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09A−001
差出人:
送信日:09年8月4日
件 名:四ホウ酸ナトリウムの毒性

こんにちは、山本です。
 今年も科教協大会とアルケ合宿に参加し、大きな刺激を受けました。また1年間がんばれそうです。
 野中さんから質問がありました四ホウ酸ナトリウムの有害性については、つぎのHPが参考になるのではないかと思います。
  http://www.safe.nite.go.jp/ghs/0197.html
このHPによりますと、急性毒性は区分4。区分1に属するものがもっとも強毒、弱いものが区分5のようです。なお、ホウ酸は区分5で、四ホウ酸ナトリウムより毒性が低い評価になっていて、意外でした。
  http://www.jaish.gr.jp/anzen/gmsds/10043-35-3.html
 アルケの合宿でも化学物質について話題になりました。「怖がることと、怖がらないことは簡単だ。適度に怖がることが難しい」という言葉を思い出します。上のHPのデータから、どの程度怖がればよい物質なのか、私には自信のある答えは見いだせません。皆さんはどう考えますか。


09A−002
差出人:鈴木 久
送信日:09年8月8日
件 名:科教協大会に参加して

杉原さん 鈴木 久です。
(中略)
 物理分科会の私の発表のときに杉原さんもみえたのでまさしく該当することばかりです。もっとも、報告するのもやっとという状態で、おそらくもっといろいろ言われるのだろうなと予想していましたが質問や意見の数はともかくそれほどではありませんでした。生徒の、発言やノートなども準備できなかったので特にそうでした。本当は、花火の音撮影隊の報告をできるはずだったのですが、今年はうまくいかずましてやうまくいかなかったという報告を形にすることができず残念でした。
 発表後、ある人と帰宅中に、『花火の音撮影隊』や『ジャガイモの種子育て隊』を以前アルケでも報告した『チューリップの種子を求めて』と同じ流れとして話たところずいぶん関心を持ってもらえました。おまけに、果実を腐らせてしまって、隊員全員に配布できなかったジャガイモの種子のために果実を送ってもらえることになりました。
(後略)


09A−003
差出人:四ケ浦 弘
送信日:09年8月11日
件 名:多忙の中で

 鈴木さん、先日はおあいできてよかったです。厳しい状況を話されていたので、心配しています。お忙しい中の状況をまた知らせて下さい。多忙化(だけではない)の状況は、皆変わらないところがあると思います。アルケの交流の中からも、打開策を発信できればと思います。


09A−004
差出人:林 正幸
送信日:09年8月24日
件 名:凝固点降下の計測

こんにちは、林です。
 このところ(7月中旬から)地球化学の本を数冊読みました。地球の歴史を科学的に捉える作業も面白いですね。
 さて手がけてきた凝固点降下の計測ですが、サーミスターの発熱を抑える(約1/16)回路に直し、そして計測も5mLのたれびんでなく、20mLのスクリューびんにして計測してみました。たれびんを止めたのは、せんをして寒剤に浸けると、なかなか過冷却状態がブレイクしないためです。言い換えると、過冷却水をつくりたければ、たれびんに水を入れて冷やせばよいわけです。そして本来冷却曲線を描くべきですが、過冷却ブレーク後の最高温度をもって凝固点としました。
 水の凝固点                 −0.11℃   凝固点降下
 0.2mol/水1kgブドウ糖水溶液     −0.56     0.45℃
           塩化ナトリウム水溶液  −0.90     0.79
           塩酸          −1.02     0.91
           硫酸ナトリウム水溶液  −1.01     0.90
水のモル凝固点降下は1.86℃です。まだ検討すべきことがいくつもありますが、今日は計測できるところまで来たという報告です。
 ではまた。


09A−005
差出人:林 正幸
送信日:09年9月10日
件 名:凝固点降下の現在

こんにちは、林です。
 暑い中で始まった二学期も今日はさわやかでしたね。しかし雨が一向に降らず、毎日1時間の水まきはつらいです。
 凝固点降下の計測は、寒剤をビーカーに入れていたので温度が上がりやすく、多分そのために計測がばらつくように思えました。そこで100均で小麦粉容器2つを購入して重ねて整形し、2/3は発泡スチロールでふたをしました。以前にポリコップを2つ重ねると驚くほど断熱性が高まることを体験していたためです。
 これで純水の凝固点を5回計測してみました。−0.32±0.02℃です。一歩前進かな。きっちり0.00℃にならないのは止む得ないと思います。凝固点降下は温度差なので許されるでしょう。
 まだまだ課題は、温度センサーの回路、元の電源・デジタル表示装置(PEDD)のプログラムの改良を含め、いくつかあります。
 このところ、「100万人の金属学 基礎編」(アグネ技術センター)を読みました。注文したら「復刻版」が届きました。あと「科学編」もありました。金属の強度は化学結合のおよそ1/10000しかないのですね。そして「加工硬化」というのが面白かったです。
 もうひとつ取り組んでいるのは、5年前にアルケ通信(04A−1号)で送った「力と運動」実験システムの改良です。これはリニアモーターを定力装置として使うものですが、実験の制御をICを使った自作回路で行っていました。この回路は私がこれまで製作した中でもっとも複雑と言えるものです。そしていつかこれをマイコン制御に代えようと考えていました。回路を組むよりプログラムをつくる方が楽でかつ自由度が大きいのです。その機が熟した、つまりEHCで製作しているH8汎用計測制御システム(UMCS)がプログラミングも含めて軌道に乗ってきたからです。もっともこれはもう私の趣味の世界で、教育実践に使うことはまずないでしょうという代物です。
 ではまた。


09A−006
差出人:山本 喜一
送信日:09年9月12日
件 名:凝固点降下

こんにちは。山本です。
 林さんが凝固点降下の実験機材に挑戦していますが、私も以前にいろいろと試したことがありましたので、資料を添付します。良い結果を出すには、ポリ袋の中の溶液を攪拌するだけでなく、寒剤のほうも絶えずよく混ぜることが必要でした。それと、やはり感度の良いデジタル温度計(少なくとも感度は±0.1度)は欠かせません。できれば、コンピュータに温度計のデータを転送できて安い温度計があれば実験しやすいと思います。
 なお、添付のファイルはHPには掲載しなくてもけっこうです。


09A−007
差出人:林 正幸
送信日:09年9月16日
件 名:凝固点降下の現状

こんにちは、林です。
 山本さん、凝固点降下の資料、ありがとう。実のところ、10%もの高濃度で降下度が理論値に一致するとは、思いも寄りませんでした。ものの本には「十分に希薄な溶液では、降下度は物質の種類に依らず、その質量モル濃度に正比例する」とあります。大学時代にベックマン温度計で分子量を計測したときにもそのことに留意した覚えです。だから今回凝固点降下を計測してみようと思ったとき、0.01℃刻みの温度計が是非とも必要であろうと、その製作から始めたのでした。山本方式は、市販の0.1℃刻みの温度計が入手できるので、比較的簡単に実験に取り組めてよいですね。そのうち私も追試してみたいと思います。
 さて私の方ですが、くり返し計測する中で新たな課題も浮かび上がっています。濃度は質量モル濃度で0.2mol/kgに統一しています。計測はかなり精密にできるようになり、たとえば今日は水道水と1−ブタノール水溶液の両者の計測が2回とも一致しました(冷蔵庫の製氷器の性能から、1日にたくさんの計測はできません)。
  水         −0.11℃
  1−ブタノール   −0.53℃
  降下度       −0.42℃
ブタノールはそれほど水に溶けないので、高精度の温度計があるとこの点は有利です。
 これまでの他のデータをまとめると
  ブドウ糖    降下度  0.37℃
  塩化ナトリウム      0.79 & 0.78℃(別の日の計測)
  酢酸           0.42 & 0.42 & 0.41℃
水のモル凝固点降下は1.86℃ですので、ブドウ糖は理論値にぴったりなのですが、ブタノール、塩化ナトリウムはすこし理論値より大きめです。酢酸はこの濃度では1%も電離していませんので、やはり大き過ぎます。私の濃度は山本さんの数分の1以下ですので、濃度が高いから実測値がずれるという理由はないと思われます。
 これから計測したいのは、塩酸です。酢酸と比較して電離度が大きいことを確認できたらと考えています。塩酸の濃度は、中和滴定で確認する必要がありますね。また分子が水素結合で会合して降下度が小さくなる例も探しています(誰か、知りませんか)。
 ちなみに「力と運動」実験システムのマイコン制御については、マイコンに載せる回路は製作しプログラムのコンパイルは成功し、実際に計測しながらバグをつぶしている段階です。そして今日は手強いバグに立ちはだかられました。
 ではまた。


09A−008
差出人:高橋 匡之
送信日:09年10月6日
件 名:ご無沙汰しています

アルケのみなさん、岩手の高橋です。
 私は、科教協大会にも合宿にも参加していませんので、藤田さん以上に、ご無沙汰しています。昨年1年間生徒と一緒に取り組んだ、「綿アメの化学」と「ブラウン運動の解析」を最近まとめることができました。できれば、アルケ通信に発送したいと考えています。
 科教協の大会とかには、参加できない状況が続いておりますが、岩手県内の研究会には、参加しています。9月29日に行われた化学教材研究会の様子が、佐藤琢夫さんのまとめで、アップロードされています。アクセスしてみてください。毎回かなり、充実しています。このように記録に残しておくと、とても良いですね。
  http://www.geocities.jp/grasiacivic/index.htm
岩手化学サークルのホームページも、琢夫さんがつくっているものですが、かなり充実しています。ご覧下さい。
  http://www8.plala.or.jp/grasia/


09A−009
差出人:高橋 匡之
送信日:09年10月6日
件 名:花粉の観察からブラウン運動

 藤田さん、生物を担当されているのですね。
 これも、昨年ブラウン運動をやっていた成果なのですが、カボチャの花粉を水につけておくと、水を吸ってパンパンになり、中から微粒子が飛び出てきます。花粉管がのびてくる部分が、膜の一番弱いところなんだそうですが、そこから一気に爆発が起こります、生物では「原形質吐出」といっているみたいです。花粉のなからもの凄い量の微粒子が出てきます。飛び出す微粒子の反作用で、花粉がゆっくりと回り出します。今は、時季を過ぎていますから、花はなかなか手に入らないと思います。部屋の中でタネを植えると1ヶ月くらいすると咲くと思います。なにしろ10度以下になると、育たなくなるそうなので、これからの時季は外ではダメだと思います。
 3年生の化学Uで、ブラウン運動の観察を、今年初めて、ズッキーニ(カボチャの仲間)の花粉でやりました。花が咲いたばかりの花粉をスライドグラスの上に落として、水をかけるだけです。顕微鏡にセットし、100倍くらいで見ます。私の場合は、水をかけてから1分くらいで、爆発がおこりました。ビデオカメラで接眼レンズの上から撮影し、その様子をプロジェクターを通してクラス全員で観察させました。噴火の瞬間が凄いので、大歓声があがりましたよ。その後、カバーガラスをかけて倍率を600倍にあげると、吹き出た微粒子がブラウン運動している様子を観察できます。今までは、牛乳の脂肪球を観察させていましたが、600倍なためにピントを合わせることができない班もありました。本当は、花粉の観察も20班準備してやりたかったのですが、朝咲いていた花が1個しかなくて、それからクラス全員で観察させるための準備をする時間もなくて、仕方がないから、じゃあプロジェクターで投影 してみようと考えたのですが、正解だったようです。


09A−010
差出人:四ヶ浦 弘
送信日:09年10月6日
件 名:硫化銅

皆さんこんにちは。四ケ浦です。
 藤田さんや、高橋さんからメールが入り、なんだかうれしいです。私もなんとかやっています。組合の仕事が一杯あった昨年よりストレスが少なくてずっといいです。さて、石川科教協の徳井さんから次のような質問がきました。私にはよくわかりません。どなたかご意見を頂けますか?
 中学校の授業では、硫化鉄の実験があります。銅線を硫黄のガスの中で反応させると、真っ赤になって反応し硫化銅になりますが,これはCu2Sでしょうか? それともCuSでしょうか?


09A−011
差出人:山本 喜一
送信日:09年10月6日
件 名:硫化銅

こんにちは、山本です。
 四ヶ浦さんからおもしろい質問が寄せられました。私もよく分かりませんので、ネット検索したところ、次のようなHPを見つけました。
  http://100.yahoo.co.jp/detail/%E7%A1%AB%E5%8C%96%E9%8A%85/
署名入りで書かれていますので、信頼できると思います。
 ここに書いてあることから考えると、CuSは200℃で分解されてCu2Sになるようですから、加熱した銅線の場合はいったんCuSができたとしてもすぐにCu2Sになりそうな気がします。それから、Cu2Sはアンモニア水に可溶と書いてありますから、反応後の銅線をアンモニア水に入れたら判断できるかも知れません。Cu2SとCuSの混合物かも知れません。
 頭に浮かんだことを並べただけで失礼します。


09A−012
差出人:林 正幸
送信日:09年10月14日
件 名:気象の話

こんにちは、林です。
 高橋さん、お久しぶりです。植物は細胞壁があるので、水を吸うと膨圧をかなり持ちこたえて、ついに破裂するのですね。そしてついでブラウン運動も観察できる。私は赤血球の破裂(溶血)は生徒に観察させたことがあります。
 さて私もしばらくメールしていませんので、すこし書いてみようと思います。凝固点降下計測の温度計については、やはり熱源を使った検定が欠かせないことが分かり(抵抗の誤差が1%より小さくできないため)、山本さんのメールが参考になりました。つまり氷水の0℃とともに、もうひとつ0.5mol/kg塩化ナトリウム水溶液が凝固する−1.86℃を熱源にしました。さらに伊賀さんからの(個人)メールを受けて、ベンゼンの凝固点降下も計測できるように0.00〜6.00℃のレンジを加えました。回路調整などが複雑になってきましたが、温度計を使う人には関係ありません。
 加えてこの温度計を搭載する電源・デジタル表示装置の方のプログラムの改訂もしました。ひとつはAD変換したデータを10個平均しては表示するようにしました。これで数値が安定します(それまで温度計にコンデンサーを入れて回避していた)。もうひとつは前からの課題でしたが、デジタル表示を数値だけでなく、レベルメーター表示もできるようにしました。こんなことで計測そのものは頓挫しています。
 最近講座プラン「溶解と溶液の性質」を書き始めました。文章をつくることで、新たな課題が見つかるからです。
 今日のメインは気象の話です。前から疑問があったのですが、先進科学塾で気象を取り上げることになり、改めて勉強してみました。まだ私はよくは分かっていないと思いますが、そのさわりです。
・対流はどうして始まるのか
 暖かい空気は軽くて上昇するから、では納得がいきません。なぜなら地表では暖かい地域と冷たい地域で始めに圧力差が生まれる理由がありません。気象学では「層厚」という概念があり、これはたとえば10hPaあたりの厚み(高さ)です。つまり地表の影響で大気が膨張すると、層厚が大きくなります。したがってたとえば地 上500mの圧力を考えると、暖かい地域の圧力は大きく(高気圧)冷たい地域の圧力は小さく(低気圧)なります。これなら空気は横に流れます。すると暖かい地域の空気が減って地表は低気圧になり、冷たい地域の地表は高気圧になります。これで地表で空気が高気圧から低気圧に流れることになります。
・対流圏が10kmくらいで終わるのはどうしてか。
 昔は、成層圏では上に行きほど温度が高く逆転層になっていると考えられました。しかし成層圏の始めの10kmはほとんど温度が変わりません。地表の影響を受けて層厚が変わるのが10kmくらいであり(季節により対流圏の高さは変わる)、それ以上の層厚はほとんど変化しないためではないでしょうか。
・1km以上では風は等高線(等圧線と見なしてよい)に沿って吹く(地衡風)。しかしそれだけなら高気圧や低気圧の高さは1km以下になるのか。
 偏西風が蛇行していることが重要です。等高線が南(北半球では上空は南が高圧側)に突き出し曲がっている所(気圧の谷)では北向きに向心力が必要です。つまり気圧傾度力がコリオリ力より大きく、両者が釣り合う地衡風より風速が小さい。そして等高線がいったん平行になる部分では向心力はなく、2つの力が釣り合う地衡風になって風速が大きい。すると気圧の谷の東側では空気の発散が起こる必要があり、地表には低気圧ができています。台風も始めは貿易風(偏東風)の蛇行によって発生するそうです。
 まだまだ勉強が足りませんが、面白い情報があったら教えてください。
 ではまた。


09A−013
差出人:林 正幸
送信日:09年10月30日
件 名:セロハンの孔

こんにちは、林です。
(中略)
 前のメールで講座プラン「溶解と溶液」に触れましたが、非常に素朴な実験をやってみました。これはかつてのアルケの出版物「化学と教育〜その実践」にあるもので、私流に変更しています。フィルムケースの底を切り落とし、ふたは枠を除いて丸穴を開けます。そしてふたに濡れたセロハンを被せてケースを押し込んで、半透性の容器にします。このやり方は簡単で、浸透現象の実験にも使えます。これに
  @1mol/L硫酸銅水溶液
  A酢酸水溶液
  B水彩絵の具(サクラマットカラー)の水溶液
  Cデンプン(かたくり粉)水溶液
を入れ、ビーカーの水に浸けて、溶質が外に通り抜けてくるか調べるのです。
 はじめにセルロースチューブを使ってみましたが、透過速度が遅いのです。レジ袋も遅いです。セロハンが実際的ですが、孔のおよその大きさが分かりません。インターネットで調べると、5μmと5nmが出てきましたが、どちらもにわかには信じられません(セルロースチューブは別のHPに5nmとあり、これは信じられます)。誰か、セロハンの孔のおよその大きさを知りませんか。
 この実験は、溶液では溶質がどれくらい細かくなっているかを調べ、また真性溶液とコロイド溶液を分けるのに役立ちます。そして溶液にすると反応速度が格段に大きくなることを示す実験も取り入れたいです。
 先日、エレクトロ・テルミット(東京事務所)という会社の所長さんが、売り出そうとしている「デモキット」を見てほしいと来訪されました。日本のレール溶接の40%にはテルミット反応が使われているそうです。この反応、現役なのですね。本格的な耐熱容器に500gくらいを入れて点火剤(電気花火のようなもの)を差し入れると、融解した白熱の反応混合物がるつぼに落ちます。すごい迫力です。私の方も濡れたろ紙を使う少量の実験を紹介しました。これも教育的見地から評価されたと思います。
 インターネットのホームページも役に立ちます。それを見ての来訪でした。ちなみに明日も、燃料電池がらみで「ぜひ話しを聞きたい」と来訪される人がいます。
 ではまた。


09A−014
差出人:山本 喜一
送信日:09年10月30日
件 名:テルミット溶接

こんにちは、山本です。
テルミット反応を使った溶接のようすはyoutubeにあります。私も最近検索して、興味深く見ました。
  「youtube JR総研 テルミット」
で検索すると、したのHPが出てくると思います。
  http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=rvdf2FaE3sI&ytsession=WwniB_gYwZnkXvMbwfKsisapPLWpCxQLwE9t61SjhoUPSLLMq54F2YwvaDBC-rBjQkhXT_WsKq3obyOBKh55_63mkOQP6FKYNXZ5C-6umcsVC0KGZ_V_oHhpVxktF2zdY0cEwyOTg6X2gfZ0fwUlrd5Vf7XG2UEVF7PcYjF4RB7nUYafjbUnWByl3OT0TxK7ZUNeMBRTK8AyKJwgzp7lRxci9kn-JH62invg9vXQ5yr2vVXwR3QqHCIop9Hj9rMX1lUMMbFVaYSkL2fBMa0QUw==
テルミット反応はすごい!と思います。


09A−015
差出人:
送信日:09年11月20日
件 名:マイコンが計測制御する「力と運動」実験システム

こんにちは、林です。
 寒くなって来ましたね。吉田さん、アルケ通信の資料は数日うちに送ります。  はじめに「セロハンの孔」後日談です。うまく行っているように見えた水彩絵の具をといた水ですが、先日愛知理科の会(鈴木さんも参加)で紹介したところ、よく観察すると外の水にすこし色が着いていました。同時に実験した硫酸銅水溶液もすこし青色になります(さらにアンモニア水と硝酸バリウム水溶液で確認)。こちらはそれでよいのですが、これと似た程度にすこし色が付くので絵の具は使えません。そこでポスターカラー、マーブリング彩液、墨液で試してみましたが、いずれも外の水が着色します。やはり粒子の大きさにばらつきがあるのでしょう。ということで実験のイメージを変えざるを得ませんでした(後日に講座プランとして紹介します)。
 9月にメールで触れたのですが、以前(04年)に開発した「力と運動」実験システム、これをマイコンが計測制御する形に改良しました。エアトラックを滑走するライダーにリニアモーターで力を加え、その前後で速度を計測するものです。力は掛ける時間を変えたり、掛ける長さ(距離)を変えたりします。これまで速度はデジタルストップウオッチで0.1mを通過する時間を計測し、速度自身は計算で出していました。力を掛けるのは自作のデジタル回路のスイッチで制御していました。それをすべてEHCで開発したH8UMCSというマイコンシステムにやらせようというわけです。速度はもちろん、速度の2乗や加速度なども表示されます。プログラムの開発には苦労がありましたが、計測のスピードが格段に上がりました。
 このシステムは「まさつ」がほぼ無視できるように見えます。たしかにそれを狙ってエアトラックまで製作したのです。しかし相変わらずまさつが最大の敵です。空気の粘性抵抗も馬鹿になりません。これを回避するためライダーが等速度で滑走するように、意図的にエアトラックをすこし傾けるのです。しかしこれも速度に依ります。速度が大きいと抵抗も大きくなります。基本的には0.2m/s付近で等速度に調節して計測に入ります。しかしライダーの質量を変えると(たとえば短いライダーを使う)と、これまたすこし等速度ではなくなります。ことほど左様に、力学運動の計測には踏み込むと大きな壁があります。
 それでもこのまさつ野郎に気配りして計測すると、思いのほか良いデータが得られました。そこでうれしくなってプリントまで作り、ホームページにも掲載しました。
  http://www.water.sannet.ne.jp/masasuma/masa/ne11-2.htm
次の次のアルケ通信の資料にも加えます(ただしこれはもう趣味の世界かもしれません)。以前は計測に手間取り、状況把握が甘かったのでしょう。努力の割には今いちの結果に終わっていました。それが時間を置いて改めて取り組む機会ができ、計測も新しいシステムのおかげで楽になったので、落ち着いて計測できたと思います。これでやっとある程度納得が行くようになりました。
 なお装置はかなりかさばりますので、県外不出ということになります。
 ではまた。


09A−016
差出人:山本 喜一
送信日:09年11月21日
件 名:リンの同素体

こんにちは、山本です。
 昨日、関東理科大会という関東地方の高校の理科教師の研究発表会がありました。そこで、同素体について発表していた人がいて、リンの同素体は白リン、紫リン、黒リンの3つであり、赤リンは紫リンと白リンの混合物、黄リンは白リンの表面が赤リンで覆われたものだといっていました。
 ちょっと驚いてネットを調べてみると、wikipediaにも同じようなことが書いてあります。ただ、赤リンの融点が590℃と出ています。混合物であれば、決まった融点がないと思うので首をかしげています。リンの同素体について、何かご存じの方はいますか?


09A−017
差出人:山本 喜一
送信日:09年11月23日
件 名:リンの同素体

こんにちは、山本です。
 千谷利三著の「無機化学」に、赤リンは紫リンを主成分とする混合物だと書いてある、というメールをもらいました。ありがとうございます。教科書はなぜ直さないのか不思議です。
 それから、「同素体はSCOPで掘れ」と覚えましたが、それ以外の元素も同素体をつくります。
 生物の教科書は30年くらい前のものと比べると、最近になって分かったことを取り入れて、大部内容が変わっているようです(それでも間違いがあると聞きますが)。それに比べて、化学の教科書はあまり変わっていないですね。


09A−018
差出人:林 正幸
送信日:09年11月26日
件 名:リンの同素体など

こんにちは、林です。
 リンの同素体については、理化学辞典に「同素体に黄リン、紫リン、黒リンがあるほか、無定形の赤リン、紅リンが知られる。」とあります(黄リンは白リンともいう)。そして赤リンは無定形で「紫リンと黄リンの固溶体と考えられている」とあります。炭素でも無定形炭素があります。学術的には同素体に無定形は含まれないようですが、となると同素体と共に、同素体の混合物あるいは無定形の単体という概念を導入する必要があります。現に赤リンは目の前にあります。私としては高校段階ではすべて同素体としてもよいように思えます。何かまずいことがあるでしょうか。昔の教科書では無定形炭素も、炭素の同素体にひとつでした。
 「SCOP」はまさに受験用のゆがんだ知識ですね。そして私たち教師自身がこの種の知識に惑わされているのではないかと心配です。
 しばらく前に燃料電池がらみで林ラボへ来訪された人(学校の事務職)が、「材料電気化学」(朝倉書店)という本を貸してくれました。ここ2,3日で100ページほど読んでみると、興味深い内容が満載です。そこで自分でも注文することにしました。たとえば、私は何となく電池ではすべてのエネルギーが電気に変わると思いこんでいました。定温定圧系では、電気エネルギーになるのはギブスの自由エネルギー部分です(実は大半)。そしてエントロピーが関係する束縛エネルギー TΔS 部分は熱になるのです。たしかに関係式はそうなっているのですが、私の頭の中では結び付いていませんでした。
 ではまた。


09A−019
差出人:山本 喜一
送信日:09年11月30日
件 名:同素体について

こんにちは、山本です。
 無定形炭素については、林さんも書いていますが、昔の教科書にはありました。今の教科書ではどうかと思って調べてみると、教科書の最初の方の「混合物と純物質、元素、同素体」あたりの説明文には、炭素の同素体としてはダイヤモンドと黒鉛、それにフラーレンなどがあげられているだけで、無定形炭素を載せている教科書はありませんでした。
 無機各論を見てみると、3社だけ無定形炭素を記載していました。ただ、この扱いは3社ともバラバラです。ある会社のものは、無定形炭素を同素体ではないと書いています。そして、無定形炭素には酸素などを含むことも説明されています。次の会社のものは、無定形炭素が同素体であるかどうかを避けた書き方でした。そして、3社目のものは無定形炭素を同素体だと書いてあります。
 私は最初の会社の書き方がもっとも正確だと思います。ススには−OHや−COOHなどの官能基がありますから同素体の説明から無定形炭素が消えてきたのは、C以外にOなどの元素を含むからでしょう。
 では、赤リンや黄リンはどうかといえば、これらはPだけです。しかし、混合物を同素体とするのはどうもすっきりしません。教科書の説明のしかたは、まず物質には混合物と純物質があり、純物質の成分をさらに分けていくとこれ以上分けられない元素になる。そして、元素には性質の異なる同素体があるというものです。つまり、同素体は純物質の仲間だと読める書き方になっていると思うのです。
 化学用語には(にも?)歴史的な背景がありますから、理論的に整理していないものも多いと思います。しかし、間違ったイメージを持たせるような言葉は改めてすっきりさせた方がよいと思います。


09A−020
差出人:林 正幸
送信日:09年12月2日
件 名:リンの同素体(その2)

こんにちは、林です。
 今頃になってミョウバンの結晶づくりをやっています。過去には盛口さん、米澤さんなど多くの人が取り組んでいます。そしていつか私もやってみようと思っていました。手元にさしたる資料も見当たらないので、時々に小耳にはさんだことと今年の米澤さんの科教協レポートを手がかりに、我流で取り組んでいます。私の目標は生徒実験でできる形、そして翌日結晶をとりに来させることです。濁った結晶が貯まる中で、米澤宝石商の小型の商品くらいの透明度は確保しつつあります。
 同素体ですが、どう転んでも、どこかで概念の飛躍が求められると思います。山本さん流に、赤リンを混合物ということで同素体から外すと、赤リンは単体ではなくなります(純物質は単体か化合物だから)。しかしこれは元素ではリンのみからできているから単体のはず・・・・というようにこのままでは矛盾を来します。無定形炭素には−OHや−COOHといった官能基があると言うことですが、それは無定形炭素を C とは異なるある化学式で書けるほどのことはないでしょう。これはどこまで教えるかの問題です。官能基のはたらきが無視できない場面なら炭素の単体そのものではないと言うべきであり、そこまで踏み込まないなら単体の炭素でもよいと考えます。
 高校化学では、とくにその始めの段階では、現に実験で取り扱う可能性がある赤リンは、同素体(1種の元素からできているが性質が異なる単体)の仲間に入れておいてよいように考えるしだいです。知識があって質問する生徒には、同素体の混合物、あるいは構造を特定しきれない単体(無定形炭素の場合)などと説明します。学術的には、赤リンを同素体の仲間に入れるとどんな不都合が生じるのでしょうか。単に混合物だからと言うことであれば、ブドウ糖は3種の混合物、そして光学異性体や高分子化合物などはどうするのでしょうか。
 ではまた。


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