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97A−121
差出人:山本 喜一
送信日:97年12月23日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:準備室のNO2を測ってみました
こんばんは、山本です。
いつかメールで書いたかも知れませんが、NO2を簡単にはかれる方法はないものかと、ずっと実験しています。そして最近、空気をポリ袋にとってそれをザルツマン試薬が入っている試験管に吹き込む方法で、何とかはかれるようになりました。詳しい方法は次のアルケ通信で送りますが、昨日、準備室の空気で試してみました。今、うちの学校は改装工事の最中で、準備室もプレハブ校舎の中で、暖房はレンタルの石油ファンヒーターなのですが、このヒーターは点火するとかなり臭いがきつくて、部屋の空気をかなり汚しているような気がしていたのです。NO2を実際に測ってみたところ、案の定、0.14ppmというとんでもない値が出ました。外の空気は0.02ppmでしたから、測定法が悪くて高い値になったわけではないと思います。このファンヒーターを使っているときは、換気しながら使うことにしました。また、1週間ほど前には、ガスストーブを使っている生徒の教室のNO2を測ってみました。こちらは、0.07ppmでした。道路沿いの汚染のひどいところ並みでしょうか。
林さんが千葉の安房科学塾に来られるそうですね。私も毎年参加していて、今年も行くつもりです。お目にかかれるのを楽しみにしています。
では、また。
97A−122
差出人:林 正幸
送信日:97年12月25日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 野中 橋本 山本
件 名:スライムについて
こんばんは、林です。
今日はスライムの話題です。秋に鬼塚さんが書いていましたが、今回この実験をホームページに掲載するに当たって、私もいくつか試してみました。というのは、以前に取り組んだときのデータがどこへ行ったか分らない、記憶も定かでないという理由です。
四ホウ酸ナトリウム Na2B4O7・10H2O は正常なスライムになる。この化合物には水素ホウ酸イオン[B4O5(OH)4]2- が含まれる。くわしい構造は知らないが、四角形の各頂点にホウ素があり、これからヒドロキシル基が伸びている。そして辺の中点には酸素がある。さらにひとつの対角線が酸素を橋渡しに結ばれている。2つの負の形式電荷は対角線で結ばれているホウ素に存在する。別の見方をすると、2つのホウ素・酸素六員環が2つのホウ素原子のところで縮合しているとも言える。分子模型を組んでみると、なぜもう一組のヒドロキシル基が脱水縮合して、[B4O6(OH)2]2- [B4O6(OH)4]4- などのイオンにならないか、疑問を抱く。
このイオンの4つのヒドロキシル基がポリビニルアルコール分子と水素結合をつくる。負の形式電荷を持つホウ素から伸びているヒドロキシル基はその酸素原子の電子密度が高まって、ポリビニルアルコールのヒドロキシル基の水素原子とより強い水素結合をつくる。また形式電荷を持たないホウ素がオクテットになろううとヒドロキシル基から電子を引き寄せるため、その水素原子の電子密度が低くなってポリビニルアルコールのヒドロキシル基の酸素原子とより強い水素結合をつくるのではないだろうか。
実験は、クラノール(ポリビニルアルコールが8%)25mlに水50mlを加えて溶かしたあと、いろいろな水溶液25mlを加えてかき混ぜるやり方にした。これは前に生徒実験として確立した量の1/2で、25mlの湯に溶かす四ホウ酸ナトリウムの量は2.3gである。そして薬品の量は、固体は2.3gに、液体はおよそ2.5mlにした。
(1)ホウ酸は水と分離してガムのように固まる。
H3BO3 + H2O ―→ H+ + [B(OH)4]-
この陰イオンは水素ホウ酸イオンより強い水素結合をつくるのだろうか。
(2)1mol/lの硫酸と水酸化ナトリウム(25ml)は変化がない。
前者についてはホウ酸が酸として作用しているのではないことを示している。
(3)グリセリン、ブドウ糖は変化がない。
分子内にヒドロキシル基がたくさんあるだけでは不十分であることを示している。
(4)塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムは、一瞬すこし白濁するが、
すぐに無色透明の変化がない状態になる。
(5)飽和食塩水(25ml)にしても、結果は同じである。
ただし固体の食塩を多量に投入するとそれにはやはりガムのように固まる。
これは極端な形の塩析であろう。
(6)エタノールは3倍量加えてやっとガムのように固まる。
せんたくのりそのものは2倍量で固まる。
(7)アルミン酸ナトリウムと亜鉛酸ナトリウムは変化がない。
前者は硫酸アルミニウム、後者は硫酸亜鉛2.3gを水に溶かし、6mol/l水酸化ナトリウム
を加えていき、一度できた白色沈殿がちょうど溶解するところで止める。
ただし後者は無色透明にならないので適当に打ち切った。
アルミン酸イオンは6つの、亜鉛酸イオンは4つのヒドロキシル基を持ち、アルミニウムも
亜鉛も負の形式電荷を持つ。水素ホウ酸イオンとどこが異なるのであろうか。
次に四ホウ酸ナトリウム2.3gに、別の薬品を2.3gないし2.5ml追加した水溶液で調べてみた。
(8)塩化ナトリウムや硫酸ナトリウムは白濁し、かき混ぜると寒天のようにブチブチになる。
しばらくすると一部の水が分離してくる。
何を意味しているのだろうか。
(9)酢酸や硫酸アルミニウムはホウ酸と同じになる。
これはこれらの薬品が酸性のため、ホウ酸ができるからであろう。
(10)水酸化ナトリウムは正常にやや近いが、かき混ぜるとゼリーのようにブチブチになる。
ただし水が分離することはない。
(11)ブトウ糖、グリセリン、メタノールは正常なスライムができる。
(四ホウ酸ナトリウムだけより早く固くなるようである。)
以上ですが、はっきりしない部分があります。意見がありましたら聞かせてください。
ではまた。
97A−123
差出人:鬼塚 公志
送信日:97年12月27日
宛 先:風間 杉山 鈴木 野中 橋本 林 山本
件 名:スライムについて(2)
こんにちは、鬼塚です。
野中さん忙しい中、事務局ご苦労様です。林さん段々寒くなりますのでお体にお気をつけ下さい。山本さんの「安房科学塾」の報告期待しています。
さて、スライムの件ですが、他の薬品でホウ砂と同じようなスライムを作るのは難しいようですね。林さんの報告のようにできたと思ってもブチブチ切れるか小さい塊ができるだけでした。それでは、ポリビニールアルコールの代わりにできるものはないかと言うことで「アラビックヤマト糊」にホウ砂を混ぜてみまし
た。するとスライムができます。「アラビックヤマト糊」の成分はPVALとあります。ポリビニルアルコールの仲間なのでしょうが、PVALは何の略なのでしょうか?
97A−124
差出人:山本 喜一
送信日:97年12月30日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:エコアナライザー
こんばんは、山本です。
安房塾でレポートしたときにふれた「エコアナライザー」について、お知らせします。「エコアナライザー」とは、空気中のNO2を天谷式で測定するキットです。中身は、専用の比色計、捕集管、トリエタノールアミンをしみこませたろ紙、ザルツマン試薬などです。これで値段は2万数千円。製造元は次の通りです。
ワーカーズコープ株式会社 エコテック
〒211 川崎市中原区上丸子天神町386 金子ビル1階
TEL 044(722)9543 FAX 044(722)9544
関西オフィス
〒612 京都市伏見区深草西浦町4−35−1 日之家ビル2F
TEL 075(644)1211 FAX 075(644)1255
なお、購入する場合は、次の販売代理店の方へ連絡した方がよいかも知れません。というのは、私は教材屋さんを通して買ったのですが、教材屋さんが取り寄せたのはこちらの方かららしかったので。
総代理店
有限会社 筑波総合科学研究所
〒300−11 茨城県土浦市荒川沖東3−1−7−206
TEL/FAX 0298(42)5943
使い方は、まず、セットに入っている捕集管に、トリエタノールアミンをしみこませたろ紙を入れ、24時間、測定地点に設置します。それを回収し、ザルツマン試薬を入れて発色、専用の比色計で読むと、NO2の値がppmで表示さるというものです。これまでのやり方に比べ、@高価な比色計がいらないこと、A手作りの比色計より安定した値が得られること、B検量線を書く必要がないことなどの長所があります。私はこれで得られた値と、自分で工夫した(している)測定方法の値とを比べてみたいと思っています。
では、また。
97A−125
差出人:山本 喜一
送信日:97年12月30日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:同僚からの質問
こんばんは、山本です。
林さん、杉山さん、安房科学塾では、お世話になりました。暮れの忙しい時期に、20人以上
の人が集まって、1泊2日。始めから終わりまで理科の話で盛り上がって・・・。やはり変わり者でしょうかね、私たちは? でも、中身が濃くて楽しかったですね。
さて、その安房塾の内容は、これから追々とメールで送ることにしまして、今日は、私の学校の同僚で生物を教えている人から、質問が送られてきました。私には答えが分からないのものですから、みなさんのお知恵を借りたいと思っています。質問は以下の3点です。
1.筋肉繊維をグリセリンで処理する手技は、いわゆる「グリセリン筋」などで古くから知られており、現象として筋肉が透化します。これについて、そもそもどのような理由で透明になるのでしょうか。主に筋肉中のミオグロビンが肉の赤身を作っていますが、これが透化する理屈がどうしても今知りたいのです。是非教えて下さい。
2.エビやカニの甲羅、貝殻や歯舌、その他あまり大きくない、おそらくカルシウムを共通に含む物質は、経験的にキシレンで透化させることができます。キシレンが何をするのか、こちらの理由もお願いします。
3.アリザリンレッド(茜の紅色色素)は人体に有害かどうか?もし知っていたらこちらもご教授下さい。
もし何か手がかりだけでもありましたら、ご一報下さい。では。
97A−126
差出人:林 正幸
送信日:98年1月1日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 野中 橋本 山本
件 名:「98年理科教育討論合宿」の呼びかけ
こんばんは、林です。
「安房科学塾」に習って、愛知科教協で企画している「98年理科教育討論合宿」への参加を皆さんに呼びかけます。以下は私のホームページに掲載している「案内」です。申込先の電話が空欄になっているのはプライバシー保護のためです。代わりに私に申し込んでください。
97.11.27
愛知科教協事務局
98年理科教育討論合宿
愛知科教協が近県にも呼びかけて実施する、理科教育についての討論合宿です。これは宿泊して時間をあまり気にせずに、お互いに思っていることをぶちまけ合うという企画です。誰でも自由に参加できます。
日時:1月23日(金)18時30分〜24日(土)15時00分
場所:料理旅館「金翠荘」
(名古屋市千種区、052−731−8156)
参加費:総額(三食付き) 11000円
参加費 1000円
夕食 3000円
宿泊 5000円
朝食・昼食 共に1000円
申込先:林 ひろ崇
鈴木 久
今回のテーマ
第1「この教材は本当に必要ですか
〜自分のまわりの教材について議論しよう」
日ごろ何げなく教えている教材は、改めて見直してみて、本当に必要であると言えるのでしょうか。その教材の意味は何でしょう。その教材をどんな視点で教えたらよいのでしょうか。疑問を感じる教材、こだわりのある教材を持ち寄って、みんなで議論をしましょう。
第2「私の思うこと、感じること」
これはいつも共通で、全員が自由に討論に参加できるためのものです。疑問や悩みも交流しましょう。
スケジュール
1/23 18:00〜 受付開始
18:30〜 夕食
19:30〜 発表・討論(その1)
21:30〜 自由討論(酒付き)
1/24 8:00〜 朝食
9:00〜 発表・討論(その2)
12:00〜 昼食
13:00〜 発表・討論(その3)
15:00 終了
お願い
・発表は口頭でもプリント付きでも構いませんが、皆さんが積極的に参加することを期待します。
・実験紹介は最小限にして、6月の「理科実験広場」にまわしましょう。
ではまた。
97A−127
差出人:山本 喜一
送信日:98年1月6日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:授業実践「学校周辺地域の環境と住民の環境意識の調査」(1)
新年明けましておめでとうございます。山本です。みなさま、どんなふうに正月をお過ごしでしたか。私は、安房科学塾の次の日から鼻風邪を引いてしまい、熱は出なかったのですが、くしゃみを連発しながらの正月でした。さて、その安房科学塾での各レポートですが、今日から暇を見つけて、要点を送ることにします。この塾に参加された林さん、杉山さん、もし間違いや付け足しがありましたら、メールを下さい。今日は、岩田好宏先生の授業実践「学校周辺地域の環境と住民の環境意識の調査」の前半を送ります。
岩田先生の授業については、2学期にもごみ問題の授業実践を送りましたが、このレポートは、そのときと同じ生物TAで行われたものです。内容は以下の通りです。
【内容編成】
A.青空裁判に学ぶ
B.地域の環境を調べる
1 自動車交通量から相対大気汚染度を推定する調査
2 自然環境と利便性の調査
3 地域の周辺全体から見た環境としての特質を知る
4 NO2濃度と自動車交通量の測定
5 オリエンテーリング「旧都賀村作草部域の環境」
6 中間まとめ
7 地域の環境の歴史的変遷の調査
C.地域住民の環境意識調査
【授業のねらい】
1 基本的な人権の一つである「良質な環境を享受し、その実現のために行動する」という環境権を自覚させる。学ぶことは展望を与えることであるから、環境の授業をして、暗い未来しか与えることしかできなかったら、失敗である。その意味で、千葉市民が裁判を通して青空を取り戻した「青空裁判」の成果を学ぶことから出発している。
2 生徒自身が地域の環境を実際に調査するという学習形態をとることによって、生徒の自己変革をうながす。生徒に、自ら調査・研究して得た新たな事実と向き合わせて、自己の中の矛盾に突き当たらせ、自己を発展的に変革させる。
3 戸別訪問によるアンケート調査を行うことによって、住民の環境意識と地域の環境の実体の関係を考えさせる。地域の環境とは、与えられたものではなく、そこに住む住民が作り出したものであるから、環境教育は単に地域や地球全体の環境の実態を知るにとどめてはいけない。
4 地域住民のアンケート調査は、戸別訪問し直接聞き取るという形式にして、生徒に住民の生きた生活の実態を感じ取らせると共に、生徒と地域住民の交流を意図した。
5 調査した結果を住民に知らせることによって、生徒たちを地域住民の一角に位置づける。また、調査結果に住民がどう反応するかを知ることによって、生徒は自分たちが調べたことの意義を確認する。
具体的な授業の内容、生徒たちの感想などはこの次送ります。
では、また。
97A−128
差出人:山本 喜一
送信日:98年1月7日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:授業実践「学校周辺地域の環境と住民の環境意識の調査」(2)
こんばんは、山本です。いよいよ明日から3学期ですね。私は3年の学年主任という責任をもう少しで降ろせます。野中さんは、まだまだですね。ご苦労様です。さて、今回もこの前の続きで、岩田先生の授業実践の要点を送ります。
【授業の実際】
A.青空裁判に学ぶ
これは、川崎製鉄千葉工場の大気汚染公害に対して、住民が提訴して、1994年に勝利和解した裁判である。授業では、住民の公害反対運動と裁判のおよそ、原告が明らかにした資料から大気汚染と川崎製鉄工場からの排ガスの関係を読み取る学習となった。ここで、企業の無責任さと監督不十分の行政担当者に対する住民の環境権行使の実態を学んだ。
B.地域の環境を調べる
まず、学校周辺地域に生徒を一人ずつ配置し、15分当たりの自動車の通行台数を測定。自動車はバイク、乗用車、オフロード、大型車の種別に台数をカウントし、あらかじめ分かっている比率から相対NO2排出量を算出した。ここで、大型車の通行量が多い道路系統と少ない道路系統があることが分かった。
次に、利便性と自然環境を調査した。学校周辺地域に米屋や肉屋、中華料理店、コンビニ、パチンコ、さらには公共施設や公園、病院などが何件あるかを調査し、この地域の「自然度」「安全性「利便性」「健全さ」「公害」の度合いを調べ、地域の特性を浮き彫りにした。
次は2度目の自動車交通量調査とNO2濃度の測定。天谷式のカプセルでNO2濃度を測定すると共に、再び自動車交通量を調査。しかし、自動車交通量とNO2濃度とには明確な関係は得られなかった。理由として生徒は、狭い地域の調査なので、NO2が風で地域全体に広がってしまうことや、まわりの工場の影響などをあげた。
次は、旧都賀村作草部のオリエンテーリング。学校がある地域の隣には、起伏に富んで緑の多い地域があることが、遊びながら分かった。
次は、地図を使った地域環境の歴史の学習。農村時代、軍隊進出時代、都市化時代と変遷してきた後をたどった。
C.住民の意識調査
まず、生徒たちが住民に知らせたいことと質問したいことを出させ、話し合ってそれをまとめた。知らせたいことは次の6点。
@NO2濃度は平均0.03ppmと高いこと。
A森や田、公園などの自然環境がないこと。
B駅が近く、スーパーやコンビニなどは多いが、肉屋や青果店などの伝統的な専門店が少ないこと。
C急斜面などはなく、地形・地質的には安定していること。
D大きな病院や消防署などはないが、各種の学校は多いこと。
E風俗営業店はないこと。
質問する項目としては、この地域は住み易いかどうか、病気になったときに困ることはないか、地域で自慢できるものはあるかなどと、上記@〜Eの調査結果に対する感想。住民の多くは、NO2濃度が高いことに注目した。また、通学途中のマナーの悪さを指摘されたこともあったが、地域住民と暖かい交流が持てた。
以上、本当の要約でわかりにくいと思いますし、私自身、岩田先生の授業の意図を十分理解しているわけではありませんので、よけいわかりにくい文になっていると思います。でも、私なんかは地域のNO2の測定でさえ満足にやったことがないのに、岩田先生はそれにとどまらず、その地域はどんな特徴がある所なのか、そしてどんな人が住んでいるのか、というところまでつっこんで授業を組んでいることはお分かりいただけたと思います。「なぜ理科でそこまでやる必要があるのか」という質問が、岩田先生の環境授業論の本質を引き出すものでしょう。みなさんはどう考えますか?
97A−129
97A−130
差出人:山本 喜一
送信日:98年1月11日
宛 先:鬼塚 風間 四ケ浦 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:明暗ろうそく
今日は、山本です。
昨日と今日、千葉では科教協千葉支部の合宿がありましたが、私は雑用がありましたので、宿泊せず、昨日の夜のうちに家に帰ってきました。昨日のお楽しみ広場とレポート発表は、私以外はすべて物理の内容でした。私は、ダイオキシンの資料説明と、授業でのNO2の実験を発表したのですが、これはどちらも今回のアルケの資料として送りますので、あとで目を通してみて下さい。それから、四ヶ浦さんからの質問ですが、資料がすべて学校にありますので、明日学校からそれを持ってきて、改めてメールを送ります。
で、今日は安房科学塾で盛口先生が見せてくれた「明暗ろうそく」について送ります。これは、ろうそくの炎が赤いのは空気が不足していて不完全燃焼しているからで、空気を十分供給すれば、ガスバーナーの炎のように青い炎で燃焼することを示すものです。まず、ポリプロピレンのストローに薄くガーゼを巻き、そこに溶かしたロウをしみこませます。これがろうそくの芯になります。次に、太めのろうそくを用意し、加熱したピンセットで芯のまわりのロウを溶かして、芯を抜き、その代わりに上で用意したストローの芯を入れます。ろうそくのお尻の方から出ている余分なストローは、曲げて口にくわえます。ちょうど、パイプをくわえたときのようにな格好になります。こうしておいて、ろうそくに火をつけ、はじめは赤い炎で燃えるのを見せておいて、次にストローに息を吹き込むと、炎が細く先のとがった鋭い形になると共に、青い色に変わるのを示すというわけです。この青い炎で、炎色反応も起こせるそうです。
これ、「ろうそくの化学」を書いたファラデーも気づかなかった実験ではないでしょうか。盛口さんは、現代のファラデーかも知れませんね。では、また。
97A−131
差出人:山本 喜一
送信日:98年1月11日
宛 先:鬼塚 風間 四ケ浦 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:超手抜き紙
これも安房科学塾の盛口さんの実験です。
紙すきのねらいの一つは「溶かして捨てる、溶かして残す」にあると思うので、トイレットペーパーを水に溶かして、紙すきを体験させれば十分ではないか、と考えて開発した5分でできる紙すき実験だそうです。まず、トイレットペーパーをちぎって、コップの中の水に入れよくかき回し、繊維をほぐします(トイレットペーパーは水には溶けない)。そこにPVAを少しいれておきます。すきアミは、流し用のゴミネット。すき枠は、スチロールの弁当のふたのようなもの。このふた2枚を用意し、一枚は中を四角に切り抜いて、額縁のようにします(これをAと呼びます)。もう一枚のふたは、針金などでたくさんの穴を開けておきます(これをBにします)。そして、Bの上にゴミネットを載せ、その上にAを置いておさえ、これで紙をすくわけです。できた紙は、牛乳パックから作った和紙のようにかなり立派なもので、郵便葉書としても使えそうでした。
私ははじめ、紙から紙を作って何が面白いんだろうと思いました(わらとか草のように紙でないものを紙にすることが化学だと思っていましたので)。でも、帰りの車の中で、できあがった立派な紙を思い出して、「立派な紙になるような上等のパルプでお尻をふいているんだ」ということを示す実験として使えるのではないかと思いました。トイレットペーパーなんて、何度も何度も再生させて、もうこれ以上紙としては使えないようなパルプで、それも真っ白でなくても十分なはずですよね。
97A−132
差出人:山本 喜一
送信日:98年1月11日
宛 先:鬼塚 風間 四ケ浦 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:超ミニ溶鉱炉
これも盛口さんの実験。豆炭に穴を開けて、その中で鉄を作ろうというものです。まず、キムコの中の活性炭の粒にPVAのりを付け、そこに酸化鉄(V)の粉をまぶして乾燥し、鉄鉱石もどきをつくります。豆炭の方には直径2〜3cmくらいの穴を開け、その中に鉄鉱石もどきを入れ、上からキャンピングバーナーの炎を吹きかけて火をつけます。火がついたら、酸素ガスを吹きかけると白熱して、還元反応が起こるようです。冷えてから内容物を取り出し、磁石につけるとくっつくというものです。
酸素ガスを吹きかけて還元反応を起こすというのは、逆なような気がしますが、「純酸素吹き上げ炉」という溶鉱炉もあるそうです。ただ、ぴかぴか光る鉄のかたまりまでできないのは残念。まだ工夫の余地はありそうですが、この実験では一酸化炭素がでると思われますので、換気には注意が必要だということでした。
97A−133
差出人:山本 喜一
送信日:98年1月11日
宛 先:鬼塚 風間 四ケ浦 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:イオン交換皿
これも盛口さんの実験です。発泡スチロールのトレーを硫酸でスルホン化して、イオン交換樹脂ならぬ、イオン交換皿を作ろうというもの。まず、スチロールのトレーの底に縦横に細かくカッターで傷を付け、表面積を広げておきます。濃硫酸を沸騰水で湯煎しておき、それをこのトレーに少し流し込んで、スルホン化します。これは、数回繰り返します。トレーを水洗いし、その中にごく薄い硫酸銅水溶液を流します。Cu2+イオンをイオン交換しようというわけです。少しおいて、皿の中の硫酸銅水溶液をビーカーに戻しますと、青い色がちょっと薄くなっています。この皿を水洗いし、その水をとっておきます(これをAにします)。皿の中に希塩酸を少し入れ、イオン交換樹脂と結合したCu2+イオンを追い出します(この液をBとします)。A、B両方の液にアンモニア水を入れると、Bだけ青い銅の錯イオンが形成されるというわけです。
97A−134
差出人:杉山 美次
送信日:98年1月12日
宛 先:鬼塚 風間 四ケ浦 鈴木 野中 橋本 林 山本
件 名:神奈川化学塾の紹介
こんにちは、杉山です。なかなかメ−ルを発信できないのですが、内容を気にせず送ることにしました。また、グル−プで発信したので、全員に着いたどうか心配です。着いていたら、「着いたよ」の一言のメ−ルを送っていただければ幸いです。
まず、1996年の9月に神奈川作った、化学実験サ−クルの紹介を行います。サ−クルの名前は「神奈川化学塾」といいます。2月に1回例会をもっています。はじめから、毎回オリジナルの実験を集めるのは無理だとおもったので、盛口先生の「いきいき化学アイデア実験」の中から、幾つか実験を決め、追試者が、参加者に演示してみせることから始めました。「岐阜物理サ−クルのように、一応例会ごとに通信は出しています。また、盛口先生と町井さんの提案で、「いきいき化学アイデア実験」の改訂版づくりも行っています。とりあえず、「神奈川化学塾」の簡単な紹介と通信の最初の部分を載せます。
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| 神 奈 川 化 学 塾 に つ い て |
| |
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横浜市立南高校 杉山美次
1996年の夏、科学技術館での出展中に県内に化学の研究サ−クルを創ろうという
話が持上がり、夏休み後の9月1日に県立川崎南高校で準備会が持たれました。県
内の化学の教師数名が参加し、渋谷教育学園幕張高校の盛口 襄先生の協力を得て、
下記のことが決まりました。
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| 1、目的 |
| 学校の授業に役立つ、化学の実験や知識・理論の研鑽を深める。 |
| 2、参加の呼びかけ |
| 神奈川県内の高校の化学の教師を中心として、大学や中学の教師にも |
| 参加を呼びかける。 |
| 3、場所 |
| 神奈川県立川崎南高校とする。参加者の都合や話合いで、変ることも |
| ある。 |
| 4、日時 |
| ・2ケ月に1回程度とする。(将来的に、月1回をめざす。) |
| ・一応、第3土曜日、午後2時30分とする。 |
| *場合によって、変更することもある。 |
| 5、内容 |
| (1)実験 |
| 盛口先生の「いきいき化学アイデア実験」の中から、幾つか実験を |
| 決め、追試者が、参加者に演示してみせる。 |
| *その実験に関する他の実験の資料や、補足的な資料も用意する。 |
| (2)知識・理論 |
| レポ−タを1〜2人決め、(1)の実験の中の内容に関係する知識・理論 |
| の紹介をする。 |
| ★1年に3回ほど、盛口先生に例会に参加いただき、実験の質問等に答え |
| ていただくことをお願いしてあります。 |
| 6、事務局 |
| 神奈川県立川崎南高校 神崎 夏子 (学校) 044-322-4571 |
| 横浜市立南高校 杉山 美次 (学校) 045-822-1910 |
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◆ 活動内容の紹介(第8回の例会)
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| 日時 2月21日(土)午後 2時30分〜 |
| 内容 |
| 1.実験の追試 |
| ・材料から物質へ (町井) |
| ・試薬になる酸化剤 (杉山) |
| ・酢酸をもやす (若松) |
| ・燃焼と爆発 (若松) |
| ・テルミット (奥野) |
| ・インスタント・ソルベ− (日置)|
| |
| 2.その他 |
| |
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+--------------------------------------------------------------------------+
| 神 奈 川 化 学 塾 ニ ュ − ス |
| NO,7 |
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98.1.12 編集・発行 すぎやま
はやいもので、神奈川化学塾も。生まれてから1年と数ケ月が過ぎようとして
います。この間、私は何と多くを学んだことでしょう。いままで、授業実験を大
切にし、それなりに工夫してきたつもりでいましたが、化学の教科書にある単元
全部の実験なんて!・・、とても手が届きませんでした。それが、目前でどんど
ん進行していくのです。それも、受け身ではなく、いろいろな工夫やアイデアを
分かりやすく教えていただいたり、疑問に答えていただきながら!。まだまだ、
こんなにも知らないことがあったなんて!。ますます化学の魅力にとりつかれて
しまいます。
化学塾で、見聞きした実験や、自分が関係した実験を生徒達と行う時には、と
てもワクワクし、新鮮な気持ちになります。最近は、これまで、あまり手のでな
かった演示実験も気軽に行えるようになり、生徒の「何が起こるのかな?」、と
いう好奇心に、満ちた目がうれしくてなりません。あの目を私自信が持って、化
学塾での触れ合いを大切に、これからも‘好きでたまらない化学!?’を学んで
いこう、とはりきっきっていますので、よろしくお願い致します。
(神奈川県立川崎南高等学校 神崎夏子)
前 回 の 例 会 の 報 告
日 時:1997年12月9日(土)14:30〜
場 所:神奈川県立川崎南高校 化学実験室
参加者:神崎夏子(県立川崎南高校)、小沢 啓(鶴見養護)、上田 隆(川崎市立
川崎総合科学高校)、杉山美次(横浜市立南高校)、新井美佐子(横浜市立
横浜商業高校)、若松仁志(山手学院高校)、町井弘明(県立麻生高校)、
日置正春(県立氷取沢高校)、奥野浩一(日本大学高等学校)、平松茂樹
(慶応藤沢中・高校)
以上 10名
< 活 動 内 容 >
1.実験の追試
・インスタント重合 (杉山)
・カルメ焼 (町井)
・アメ玉偏光 (神崎)
・鉄の塩素化塩 (若松)
・窒化マグネシウムの簡単な製法 (平松)
2.その他
97A−135
差出人:山本 喜一
送信日:98年1月12日
宛 先:鬼塚 風間 四ケ浦 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:NO2濃度測定について
こんばんは、山本です。今日は、四ヶ浦さんからの質問について、メールを送ります。参考にした本は次の通りです。
化学実験テキスト研究会編:図解・化学実験シリーズ5 環境化学,産業図書(1993)
この本の、該当のページをスキャナで読んで添付しましたので、目を通してみて下さい。標準溶液の作り方も、出ています。それから、ポンプですが、私は釣り道具屋で、ナショナルの「PANA AIR WS」商品番号「BH−709」という乾電池式のポンプを見つけて、使っています。このポンプには、空気吸入口がついていますので、それを利用しています。
なお、NO2濃度の正式な測定法については、次の文献に出ています。
日本規格協会編:JISハンドブック環境測定,日本規格協会(1995)
今日、うちの学校の地学の先生が、生徒の課題研究用に買ったNO2検知管で、職員室の空気を調べました。石油ストーブから出てくる空気は、NO2が何と7.5ppm。ストーブから2〜3m離れたところでも5ppmという値が出ました。これが本当なら、環境基準の100〜200倍の汚染になります。今度、私の方法でも測ってみようと思っています。
なお、今回初めて、添付ファイルという形で、画像ファイルを送ります。うまく行ってないようでしたら、メールを下さい。また、ニフティの方々には、添付ファイルが届くのかどうか分かりません。もし、届かないようでしたら、遠慮なくメールを送って下さい。
(ファイルは省略)
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