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97A−106
差出人:山本 喜一
送信日:97年12月4日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:岩田先生の授業「ごみ問題を考える」(2)
こんばんは、山本です。
前回に引き続き、岩田先生の環境教育の授業についてメールを送ります。この前は、先生の授業の内容と、授業スタイルでしたが、今回はごみ問題を授業するに当たり、先生がどのような問題意識を持っていたのかをレポートの中から引用します。
<引用開始>
この「ごみ問題を考える」授業は二つの問題意識を基盤としている。一つは、学びが子供・若者の将来展望を持つための過程と見るならば、環境教育では、環境問題の実体をとらえるだけでなく、「良質の環境を享受し、またその実現のために行使する」権利としての環境権を自覚することが重要な意味を持っているのではなかろうかということである。
第2は、「ごみ問題は第二の公害問題である」という問題意識である。かっての公害と変わらぬ点とは、責任が基本的にはごみ発生源である企業と、法の不備を放置していることや、適切な指導と監督を怠った行政当局にあるということである。新たな問題とは、発生源と被害者との間にごみ処理業者やゴミ焼却や処分を担当している自治体と消費者が介在していることと、発生源では当初有用物の生産の形を取りながら、消費者を含む介在書の手を経由して有害となっていることである。そのために、発生源のみならず介在者の責任も問題となっている。
<引用終わり>
第一の点としては、環境教育をやって、生徒に暗い展望を持たせてはいけない。「学ぶ」とは希望を与えることだという先生の考えがでています。そして、ごみ問題で希望を与えるためには、環境権を自覚させるということが重要だといっています。
第二の点では、「ごみ問題」はややもすれば、ごみを処分する業者やそれを監督する自治体の責任、あるいは使い捨てにしている消費者の責任ばかりがいわれがちですが、そもそも無用になって廃棄されれば有害物に変身するようなものを生産している企業にも責任があるというものです。そうした上で、消費者は自分の生活のあり方を見直すと共に、環境権を持つものとして、生産活動や経済を問い直す視点を持つべきだという文が続いています。
こういう問題意識にたって、授業は次のように組み立てられています。
<引用開始>
授業は、生徒たち自身が自分の力で学び取っていけるように、次のような形態をとった。
A.雑誌・新聞の記事や資料の文章を読み、テレビ番組・ビデオ録画を見ながら、ごみ問題の環境問題としての特徴を正確に捉える。
B.それぞれの問題について、自分の考えを明確にする。
C.以上は、感想文やレポートに書くことによって表現する。
D.提出されたレポート・感想文の中から、互いに異なるものを選んで印刷して、生徒全員に配布する。そのことを通じて生徒各自が自分のとらえ方や考え方を見直す。
E.主要事項の学習や最終まとめに当たっては、班討論をし、その結果を印刷して生徒全員に配布し、2度目の見直しをする。
A.B.で、生徒一人一人が、さまざまな媒体を通じてではあるが、とらえた事実からこれまで持っていたごみ問題についての自分のとらえ方、考え方を問い直すようにし、Cではそれを客体化し他の生徒のこの問題について考えるための対象化の意味を持つ。Dで他の生徒のとらえ方・考え方との対決から第2の問い直しをする。Eでさらにそれを積み上げていくというように授業を組んだ。授業者は問題の整理だけは行い、総括や結論の導きだしはさけた。
このような授業形態においては、テーマや提供する資料がどれだけリアリティを持って生徒に迫るかということ、言い換えれば生徒たちにとってどれだけ重要で具体的であるかということ、どれだけ自分の問題としてとらえられるかということと、生徒たちの社会正義意識がよりどころとなる。
<引用終わり>
これは理科の授業ではなく、社会科の授業ではないかという気もしてきますが、先生のごみ問題をとらえる視点や生徒に与える資料を選ぶ視点(生徒にとって具体的であり、自分の問題としてとらえられるような資料を選ぶ)には、学ぶものが多いと思っています。私は、ダイオキシンについてその構造や毒性、発生源、汚染状況、対策などを三枚のプリントにまとめて、今日、授業しました。一方的に説明する授業しかできなかったのですが、生徒たちには「具体的で、身近で、自分たちの問題」と思われたせいか、良く聞いてくれました。後で、その資料をアルケ通信で送るつもりです。
では、また。
97A−107
差出人:山本 喜一
送信日:97年12月5日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:サケの受精卵
こんばんは、山本です。
私の学校の生物の先生は今の時期になると、毎年サケの受精卵をもらってきて、生物を選択している生徒に一つずつ配っています。そして、それぞれの家で孵化させ、魚の形になるまで成長させたら、再び学校の水槽に集め、しばらく飼育して大きくした後、川に放流しています。今年も、「ちゃんと孵化させたら赤点を解消してあげるよ」とか何とかいいながら、今日、生徒に配っていました。
コップの中でも、カルキのある水道水さえ使わなければ、孵化できると聞いて、私も一つもらってきました。500mlのペットボトルにうちの井戸水を半分ほど入れ、その中に受精卵を入れてみました。受精卵は、もうすでに黒い目が二つあります。これからしばらく、家に帰っては受精卵の成長を見るのが楽しみになりました。
似たような試みは、あちこちで行われているようですが、なかなか楽しいですね。
では、また。
97A−108
差出人:林 正幸
送信日:97年12月6日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 野中 橋本 山本
件 名:「奪われし未来」を読んで
こんばんは、林です。
以下は「奪われし未来」を読んでの簡単な感想です。
本屋がなかなか注文の本を持って来ないので、「奪われし未来」(シーア・コルボーンら著、翔泳社)を入手したのは11月の終わりだった。幸い試験が始まって時間がとれ、ほぼ一気に読んでしまった。この本はそうさせるだけのインパクトと面白さを備えていた。1章で述べられるいくつもの深刻な事例は、2章以下で次第にその原因が解明されていく。「はじめに」にもあるように、これは推理小説のようである。そしてもちろん優れた科学書でもある。
この50年間に人類が合成し地球上に散逸させた、、DDT、PCB、ダイオキシンを始めとする多量の合成化学物質は、時を経て動物の体脂肪に、そして他ならぬ私たちの体に、生物濃縮という自然の摂理に従って回収されて来ている。そして分解しにくいこれらの物質は、母乳を通して世代から世代へ引き継がれていく・・・・・。
生物濃縮そのものは、30年前に読んだレイチェル・カーソンの「沈黙の春」でその意味を思い知らされていた。ところがこの本が人類に警鐘していることはもっと深刻である。「これまで合成化学物質の危険性はその発がん性に目を奪われていた」と著者は言う。しかし自然は、傲慢な人類に対してさらに微妙な摂理を隠していた。「生物のホルモンバランス(内分泌系)を撹乱する」のである。いくつもの合成化学物質が疑似ホルモンなどとして作用する。たとえば女性ホルモンのエストロゲンの代わりを務める。また間接的に男性ホルモンのテストステロンのはたらきを撹乱する。
人類を始め多くの動物は本源的には女性(メス)だそうである。いくらY染色体を受け取った受精卵でも、そのままでは女性として発育してしまう。そのコースを変更するのは、胎児期のある「瞬間」にY染色体が形づくった精巣がわずかに分泌する男性ホルモンである。これが引き金となって他の内分泌系が刺激されて男性の体ができていく。そのホルモン濃度はppm、ppbを越えてpptつまり1兆分の1の世界である。そこにある種の合成化学物質がごく微量でも存在すると、その個体は間性(両方の性を兼ね備えた状態)や不妊の女性、あるいは不能の男性として誕生してしまう。
あるいはまた、PCBなどの体内濃度が高い女性から生まれた子どもたちが、そうでない子どもたちに比べて多動症、注意散漫、過剰反応といった精神障害を持っているという事例も紹介されている。しかもこれらの事例はホルモンバランスを撹乱するほんの一部に過ぎない。多くの合成化学物質についての研究はほとんど手つかずの状態にあるという。
「人類に未来はあるのか」。この問いかけそのものがすでに遅すぎるかもしれない。私たちの化学はいったい人類に向けて何をしてしまったのか。そして私たちの化学教育にも重大な欠陥があったのではないか。私自身について言うと、私はかって公害問題に取り組み、授業でもその問題性や汚染調査や防止対策について取り上げてきた。にも拘らずこの「奪われし未来」は私に問いただす。「それで十分だったのか」。
シーア・コルボーンらは1991年にウイングスプレッドで会議を開いた。その主旨は
・環境に蔓延している内分泌系撹乱物質の危険性を学際的な視点で評価する
・既存のデータから確固とした結論を導く
・未解決の問題を解明するための研究計画を練り上げる
ことである。そしてその成果を「宣言」として発表した。これは科学者としてのあるべき姿をシンボライズしている。
しかし同時に彼らは14章で言う。「地球には、将来の青写真もなければ、使用説明書も付いていない」。科学者はといえば、操縦席にいて「危険な障害物はないか」と常にハラハラしているのが実情だ。彼らから返ってくる言葉は「前方にかすかに見える黒いかたまりは、雲の堤かもしれない。いやまてよ、山かもしれないぞ。」という程度のものだ。科学もまた万能ではあり得ない。人類にとって何よりも大切なことは「いかに知識が豊かになろうとも、知らないことはまだまだたくさんあると悟る知恵」を抱いて生きていくことであろう・・・・・。
以上です。ではまた。
97A−109
差出人:鬼塚 公志
送信日:97年12月7日
宛 先:風間 杉山 鈴木 野中 橋本 林 山本
件 名:「奪われし未来」私も読みました
こんにちは、鬼塚です。
みなさん「奪われし未来」を読まれているようですが、私も野中さんが紹介されて読んでみました。
この本を読んで人類に未来はあるのだろうかと思いました。PCB、DDT、ダイオキシンは、まとまった研究データが揃っているだけで、これら以外にもあまり研究されていないホルモン撹乱物質があります。これからも新薬や新物質などが開発されてくるでしょうが、それらが人体に危険はないのだろうか。PCBやDDTなどは開発された当初は「安定した構造の不可燃性物質」「奇跡の殺虫剤」としてもてはやされたが、後にこれらがホルモン撹乱を行い子孫にとんでもない打撃を与えています。フロンにしてもそうですが、新しい物質が開発されても最初は長所ばかりがクローズアップされ、その物質が全世界に蔓延した頃短所がでてきて取り返しもつかないことになっています。
これからの時代は、新物質の開発は控え、日頃使う物質は数種類に限定すべきではないかと思います。これはリサイクルにもつながります。使用される化合物も数種類に限定されれば、回収・再利用もしやすい。また、何なのかわかるので扱いやすいこともあります。ただ、ポリ塩化ビニルは廃止すべきでしょう。生産コストが安いということで水道管、卵パック、ビニールテープなどに使用されてきましたが、燃やすとダイオキシンの発生の原因にもなります。
またこの本に、「ポリスチレンやポリ塩化ビニルの酸化防止剤として添加されているノニフェノールはホルモン撹乱物質である。」と書かれていました。私たちの身のまわりには知らない間に摂取しているホルモン撹乱物質が数多くあり、それも企業秘密ということで教えられていません。何が安全で何が危険なのかは月日がたたないとわかりません。「自然に帰れ」ではないですが、私たちは極力化学物質を人体に取り込まないような努力を怠らないようにすべきなのでしょうか。
ホルモン撹乱物質によって産まれる子供は、「オスはメス化」「メスはオス化」するとありますが、最近の男子生徒が男らしくなくなったのはホルモン撹乱物質のせいなんでしょうか?
97A−110
差出人:鬼塚 公志
送信日:97年12月8日
宛 先:風間 杉山 鈴木 野中 橋本 林 山本
件 名:カーバイドロケットは3度爆発する
こんにちは、鬼塚です。
こんなへんな実験を考えてみました。みなさんのご意見をお願いします。
《前準備》
1.ペットボトルのフタにキリなどで直径5mmぐらいの穴をあける。プラスチックは取っておく。
2.カーバイドを金槌で細かく砕いておく。
《ペットボトルで大砲をつくる》
3.ペットボトルに小さじ1杯(5g)のカーバイドを加える。
4.水を50mlほど加えて、7号ゴム栓を軽くしたらよく振る。
※ ペットボトルが乾燥していなかったら3、4を入れ替えてもよい。
5. 飛ばしたい方向に向け、20秒もするとゴム栓が飛び出す。(1回目の爆発)
※ きつくゴム栓をしておくと10mほど飛ぶ。
※ このときに飛ばなくても軽くゴム栓をゆるめると飛び出す。
6.ゴム栓が飛んだらひっくり返して、中の液体をビーカーに捨てる。
※ ビーカーに赤リトマスを入れると青くなる。
7.ペットボトルに風船をつけて、横に置き半分以上つぶして風船を取り除き、風船はしっかり結ぶ。ペットボトルは元の形に戻す。(この作業は中に空気を入れるためである)。
8.風船を長い棒にくくりつけて、火のついたロウソクにかざすと黒い煙を出して風船は爆発する。(2回目の爆発)
9.穴のあいたフタをペットボトルにつけ、この穴に火を近づけると「シュー」という音と赤い炎と黒煙を出してペットボトルが飛ぶ。うまくいくと5mほど飛ぶ。(3回目の爆発)
ここで、うまくいかないのは、ペットボトルが思ったほど飛ばないことです。
C2H2+5/2O2 →2CO2+H2O
この反応式からも分かるように純粋な酸素との混合比は1:2.5ですようね。空気とは1:6ぐらいでしょうか。混合比でなかったら、カーバイドの爆発力はプロパンやアルコールなどより弱いのでしょうか。もし知っておられる方がおられましたらお教え下さい。
97A−111
差出人:山本 喜一
送信日:97年12月8日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:「奪われし未来」そして「生殖異変」
こんばんは、山本です。
私も「奪われし未来」を半月ほど前に読み終えました。そして、林さんと同じような感想を持っています。
この本を読む前は、ダイオキシンなどが環境ホルモンとしてはたらいて、精子を減少させたり、子宮内膜症を起こすなどして、不妊の原因を作るという知識はありました。しかし、胎児にはたらきかけて生殖器官に奇形を起こすということは知りませんでした。XとYの染色体を持っている胎児は、自動的に男になるのだと思っていたのですが、母親の体の中にいるある時期にホルモンバランスが崩れると、男の体にはなれないというのです。ダイオキシンなどの環境ホルモンは、母体から胎盤を通して胎児に移行するといわれていますので、今後生まれてくる人間に、そういう影響がないとはいえないでしょう。事実、フロリダ半島のワニの場合は、DDTがそういう働きをして、生まれてくる雄ワニのペニスが異常に小さい個体が85%いるようです。この話は、NHKスペシャル「生殖異変」で知りました。
「生殖異変」は11月21日に放送された番組で、見た人も多いと思います。私はちょうどそのころ「奪われし未来」を読み終えてショックを受けていたときでしたので、この番組を見てさらに落ち込んでしまいました。特に衝撃的だったのは、イボニシという巻き貝です。日本全国の海97カ所中94カ所で、すべての雌にペニスが生えているのです。自然が豊かだと思っていた知床の海でも、イボニシは奇形なのです。調査した国立環境研究所の堀口さんは「もう手遅れだ」といっていました。これは、船底に塗料として使う有機スズが原因ですが、他にもたくさんの環境ホルモンがあります。というより、何万もの化学物資のどれが環境ホルモンとしてはたらくのか、分からないのが現状です。アメリカでは、一つ一つの化学物質が環境ホルモンとしてはたらくかどうかの調査が始まるそうです。とにかく、いますぐ調査して、規制していかないと、とんでもないことになるという気がしてなりません。
林さんも、自分の授業がそれで良かったのかと問い返していますが、私も同じです。数年前までは、少なくとも生徒に水俣病のプリントを読ませて映画も見せ、うまくはいかなかったけれども公害の授業は組んでいました。しかし、そんな授業はしんどくなってきて、物質のおもしろさを追いかける方向に重点を置いてしまいました。もっとやるべきことは、あったはずだった・・・。
環境ホルモンの話題については、まだまだショックから立ち直れず、自分の気持ちの整理がついていません。このメールもやはり、まとまった文章にはなりませんでした。ただ、10年先20年先になって、子供の産まれない夫婦ばかりが目立つような世の中になったり、男になりきれない男の子が大勢産まれて「もう手遅れだ」などと口走ることがないように、今できることは何かを考えたいと思っています。
では、また。
97A−112
差出人:鬼塚 公志
送信日:97年12月10日
宛 先:風間 杉山 鈴木 野中 橋本 林 山本
件 名:ロケットの教材化
こんにちは、鬼塚です。
バブロケットなどがありますが、これを他にも家庭にあるものでできないかと思い「ベーキングパウダーロケット」を考えました。なかなかおもしろいので酸・塩基の所でも使えるのではないかと思っています。先日生徒にさせたら、しらけたクラスもありましたが、ほとんどのクラスは面白がってしていました。
1.フイルムケースにベーキングパウダーを小さじ1杯入れる。
2.サンポールをひとかけする。(3mlほど)
3.フタをして良く振ったら逆さまにして発射台に入れて離れる。
※ 発射台に入れる前によく振ると発射が早くなる。
4.20〜30秒すると「ポン」と音を立ててフイルムケースが4〜5mほど飛びあがる。
ベーキングパウダーがなくなったので炭酸水素ナトリウムを使いましたが、ベーキングパウダーの時と同量でやったのが間違いのもとで、振っている途中で破裂し、全身に炭酸水素ナトリウムとサンポールを浴びてしまう結果になってしまいました。炭酸水素ナトリウムの量は小さじ半分ほどで、しかも振らずに使用することがポイントのようです。白い粉が付いて、服を洗ったり、顔を洗うのが大変でした。材料を混ぜてフタをしたら250mlのメスシリンダーに入れると、机の上の掃除がこのあと楽です。
これ以外に、大理石をすりつぶして使用してもできました。
食酢を使うと後の臭いが大変でした。
なかなか面白かったので皆さんも試してみて下さい。
97A−113
差出人:林 正幸
送信日:97年12月14日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 野中 橋本 山本
件 名:ボトルロケットと紙コップロケットなど
こんばんは、林です。
鬼塚さんがロケットについて書いています。これは生徒を引きつける有効な手段になりますよね。愛知では物理で水ロケットに凝っている人がいますが、化学でもいくつか交流されています。
もう5、6年も前ですがサークルで、1.5lのペットボトルを利用したロケットを取り上げたことがありました。エタノールで内壁を濡らした後、余分なエタノールを注ぎ出し、「適当」に簡易ボンベで酸素を吹き込みます。ボトルには簡単な翼を付け、電気火花で点火できるようにしたゴムせんをして、ゴムせんをスタンドに固定すると、15mほど打ち上げることができました。またキャップに5mmほどの穴を開けておいて、斜めの発射台で割りばしの火を差し入れると、火を噴いて実験室の後の黒板にぶつかります。しかしこれは酸素を入れすぎるとその場で破裂(爆発と言うべきかもしれない)したりして危険です。ある先生はブタンガスと酸素を使い、学校中を揺るがす大音響を轟かせて、校長から注意と、そして激励を受けました。酸素を使う場合は十分な予備実験が必要です。
今年の始めでしたか「二度おいしい実験」が話題になりました。、1.5lのペットボトルをエタノールで濡らして、まずガラス管などの付いたゴムせんをして空気を入れて破裂させて、断熱膨張による「雲」を作って見せます。その後マッチで点火すると廊下を10mほど走ります。サークルで試したところ、これもいくつか条件があるようです。しかし空気を使いますので、失敗はうまく発射できないことになります。
350mlアルミ缶の横に1cmほどの穴を開け、これにヘアスプレーを少し吹き込んで紙コップを被せ、穴から点火するとポンとコップが飛び上がります。これも改良(改悪?)した人がいて、缶に電気火花の点火装置を仕組み、酸素を吹き込んでおいてから続いてヘアスプレーをひと吹きすると、大きな音と共にコップが教室の天井に激しくぶつかります。危険のためポリコップは使っていけません。私もしばらく前に、酸素が多すぎたのか耳にキーンという音が残る大爆発となり、コップはその場で破れて飛び上がらないことがありました。注意していください。
鬼塚さんの「三度爆発する」カーバイドロケットですが、アセチレンと酸素の混合比が1対2.5ですから、アセチレンと空気の最適混合比は1対12.5になるはずです。しかしアセチレンと空気の混合気体は、その爆発音からするとそんなに大きな推進力をっもっていないと思います、ただし、空気を酸素に置き換えることは大きな容器では厳禁です。
それから発生した気体の圧力によるロケットも面白いです。安全性を工夫すれば、生徒実験にできますね。たとえば、フィルムケースのふたに発泡スチロールを削った小さなロケットを接着したりするのはどうでしょうか。もちろん、ケースの中の化学反応に関心を持たせる糸口にしたいのですが・・・・・。
ロケットといえば、盛口さんの「火の玉ロケット」もありますね。これは粉じん爆発ですが、皆さんがよく知っているはずです。
ではまた。
97A−114
差出人:林 正幸
送信日:97年12月14日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 野中 橋本 山本
件 名:「ヨウ化窒素」についての問い合わせ
こんばんは、林です。
下のようなメールが来ました。だれか情報をお持ちの方はお知らせください。なお彼のメールアドレスは次のようです。
u6093@atson.iwa.hokkyodai.ac.jp
<引用>
はじめまして。ホームページ上での実験例など、とてもおもしろいです。
申し遅れましたが、僕は教育大学で化学を専攻している学生です。
ところで、最近ある本で、ヨウ化窒素の実験を知り、早速実験してみました。
すでに御存知かもしれませんが、ヨウ化窒素という物質は、不安定で
少し触っただけでも爆発してしまいます。
作り方は、ヨウソ5グラムとヨウ化カリウム3グラムを水50グラムにとかし、
それに、濃アンモニア水を、沈殿がそれ以上できなくなるまで加えます。
そしてこの液をろ過して、沈殿物を適当な紙(濾紙など)に塗り、かわかします。
かわいてから、棒などで、たたくと、爆発します。
本の内容は、ここまでで、なぜ爆発するのか分かりません。
化学辞典などで、しらべてみると、ヨウ化窒素は2つ以上のアンモニアを
もっていて、とても不安定であるとしか載っていません。
もし、この爆発のしくみか何か、御存じでしたら、
お手数ですが、おしえてください。
<以上>
97A−115
差出人:鬼塚 公志
送信日:97年12月16日
宛 先:風間 杉山 鈴木 野中 橋本 林 山本
件 名:ヨウ化チッ素について
こんにちは、鬼塚です。
「実験による化学への招待」丸善株式会社 日本化学会訳編 には次のように書かれています。
ヨウ素は水に溶けにくい物質で、ヨウ化カリウムの水溶液にはヨウ素は容易に溶ける。
I2 + KI → K+ + I3-
ヨウ素とアンモニア水から暗褐色のヨウ化チッ素ができる。ヨウ化チッ素はNI3・NH3の化学式で表される。この化合物は衝撃を加えると激しい分解反応を起こし、紫色の煙を生じる。
8NH3・NI3(固) → 5N2(気) + 6NH4I(固) + 9I2(気)
爆発するとチッ素(N2)とヨウ化水素(HI)あるいはヨウ素(I2)を生じる。爆発の時に発生する煙はヨウ素である。
NH3・NI3がかなり不安定な化合物のために、爆発するのではないでしょうか。
97A−116
差出人:鬼塚 公志
送信日:97年12月16日
宛 先:風間 杉山 鈴木 野中 橋本 林 山本
件 名:薬品の分類について
こんにちは、鬼塚です。
今日から本校は本格的な移転作業が始まりました。今日、移転のために収納しながら薬品を調べていたら先日山本さんにお手数をおかけした「ニトロベンゼン」が出てきました。鍵がどこにあるか分からなかったので、鍵屋さんをよんで「開かずの金庫」を開けてもらいました。その中から有機化合物の薬品が多数出てきました。
新校舎は、生涯学習のための講座を開く関係で「商業系」「芸術系」の部屋を大きめに作った関係で理科の部屋は物理地学教室、生物化学教室があり、準備室はひとつしかありません。そこでわがままをいって倉庫をひとつ頂いた所です。物理関係の計器類は物理地学教室と倉庫に入れることになり、薬品は準備室内の薬品庫に入れることになりました。
そこでみなさんに質問があります。薬品の分類についてお教え下さい。酸とアルカリを分けること以外にどのようなことに注意したらいいのか。
ちなみに薬品は全部で300本ほどです。収納に使えるのは劇毒物用の金庫、全部で200本ほど入るステンレスの薬品庫1つ、90×150cmの書類の収納に使っていたステンレスのガラス戸付き戸棚2つ、薬品庫以外にはいままで使用していた木製の戸棚が準備室にはいることになります。
なお、薬品の分類収納は冬休みに行います。宜しくお願いします。
97A−117
差出人:山本 喜一
送信日:97年12月16日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 野中 橋本 林
件 名:薬品の分類について
こんばんは、山本です。
うちの学校では、化学準備室に大きな薬品庫(薬品部屋)があって、そこにすべての薬品をしまっています。並べる順番は、五十音順にしました。いわゆる「アイウエオ順」です。これは、昔アルケのメンバーだった鈴木厚先生に聞いた順番なのですが、誰にでもわかりやすく、しかも「塩化物」とか「硝酸塩」とかが同じところに集まる方法です。実験の準備は助手さんにお願いすることが多いのですが、必ずしも理科系の人ばかりが着任するわけではないので、そのことも考えてこうしました。
でも、これでは劇物や毒物は別にはなりませんね。しかし、それ専用の薬品庫もうちにはないので、気にしないことにしてます。また、もし倒れて反応し、発火したり、有毒ガスを出すようなものどうしを近くに置くなとも言われていますが、それもあまり考慮していません。ちょっとした対策としては、大きさ30×40cmくらいのプラスチックの箱をたくさん(約100個)買ってもらって、その中に薬品を小分けにして入れて、それを並べるようにしていることです。地震で倒れても、箱の中で割れるのなら被害が小さくなるのではないかと思って。
もっと良い方法があったら教えて下さい。
では、また。
97A−118
差出人:野中 直彦
送信日:97年12月23日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 橋本 林 山本
件 名:奪われし未来をよんで
私は、やっとのことで読み終えることができました。
感想の1つは、みなさんがいっているように性分化とその鍵をにぎるホルモンのことです。もともと、体はメスであったものが、ホルモンの力でオスに変わっていくのです。
2つめはサリドマイド。サリドマイドは妊婦の精神安定剤+つわり抑制剤として使われた。子宮内でサリドマイドに浸潤した子どもがすべて奇形ではなかった。量ではなく、服用した時期が問題であった。胎児の四肢の成長する妊娠5週間目から8週間目に服用すると、このサリドマイドが成長を阻害する物質として働いてしまうのです。「すべては時期次第」の言葉。人間も含めた生物は、微妙なホルモンバランスの中で生きているんだなと感じさせられました。日本での認可されるのではないかという「経口ピル」は果たして大丈夫かと不安になります。
3つめは膨大な合成化学物質の量。10万種類を超えて、毎年1000種類追加される。デザインテックが、織物の染色・加工に使用される7500種類の化学物質から、安全性を確認した物質は34種類であったという。プラスチックでは、フタレ−トやアルキルフェノールやポリエトキシレ−トが擬似ホルモンになるという。DDT、クロルダン、リンダン、アルドリン、ジエルドリン、トキサフェノン、ヘプタクロル、ダイオキシン、PCB。ノニルフェノールやビスフェノールは注意しなくてはいけない。
確かに発癌性だけにとらわれていてはいけないことはわかったのですが、やっぱり暗くなるばかりで明るさ、見通しがでないのはなんともしかたがないのかと思ってしまいます。
97A−119
差出人:野中 直彦
送信日:97年12月23日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 橋本 林 山本
件 名:プレ通信12月号は延期
プレ通信12月号はもうしばらくお待ちください。
何かと忙しくて(いいわけ)、学年主任として精神的・肉体的に疲れています。冬休み中にリフレッシュしてなんとか発行します。
今回の「奪われし未来」のみなさんの感想を載せたいと思っています。発送は1月の15日前のぎりぎりになりそうです。
よろしくお願いします。
97A−120
差出人:林 正幸
送信日:97年12月10日
宛 先:鬼塚 風間 杉山 鈴木 野中 橋本 山本
件 名:野中さん、ご苦労様。
こんばんは、林です。
野中さん、学年主任をやりながらのアルケ事務局、ご苦労様です。私はと言えば、現在は比較的ゆとりがある生活をしています。すでに書いたと思いますが、これまでの心臓病に加えて、今年はどうやら「ぜんそく」まで背負い込んでしまったようです。つまりゆとりが必要な体であるというわけです。しかしやりたいことはしぶとく追及しています。この暮れには、盛口さんからの誘いもあって、房総半島の先端で行われる「安房科学塾」に参加することにしまいた。
さてプレ通信に「奪われし未来」の感想を載せるとのことですが、よかったら「アルケのホームページ」の「メーリングリスト」の該当部分を利用してください。範囲を指定(リバース)してコピー(クリップ)し、準備しておいたテキストファイルに貼り付け(ペースト)れば、あとはどうにでも料理できます。関係するメールは次の6つです。
番号 送信日 差出人 件 名
97A-082 97.11. 3 山本 喜一 「奪われし未来」を読んでいます
084 97.11. 5 野中 直彦 奪われし未来
108 97.12. 6 林 正幸 「奪われし未来」を読んで
109 97.12. 7 鬼塚 公志 「奪われし未来」私も読みました
111 97.12. 8 山本 喜一 「奪われし未来」そして「生殖異変」
118 97.12.23 野中 直彦 奪われし未来を読んで
今度のアルケ通信には、前回同様に「アルケのメーリングリスト」の続きを送ります。ただし以上6つのメールは省略します。それから、最近自分のホームページに掲載した実験も送ります。あとは「MOLの会通信97ー9号」です。
ではまた。
ひとつ先のメール(97A−121)に進む。
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