差出人:山本 喜一
送信日:97年5月10日
宛 先:鬼塚 野中 林
件 名:赤ワインを黒ワインに
こんばんは、山本です。
鬼塚さん、メール、私にも届きました。ホームページを開いているんですね。今度、ゆっくり受信して、中身を読ませていただきます。
ところで、今年も、ワインの蒸留をやったのですが、多くの生徒が「ワインの赤い色は、ずっと蒸留を続けているとどうなるんですか」という質問を、レポートに書いてきました。この質問、毎年あるので、今年も、「赤い色は、赤い色素があるからですが、その色素は蒸発しにくいので、残ります。もし、水分がなく
なるほど蒸留を続ければ、ひからびて、熱分解し、焦げてしまうでしょう」というコメントを、赤ペンで、書きました。書きながら、ふと、「色素はアントシアンだよな」、と思ったとき、「そうならば、ワインをアルカリ性にすれば、色が変わるのでは?」と、考えました。「ひょっとすると、青くなるかもしれない。
そうしたら、青ワインだ。それを酸性にすると、また、赤ワインに戻ったりして・・・。」と思って、さっそく実験してみました。赤ワインをビーカーに取り、水酸化ナトリウム水溶液を入れると・・・、思った通り、色が変わりました。でも、青ではありません。黒っぽい色で、薄めると、茶色いような、緑色のような複雑な色です。酸を加えると、元の赤ワインに戻ります。アントシアンが、ワインを熟成させている間に変化しているのでしょうか。アルカリ性にしたときの色は、今までに見たことのない色でした。
とにかく、アルカリ性で、赤ワインの色が変わるので、授業では、レポートを返しながら、ワインをアルカリ性にしたり、酸性に戻したりして、色が変わる様子を、生徒に見せました。そして、「リトマス試験紙の成分と、ブドウの色素は、同じようなものなんだね」と説明しておきました。
ブランデーを作るとき、ぶどう酒を蒸留しますが、留出液にアントシアンが入るわけはありませんよね。ブランデーのあの色は、熟成させるときの、樫の木の樽から溶けだした成分の色だと、同僚の化学の先生が言っていました。だったら、ブランデーは酸・塩基で色が変わらないはずですよね。でも、まだ、試していません。ブランデーが家にないもんで。