差出人:林 正幸
送信日:97年4月11日
宛 先:野中 山本
件 名:電池の内部抵抗について
こんばんは、林です。
電子メールを利用した電気化学の交流は面白いですね。そして山本さんの提案のように、3人が了解しあえればこの内容をアルケ通信の資料にすることができます(山本さん、野中さん、構いませんか?)。さらにできれば、ホームページにも掲載したいと思います。もっともそこまで意識してメールを書いていない面があるかもしれませんので、こちらは編集が必要になると思います。
さて、順番からすると山本さんの2回目のメール(2通)に返事を出すべきですが、先に今回の「ボルタの電池の水素過電圧について」の方に対して簡単にコメントをします。
電池は電流を取り出すほどに電圧が降下しますが、その主な原因は電池の内部抵抗です(とくに実用電池の場合)。電池に豆電球をつなぐと、ひとつの閉回路ができます。電池が持っている起電力は、豆電球の抵抗でE=IRだけ電圧降下すると同時に、内部抵抗によっても電圧降下します。つまり電流が流れれば流れるほど、電池の外部に対する起電力は低下していくのです。内部抵抗は主に電解質イオンの導電性によって生じます。
さてボルタの電池ではもちろん水素過電圧も起電力を低下させます。ところでこれは電極反応の起こりやすさ(反応速度)のうち、水素イオンの放電反応の起こりやすさを電圧仕立てで表現したものではないでしょうか。つまり言いたいのは、電流を流しているときの電池の起電力は2つの電極反応の速度に依存していると言うことです。そして電流をどんどん小さくしていくと(電流が小さくなると反応速度の計算式も変化する)、やがてそれは酸化還元電位の差になっていくのです。
話は変わって、最近香港の日本人高校生から電子メールを受け取りました。「海草中のヨウ素の含有量を調べる」ことについての質問でした。私はインターネットを通じて高校生と理科の勉強で交流したいと願って、ホームページにもその呼びかけを掲載しています。それがひとつ実現したのです。私はこれは大きな展望を切り開く第一歩と感激しています。それにしてもそれが国内でないことが、日本の教育の貧困を物語っているように思えてしまいます。