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98A−016
差出人:林 正幸
送信日:98年9月6日
件 名:高分子化合物など

こんにちは、林です。
 この1週間は、なにかと忙しくて、メールを書くゆとりがありませんでした。二学期の授業をどう進めるか、悩んだりもしています。
 3年生は高分子化合物に入ります。考えてみると、高分子こそは
(1)反応のメカニズム
(2)物質の構造と性質
を教えるのに適した教材ではないでしょうか。高校化学のベースは平衡論になっているように思います。これは始めと終わりだけを考えればよいので比較的かんたんです。これに対して速度論は反応のメカニズムに踏み込む必要があって、教科書の反応速度の扱いも半分ごまかしのようです。しかし付加重合の連鎖反応とか、縮合重合の逐次反応などは、それに踏み込むチャンスのように思えます。しかし実際にどうするか迷っています。皆さんはどのように展開していますか。
 物性論の意味からも高分子は豊かな教材が含まれるのではないでしょうか。一定の融点を持たないとか、熱可塑性とか、繊維のミセル構造とか、ゴム弾性とか・・・・・。しかし私自身がいまひとつ理解できてないところがあります。お勧めの本がありましたら、ぜひ教えてください。
と、こんな風に悩んでいるわけです。
 佐藤さんが次のように書いています。
  <8月31日のメールの引用>
地球が単なる無機物質の集合体でなく有機的な連関の中でとらえる『ガイア』の理
論はもちろん、つい最近放映されたNHKの『海』で取り上げられた『深層海流』を
もとに地球を見るとデリケートな自然像が見えてきます。原子という自然の本質が技
術化された結果はどうであったのしょうか。環境ホルモンに代表されるとおり環境問
題が人類の存続との関わりでクローズアップされています。「不可知論」と言われる
かもしれませんが、以上の自然像が「自然は縫い目のない織物」そのものだと思いま
す。
<以上>
言葉の使い方は横に置いて、佐藤さんの言いたいのは、単純な「総合」に留まることなく、ものごとの「連関」、それもデリケートであったり、有限であることから生じてくるものにも、光を当てるべきである、と理解しました。それは科学がどこに目を向けて研究していくかということであると考えます。
 液体酸素に関しては、液体空気は窒素が先に蒸発して液体酸素になっていきますよね。それを脱脂綿にしませて火を点ける実験を見たことがあります。思えば、これも怖い実験ですね。怖いと言えば、私は10数年前のことですが、亜鉛と硫黄の粉末を試験管に入れてバーナーで加熱し、それが爆発してガラス片がいっぱい顔に刺さったことがありました。幸い、指先がそれを察知したのか動物的な感がはたらいたのか、直前に目を閉じていました。そしてガラス片はあまりに粉々で、顔を軽くこすると全部落ちて、いくつか1、2ミリの傷ができた程度でした。そしてこの実験は現在、蒸発皿で、マグネシウムリボンで点火する形で利用しています。もうひとつは高校時代の部活動で、すべての化学反応を実験しようと、試験管で過マンガン酸カリウムに濃硫酸と過酸化水素を加えて加熱して、突然に混合物が吹き出して私の胸を直撃しました。夏休みのことでシャツのその部分は瞬時になくなり、皮膚はだだれ1センチ四角ほどが垂れ下がりました。しぶきは顔にもおよびました。そしてまずいことに水道が断水していました。このときは医者に行って、無茶叱られました。しかし先生には黙っていました。
 最後にお願いです。私のところへ次のような質問が来ました。なにか情報がありまいたら、知らせてください。
<メールの引用>
大学の授業の課題で「透明な」氷の作り方を考えなさい.という問題がありまし
て私は機械工学専攻で化学はいままで避けてきたところがあってまったく課題が
わかりません.何かいいヒントはないか教えてください.
<以上>
 ではまた。


98A−017
差出人:林 正幸
送信日:98年9月6日
件 名:溶解について

こんにちは、林です。
 ひとつメールを送信したら、なにやら気持が回復してきて、もう一通書くことにします。やはりこの1週間は疲れたのですね。愛知ではこの時期に学校祭に取り組みます。しかし前任校ではなかったので、久しぶりに生徒の活動に触れ、またその中で生徒とのきずなが強まって、喜んでいます。それと並行して、課題テストの採点があり、授業の計画があります。家内によると、「私がアイルランドに旅行している間に、家事で疲れたのでしょう」と言うことです。彼女の方は31日に帰ってきて、1日から出校しているのに元気です。
 さて、1年生は溶解から始まります。授業のある日の夜明け前にまだ迷っていました。そしてこうなりました。
 「溶けるとはどういうことか。」 こう問いかけながら、水に砂を加えてかき混ぜます。次に食塩が沈んでいる飽和食塩水をビーカーに注いで、これには食塩のナトリウムイオンと塩化物イオンがばらばらになって分散していると説明します。そしてどちらの水も透明であるが、一方は玉子が沈み、もう一方は玉子が浮くことを見せます。食塩が溶けると密度が大きくなっている。それから水にかたくり粉を入れてそのままでは溶けないことを見せます。続いて熱湯を準備しておいて「あんかけ」にします。デンプン溶液はどろっとすると共に、半透明になります。デンプン粒が壊れてデンプン分子が水に分散したのだ。しかしデンプンは巨大分子なので透明にはならない。光が透過できず散乱されて、溶液の向こうがはっきり見えない。そして砂粒のように大きいままだと溶解しない。
 次に「色々な溶液を探そう。」 ということで、   酒、酢
「液体に気体が溶けたもの」
  炭酸飲料、塩酸
「怖い溶液」
  ウーロン茶に青酸カリウム、母乳にダイオキシン
などを答えさせたり、紹介したりしてイメージアップした。ハンダのような固溶体とかコロイド関係はすこし後で登場させる予定です。
 第一学習社の教科書は「溶ける・溶けない」を極性・無極性などで一般化して説明しています。でもちょっと待ってくれ。
 私は「どんな物質が水に溶けやすいか。」 と提起しました。もちろん生徒がおいそれと考えられることはありません。そこで水の分子間力が強かったことを思い出させます。極性や水素結合。そのように強いきずなの水分子の間に分散できるためには、水分子となかよくする物質、つまり水分子と強く引力をおよぼし合うことが必要になる。
たとえば
 食塩水は水和
 エタノール水溶液やデンプン溶液は水素結合
そして、「完全に溶けない」ということはあり得ないので、「溶けやすい・溶けにくい」と表現することを注意します。
 私は、水とヘキサンに対するメタノールからブタノールまでの溶解性、つまり「親水性・親油性」とか「似たものどうしは溶け合う」は、有機化学まで取っておいた方がよいと考えました。
 以上でも1時間には余ります。このあとは「溶解度は温度が高くなるとどうなるか」です。そして、溶解度の計算や、モル濃度はやらないわけにはいきませんよね。
 ではまた。


98A−018
差出人:山本 喜一
送信日:98年9月6日
件 名:液体酸素の恐怖(2)

こんにちは、山本です。
 「縫い目のない織物」という言い方と不可知論の関係については、一時棚上げにしましょう。お互いどんな背景があってメールを書いているのかがわからないので、すれ違いになりそうですから。ただ、化学教育についていえば、今までどおり「楽しく、わかる」ではだめで、「学んだことから身の回りの世界がどう見えるのか」ということを抜きにできない、という考えは同じだと思います。

 液体酸素の危険性やそれが戦争に使われたことなど、佐藤さんや杉山さんから教えてもらいました。やはり、可燃物と接触させると爆発するんですね。あんな低温では、活性化エネルギー以上のエネルギーを持つ分子なんてないような気がするんですが、数ある酸素分子の中にはそういうものがあるんでしょうね。常温で、フラスコか何かの中へ酸素ガスと砂糖なんかを入れておいても、まず爆発はしませんよね。こちらは、活性化エネルギー以上の酸素分子が反応を起こしても、酸素分子の密度が小さいため、連鎖反応にならないということでしょうか?

 「化学」9月号には、他に次のようなことが載っていました。
・100年前に液体空気をつくったリンデは、液体酸素の中に可燃物を混ぜた液酸爆弾を発明した。これは、トンネル工事などでも使われた。日本でも旧満州で、鉄鉱石採掘に使われたが、事故で30名が死亡した。
・酸素欠乏と人体への影響については、次のような表がありました。
 17%・・・ろうそくの火が消える
 16〜12・・・呼吸促進、脈拍増加、頭痛
 14〜10・・・判断力低下、痛みの感覚麻痺、疲労感、失神
 10〜6・・・嘔吐、運動能力の喪失、昏睡
 6〜 ・・・一呼吸で呼吸停止(呼吸中枢の麻痺)
 これを見て、こんなことを思いました。
 よく火のついたろうそくにビーカーをかぶせ、火が消えるのを見せて、「酸素がなくなると火が消える」と説明しますが、間違いですよね。ろうそくの火が消えても酸素は残っていますから。でも、これは小学校の先生に、言いがかりをつけているようなものかな?
 それからこの前、ヘリウムを生徒に見せたとき、余ったので「ダックスボイス」をやって見せたことがあります。空気を少し入れておいたポリ袋にヘリウムガスを吹き込んで、それを口から吸い込んだわけです。ヘリウムガス(商品名「ガス風船のもと」)には、絶対吸い込まないで下さいという注意書きがありましたが、空気と混ぜれば大丈夫だろうと思ったわけです。でも、ヘリウムガスそのものを吸い込むのは危険ですよね。だって、上の表を見ると酸素濃度6%以下では、一呼吸で呼吸停止になるとありますから。
・高濃度の酸素は、長時間吸入すると肺気腫を起こす。(液体酸素を使った佐藤さんの実験に、こういう危険があったかも知れませんね。)

 酸素濃度と化学反応や生体への影響についてこうして読んでみますと、地球はなんてちょうどよい酸素濃度なんだろうと、改めて思います。14%以下ではものは燃焼しないそうですし、あと1%濃度が高かったら森林火災は消火しないということを聞いたこともあります。ところで、今のこの酸素濃度を維持している平衡のしくみはどうなっているんでしょうか?酸素を生産しているのは植物ですが、消費しているのは何でしょうか?平衡と書きましたが、酸素濃度は平衡に達しているのでしょうか?長い目で見ると上昇中だった、ということはないのでしょうか?酸素について、知らないことがたくさんありました。何か情報がありましたら、教えて下さい。

 では、また。


98A−019
差出人:鈴木 久
送信日:98年9月7日
件 名:アルケ事務局通信 NO2

アルケミストのML仲間のみなさんこんにちは
 9月5日つけで、6日 アルケ資料第1号を受け取りました。橋本 陽子さんです。まだ、送付先をみなさんに知らせてなかったので自宅に届きました。
アルケ資料第1号は
1998101 アルケの皆さんへ・・・・・ 『化学と教育』誌1998年46巻第5号の
                        m o l の威力を実感する実験
1998102 「空気の発見」を読んで・・・・副題 24回生化学選択者の春休みの課題
                        生徒の感想文集
「空気の発見」についてのいきさつは、ニフティー理科の部屋でのやり取りを覚えていますが すてきな感想文集ですね。前記の経過やもくじなども含めて冊子にされたらどうですか?そのときは、一部生徒の自身のまちがいなども直されるといいかと思います。それと、そうした構想を伝えて他の生徒にも書かせたらきっと増えるのではないかな?学校の図書館だけでなく地元の図書館にも寄付されるとさらに励みになるかも。。。。なんだかワクワクしてきましたね。(^O^) なお、パソコン通信のメール転載についての了解は忘れずに念のため(鈴木 久)


98A−020
差出人:野中 直彦
送信日:98年9月10日
件 名:夏です。液体窒素

 液体窒素の実験で、昨年は教師の演示実験。今年は、生徒実験でやりました。生徒の感想は

 液体窒素をつけて、少ししたら元に戻っていくところがおもしろかった。(傘袋がふくらんでいくところとか)ゴムボ−ルは陶器みたいでした。ちょっと危なそうだと思ったけど、本当にかちかちになってしまったので驚きました。びっくりしたことがいっぱいだったけど、楽しい実験でよかった。(由美)
 見に見えない気体が液体や固体になってみることができた。(晃一)
 特に花を凍らせた時はまるで天ぷらをあげているかの様でした。紙はつけたけどすぐ乾いてしまって特に問題はなかった。そう思った嘉美はこのプリントをまるごと窒素の中にいれていた。やるなテニスボ−ルはかちかちになって、高いところから落としたらガシャンとわれてびっくりした。窒素はすごい。なぜ、発泡スチロールの容器はパリパリにならなんだか不思議やった。体育のあつい気分が一気にすずしくなって、いとおしだった。前の様に魚など、生きている動物をやるのはよくないよね(留美子)
 どれも固体ってかんじでかたまってつかむと簡単にくずれた。花は普通のもいいけど、凍ったのもきれいだと思った。バナナはおかしの様だった。気体もぜんぶ固体になるんだと思った。(美苗子)
 とりあえず、世の中面白いものがありますね。全く別の物質に変わってしまうんですから...。花をやったときは、パチパチとはじいて、まるで天ぷらをあげているのとかわりませんでした。−200℃ってすごいですよね。口では簡単に言えるけど、自分が体験するとやばいですね。とりあえず、楽しかったです。(静香)
 去年は先生がやっとるのを見とるだけだったけど、実際にやってみると楽しかった。紙がすぐ乾いてもとどおりになるのは感動した(裕美)
 冷たかった。バナナは半分凍った。食べたらおいしかった。でも、バナナを入れたら液体窒素が急激に減ったことはバナナがすってしまったのか。というこは、私は液体窒素を食べてしまったのか。ああガスの臭いが臭い。夏の実験はこれが一番です。急にこぼれたりして、危なかったです。(牧子)

生徒がモノのプラスチックの消しゴムをいれたら、突然割れて飛び散りました。今までは、こんなことがなかったのですが。ブタンは傘袋にいれて冷やすと固体まで見られました。手で温めて沸騰する様子を見て喜んでいました。花をたくさんもってきて、ばりばりやって液体窒素がなくなってしまい「先生、おかわりください」でどんどん冷やして喜んでいます。上の感想のように吸い込まれてしまうと考えていますが、先日のE−mailで酸素が入りこむことを考えるとバカにできないと思います。


98A−021
差出人:林 正幸
送信日:98年9月12日
件 名:高分子化合物(2)

こんにちは、林です。学校祭の合間を縫って、少しずつ授業が進行しています。
 3年生の高分子は結局次のように入りました。
 まず高分子とは分子量が10000以上の巨大分子である。これまで習った分子は、たとえばステアリン酸でできた油脂でもその分子量は888である。
 それでは高分子は「極めて複雑な形をした分子」なのだろうか。いやいや、天然に存在するものでも人工的に合成されたものでも、同じないし似た単位がくり返し連結した構造になっている。考えてみると、その方が自然である。そして高分子の形は
・糸状(直鎖状)
・枝分れ状
・網目状
になっている。そして化学式の表し方と重合度に触れました。
 そして上のことと関係して、高分子は同じないし似た反応がくり返し起こって生成する。その主なものは
・付加重合(連鎖反応)
・縮合重合(逐次反応)
の2つである。ポリ塩化ビニルとPET(ポリエチレンテレフタラート)を例にして、段階を追って反応の仕方(パターン)を説明しました。それが納得できれば、複雑に見える反応式も正確に書き表せる。原料をモノマー、できた分子をポリマーと言う。なお逐次反応の方は、「モノマーが生成途中の分子の端で反応する」とは限らず、生成途中の分子どうしが反応することもある。
 以上のように高分子の特徴の第一歩を教えました。ところで教科書では、始めに天然高分子があり、しかも糖類の単糖類から始まりますよね。これは二重の間違いではないでしょうか。合成高分子の方が簡単だし、単糖類は低分子です。私は「せめて」ということでデンプン・セルロースから始めることにしました。
 昨日は通常の授業に戻ったのですが、生徒が「進むな」と訴えてきます。したがってこの続きは次回とします。実は、私もまだ十分に先までは考えてないのです。
 ではまた。


98A−022
差出人:林 正幸
送信日:98年9月14日
件 名:「化学は奥が深い」・・・溶解(2)

こんばんは、林です。今年は残暑が厳しいですね。しかしアルケのメーリングリストは着実にメンバーが増えています。
 溶解の授業は、「溶解度は温度が高くなるとどうなるか」からでした。発問をした生徒が「大きくなる。」と答えました。私が「どうしてそう考えたのか?」と問い返すと、「砂糖などがそうだから。」という返事です。事実に基づこうとするのは良いですね。それでは「どんな物質でもそうだろうか?」と質問を続けます。すると彼女(江口)は「そうだと思います。」 そこで別の生徒に質問します。「実は温度が高くなると溶解度が小さくなる例があるけど、知っているかい?」 「分りません。」 いや、君たちは知っているのだよ。気体はそうなのだ。「炭酸飲料か!」 そして固体の中にも水酸化カルシウムのように、温度が高くなると、水に対する溶解度が小さくなるものもある。
 こうしてまとめをします。多くの固体は温度が高くなると溶解度が大きくなる。それは、温度が高くなると物質は「ばらばら状態」になりやすい傾向があるからである。つまり固体より、それが溶解した方がばらばら状態である。気体の溶解度は温度が高くなると小さくなる。それは溶解するより気体自身である方がばらばら状態だからである。ばらばら状態という言葉は正確には「エントロピー」というのだ。深入りはしないけど、聞いたことがあるかな。
 私がこの部分で教えた法則性は、これと、前のメール(9月6日)で書いた「水分子となかよくする物質、つまり水分子と強く引力をおよぼし合う物質は、水に溶けやすい傾向がある」の2つだけです。そして溶解は現代の化学をもってしても予想が付きにくい現象なのだと言って来ました。
 すると江口は「授業ノート」で次の感想を書いてくれました。
「今日は忙しかった。でもまちがいをして、知識が増えた気もした。実際の例をきくと納得できました。分ることは分るけど、化学は奥が深いので、疑問はどうして?どうして?ってかんじで、今日は分ったけど、しっくりこない。」
私はこれを読んで感動しました。それでいいのだ。これこそが本物だ。
 ひとつ前の授業の別の生徒の感想は次のようでした。
「私はにごっていれば(水溶液が)物体が溶けたと思っていたが、じつはそれはまちがいだった。これは今日の大発見だった。今日の先生の怖い溶液の話は少しむずかしかったけど、とにかく怖いんだ。ということが分った。少しくらい怖い溶液を体の中に入れても大丈夫という考えは、いけないことなんだ。ということが分った。」
前半は私が思い浮かばなかった認識ですが、デモ実験をしながら「溶解」を整理したことに価値があったと、うれしくなりました。
 ではまた。


98A−023
差出人:山本 喜一
送信日:98年9月16日
件 名:浄水器をつくりました

こんにちは、山本です。
 2学期になってから文化祭の準備で毎日帰宅が遅くて、おまけにコンピュータの設定がうまくいかないこともあって、メールを送れませんでした。今日は文化祭の代休です。のんびりしようと思っていたら、台風に見舞われました。午後になってようやくおさまって、いま、青空がのぞいてきたところです。

 9月4日の読売新聞に「家で作れる浄水器」という記事が出ていましたので、さっそく作ってみました。まず、1.5〜2リットルのペットボトルを用意し、ふたには小さな穴を開けておきます。次に、ペットボトルの底を切り取ります。ボトルの口が下になるようにして、まずガーゼ(20cm四方)をつめ、次によく洗った粒状活性炭を500gほど入れて完成です。水道水が活性炭の層を通る間に、カルキ臭やカビ臭、トリハロメタンや農薬、洗剤、残留塩素などが取り除かれるはずだと記事には書いてあります。手入れは、1から2週に一度、お湯で10分ほど煮沸するだけ。これで、発生した雑菌を殺し、吸着したトリハロメタンを蒸発させられるそうです。
 この浄水器で本当にどの程度の効果があるのかは分かりませんが、とりあえず使ってみましたら、なるほど塩素臭さは全くない水が出てきました。我が家では、この水でお茶やみそ汁などを作ることにしました。
 では、また。


98A−024
差出人:林 正幸
送信日:98年9月17日
件 名:凝固点降下とゲル化

こんばんは、林です。
 溶液に関する実験を企画しようして
(1)樟脳の凝固点降下を利用してアセトアニリドの分子量を測定する
(2)寒天をコロイド溶液にし、牛乳を加えてからゲル化して「牛寒」を作る
 の2つを1時間でやることにしました。
 凝固点降下ではパラソールで分子量の測定をしたことがありましたが、樟脳のモル凝固点降下が40[℃・kg/mol]という魅力に引かれて試してみました。この短所は昇華しやすいということです。凝固点の180℃まで加熱するとかなりのものです。始めは、樟脳10gを大試験管に入れて水銀温度計で凝固点を測り、それにアセトアニリド0.5gを加えてもう一度・・・・・、これは無理です。そこでグループ間で分業して、後者は常温で混合して加熱し、凝固点を測ることにしました。しかしもたもたするとどんどん質量モル濃度が高くなってしまいます。そこであまり細かい注意はせず、1回で測定されるようにするつもりです。助手の服部さんにやってもらったところ、降下度が13℃で分子量は154(正しくは135)になりました。まだ詳しいことは分りませんが、投入することに決めました。
 ゲル化に関しては以前にコーヒーゼリー(と言っても寒天ですが)を作らせたことがありました。しかしインスタントコーヒーの味はいまいちなので、今回の牛乳寒天、それも砂糖で味付けしたものに切り替えたのです。膨潤させた寒天1/4(乾燥質量が約2.2g)を水約80mlに加えて、加熱してコロイド溶液にしてごみなどをこします。これに砂糖20gと牛乳を全体が180ml(多すぎると固まりにくい)になるまで加えたら、火を止めてアルミケースに4等分して放冷します。生徒に試食させたら「おいしい」と言うことで、前の経験が生きてかんたんに完成しました。牛乳自身もコロイド教材に絡んでちょうどよいと考えています。
 この分野にもいくつもの実験がありますが、気体のところでできなかったので、私はここで分子量測定を入れたいと思いました。それから浸透圧をまともに生徒実験することにはやや懲りています。しかしよい実験がありましたら紹介してください。そしてコロイドではとうふ作りをしている人もいるでしょうね。
 ではまた。


98A−025
差出人:鈴木 久
送信日:98年9月19日
件 名:アルケ事務局通信NO3

アルケミストのみなさま、お元気ですか? いまだに事務局として動きださない鈴木です。m(__)m
 きょう、第2信が届きました。野中さんから、岐阜物理サークル通信No156とアルケ夏の合宿 in 九州 福岡 原鶴を送っていただきました。前者は、33部あるのに、野中さんが数え間違えられたのか新しい紙で新たに印刷されたと思われる3部も含まれていました。ところが、野中さんのプリントも37部です。今回から37部に変更したのかな? 自分では、引き継いでいないつもりですが。。。。
 郵パックの夜間指定になっていました。アルケ通信が待ちきれないという人は、事務局の自宅 に夜間指定として送ってくだされば幸いです。なお、勤務先の住所は
    (中略)
愛知県の公立中学校としては、頻繁にくる小包を受け取りにくいものかどうか判断に苦しんでおりましたので返事が大変遅れ申しわけありませんでした。休日に着きそうなら自宅へなど適宜判断されて送ってくだされば幸いです。全部が送られてくるよりは緩和されると思いますので。

橋本陽江さま 貴重な資料ありがとうございました。ひょっとして第1回アルケの11月までにその後の生徒の感想文が届きましたら追加ということで送ってくだされば(もちろん無理をされずという条件ですが)うれしいです。ついでにそれまでのドラマなど少し紹介してくだされば 理科の部屋同様 たまにはこちらの方にも登場してくださればうれしいです。

                       1998.9.19 事務局


98A−026
差出人:林 正幸
送信日:98年9月19日
件 名:比例計算・・・溶解(3)

こんばんは、林です。
 溶解の次の部分は溶解度とモル濃度です。次の問題を出しました。
問1 塩化ナトリウム(食塩)の溶解度は20℃で36である。20℃における飽和食塩水の「質量パーセント濃度」はいくらか。
問2 硝酸カリウム(KNO3)の溶解度は次のようである。
    20℃    40℃   60℃   80℃
     32     64   110   169
(1)80℃における飽和溶液269gを20℃まで冷却すると何gの硝酸カリウムが析出するか。
(2)60℃における飽和溶液100gを20℃まで冷却した場合はどうか。
問3 ショ糖(砂糖)34.2gを水に溶かして全体を500mlにした。この溶液のモル濃度はいくらか。
問4 純粋な水のモル濃度を求めよ。

 問1は質量パーセント濃度の復習です。多くの生徒が「公式主義」で
    (溶質/溶液)100
を使って計算します。そこで私は「溶液100gあたりに溶質が何g溶けているか」が質量パーセント濃度なのだ。溶液136gには溶質が36g溶けているので、100gではxg溶けているとすると次の比例式が成り立つ。
    136[g]/36[g] = 100/x
      x = 26.5[%]
と、比例が分れば公式なんか覚える必要はないのだ、と強調します。
問2も結局比例で処理できます。(2)は思考段階として、始めは飽和溶液100gに含まれる水とそして硝酸カリウムを計算してやりました。それから60℃の飽和溶液210gを想定すると簡単であると教えます。
 問3に先立っては、モル濃度は「溶液1l(リットル)当たりに溶質が何mol溶けているか」と教えて 計算に入ります。またまた比例式です。
    342[g]/1[mol] = 34.2/n
      n = 0.1
そして
    500[ml]/0.1[mol] = 1000/c
      c = 0.2[mol/l]
生徒の頭を「比例主義」に切り替えないと、小学校の掛け算と割り算から発展しないと思います。私自身は中学のときから自分で比例主義になり、公式主義の連中を「軽べつ」してきました。公式主義はものを考えないと思います。
 そして授業が終わった段階で2つのメッセージが寄せられました。
「先生、私には分からん。」
「何でも比例で考えられるの?」
後者には期待がこもっていました。私は答えました。「なんでも比例で解けるよ。」
 問4は濃度の概念を拡げるためです。濃度は濃い・薄いだけでなく「注目している物質がどれくらい密に存在するか」を表す。モル濃度はとくにそれを意識したもので、体積1lあたりに分子が何mol存在しているかを示すのだ。だから純粋な水は100%に決まっているが、モル濃度では55.6[mol/l]になる。そしてある生徒の「感想」でいわく、
「モル濃度は注目している物質がどれくらい密に存在するかを表す」ということをきいて、「ふーん、へぇー」と思いました。
 次は凝固点降下と沸点上昇に入りますが、ここでしか使わない、しかも言わばモル分率の代用品である「質量モル濃度」を本当に教える必要があるのでしょうか。現実主義になって私は教えますが
    △T = km
という関係式を導入しなくても、凝固点降下は十分に楽しめるはずです。続いて登場する浸透圧の関係式
    π = cRT
はカットしようと考えています。
 ではまた。


98A−027
差出人:鈴木 久
送信日:98年9月19日
件 名:気体はバラバラビュンビュンについて

アルケミストの皆さん、鈴木 久です。
以下の質問についてどなたか教えてください。
 鳥取さんの提唱された「気体はバラバラビュンビュン」は、固体や液体についてはどのような言葉だったのでしょうか? 途中、千葉の石井信也さんも関わったような気もするのですが自信はありません。ニフティの理科の部屋をのぞいて見える方も多いとは思いますが#39570発言付近で、アルケミストの鳥取先生が元祖という話が出てきました。直接発言されるもよし、こちらのメールにUPしてもらうもよし。
 確か、新任のとき、盛口、鳥取、塚原、石井とそうそうたるメンバーに入れていただき一晩泊まったことがあります。そのときいただいた小冊子に書かれていたような気がするのですが。もう20年以上も前の話ですが。ちっとも進歩していないなぁ。


98A−028
差出人:鬼塚 公志
送信日:98年9月20日
件 名:ビジュアルベイシックについて

こんにちは、鬼塚です。
 昨日まで3日間、県教育センターでプログラミングについての講習会に行っていました。講習の最後には、自分でプログラムを作らなくてはいけなかったので、炎色反応のプログラムを作りました。問題を押すと、カリウムなどの元素がランダムに出てきて、元素記号や炎色反応を選び、解答を押すと○や×が出て来ます。解答の表示を押すと炎色反応の画像が出てくるようにしています。
 ここで、センターの人に聞くのを忘れたのですが、音が出ないかなと思ったんですよ。最近の生徒は音や画像が出てゲーム感覚にしないと興味を持たない傾向にあります。それで正解だったら”ピンポーン”、間違ったら”ブー”という音を出したいのですが、誰かVBで詳しい方がおられましたらお教え下さい。
 ではでは。


98A−029
差出人:小林 敏夫
送信日:98年9月20日
件 名:反応速度を測ってみました

初めてメールを送ります。
 化学IIの授業で反応速度を測ってみました。ヨウ化カリウムの過酸化水素水による酸化反応です。でんぷん液を指示薬にしました。(盛口・高田「いきいき化学アイデア実験」p169)
 ある班の結果を表にします。いい直線に乗りました。次は反応の経過を速度で追う実験をさせたいと考えています。
────────────────────────────────────────
濃度[K I](×10−3mol/ι) 5.0   2.5   1.25   0.5
────────────────────────────────────────
時間(t)(秒)         2.5    5     10    20
────────────────────────────────────────
反応速度 1/t         0.4   0.2   0.1   0.05
────────────────────────────────────────
 クラスは文化祭前で、壁新聞、キルト作成、風船遊び、シャボン玉遊びを計画中です。キルトはエイズ問題を考えさせようと思います。シャボン玉は大きいシャボン玉を作らせようと思っています。


98A−030
差出人:小林 敏夫
送信日:98年9月20日
件 名:Re:気体はバラバラビュンビュンについて

 鳥取先生の聞いたが一番ですが、気体は分子が(で)バラバラビュンビュン、液体は分子やイオンがあちこちうろうろ、固体は原子が貧乏ゆすりだったと思います。しかし、その前のバージョンは液体は分子やイオンがモンキーダンスというのがあったとか・・・・。なお、鳥取先生に聞かなければわかりませんが、オリジナルはオオガソケイさんと鳥取先生にお聞きしたように記憶しています。よくわかりません・・・・・。


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