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98A−136
差出人:林 正幸
送信日:98年12月12日
件 名:酸化還元反応(その2)

こんばんは、林です。
 メールで紹介したプリントで授業したところ、さっそくひとりの生徒が「このプリントはすごく分かりやすい。久しぶりに授業を全部聞いていた。」と反応してくれました。そして後で職員室に来て、「先生、これからいつもああいうプリントを作って!」。彼女は「低空飛行」の生徒ですが、いやいや、元気づけられる言葉です。というわけで、続いて作成したプリントも送信します。これで「酸化と還元」の内容が完結します。

<引用>
      「電子のやり取り」そして「酸化数の増減」

・実験「赤むらさき色の煙」の内容を把握する。
・酸化還元反応を「電子のやり取り」として理解する。
・「酸化数」の意味を知り、それを見付けられるようになる。
・酸化還元反応を「酸化数の増減」として理解する。

A 実験「赤むらさき色の煙」
 (亜鉛粉末)と(ヨウ素)を混ぜ、(水)をかけると(赤むらさき)色の煙(気体)が発生した。
@(反応式:Zn + I2 ―→ ZnI2
              ヨウ化亜鉛 )
A赤むらさき色の気体は未反応のヨウ素が、反応に伴う発熱によって昇華したためである。

B 「電子のやり取り」
 酸素原子を含まない反応なので、「酸化される」の意味を考え直してみよう。
    H2 が酸化されて H2O  になる。
    Zn   〃    ZnO   〃
いずれも酸化される物質は化学式の左側に来る、つまり陽性になる。

 ヨウ化亜鉛は(亜鉛)イオンと(ヨウ化物)イオンがイオン結合しているので、反応式を次のように書き換えられる。
   (Zn + I2 ―→ Zn2+ + 2I-)

 だから、「酸化される」のを、その物質が電子を(失う)ことと考えていこう。すると、「還元される」のは、その物質が電子を(得る)こととになる。
    Zn ―→ (Zn2+ + 2e-)
    2e- + (I2 ―→ 2I-)  (+
     電子
   (Zn + I2 ―→ Zn2+ + 2I-)
うまく行くぞ!

  「電子のやり取り」のまとめ
(亜鉛) : 電子を失う = 酸化される
(ヨウ素): 電子を得る = 還元される

C 「酸化数」の定義
 しかし問題が残っている。H2が酸化されてできるH2Oは共有結合しているので
    2H+ + O2-
とは書けない。
 そこで共有結合の極性(p  )を利用してイオンの価数に相当する数字を決めて、それを「酸化数」と呼ぶ。
 イオン結合している物質については、そのイオンの価数を酸化数とする。

問 次の反応式のそれぞれの物質の各原子に酸化数を付けよ。

    CuO + H2 ―→ Cu + H2O

D 「酸化数の増減」
 それでは「酸化される」を、その物質の酸化数が(増える)ことと定義しょう。すると、「還元される」はその物質の酸化数が(減る)こととなる。
    (0)  (T)
    H2 ―→ H2O
     (U)   (0)
    CuO ―→ Cu
ここで酸素原子の酸化数は(変化しない)ので、厳密に言うと、還元されるのは酸化銅(U)の中の(銅原子)である。
  「酸化数の増減」のまとめ(「水を吸い上げる粉」について)
(水素)    : 酸化数が増える = 酸化される
(酸化銅(U)): 酸化数が減る  = 還元される

問 「赤むらさき色の煙」について、反応式を書いて各原子に酸化数を付け、かつ酸化剤と還元剤の物質名を答えよ。

E 練習
 (略 ありふれた問題)
備考:酸化数の便利な見付け方は教科書p  を参照する。

F 考察
(1)酸化還元反応についての3つの「考え方」を整理してみよ。
(2)水素が燃焼する次の反応には、どの考え方を適用するとよいか。
    2H2 + O2 ―→ 2H2O
(3)電子を失うのはどんな物質か、また電子を得るのはどんな物質か。
 <以上>

 ではまた。


98A−137
差出人:林 正幸
送信日:98年12月13日
件 名:しし座流星群など

おはよう、林です。
 杉山 剛英さん、しし座流星群の写真、拝見しました。きれいに写っていますね。「実験集」の中にあったとは気付きませんでした。もう20年近く前のことになりますが、私も天体写真にチャレンジしようとした時期がありました。赤道儀と自動追尾装置(コンピュータが本格的に取り入れられる以前)を購入し、寒空の下でがんばりました。しかし視野のよい山手まで出かける根気がなく、寒さもこたえ、気の多かった私にはあまり長くは「勤まりません」でした。しかし、写真機はオリンパスOM−1と2を持っていたのですが、こちらの方は野草や野鳥の撮影にかなり入れ込んだ時期がありました。いまはあまり余裕がないのですが、定年になったらビデオやデジカメで再挑戦したいと思っています。
 山本さん、科学便覧を調べたら、水のイオン積に対して次の式が載っていました。
  −logKw = 4472/T + 0.01075T − 6.085
しかし T=298(25℃) を代入して計算すると
  Kw = [H3O+]×[OH-] = 7.482×10^(−13)
になってしまいます。そして
  T=291(18℃)では  Kw = = 3.819×10^(−13)
になります。上の式はモル濃度ではなく活量の積だとありますが、それにしても低濃度ではそんなに違わないはずですよね。
 しかも奇妙なことに上の数値を純水のモル濃度=55.6mol/lで割ると、次のように理化学辞典の数値に近くなるのです。
  T=291(18℃)では  Kw = 1.34×10^(−14)
               (理化学:1.27×10^(−14))
  T=291(18℃)では  Kw = 0.69×10^(−14)
               (理化学:0.74×10^(−14))
却って疑問が広がってしまいました。
 ではまた。


98A−138
差出人:山本 喜一
送信日:98年12月13日
件 名:酸化還元反応について

こんばんは、山本です。
 杉山さんのHP私も見ました。1年くらい前、化学関係でネットサーフィンをしていたとき、偶然、杉山さんのHPに出合ったことがありして、これで2回目です。派手な壁紙が印象的ですね。彗星の写真もきれいでしたが、杉山語録も「マーフィの法則」のようで、面白く読ませてもらいました。
 林さんの「酸化還元」のプリントは参考になります。いつもながら、取り入れる実験を工夫し、特に発問に気を配っていますね。そこで、二つばかり教えてほしいことがあります。
1.酸化還元反応の定義を酸素の移動から、電子の移動にジャンプさせるとき、亜鉛とヨウ素の反応をやっていますが、この実験をこの場面で取り入れる理由は何でしょう。酸化還元反応を酸素の移動だけではとらえきれなくなったので、電子の移動を考えなければならなくなったという必然性を、私としては、ここで生徒に納得させる授業をしたいと思っているのですが、毎年うまくいかないもので。
2.亜鉛とヨウ素の反応から、電子のやりとりを説明する部分が続いていますが、生徒からすると、1学期に勉強した原子構造を思い出さなければならず、難しく感じるところだと思います。その理解が深まらないまま、酸化数の話になりますが、林さんのプリントにあるように、水などの分子性物質はイオンではないのに、イオンと同じように酸化数をつけることになります。この辺、私が急いでやると、生徒を混乱させてしまうのです。
 生徒は、原子構造の復習 → イオンの中の陽子数や電子数の復習 → 酸化数のつけかたの理解(単体、イオン、分子、多原子イオン)という内容を消化しなければならなくなるわけで、かなり負担に感じるようです。林さんはこの辺をどう組み立てますか?


98A−139
差出人:鈴木 久
送信日:98年12月16日
件 名:アルケ事務局通信 No28

アルケミストのみなさん こんにちは 事務局の鈴木 久です。
 きょう、岐阜の長野さんからそうそうに岐阜物理サークル通信が届きました。ありがとうございます。確か、12月25日がアルケプレ通信だったような。
 さて、今期人数が増え、やはり33部では不安です。できれば、35部入れてくださると、うれしいです。特に、何枚もあるプリントはコピーがしずらいです。大きな小包でなければ、自宅の方へ送ってくださった方がよいかもしれません。
 なお、以前お知らせした冊子小包ですが、パンフレット形式の閉じ方につまり背から真ん中にホッチキスでとめてあればokのようです。そのためには、裏表印刷で冊子形式に印刷しなければいけないのですが、地球環境のためにはよいかもしれません。。。。ホッチキスだけ余分か?
 今、新指導要領理科についての原稿が書きだせなくて困っています。もし、どなたかコメントをいただければ幸いです。原稿用紙4枚。愛知民教連研究所の冊子です。
 みなさま、風邪をひかれませんように。
 次回は、封筒に内容リストつけた方がいいですか? それとも、必要ないですか? どなたかお返事ください。無用な遠慮はなさらなくて結構です。

    鈴木 久 q-suzuki@gb3.so-net.or.jp
なお、アルケのMLの記事はHZE00457ニフティーor.jpへ送ってください。
いまだ、or.からne.に変えれない。hyperroadに変えられない(~_~;)


98A−140
差出人:林 正幸
送信日:98年12月17日
件 名:Re:酸化還元反応について

こんばんは、林です。
 はじめに野中さん、「メイトウ」についてのお尋ね、すっかり忘れていました。
    手作り実験機器工房
      株式会社 メイトウ
    電話:0561−62−8800  FAX:0561−62−9345
「社長」は柘植さんと言って、ときどき「MOLの会」にも参加されます。
 山本さん、今回のプリントに対しては、また別の生徒が「授業ノート」に、「プリントが自分にとって前より使いやすくなったと思います。実験の内容がくわしくわかっておもしろいなあ、と思った。」と書いてくれました。生徒に合ったプリントの改善ができたと安堵しています。
 さて、お尋ねの件ですが、
<山本さんのメールの引用>
1.酸化還元反応の定義を酸素の移動から、電子の移動にジャンプさせるとき、
亜鉛とヨウ素の反応をやっていますが、この実験をこの場面で取り入れる理由は
何でしょう。酸化還元反応を酸素の移動だけではとらえきれなくなったので、電
子の移動を考えなければならなくなったという必然性を、私としては、ここで生
徒に納得させる授業をしたいと思っているのですが、毎年うまくいかないもの
で。
<以上>
 亜鉛とヨウ素の実験は、反応式に酸素原子を含まないので、酸化還元の視点を変えるきっかけになるという理由で取り上げています。もうひとつのメリットは、ヨウ化亜鉛がイオン結合性の物質で、すっきり電子のやり取りで考えられるからです。そして私の発想は、何が何でもこの反応を酸化還元反応に仕立て上げると言うのではなく、「酸素原子のやり取り」で成功した酸化と還元の考え方を、この反応にも拡張できないか、そのためにはどこに目を付けたら良いか、という感じで導入していきます。それが「その物質が酸化されるのは陽性になることでもある」という視点です。これがイオン性物質を対象にするので「電子のやり取り」に具体化されてきます。しかしそれは決して網羅的ではなく、さっそく酸化銅(U)と水素の反応では行き詰まるとプリントにも書いています。「電子のやり取り」で理解できる(酸化還元)反応もあるよ、と言うわけです。実際にこれは電池や電気分解につながります。
<同じく引用>
2.亜鉛とヨウ素の反応から、電子のやりとりを説明する部分が続いています
が、生徒からすると、1学期に勉強した原子構造を思い出さなければならず、難
しく感じるところだと思います。その理解が深まらないまま、酸化数の話になり
ますが、林さんのプリントにあるように、水などの分子性物質はイオンではない
のに、イオンと同じように酸化数をつけることになります。この辺、私が急いで
やると、生徒を混乱させてしまうのです。
生徒は、原子構造の復習 → イオンの中の陽子数や電子数の復習 → 酸化数
のつけかたの理解(単体、イオン、分子、多原子イオン)という内容を消化しな
ければならなくなるわけで、かなり負担に感じるようです。林さんはこの辺をど
う組み立てますか?
<以上>
 「電子のやり取り」に持っていくには、「陽イオンになるとは、電子を失うことだったよね。」という程度の説明しかしていません。すこし横着な言い方ですが、あまり元に戻って説明すると生徒に却って分らない印象を与えてしまうのではないでしょうか。それに「思考を引き出す」なら、「えさ」(表現が良くないけど)はばらまいても、説明はしすぎなことが必要です。「食いつく」生徒がいなくても、それは仕方のないことです。
 そして「酸化数」ですが、私はこれが大半の高校生にとってそれほど価値があるものとは考えていません。試験に出るからやるのです。考え方の基本だけは伝えておきたいので共有結合の極性も登場しますが、水分子以上の説明はしていません。
    δ+ 2δ−             T  −U
    H − O              H  O
        |       ―→ 
        H δ+              H T
関心の持てる生徒は自分で勉強するなり質問するなりすればよいのです。実際には「酸化数の見つけ方」に従って練習しておけば済むことだと考えています。
 今回はやや乱暴な話になりました。ではまた。


98A−141
差出人:山本 喜一
送信日:98年12月18日
件 名:藤田さんにもメールを

おはようございます。
 藤田さんがインターネットを始めましたので、アドレスを送ります。アルケのメール仲間がまた一人増えました。
  藤田勲さん
    hujicomm@d1.dion.ne.jp

藤田さんへ
 このメールの宛先のところに、アルケの人たちのアドレスがあると思います。それをコピーして使って下さい。


98A−142
差出人:鈴木 久
送信日:98年12月19日
件 名:アルケ事務局通信 No29

アルケミストのみなさんこんちは 事務局の鈴木 久です。
 18日づけのアルケMLで山本さんより藤田 勲さんが新しくインターネットを開始したことが伝えられました。これで、16人目です。本当は沖縄の幸地さんがみえるのですが、どうしてもつながりません。往復はがきで再度IDを問い合わせてみようと思っています。もし連絡がとれれば17人ということになります。


98A−143
差出人:林 正幸
送信日:98年12月21日
件 名:有機工業化学(1)

こんばんは、林です。
 明日は終業式というところまできました。年賀状を作成したり、補習をしたり、大掃除をしたり、「安房科学塾」に出かけたり、そしてまた「1年の計」を立てたり、新年会をやったり・・・、冬休みというのは忙しいですね。
 気の多い私はいろいろな本に手を付けるのですが、今は「有機化学工業」(丸善の化学教科書シリーズ)を読んでいます。高校の教科書は現代の化学工業がどうなっているのか、あまり関心を払っていないどころか、平気で間違いを書いています。有機化学が有機化学工業で終わるものではありませんが、それも踏まえたものであるべきで、すこしまとめてみようと思います。

 石油はC4〜C40の炭化水素で、アルカン系とシクロアルカン系を主成分とし、アルケンなど不飽和炭化水素は含まれない。
 原油を常圧蒸留して、ガス、ナフサ、灯油、軽油、残油に分ける。残油の一部は減圧蒸留して留出分と減圧残油に分ける。ガスはC3、C4を主成分とし、液化石油ガス(LPG)として、灯油とともに家庭燃料にする。常圧残油は重油として工場燃料にする。減圧留出分は潤滑油の原料にする。減圧残油からは道路舗装用のアスファルトや炭素原料になる石油コークスを製造する。
 石油精製の化学処理は主に3つである。水素化精製は不純元素を水素を使って分離する。メルカブタンやスルフィドは硫化水素として、ピリジンなどはアンモニアとして、カルボン酸やフェノールは水として取り除く。これは大気汚染対策の他に、別の化学処理の触媒の被毒を避けるためである。
 (重質)ナフサを接触改質すると枝分れアルカンと芳香族炭化水素が豊富になり、オクタン価が上がりガソリンの原料にする。またその一部を抽出して、ベンゼン、トルエン、キシレン(BTX)を製造する。副製する水素は水素化精製などに利用される。
 軽油は、ディーゼルエンジンの燃料にする他に、接触分解して、上の改質油と混合してガソリンにする。

 石油化学では、まず(軽質)ナフサを熱分解して、上のBTXと共に、エチレンやプロピレンの石油化学の基本原料にする。
[エチレン関係]
 エチレンはそのままポリエチレンを合成する他に、各種の誘導体原料にする。
 エチレンオキシド(EO)はエチレンに酸素を加えて次のように合成する。
    2CH2=CH2 + O2 ―→ 2CH2―CH2
                   \ /
                    O
EOは水を反応させて、ポリエステルや不凍液の原料のエチレングリコールにする。
 エタノールはエチレンに水を付加して、次のように合成する。
    CH2=CH2 + H2O ―→ CH3CH2OH
ただし60%は発酵法で製造される。
 塩化ビニル(VC)はエチレンに塩素を付加したのち、脱塩化水素して、次のように合成する。
    CH2=CH2 + Cl2 ―→ CH2ClCH2Cl
    CH2ClCH2Cl ―→ CH2=CHCl + HCl
VCはもちろんポリ塩化ビニルを合成する。
 スチレンはエチレンにベンゼンを付加したのち、脱水素して、次のように合成する。
    CH2=CH2 + C6H6 ―→ CH3CH2C6H5
    CH3CH2C6H5 ―→ CH2=CHC6H5 + H2
スチレンはポリスチレンや合成ゴム(SBR)の原料にする。
 アセトアルデヒドは、塩化パラジウムと塩化銅(U)を触媒に空気で酸化して、次のように合成する。
    2CH2=CH2 + O2 ―→ 2CH3CHO
アセトアルデヒドは酸化的二量化によって、酢酸エチルや無水酢酸にする。酢酸エチルは溶剤に、無水酢酸はアセチルセルロースやアスピリンなどの原料にする。
 酢酸ビニルはエチレンに酢酸を付加し空気で酸化脱水素して、次のように合成する。
    2CH2=CH2 + 2CH3COOH + O2
                ―→ 2CH2=CH(OOCCH3) + 2H2O
酢酸ビニルはポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ビニロンの原料にする。
    (続く)

 ではまた。

追伸
 現在、藤田さんにアルケミスト「メーリングリスト」への参加を確認中です。


98A−144


98A−145
差出人:鈴木 久
送信日:98年12月21日
件 名:アルケ事務局通信 No30

アルケミストのみなさんこんにちは 事務局の鈴木 久です。
 今日、「化学と教育12月号」が届きました。小・中・高のページで山本喜一さんがポリ袋凝固点降下とポリ袋を用いたNO2簡易測定法が掲載されていましたね。そして、元アルケミスト会員の米沢剛至さんが手動式真空ポンプを用いたボイルの法則の検証実験を書かれていました。みなさんがんばってみえますね。
 昨日沖縄の幸地さんに往復はがきでメールのIDを問い合わせてみました。藤田 勲さんメールが届いていますか?応答願います。


98A−146
差出人:林 正幸
送信日:98年12月22日
件 名:有機工業化学(2)

こんにちは、林です。
 今日は昼ごろに終わって、郵便局で「歳末助け合い」の募金して帰宅すると、庭師さんが剪定をしてくれていました。幸い樹木の勢いが良いのですが、夏には伸びすぎた枝にやや閉口していました。昼食後、愛知科教協主催の理科講演会の案内をホームページに作成しました。例年は「討論合宿」なのですが、今回は鈴木 久さんの骨折りで、名大理学部の池内 了さんに「宇宙はどこまで分っているか」という講演をしてもらうことになりました。来年1月15日です。
 そして有機化学工業の続きです。

[プロピレン関係]
 プロピレンはそのままポリプロピレンを合成する他に、各種の誘導体原料にする。
 イソプロピルアルコールはプロピレンに水を付加して、次のように合成する。
    CH2=CHCH3 + H2O ―→ CH3CHOHCH3
イソプロバノールは消毒用や溶剤に使用する。
 クメンはプロピレンにベンゼンを付加して、次のように合成される。
    CH2=CHCH3 + C6H6 ―→ CH3CH(C6H5)CH3
クメンは空気酸化したのち、加水分解して、フェノールとアセトンを製造する。現在はフェノール製造にアルカリ融解法は採用されていない。フェノールはフェノール樹脂の原料に、アセトンは溶剤に使用すると共に、両者からビスフェノールAを合成する。
 アクリロニトリル(AN)はプロピレンをアンモオキシデーションして、次のように合成する。
    2CH2=CHCH3 + 2NH3 + 3O2 ―→ 2CH2=CHCN + 6H2O
ANはアクリル繊維の原料にする他に、電解二量化してアジポニトリル NC(CH2)4CN を得、これから66−ナイロンの原料のヘキサメチレンジアミンを製造する。
 アクリル酸はプロピレンを空気酸化して、次のように合成する。
    CH2=CHCH3 + O2 ―→ CH2=CHCHO + H2O
    2CH2=CHCHO + O2 ―→ 2CH2=CHCOOH
アクリル酸はエステル化し、付加重合してのち加水分解して、吸水性ポリマーを製造する。

 ではまた。


98A−147
差出人:山本 喜一
送信日:98年12月23日
件 名:藤田さんは機械が壊れています

こんばんは、山本です。
 鈴木さん、林さんから藤田さんへの問いかけが寄せられていますが、今電話したところ、買ったばかりのコンピュータが壊れたようです。液晶が真っ暗になっているとか。修理が終われば、メール仲間になってくれます。
 私の方は「逆さコップ」に端を発して、今、表面張力にこっています。井本稔さんの「表面張力を理解するために」という本を買ってきました。前書きは「表面張力とは何か、ということが分からなくて何十年も苦労した。」と書きだしてあります。この大学者でさえそうですから、私なんか自力で分かるはずはなかったと思っています。
 井本さんによると、表面張力というのはギブス自由エネルギーであって、それが仕事をするときに張力として現れることがあることがあるものだそうです。もう少し理解したらメールにまとめてみます。では、また。


98A−148
差出人:藤田 勲
送信日:98年12月24日
件 名:メールへは新加入です。これからもよろしく。

アルケミストのみなさん。お元気ですか。
 色々トラブル続きでまだ安定的にメールが送れませんが、メールの仲間に入れてください。林さん、お願いします。
 ところで、私は今PVAノリを使わないスライムを作っています。何とかめどが立ってきましたので、いずれ通信でまとめたいと思っています。
 それではお元気で。


98A−149
差出人:山本 喜一
送信日:98年12月24日
件 名:表面張力について

こんばんは、山本です。
 鈴木さんから、井本稔さんの本について質問がありました。題名、出版社などは次の通りです。
  「表面張力を理解するために」高分子刊行会(1993)
 前にも書きましたが、この本は、表面張力をギブス自由エネルギーと理解して体系を作っているものです。今、半分ほど目を通したところですが、さほど難しい数式もなく、ていねいに解説してありますので、読みやすい本だと思います(井本さんという方は、他の本でも解説が上手なので定評があります)。ただ、薄っぺらな割に4000円もしますが。
 それから、今日、井本さんが毛管上昇と、油が水に溶けない理由を表面張力(ギブス自由エネルギーとしての)から説明している次の二つの論文を、国会図書館でコピーしてきました。
  井本稔「毛管現象の理論的考察」日本接着協会誌、23,318(1987)
  井本稔「なぜ水と油は混ざらないのか」化学と教育、36,394(1988)
帰りの電車の中で目を通しただけですが、これも面白い論文だと思います。
 そのうちアルケの資料として、これらを送りたいと思っていますが、毛管上昇などというものが、まだきちんと説明できていないようで、驚きですね。
 逆さコップから界面化学にはまって、表面張力、ぬれ、毛管上昇、界面活性剤が油汚れを布からはがすしくみ、活性炭が水蒸気を吸着するしくみなど、いろいろ見えてきました。でも、まだ文章にできません。もうちょっと勉強して、メールに書きますので、批判して下さい。では。


98A−150
差出人:鈴木 久
送信日:98年12月24日
件 名:アルケ事務局通信 No31

アルケのみなさんこんにちは 事務局の鈴木 久です。
 今日、佐藤 啄夫さんから忙しい中アルケの会費が届きました。ありがとうございます。
 あっと言う間にアルケプレ通信の日がやってきました。(~_~;) この調子だと出せないかも。もしそうなったらごめんなさい。m(__)m


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