ひとつ前のメール(98A−150)に戻る。
98A−151
差出人:杉山 美次
送信日:98年12月25日
件 名:酸性雨による土壌の酸性化とAl溶出
こんばんは、杉山美次です。
仲間と授業で使える「環境の実験プリント」作っています。
1.大気中の二酸化炭素
2.酸性雨
3.大気中の二酸化窒素
4.COD(化学的酸素要求量)
5.飲料水
6.DO(溶存酸素量)
7.土壌の緩衝作用
8.食品添加物
9.身の回りのプラスチック
10.リサイクル(古い食用油からつくるセッケン
とりあえず以上の10テ−マをつくりました。
今回、このめ−るを出したのは、7のテ−マの土壌の緩衝作用のところで新たに取り組んでいることで、みなさんに教えていただけるかもと?甘い考えで出してみました。
1、酸性状態にすると(酸性雨が降ると)、アルミが溶け出すが、これを生徒実験として行えないか。土壌に硫酸を滴下して、溶けだしたアルミニウムイオンAl3+を検出する。
2、アルミニウムイオンの植物の根に及ぼす毒性について、何か良い文献がないか。
1については、正月明けに、場当たり的に適当な試薬で試してみようかなと考えています。専門的な操作でなく、あくまでも、生徒実験のレベルで、できる方法を探したい。
2については、
1)土壌の酸性化が進行すると、土壌中の交換カチオンであるMg、Ca、Kが減少する。
2)溶解度の低いAlの可溶化がおこる。
3)酸性雨は土壌中のこれらの変化を促進する。
4)Mg、Ca、Kの土壌養分の減少により、そこに生育する樹木が弱くなる。特に、Caの減少は樹木の勢力を顕著に弱める。
5)毒性の強いAlを吸収すると、Al毒性は細胞壁の水透過速度を減少させるので、根のCa吸収力は一段と小さくなり、植物は栄養障害に陥り、枯死へとつながっていく。
6)また、土壌中のAlは土壌微生物の活性を弱め、植物による土壌有機物の利用がせばめられる。
いくつかの文献から1〜6のようなことが書いてありました。これには、私の推測もはいっているので、正しいかどうか、不安です。
以上の件について、ご意見いただければうれしいのですが。では、失礼します。
98A−152
差出人:林 正幸
送信日:98年12月27日
件 名:有機工業化学(3)
こんばんは、林です。
藤田さんも参加して、ますますアルケミスト「メーリングリスト」はにぎやかになりそうです。
さて、今日は本町の家(いまではほとんど使っていない)の大掃除をしました。住んでいない家はどうしても悪くなっていきます。せまくて暗い庭の、子どもが小学校に入学したとき一宮市が記念にくれた2本のクロガネモチが、光を求めて屋根にはい上がり、南側の4階のビルを越えようとばかりに伸びています。その勢いには感動しますが、屋根が傷んでしまいます。長い間放置していたのですが、枝打ちをすることにしました。のこぎり1本の作業はたいへんで、脚立に登ったり、屋根をいざったり・・・・・、案の定かわらがずれていました。2階の屋根までは手が出せませんでしたが、それでも大分すっきりしました。しかしほんとうならもっと大切にすべきもので、すこし後ろめたい気持が残りました。
28、29日は「安房科学塾」ですね。館山の民宿まで家を出てから6時間ですが、アルケミストのメンバーに会えるのが楽しみです。
[C4留分]
クロロプレンは、アセチレンを付加二量化し、さらに塩化水素を付加する合成法は高校生には興味深いが、現在はブタジエンに塩素を付加異性化し、これを脱塩化水素して合成するのが主流になっている。これはもちろん付加重合しクロロプレンゴムを製造する。
メタクリル酸メチル(MMA)は、イソブテンを2段酸化してメタクリル酸にしたのち、メタノールでエステル化して次のように合成する。
2CH2=C(CH3)2 + 3O2 ―→ 2CH2=C(CH3)COOH + 2H2O
CH2=C(CH3)COOH + CH3OH
―→ CH2=C(CH3)COOCH3 + H2O
MMAは付加重合して、透明板やレンズに使用する「有機ガラス」を製造する。
[BTX]
シクロヘキサンはベンゼンを水素化して次のように合成する。
C6H6 + H2 ―→ cyclo−C6H12
シクロヘキサンはカプロラクタムやアジピン酸などの原料にする。
アニリンは教科書のようにベンゼンをニトロ化してのち、還元して合成する方法と、フェノールをアンモニアで分解して合成する方法がある。アニリンは染料や医薬品の原料にする他に、4,4'−ジフェニルジイソシアナートにしてウレタンフォームを製造する。
無水フタル酸はo−キシレンを空気酸化して直接に合成する。
無水フタル酸はオクタノール(2−エチルヘキサノール)でエステル化してポリ塩化ビニル樹脂の可塑剤にする。
テレフタル酸(TPA)はp−キシレンを空気酸化して次のように合成する。
p−C6H4(CH3)2 + 3O2 ―→ p−C6H4(COOH)2 + 2H2O
TPAはポリエステルの原料にする。
現在では液化天然ガス(LNG)が大量に利用され、将来石油をしのぐ勢いである。天然ガスによる化学工業の基本原料はメタノールである。これは石炭や石油からの合成法も確立している上に、リサイクル可能な木材からも合成できる。 そしてメタノールはオレフィンやガソリンにも転換できる。
[メタノール]
CO + 2H2 ―→ CH3OH
天然ガスの場合は、一酸化炭素と水素を次のように製造する。
CH4 + H2O ―→ CO + 3H2 (1)
CH4 + CO2 ―→ 2CO + 2H2 (2)
CH4 + 2O2 ―→ CO2 + 2H2O (3)
(1)が主反応で、(2)がH2/COを整える反応、そして(3)のみが発熱反応でエネルギーを供給すると共に反応原料も与える。
ホルムアルデヒドはメタノールを空気酸化して次のように合成する。
2CH3OH + O2 ―→ 2HCHO + 2H2O
ホルムアルデヒドはフェノール樹脂、ユリア樹脂、ビニロンの原料にする。
酢酸はメタノールと一酸化炭素から次のように合成する(Monsanto法)。
CH3OH + CO ―→ CH3COOH
クロロメタンはメタノールと塩化水素で脱水して、次のように合成する。
CH3OH + HCl ―→ CH3Cl + H2O
クロロメタンはケイ素と次のように反応して、ジクロロジメチルシランを合成する。
Si + 2CH3OH ―→ (CH3)2SiCl2
これは加水分解し脱水してシリコーンを製造する。
他のクロロメタン類はメタンを塩素で置換して合成する。
ジメチルアミンはメタノールとアンモニアで脱水して、次のように合成する。
CH3OH + 2NH3 ―→ CH2(NH2)2 + 2H2O
ジメチルアミンはジメチルホルムアミドの原料にする。
ではまた。
98A−153
差出人:山本 喜一
送信日:98年12月27日
件 名:本の題名、間違ってました
おはようございます。山本です。
12月24日に送りましたメールで、井本さんの本を「表面張力を理解するために」と書きましたが、「表面張力の理解のために」が正しい名前でした。失礼しました。
明日、あさってと千葉の館山で盛口さんが呼びかけ人の「安房科学塾」があります。今日、これから学校へ行って、資料を印刷します。「科学塾」の内容を、またメールで送りたいと思っています。では。
98A−154
差出人:鳥取 益之
送信日:98年12月27日
件 名:古いけれどやさしいキャッチフレーズの効用
入院を繰り返していたのでメールに参加できませんでしたが、やっと元気になれそうです。ぼつぼつ参加しますからよろしく。
物質の状態について
気体は分子がばらばらびゅんびゅん 拡散
液体は大勢集まり押し合いへし合い 流動
固体はぎっしりがっちり貧乏ゆすり 結晶
3態をそろえて特徴とともに理解することが大切だと思います。断片的には誰が言い始めたか私にもわかりません。
物質の燃焼について
分子性物質はめらめらと燃える。気化しやすいから。
金属はパチパチと燃える。結晶がはじけるから。
イオン性物質は燃えない。灰と同じだから。
身近で具体的な例を挙げ、例外は大胆に切り捨てる。やさしく、なるべく単純にすることで基本的事項が見える。
98A−155
差出人:藤田 勲
送信日:98年12月27日
件 名:科学塾に行って来ます
アルケのみなさん、今晩は。
明日から盛口先生主催の科学塾に行って来ます。テーマは次のようにするつもりです。
(1)PVAのりをつかわないスライム
(2)カレー粉色素の化学
(3)水時計を作る
(4)セピア写真でイオンの定性分析
それから、鈴木さん、メールアドレスに書き忘れていてメールを送っていませんでした。ごめんなさい。今度のは確実に届いたでしょうか。
98A−156
差出人:橋本 陽江
送信日:98年12月28日
件 名:変更よろしく
なかなか発信できなくて、もうしわけありません。
さて、宛先次のように変更させて下さい。
youko329@skyblue.ocn.ne.jp
よくわからないままパソコンを使っているものですから前のniftyだと画像が届かないというか、見方がわからないというか、開き方がわからないという状態でしたので、OCNに加入しました。お手数おかけしますが変更よろしくお願いします。
さて、先日、2年生に酸化還元のところで、藤田さんの資料を利用させていただいてセピア写真の実験をやりました。生徒はとても喜びました。家の白黒写真をもってこさせてというのは、貴重な記録である場合が多いのではと思い、前もって準備室に呼んでそれぞれの写真を撮ってやって現像してから、実験に使いました。この準備段階が生徒にとって楽しいのですね。グループで撮ってみたり、それもいろんなポーズを考え、また扮装らしきものをする生徒まであらわれ、こちらも楽しかったです。実験ははじめの液につけると像が消えるのでどきっとするようで、次の液で現れてくるのを見て胸をなで下ろしたりしています。
写真も酸化還元反応、セピア色になるのは空気に含まれる二酸化硫黄と写真の銀との酸化還元反応、できた硫化銀がセピア色。ぐらいの説明でやりました。
藤田さん、質問にも葉書でお答え下さってありがとうございました。
98A−157
差出人:鈴木 久
送信日:98年12月28日
件 名:アルケ事務局通信 No32
アルケのみなさん こんにちは 事務局の鈴木 久です。
これから学校にアルケ資料を印刷するためにポストをのぞき、パソコンをのぞいたところ幸地さんからのハガキが届いていました。
Sadako.Kochi@ma5.Seikyou.ne.jp
さっそく送信してみました。アルケプレ通信が届くときにはもうつながっているかもしれません。
橋本さんからはメールが「変更よろしく」とありました。
<引用>
なかなか発信できなくて、もうしわけありません。
さて、宛先次のように変更させて下さい。youko329@skyblue.ocn.ne.jp
よくわからないままパソコンを使っているものですから前のniftyだと画像が届
かないというか、見方がわからないというか、開き方がわからないという状態でした
ので、OCNに加入しました。お手数おかけしますが変更よろしくお願いします。
<以上>
そして、その後橋本さんのセピア色の写真の報告が続いていました。
アルケMLの皆さんにはもう届いていると思いますが、すぐ変更をお願いします。
98A−158
差出人:鈴木 久
送信日:98年12月28日
件 名:アルケ事務局通信 No33 幸地さんも参加!
アルケミストのみなさん こんにちは 事務局鈴木 久です。
先程学校でアルケの印刷をして帰ってきました。念のためメールを確認したら幸地さんからメールが届いていました。本当はアルケプレ通信に活字で入れたかったです。
アルケmlの人たちは一足お先にお知らせします。橋本さんの変更とともにNo32でお知らせした通り幸地さんのメールも入れておいてください。
Sadako.Kochi@ma5.seikyou.ne.jp
98A−159
差出人:野中 直彦
送信日:98年12月30日
件 名:底が白い缶は安全?
底が白い缶は安全やろって生徒が聞いてきました。確かに底が白いスチ−ル缶を見ますが、どこがどう他の缶と違うのでしょうか
林さん「メイトウ」の住所ありがとうございました。一度問い合わせてみます。
98A−160
差出人:野中 直彦
送信日:98年12月30日
件 名:にぎやかになってきました。
にぎやかになってきました。本当ににぎやかになってまいりました。
林さんからのレポ−トは授業の中で使わせてもらっています。ただ感心するばかりで何も言えません。生徒の反応をレポ−トできればと思います。
山本さんはいつも丁寧なレポ−トで感心するばかりです。
事務局の鈴木さんからこまめな通信をいただきありがとうごうざいます。次回のレポ−トの締め切りは1月の?日ですか。実家に帰るため正月明けの1月4日までメ−ルを見れないのが残念です。
それでは、みなさま良いお年をお迎えください
98A−161
差出人:林 正幸
送信日:98年12月31日
件 名:良い年をお迎えください。
こんばんは、林です。
29日夜に安房科学塾から帰ると、家事が山ほど待っていました。しかしそれもほぼ終わってすこし時間を見付けることができました。
科学塾では、親密な交流ができると共に、いろいろな刺激を受けることができました。中でも「21世紀の化学教育はどうあるべきか」という問題提起は、極めて重要と考えます。このことについても意見交換ができるとよいですね。そうそう、山本さん、館山の駅まで送ってもらいありがとう。首尾よく13時18分のビューさざなみ特急に乗ることができました。
アルケミスト「メーリングリスト」は確実に前進しています。96年11月23日に山本さんと私の2人でスタートして、97年7月31までに参加者4名でメール61通、次のアルケ年度の98年7月31日までの1年間では参加者が11名に増え、交換したメールは299通に上りました。そしてそれから12月31日までの間では参加者17名でメール161通です。もちろん、数字だけのことではありません。このメーリングリストによってアルケミストの会の活動分野が拡大し、大きな成果を上げていると思います。
明日から新しい年が始まります。うさぎ年にちなんで、飛躍できるようにがんばるつもりです。
皆さん、良い年をお迎えください。
98A−162
差出人:鈴木 久
送信日:99年1月1日
件 名:アルケ事務局通信 No34
アルケミストのみなさん 明けましておめでとうございます。
残念ながら、アルケミストプレ通信として一番大切な内容を入れずに送りました。申しわけありません。m(__)m
第2回アルケ
締め切り 1月15日
部数 33部がぎりぎり
石井さんなどにも送りたい時はさらにまた、自信がないときはできれば35部お送りください。
特にページが多い時に足りなり場合や不備を発見した場合とても助かります。
送り先 大きな小包でない場合 自宅へ
(中略)
小包 勤務先へ
(中略)
今年1年よろしくお願いします。
98A−163
差出人:杉山 剛英
送信日:99年1月1日
件 名:1月はしぶんぎ座流星群から
あけましておめでとうございます。
化学でありながら地学にもどっぷり浸かっております。
本校は定時制昼間部{午前中4時間授業,修業年限4年}という変わった学科の学校です。1学年2クラスで1クラスの定員は40名。入試の倍率は1.8倍です。(中略)3年前に赴任したときは少し大変でしたが、今受け持っている生徒は大変素直で、指導には高校生の自覚と理解をもって良く従い、中学校時代とは比べものにならない楽しい学校生活を送っています。私も17年の教員生活で、これ程教育の意義と成果を感じたことはありませんでした。
地学ネタで申し訳ありませんが、今やっている事を簡単にご紹介します。
2年生{私のHR学年です}2クラスは地学TAを2単位履修します。内容は天体と地球の歴史でいつも視聴覚教室でVTR,プリントなどの資料を用いて教科書抜きで私の全パワーをそそぎ込んだ展開をしています。現在太陽系の惑星を終了し、流星,彗星を学習しています。VTRは集めに集めた珠玉の番組とLDを編集して使っています。今月のヘールボップ彗星{今回のアルケ通信に生写真を入れます}の学習では、生写真を使った画期的な演習を実施し{まだ秘密です}東レ理科教育賞に応募するつもりです。授業の内容は大学の教養で行っても遜色のないもので、テストでは火星の地名とか衛星の特徴とか成因等を出題し、覚える事ではなく{といっても覚える事は多い}その特徴を生み出した原因を考える事が大事である事を強調しています。生徒はよく勉強し、平均60点は立派です。
1月3日夜から4日朝にかけて、しぶんぎ座流星群{北斗七星の柄のあたり}があるのでまた、写真に収めようと計画しています。月と木星とガリレオ衛星を8mmビデオで観測して教材を作っています。これは近々理科教室に投稿しようと思っています。
化学ネタでは、今回のアルケ通信でご紹介しますが、「えんぴつ蓄電池」を普及させています。東レに出したのですが、類似作があるとかで落選してしまいました。これは明日にでも、理科教室に投稿します。
なんかまとまりがありませんが、最後に私が所属している「ぶつりサークル北海道ニュース」を購読されたい方がいらっしゃいましたらメールを下さい。会費は無料{気持ち分}で月1回発行です。会員は全国に1200名います。アルケメールでこんな募集をしてよいのだろうか?
ではまた
98A−164
差出人:山本 喜一
送信日:99年1月1日
件 名:底が白い缶について
野中さんから質問があった、底の白い缶ですが、左巻健男編著「身近なモノの100不思議」(東京書籍)に出ています。次のような説明がありました。
・これはTULC(タルク)缶と言って、スチール缶の内外にPETフィルムを貼ったものである。
・鉄と反応してしまうためアルミ缶に入れていた緑茶やビールを、スチール缶に入れられるようになった。(この辺に、アルミ缶業界とスチール缶業界のたたかいが見えますね)
・PETフィルムを貼り付けるため、缶に塗装する工程が不要になり、スチール缶の製造コストが下がった。
・回収し、再生するとき、缶を溶かす工程でPETが燃焼するため、分離がたやすい。
ということです。
安全性についてですが、単純に考えますと、ビスフェノールAが溶け出すのは、内側にエポキシ樹脂が貼ってある缶ですから、PET貼りのこの缶は心配ないような気がします(でも、何らかの問題があるのかも知れませんが)。
98A−165
差出人:山本 喜一
送信日:99年1月1日
件 名:ルシャトリエの原理について
みなさん、明けましておめでとうございます。
新しいメール仲間が次々に増えて、アルケ仲間の会話が日常的になりつつありますね。今年もよろしくお願いします。
林さんが安房塾で話が出た化学平衡のことですが、「化学」に、ルシャトリエの法則に従わない例が出ていました。
川勝孝博(東北大助手)、「ルシャトリエの原理」、化学、54,54(1999)から引用します。
<引用開始>
ルシャトリエの原理に対する反駁
ドイツでハーバー法の工業化が検討され始めたのと同じ1909年、工一レン
フエスト(Ehrenfest)は、ルシャトリエの原理が不明確で、場合によ
っては客観的事実と矛盾することを指摘している。
たとえばハーバー法でも説明した、気相における窒素、水素、およびアンモニ
アの平衡系において、一定温度のもとで系の圧縮を行う場合を考えてみる。この
操作では圧力が増加するため、ルシャトリエの原理によって圧力を減少させる方
向、すなわちアンモニアが生成する方向に平衡が動く。一見なんの問題もないよ
うである。しかし体積に着目すると、体積が減少する操作に対して、体積が減少
する方向に平衡が移動したことになり、ルシャトリエの原理に矛盾していること
にはならないだろうか?
それでは等温、等圧の条件で窒素を加えた場合、どちらの方向に平衡が移動す
るだろうか。変動を緩和するのだから、アンモニアが生成する方向に移動すると
答えればよいように思える。しかし結論を急がずによく考えてみよう。アンモニ
アが生成するということは、窒素1モルに対して水素3モルが消費され、アンモ
ニアが2モル生成する。すなわち、気体分子全体の収支としては2モルのマイナ
スである。窒素のモル数をn、気体の総モル数をNとして、窒素が△nだけ反応
によって減少したときに、窒素のモル分率が減少する条件を数式で表すと式
(2)のようになる。
n/N>(n−△n)/(N−2△n) (2)
これを解くとn/N<0.5となり、窒素のモル分率が0.5未満の場合は、ア
ンモニアの生成する方向に平衡が移動することがわかる。また、モル分率が0.
5の場合は移動が起こらず、O.5より大きい場合は逆にアンモニアが分解する
方向に平衡が移動することもわかる。つまり、“どちらも起こりうる”が答えで
ある!
ルシャトリエの原理は、化学平衡の移動、とくに温度と圧力の変化による平衡
状態の変化を予測する場合に非常に有効であるが、見方によっては、上の例のよ
うにそれが成り立たない場合があることを認識しておく必要がある。
<引用終わり>
正月ですから、朝、ちょっとアルコールを入れまして、ほろ酔いの頭では、(2)式からn/N<0.5をどうやって求めるたのか、計算で確かめる気がしないので、受け売りのまま送ります。みなさん、この二つの例をどうお考えになりますか?
ひとつ先のメール(98A−166)に進む。
アルケミストの会の
ホームページ
にもどる。
林 正幸と主万子の始めの
ホームページ(to our initial Home Page)
にもどる。