではまた。
98A−359
差出人:鈴木 久
送信日:99年5月1日
件 名:アルケ事務局通信No72
//盛口、林資料到着!!!
アルケミストのみなさん こんにちは 鈴木 久@事務局です。
きょう、やっと盛口さんから資料がとどきました。今回は、期限までには1人も届きませんでした。昨日、愛知の科教協の事務局会議で林 正幸さんに会い、資料を手渡しでいただきました。やっと2人分です。あと自分の資料を入れても3人分です。事務局で岡田さんにその事を話したら5月10日まで待ってくれたらできるとのことです。
まだ、資料を送ろうかどうか迷って見える方メールで立候補声明だけしてください。そのとき、いつ頃発送できそうか。資料名を教えてくだされば幸いです。
なお、転勤の方も見えるかもしれません。勤務先へ発送希望の方はぜひ住所等お知らせください。
98A−360
差出人:佐藤 琢夫
送信日:99年5月3日
件 名:林先生のメールで指摘されたこと
岩手の佐藤です。
林先生から2点指摘を受けた点についてのメールです。
やはりエントロピーは時間を見つけて勉強しなければと思いました。手始めに断熱系あたりですね。
前回のメールの薬品名が間違っています。
実験の順序 銅 ―薬責め:硫酸→(銅)―薬責め:過酸化水素→
(硫酸銅)―薬責め:炭酸カルシウム→(水酸化銅 )―火責め:
加熱→(酸化銅)―薬責め:塩酸→(塩化銅)―薬責め:アルミホイ
ル→(銅)なお、実験中では、黒板には( )の物質名は伏せておき
ました。
炭酸カルシウムではなく、炭酸ナトリウムでした。この薬品にするか、水酸化ナトリウムにするか迷ったところです。炭酸ナトリウムで銅イオンを固定するのに、ある程度の量が必要で、水酸化ナトリウムと比べ、銅イオンがすべて酸化銅にならない班がでてきます。具体的には透明なろ液ではなく、青みがかった銅イオンを含んだ液がでてきます。今回はこの操作が班によってまちまちになるという前提で、その違いを考えさせるということで取り組みました。
透明なろ液が出た班の生徒のレポートより。『……ろ液をちょっとテーブルにこぼしみててみたら、細いパリパリの細い結晶が出てきたんで、みんなで不思議だね―と言っていました。三角フラスコの中を見る限りでは水みたいであったから。次に「結晶が出来るんだね―。」と言って、フラスコを傾けたら一瞬にして固まってしまった。すごくびっくりでした。』
今回炭酸ナトリウムで行い、すべての班が銅イオンを固定できず、透明な液になりませんでしたが、生徒のレポートのとおり、ろ液が透明になった班では、炭酸ナトリウムの過飽和溶液による結晶を偶然見ることになりました。以前からろ液に結晶が出てくることは気づいていましたが、過飽和溶液と結びつきませんでした。この連休明けにここの個所の追試を行ってみようと思います。
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