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97A−151
差出人:野中 直彦
送信日:98年1月21日
宛 先:鬼塚 風間 四ケ浦 杉山 鈴木 橋本 林 山本
件 名:センタ−試験

 私もセンタ−試験をやりました。
 いま、やったのは生物1B+化学1B+英語です。生物は50点+化学は98点+英語は100点ぐらいでした。なさけない、あほやと思いました。生物はスダジイって何ですか。私は知りません。ケヤキと同じだが針葉樹だそうですがみたこともありません。化学は電気分解で少し悩んでいます。何でPH11なのかわからない私はバカなんでしょう。英語は最後の長文のフィッシングの話はよくわかりませんでした。何か年々バカになっていく自分が嫌になります。
 でも、次は数学でもやろうと思います。「こんなのは練習すれば解けるようになるんやよ」という言葉はなぐさめになりません。でも、問題にこだわる林さんまで至らない自分に何といったらよいんでしょうか。  今日、岩手の高橋さんから電話をもらい、高橋さんからのレポートが届いてからアルケ通信を発送します。


97A−152
差出人:山本 喜一
送信日:98年1月22日
宛 先:鬼塚 風間 四ケ浦 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:石灰石と希硫酸で二酸化炭素は出るか

 こんばんは、山本です。野中さんご心配ありがとうございます。違う病院へ行って、クスリを変えてもらったら、結構楽になりましたので、短いメールを送ります。
 石灰石と希硫酸の反応ですが、今日学校で同僚と追試してみました。粉末の石灰石や炭酸カルシウムとなら、希硫酸を加えた瞬間はジュワッと二酸化炭素を出しますが、固まりの石灰石では表面が硫酸カルシウムになってしまい、ほとんど泡を出しません。この問題の図や”石灰石”という表現からは、固まりを予想しますので、やはり適切な問題とはいえないと思いました。なお、このことは今、ニフティの方でも議論されています。
 私はセンターテストの問題が新聞に載っても、解いてみようという気にはなりませんでしたので、林さんに言われるまで知りませんでした。まして、野中さんのように、化学以外の科目まで解く気持ちはなくなっています。やはり、野中さんは若さがありますね。では、また。


97A−153
差出人:鬼塚 公志
送信日:98年1月23日
宛 先:風間 四ケ浦 杉山 鈴木 野中 橋本 林 山本
件 名:センター試験で考えたこと

 こんにちは、鬼塚です。
 最近、少しばかりさぼっていました。
 今回のセンター試験の問題はこれでいいのかなと感じずにはおられませんでした。理論と現実のどちらが大切なのかというと、理論が優先するのでしょうね。たまたま、センター試験の結果を見る必要が生じて、以下のアドレスに接続して文部省の見解を読みました。
 http://center.tbs.co.jp/center98/

−−引用開始−−
 教科書のいくつかに、二酸化炭素は石灰石と酸(希塩酸あるいは希硫酸)を反応させると発生させると言う記述があります。希硫酸の場合、二酸化炭素の発生がやがて停止することも述べられております。このために、二酸化炭素の一般的な製法として必ずしも適当ではないことは承知しております。
 しかしながら、本出題は、弱酸の塩に強酸を加えると弱酸が遊離することを問うのが主たる目的であって、二酸化炭素の製法を問うたものではありません。試験管規模での実験では、石灰石に希硫酸を加えても二酸化炭素の発生が確認できます。また、この場合には、希硫酸を使用した際に起こる二酸化炭素中への塩化水素の混入を避けることもできます。
 貴重なご指摘ありがとうございました。
−−引用終了−−

 以前、こんな研究授業を見たのを思い出しました。「硫酸カルシウムを得るためには水酸化カルシウムの水溶液に希硫酸を加えると生じます。」といって水酸化カルシウム水溶液に希硫酸を加えても沈殿は生じません。研究授業なのに事前に実験しなかったのかが不思議でした。
 今回の問題も理論上は二酸化炭素が発生するかもしれませんが、実際とは違うことを確認しなかったのか不思議です。今は課題研究とか探求活動が導入されているのでその中で同様の実験をしていることは十分に考えられるはずです。装置の図もなくて「発生する気体と捕集方法として考えられるのはどれか。」などのようにするといいと思うんですが・・・・。他の組み合わせが違うことがはっきりしているので文部省も譲らなかったのでしょうね。
 二酸化炭素の捕集方法はときかれて水上置換でもいいではないか。下方置換のように他の気体も不純物として混ざるよりは、二酸化炭素を多量に発生させて水に溶けても純粋な二酸化炭素を捕集する方がいいのでは・・・・?


97A−154
差出人:林 正幸
送信日:98年1月23日
宛 先:鬼塚 風間 四ケ浦 杉山 鈴木 野中 橋本 山本
件 名:再びセンター試験問題について

こんにちは、林です。
 今日は夕方から愛知の「討論合宿」があるので、準備もあって年休を取って早く帰宅しました。幸い今回の参加者は、例年よりすこし多くて27名になりました(宿泊しない人もいますが)。私はそこで「化学平衡」について新しい展開法を提案します。皆さんには1年前に届けたその資料を使います(私のホームページにもあります)。
 さて、鬼塚さんが大学入試センターのホームページを紹介してくれたのは参考になります。文部省は
<引用>
しかしながら、本出題は、弱酸の塩に強酸を加えると弱酸が遊離することを問うのが主たる目的であって、二酸化炭素の製法を問うたものではありません。
<以上>
と考えているのですね。「よくもこんな言い逃れをして事足れりとしているものだ」とあきれてしまいます。あるいは「やはりこれは日本の官僚の常套手段だ」と納得してしまいます。いやいあ、問題を作成した連中が官僚に近いのかもしれません。
 いったい気体の捕集法を組み合わせておきながら、なにが「二酸化炭素の製法を問うたものではありません」なのでしょう。それに「弱酸の塩に強酸を加えると弱酸が遊離することを問うのが主たる目的」と言っていますが、
    A硫化鉄(U)と希塩酸
    B石灰石と希硫酸
はそうとして、
    @亜鉛と希硫酸
    C銅と希硝酸
のどこがそう言えるのでしょうか。「ご都合主義の解釈にも程がある」と思いませんか。
 ところで私も気になって確認実験をしてみました。というのは、硫化鉄(U)に希塩酸を加えて硫化水素を発生させるときには、始めにすこし加熱をしてやる必要があります。石灰岩と希硫酸ではどうかなと思ったからです。試験管に石灰石の小片を入れ、2mol/lの塩酸、1mol/lの硫酸、3mol/lの硫酸を加えてみました。塩酸は順調に二酸化炭素が発生します。これに対して希硫酸の方は、一瞬泡が出ますがすぐに止まります(前回のメールで「全然発生しない」と書きまいたが、これは厳密ではありませんでした)。これは予想通りです。そこでバーナーで加熱をしました。すると予想以上に気体が発生するのです。それがしばらく続きます。やがて発生が止まりますのでまた加熱をします。するとまたけっこう気体が発生します。しかしくり返すうちにしだいに泡は出にくくなっていきます。そして反応液が白く濁ってきます。これは硫酸カルシウムですよね。そして希塩酸が反応を終えた時点で、希硫酸の方を見比べると、石灰石は小さくなったようには見えません。やはり二酸化炭素の発生速度が格段に遅いのです。
 びんの中に粉末になった石灰石があったので、これにも希硫酸を加えてみました。こちらは加熱しなくても気体が発生します。しかしやがて全体がペースト状になり、発生は止まります。二酸化炭素の製法としては不適切です。それから9mol/lの硫酸を使ってみました。こちらは、却って気体が発生しにくいのです。それは硫酸カルシウムの溶解度が、共通イオン効果で低くなるからでしょう。
 結論として、私たちが「二酸化炭素は石灰石に希塩酸を加えて発生させるが、希硫酸ではうまくいかない。」と教えて来たことは正しいのです。
 蛇足ながら、この問で「最も適当な組合せ」を選ぶなら、それはAだと思います。たしかに硫化水素は発生するし、捕集法が上方置換になっているが、空気よりさほど重くはないのである程度気体が集められると考えるからです。
 最後に、鬼塚さんが二酸化炭素の捕集法として水上置換はどうかと書いています。これは下方置換と水上置換の両方が正しいと思います。
 ではまた。


97A−155
差出人:野中 直彦
送信日:98年1月23日
宛 先:鬼塚 風間 四ケ浦 杉山 鈴木 橋本 林 山本
件 名:第2回 アルケ通信発送しました

 今日、バタバタと通信を発送しました。
 前回より、もりだくさんの資料になりました。
 感想をメ−ルにて送ってください。
 次回のプレ通信にのせさせてもらいたいと思います。


97A−156
差出人:鬼塚 公志
送信日:98年1月24日
宛 先:風間 四ケ浦 杉山 鈴木 野中 橋本 林 山本
件 名:アルミの再利用について

 こんにちは、鬼塚です。
 ある公立の研究所から下記のようなメールが送られてきたのですが、おわかりの方はお教え下さい。

 私は最近アルミ残灰(アルミドロス)中の金属アルミ分を利用して、各種廃棄物中の酸化金属を還元して、有効利用できるようにしたいと実験しております。
 アルミドロス中の金属アルミが30%以上含まれていると、マグネシウムリボンによる着火で反応が最後まで進むことを確認いたしました。アルミドロス中の主成分はアルミナで、反応に寄与しません。また、廃棄物中には硫酸塩など吸熱する成分が含まれているため、十分温度が上がらず、このため、還元された金属は、酸化物(スラグ部分)と分離せず、1〜2mm程度の球状で分散しています。全体を粉砕して、磁気分離することはできますが、手間がかかるのが残念です。
 材料は空き缶に入れて着火しているのですが、空き缶にちょっと穴があく程度で、中心部の温度も1200℃程度ではないかと思っています。材料の配合は変えずに、もう少し温度を上げる方法がないか、お教えいただけると大変助かります。
 るつぼに入れた材料を加熱していくと1000℃程度でテルミット反応が始まり、この場合は還元されたメタルは大きな固まりで分離できることは実験しています。また、フッ化物などフラックスの添加が有効なことも実験で明らかに出来たのですが、外部から加熱せずに何とかもう少し温度を上げられないか、ご教示いただけないでしょうか。
 実験の規模は、一回当たり1kgで、アルミドロス(アルミ分35%)と廃棄物は1:1を基本にしています。


97A−157
差出人:林 正幸
送信日:98年1月25日
宛 先:鬼塚
件 名:問い合わせ

こんにちは、林です。
 23日付けのメールに次の文がありました。このままで正しいでしょうか。連絡をください。
 ではまた。

<メールの引用>
以前、こんな研究授業を見たのを思い出しました。
 「硫酸カルシウムを得るためには水酸化カルシウムの水溶液に希硫酸を加える
と生じます。」といって水酸化カルシウム水溶液に希硫酸を加えても沈殿は生じ
ません。当然といえば当然なのですが、研究授業で事前に実験しなかったのかが
不思議でなませんでした。
<以上>


97A−158
差出人:鬼塚 公志
送信日:98年1月27日
宛 先:風間 四ケ浦 杉山 鈴木 野中 橋本 林 山本
件 名:硫酸カルシウムの沈殿について

 こんにちは、鬼塚です。
 みなさんお元気でしょうか。長崎は土曜・日曜冷え込み雪が降ったために風邪にかかってしまいました。昨日一日中寝込んでいたので今日は回復しました。本校の先生は2人インフルエンザで休まれましたのでみなさんお気をつけ下さい。

 さて、硫酸カルシウムの沈殿について林さんからの問い合わせがありましたのでお答えします。
 教科書には水酸化カルシウムの水溶液に希硫酸を加えると硫酸カルシウムの沈殿が生じるとあります。硫酸カルシウムの溶解度は20℃で0.12なので沈殿はできるはずですが、私が以前行った実験では生じませんでした。条件が揃わないと沈殿が生じないと理解し生徒実験などには今までしたことがありませんでした。
 念のためにもう一度追試実験をしてみました。ちなみに水酸化カルシウムは飽和した後、ろ過して使用しました。
0.1M硫酸2mlと飽和水酸化カルシウム水溶液2ml 沈殿できず
1M硫酸2mlと飽和水酸化カルシウム水溶液2ml 5分後に白沈
9M硫酸2mlと飽和水酸化カルシウム水溶液2ml 5分後に白沈
 それ以外に硫酸亜鉛を試してみました。
1M硫酸亜鉛2mlと飽和水酸化カルシウム水溶液2ml 白沈
0.1M硫酸亜鉛2mlと飽和水酸化カルシウム水溶液2ml 白沈
0.01M硫酸亜鉛2mlと飽和水酸化カルシウム水溶液2ml 白沈
0.001硫酸亜鉛2mlと飽和水酸化カルシウム水溶液2ml 沈殿できず
飽和硫酸ナトリウム2mlと飽和水酸化カルシウム水溶液2ml 沈殿できず
(硫酸ナトリウムの溶解度は100mlの水に15.7g)
 硫酸カルシウムの溶解度積は25℃で9×10^−6です。水酸化カルシウムは100mlの水に0.13g溶けるので、飽和水酸化カルシウム水溶液の濃度は1.8×10^−2になり、0.1M硫酸でも十分に沈殿が生じるはずですが結果はできませんでした。
 先に条件が揃わないとと書きましたが、水酸化カルシウムは水への溶解度が低く(100mlの水に0.13g)、また炭酸カルシウムに変化している場合があるのでこのような結果になったと思われます。実験書をみると「水酸化カルシウムは炭酸カルシウムに変化している場合があるので900℃以上に加熱して使用する」とあります。私が使用した水酸化カルシウムがほとんど炭酸カルシウムに変化していたと考えます。前回「予備実験をしたのだろうか」と書いたのは、今回の私のように炭酸カルシウムに変化していたのを気づかずに演示実験をしたために生じたことだと考えています。ほとんどの学校では、水酸化カルシウムをかなり以前に購入しているために炭酸カルシウムに変化していると思われます。
 私のやり方・考え方も悪いのではないかと思いますので、その場合ご指摘をお願いします。

追伸
 先のメールで二酸化炭素を生じるかどうかという議論で、今回の件を出したのは、予備実験をせずにテスト問題を作成したり、研究授業をしたりすることがいけないということを言いたかったのです。わかりにくいメールをお送りしてすみません。


97A−159


97A−160
差出人:風間 清光
送信日:98年1月27日
宛 先:鬼塚 四ケ浦 杉山 鈴木 野中 長野 橋本 林 山本
件 名:HP開設のお知らせ

皆さん、こんにちは。奈良の風間です。
【質問】豆腐をかためるのに、今までニガリ≠入れていましたが、最近、
    硫酸カルシウム?≠入れていますね。
【質問】工芸ガラスの中に金≠入れると色と状態は?
    この金は、非常に細かい粒子(コロイド? あるいは 更に細かい?)
以上の質問に対して詳しい解説をいていただきまして、感謝しています。

 この度、奈良県吉野郡の『大台ヶ原』についてのHPを開設しました。自然環境の乱れから、原生林の『トウヒ』の立ち枯れが以前から問題になっています。皆さんに知っていただきたいと思い・・・・・・。
 大台ヶ原山は紀伊山地の東部、三重・奈良両県境につらなる台高山脈の主峰。日出ヶ岳(標高1695m)・三津河落山(さんづこうちさん:標高1654m)などのピークとその南西側にひろがる牛石ヶ原・正木ヶ原などの高原状の平坦面をふくめた総称。年降水量が5000mmをこす日本屈指の多雨地帯。
 耳成高校の科学部は、夏休みの終盤に、自然探索を目的にして吉野方面に一泊二日の合宿(4回実施)を行っています。写真は耳成高校の柳川氏(生物)より提供していただきました。
 なお、風間は天道虫≠ニいう名前で NIFTYにて活動しています。 


97A−161
差出人:風間 清光
送信日:98年1月27日
宛 先:鬼塚 四ケ浦 杉山 鈴木 長野 野中 橋本 林 山本
件 名:HP開設のお知らせ(続)

一番大切なURLを忘れました。 (^_^;;;

http://member.nifty.ne.jp/Tentoumusi72/ama/


97A−162
差出人:鬼塚 公志
送信日:98年1月28日
宛 先:風間 四ケ浦 杉山 鈴木 野中 橋本 林 山本
件 名:硫酸カルシウムの沈殿について(2)

 こんにちは、鬼塚です。
 昨日硫酸カルシウムの沈殿の報告をしましたが、今日はその続きです。
 「実験書をみると水酸化カルシウムは炭酸カルシウムに変化している場合があるので900℃以上に加熱して使用する。とあります。」と書きましたが、本日それを試みてみました。
 水酸化カルシウムを蒸発皿に入れ、30分かき混ぜながら強熱し水に溶かして飽和溶液にしました。その溶液をろ過し、希硫酸と混ぜて沈殿ができるか試してみました。結果は昨日と同じでした。
 こうなるとどう考えていいか分からなくなりました。どう考えたらいいのでしょうか。ご指摘よろしくお願いします。


97A−163
差出人:山本 喜一
送信日:98年1月29日
宛 先:鬼塚 風間 四ケ浦 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:溶解度と溶解度積の関係

こんばんは、山本です。首の調子はだんだん回復に向かっています。
 鬼塚さんと四ヶ浦さんから溶解度についての面白いメールをもらっています。CaSO4は私も生徒実験で沈殿を作ろうとして、うまく行かなかった経験があります。Fe(OH)2という物質も面白そうですね。私はFe(OH)3はもちろん知っていましたが、Fe(OH)2は知りませんでした。これはどんな条件でできるものなのでしょうか。後ほど教えて下さい。
 さて、これらの物質が沈殿するかどうかは、溶解度積に基づいて議論するのでしょうが、それぞれの物質には溶解度の値も紹介されていますよね。今日、この二つの値の関係が分からなくなりました。どなたか、アドバイスを下さい。
 例えば、Fe(OH)2については、溶解度は6mg/l、溶解度積は1.64×10^-14という値が理化学事典にのっています(四ヶ浦さんのメールにあった3×10^-12ではありませんでしたが・・・)。Fe(OH)2の式量は90ですから、溶解度から計算すると飽和溶液の濃度は、
  0.006/90=6.7×10^-5 mol/l
  Fe(OH)2 →← Fe2+ + 2OH-
ですから、
  溶解度積(Ksp)=[Fe2+][OH-]^2=(6.7×10^-5)^3=3.0×10^-13
となって、1.64×10^-14と比べると約20倍違うのです。また、化学便覧にはFe(OH)2の溶解度積として、8×10^-16や1.5×10^-16という値がのっていて、これらと比べると2ケタや3ケタの違いになります。どうしてこういうことが起こるのでしょう。
 溶解度は実際に実験して求め、溶解度積は標準電極電位から理論値として計算しているのではないかとも思いましたが、こんなに違う理由が分かりません。


97A−164
差出人:山本 喜一
送信日:98年1月29日
宛 先:鬼塚 風間 四ケ浦 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:Fe2+の濃度について

 溶解度と溶解度積については、前のメールのようにすっきりしないのですが、四ヶ浦さんの質問について、私なりの考えを書いてみたいと思います。議論は、溶解度積だけを使い、溶解度は使わないことにします。
 さて、Fe(OH)2の溶解度積として、理化学事典の1.64×10^-14を使い、溶液は中性としますと、[OH]=10^-7mol/lですから、
  Ksp=[Fe2+][OH-]^2=[Fe2+]×(10^-7)^2=1.64×10^-14
となり、
  [Fe2+]=1.64mol/l
が出てきます。さらにそこへ二酸化炭素が溶解した場合は、溶液は酸性になるでしょうから、[OH-]はさらに小さくなるので、溶解できるFe2+の濃度はもっと大きくなる(つまり沈殿しない)のではないかと思います。
 CaSO4についても、今日計算をしてみたのですが、Ca(OH)2の溶解度積の値を学校においてきてしまいましたので、明日メールを送ります。


97A−165
差出人:山本 喜一
送信日:98年1月30日
宛 先:鬼塚 風間 四ケ浦 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:硫酸カルシウムの沈殿について

こんばんは、山本です。
鬼塚さんから質問のあった硫酸カルシウムの沈殿について、私も考えてみました。でも、結論からいうと「よく分かりません」ということです。まあ、とりあえず考えてみたことを書きます。
 まず、水酸化カルシウムの溶解度積を調べました。Ksp=5.5×10^-6という値がのっていました。
  [Ca2+][OH-]^2 = 5.5×10^-6
より、
  [Ca2+] = 0.018mol/l
ですから、飽和溶液は0.018mol/lのCa(OH)2溶液ということになります。これは、
  Ca(OH)2=74
より、
  0.018 × 74 = 1.33g/l
の水溶液ですから、Ca(OH)2の溶解度(0.126)とよく合います。
 鬼塚さんの実験では、この溶液2mlに0.1mol/lの硫酸2mlを加えても沈殿しなかったようですので、これを例にして計算を進めてみます。起こる反応は、
  H2SO4 + Ca(OH)2 → CaSO4 + 2H2O
ですが、この場合、硫酸が過剰にありますので、
  生成されるCaSO4は(0.018×2)/1000mol
  未反応の硫酸は(0.082×2)/1000mol
これが、4mlの溶液中にありますので、0.009mol/lのCaSO4と、0.041mol/lのH2SO4の混合水溶液になるでしょう。
 ここで、硫酸はその大部分がH+イオンとHSO4-イオンで存在していることを思い出しましたので、理化学事典で電離度や平衡定数を調べ、計算してみたところ、この水溶液では
  [SO42-]=0.015mol/l
という値になりました。従って、
  [Ca2+][SO42-]=0.009×0.015>>9×10^-6(CaSO4の溶解度積)
となり、当然、沈殿してよいはずですよね。
 沈殿しない理由は何でしょうか。この反応の速度が小さいのでしょうか。でも、イオンの反応は一般にはすごく速いですよね。まあ、反応速度が小さいのなら、しばらくおいておけば沈殿ができるはずですが。それとも、酢酸ナトリウムのように、過飽和状態が安定なのでしょうか。そうであれば、種結晶を入れれば、どっと沈殿するはずですね。
 この辺で力つきました。では、また。


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