差出人:山本 喜一
送信日:97年4月20日
宛 先:野中 林
件 名:教えるに値する化学は?

こんばんは、山本です。
 「教えるに値する化学教育を求めよう」という野中さんの気持ちは、私も同じです。今年も授業が始まったのですが、化学1Bはこれからアルコール風船、食塩の液体、液体窒素、ワインの蒸留などをやる予定です。それら一つ一つは今の生徒にも歓迎され、生き生きと目を輝かせて実験に取り組んでくれるのですが、 授業する私自身は正直言って飽きています。これらの教材と出会ったときは、こういうことが「教えるに値する化学だ」と思ったのですが、今は、もう少し視点を変えられないかと思っています。でも、他の授業が思い浮かばないのです。要するに自分の授業の殻を破れない・・・。
 化学の授業論については、生活単元学習に対する系統的学習論、それに対する林先生の「楽しい化学」、あるいは物質そのもののおもしろさを物質で教えようと言う姿勢(アルケに多い)、そして公害教育を視点に入れた、いわば社会派、などいろいろなものがあります。私は、もののおもしろさを、もので教えようと いう考えで、授業を作ってきたつもりですが、それだけでは化学を教えている意味が薄いような気がしてきました。何とか他の角度から授業を作り直したいとっているのです。今、おぼろげながら思っているのは、「化学が社会にどんな影響を与えているのか」という視点、あるいは「幸せになるための化学」を取り入れたいということです。環境を壊している筆頭にあげられている化学ですが、ものの有害性を学ぶのも化学でしょう。問題になっているダイオキシン、放射能(再処理工場の事故)、大気汚染物質、水質汚染物質などの正しい知識を教え、「幸せに生きるにはどうしたらよいか」を考えさせたいと思っています。ただ、これらのテーマにはおもしろい実験があるわけでもなく、どうしてもお話授業になり、また、何が正しい知識なのかも見極めにくいので、しんどい取り組みになりそうですが。野中さん、林さん、今年はどんなことを考えて授業を始めてますか。良かったら聞かせてください。

#食塩水中のマグネシウムについて
 鉄とマグネシウムを接触させて、食塩水につけたら、盛んに泡を出して反応したと言うことを書きましたが、他の溶液ではどうかと思って、昨日実験しました。その結果、硫酸ナトリウム水溶液ではほとんど泡がでず、塩化カルシウムや塩化カリウム水溶液では食塩水と同じように泡を出すことが分かりました。どうも塩化物イオンがマグネシウムを反応させる触媒になっているようです。鉄のさびも、塩化物イオンが触媒になると聞いていますので、同じなのでしょうか。では、亜鉛や錫などのさびも塩化物イオンが触媒になるのでしょうか。また、ハロゲンの仲間であるフッ化物イオンやヨウ化物イオンはさびの触媒になるのでしょうか。これも実験したいと思っています。