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08A−001
差出人:四ケ浦 弘
送信日:08年8月6日
件 名:石川大会ありがとうございました
皆さんこんばんわ。
大会を無事終わることができ、とにかくほっとしています。本当にありがとうございました。なんとか成功だったと思います。れのんも喜んで頂けたようで?よかったです。
あきらめないでやればなんとかなると、いい大会になるように一つ一つ最後までこだわりました。そのために地元の皆さんに大変な負担がいってしまいました。しかし。、皆さんと一緒にやればやるほど、皆さんの素敵さをしることの連続でした。
今日学校へ行き、色々挨拶をしました。昨夜はなにも考えない夜が新鮮でした。しばらく力を抜き、また頑張ります。ぜひまた、みんなで一緒に飲みたいですね。これからもよろしくお願いします。
08A−002
差出人:藤田 勲
送信日:08年8月6日
件 名:RE:石川大会ありがとうございました
四ヶ浦さん、そしてアルケの皆さん、お疲れ様でした。去年に引き続き、特に分科会が充実した大会だったと思いました。四ヶ浦さんには大会の責任者のみならず、アルケ合宿のお世話までしてもらい、感謝、感謝です。れのんのウィスキーが旨すぎて飲みすぎたことを個人的には反省。
来年は私の地元、埼玉です。引き続きの参加をどうぞよろしくお願いします。
08A−003
差出人:高橋 匡之
送信日:08年8月7日
件 名:RE:石川大会ありがとうございました
四ヶ浦さん アルケミストのみなさん
ご苦労様でした。メールからとても充実した大会だったことが伺えます。ゆっくり体を休めて下さい。「いい大会になるように、一つ一つ最後までこだわりました。」というところが、四ヶ浦さんらしいなと思いました。
今回は参加できませんでしたが、これからもよろしくお願いします。
08A−004
差出人:鈴木 久
送信日:08年8月7日
件 名:鈴木のHP(ブログ)の紹介
鈴木 久@唯一の中学教師 です。
昨年は、愛知大会で大会前後ともフィールドワークのお世話をしていましたので、参加できず、久しぶりのアルケ合宿への参加となりました。
ご存知ない方も多いようでしたので、以下にアドレスを貼り付けておきます。よろしければごらんください。理科大好き人間の科学の工房 で検索していただければヒットすると思います。
http://manabinoasiato.cocolog-nifty.com/blog/
もし、よろしければ訪問の際はコメントしていただければうれしいです。
08A−005
差出人:阿部 武徳
送信日:08年8月7日
件 名:アルケミストの方々へ
こんばんは、初参加の阿部です。
石川大会とアルケミストの合宿、いろいろとみなさんにはお世話になりました。四ヶ浦さんをはじめ地域や大学の人々との繋がりの中で800人を超える大会を成功に導いたみなさんのご奮闘に本当に感謝致します。またお疲れ様でした。
こうした研究会でいつも感じることですが、いろいろな方や実験との出会いは刺激的で、また2学期からのカンフル剤にしたいと思います。
最終日は、ひとり輪島まで足を伸ばし美しい能登の海で海水浴をして昨日帰りました。アバンチュールは・・・ありませんでした。
08A−006
差出人:林 正幸
送信日:08年8月21日
件 名:気持を整えて
こんにちは、林です。
科教協大会、アルケ合宿は、私にとって区切りになります。帰ってくると、資料をファイルに整理し、まとめ集の原稿を書いたり、そして今年は盛口文集の原稿を書いたり、部屋を整理したりします。かたやお盆で、孫たちが集合します。今年はそれとは別に次男の孫たちと海水浴(30年振りくらいかな)にも行き、楽しい中でかなり疲労がたまります。こんな中でお盆が終わると体調と気持を整えて、新たなスタートをしていきます。調子が出てきたのは一昨日からでしょうか。
昨日は、アルケナイターで紹介した「気体分子の飛行速度の計測」に再び取り組み始めました。オッシロを思い込みで1目盛り500nsに設定していたことに気付きました。500μsにすべきだったのですが、最近はこういうことが多くなったように感じます。これで計測状況がよく把握できるようになりました。
空気の場合、音速の倍の速度が計測されます。音速は平均飛行速度(正確には平均2乗平方根速度)の2/3ほどですから、計測される速度は平均飛行速度の4/3ほどです。考えてみるとコンデンサーマイクが平均飛行速度の分子が来たときに大きく電圧を変えるとは限りません。なにせパイプの中は突風が吹き抜けるようで、固定したマイクが傾いてしまうほどです。つまりもっと少ない分子数でもマイクは影響を受けるはずです。そして速くマイクに来るのは速度が大きい分子です。
マックスエルの速度分布を数学的に扱う気力が出てこないのですが、温度が決まればエネルギー分布の方は気体の種類に依らないし、こちらがマイクへの衝撃に関係することになります。それなりに、気体の種類を変えて飛行速度を比較できるように思います。ただしその前にパイプの長さを変えて計測してみたいと考えています。
今日は名古屋市科学館で先進化学塾の打ち合わせです。こちらも気持を整えるのによい刺激になります。
ではまた。
08A−007
差出人:林 正幸
送信日:08年9月4日
件 名:気体分子の飛行速度
こんにちは、林です。
差し迫った課題がないために、気持があちらこちらへ向いてしまいます。ぜいたくな話です。そんな中でここ数日、アルケナイターでも紹介した気体分子の飛行速度の計測に取り組んでいます。
ナイターでは空気と二酸化炭素で、分子量の比の平方根に対応した結果が出ていたのですが、事はそれほど単純ではありませんでした。ブタンや水素でやってみると、前者は二酸化炭素と似た数値になり、後者は空気より一割ほど速いだけでした。要するに空気とあまり変わらないのです。一体どこに問題があるのだろうか。計測法の改良などもしており、やや混沌とした状態でした。
そして今日、2つのことに思いが至りました。ラップはある程度気体を通すのではないか。とすると、真空にしてガラスコックを閉じてからあれこれ操作していては、パイプの中は真空とは言えない状態になるのではないか。であれば、真空ポンプを作動させながらラップを破り、すぐにコックを閉じてポンプを止めるべきではないか。
もうひとつは、ラップのしわのすき間から空気が入り続けるのではないか。だからどれも空気の値に近くなるのではないか。ラップをテープで貼り付け、かつ気体袋(ポリ袋)をラップの端まで包むように取り付けるべきでないか。こうして真空ポンプを作動させれば、パイプに残る気体も目的のものになってよいのではないか。さらに真空ポンプは1分以上は作動させてから、計測に移ろう(それでも平均自由行程は短いのだ!)。
こうして空気とブタンで試したところ、通過時間が1.52msと2.14msで、分子量から期待される√2=1.4の比になりました。今日はここで時間切れでしたが、これを再確認してから水素の計測をしようと考えています。でもどんな落とし穴が待っているか、予断を許しません。
ちなみに現在は、パイプの入口には座金を付けて穴を小さくしています。この穴の大小の影響も検討する必要があります。穴を小さくすると、コンデンサーマイクへの衝撃は小さくなり、より多くの分子がつまりより遅い分子が到達したときに、シグナルを発生すると考えられます。実際に、座金を使っていないときの空気の通過時間は1msほどでした。しかしこれも本当かどうか分かりません。
ではまた。
08A−008
差出人:林 正幸
送信日:08年9月8日
件 名:講座プラン「物質の状態」が完成
こんにちは、林です。
7月の先進科学塾のテキストと並んでつくっていた講座プラン「物質の状態」が完成し、ホームページに掲載しました。
http://www.water.sannet.ne.jp/masasuma/masa/w9.htm
追ってアルケ通信の資料としても届けます。
科教協石川大会では「『目に見えない気体を科学する』への思い〜圧力概念をどう育てるか〜」というレポートをしたわけですが、気体の状態方程式およびその前置きになる物質の状態に関して、圧力が重要な概念になってきます。状態方程式は圧力を軸に扱うと、圧力概念を高める絶好の機会になります。圧力を軸にという考えは、気体分子運動論のイメージアップを狙っているのです。かえって物理屋さんに分かってもらえるように思います。
そして今回の物質の状態では、そもそも圧力とは何かから始めました。化学としてもどこかで圧力の基礎概念を押さえておく必要を感じるからです。その上で物質の状態にとって圧力とは何か。私は次のように提起してみました。
<講座プランの引用>
「圧力はまわりが分子を押し込めている程度を示す」
(分子がまわりから押し込められている程度)
と言える。視点を変えれば
「圧力は分子がまわりを押し返している程度を示す」
(まわりが分子から押し返されている程度)
<以上>
そして
<引用>
物質がどの状態になるかは、熱運動の激しさ
が分子どうしの引力とどういう関係にあるか(温度の影響)に加えて、同じく熱運動の激
しさが「まわりが分子を押し込めている程度」とどういう関係にあるか(圧力の影響)、
の2つの要因によって決まってくる。
圧力が高いときは、分子は押し込められて狭い空間に閉じ込められ、物質は固体ないし
液体である。そして圧力が低いときは、分子は広い空間に開放され、物質は気体である。
温度が低くても圧力が低ければ、物質は気体として存在できる。
より具体的には、その温度における蒸気圧より低い圧力であれば、気体として存在でき
る。
<以上>
と整理しました。
講座プランでは様々な実験を通し、最後は物質の状態図までつないでみました。どちらかと言うと軽視されがちな分野ですが、高校化学に相応しい内容になっているか、ご批判をもらえればうれしいです。
ではまた。
08A−009
差出人:野曽原 友行
送信日:08年9月11日
件 名:盛口さんへの励ましの言葉について
野曽原です。
盛口さんへのお手紙,ありがとうございます。現在以下の方からいただいております(敬称略)。
岡田晴彦 小林敏夫 澤田史郎 四ケ浦弘 杉原和男
杉山美次 鈴木久 高橋匡之 竹野徹美 野曽原友行
野中直彦 林正幸 藤田勲 峰島不可止 山本喜一
吉田耕三 矢野川清 最首悟
ほとんどアルケのメンバーですが,矢野川さんと最首さんは教研関係からの参加です。
「私の名前がない」とか「あの人は出したはずだ」とかありましたらご連絡下さい。ただし催促して書いていただく性格のものではないと考えています。
盛口先生への手紙ではありますが,みなさんの過去現在未来の思いが伝わって,すてきな文集になっています。
08A−010
差出人:林 正幸
送信日:08年9月15日
件 名:先が見えない飛行速度計測
こんにちは、林です。
先日は、すでに紹介した「電源・デジタル表示装置」に載せる2つめの検出部としてマイクロアンメーターが完成し、すこしいい気分になりました。化学にあまり関係ないかもしれませんが、物理では役に立ちます。そしてデジタル表示ですから、針が振り切れる心配がなくて気軽に実験に使えます。
この数日、講座プラン「気体状態」に取り組んでいます。これは「物質の状態」と並んで、私の今年のテーマとなっているのです(計画では7月までの)。
ところが飛行速度計測の先が見えなくなりました。前のメールを書いてから、さらにあれこれ考えました。音速に近い領域で空気とブタンの速度比が期待通りでもあまり意味がないぞ。そこで座金は外して前に戻しました。音速は圧力が小さくなっても変わらない。幸い座金を外した場合は空気では音速の倍以上の速度が計測されま
す。
さて真空と言ってもどの程度に真空なのだろうか。真空ポンプの性能は5Pa(条件が整ったときでしょうね)となっているが、それでも平均自由行程は1mmレベルである。これまでの実験では20秒足らず引いてからポンプを止めていた。これからは1分以上引き、ポンプを動かした状態で計測しよう。ラップの膜自身も気密と
は言えないし・・・。するとラップがときどき破れるようになりました。長い時間耐えるのが難しいのですね。しかしこれはこつをつかんで乗り越えよう。
後のセンサーがゴムせんから数cmのところにある。突入する気体が中の気体を圧縮してエネルギーを減らしていくと考えると、センサーは前に出そう。こうしてセンサーの間隔は10cm減って、60cmになりました。
パイプの中に残留するのがいつも空気であることも良くないぞ。そこで面倒ですが、計測する気体をパイプにも詰めて真空ポンプで引くことにしました。これはいくらか意味がありました。
こうして次のような結果が出てきました。
空気 0.78ms 770m/s
ブタン 0.95 630 空気の0.82倍
水素 0.52 1150 1.49
一見それらしく見えますが、大きな問題が隠れています。これらの速度の分子がセンサーに有意の衝撃を与えたのですが、速度を2乗して分子量を掛けた数値(エネルギーに比例した数値)を比べると、次のようにあまりにも違うのです。
空気 172000
ブタン 230000
水素 26000
本来はエネルギーが同じになるべきもので、そのためには速度は分子量の平方根に反比例すべきなのです。このままでは何を計測しているのか、分からない状況です。
頭を整理する意味で書いてみました。
ではまた。
08A−011
差出人:林 正幸
送信日:08年9月19日
件 名:講座プラン「気体状態」が完成
こんにちは、林です。
お盆のころの停滞を乗り越えて、このところ気持が乗ってきています。時間があるということはありがたいことで、講座プラン「気体状態」を完成させることができました。先進科学塾の「目に見えない気体を科学する」で内容はかなりできていたのですが、新しい内容も組み込んでいます。
気体の圧力に関しては既にすこし書きました(詳しくはアルケ通信で送る科教協大会レポートをみてください)。
そして状態方程式から引き出せることはたくさんありますね。私は次の項目を取り上げました。
[a]アボガドロの法則
[b]シャルルの法則
[c]分子量の測定
[d]密度の計算
[e]ボイル・シャルルの法則
[f]分圧の法則と合わせた計算
書きながら気付いたことがあります。アボガドロの法則は気体では体積に加算性があることを示しています。ある温度・圧力の下にある混合気体を物質量比に応じて、その温度・圧力の下で成分1はa[L],成分2はb[L]・・・と、体積で分けて捉えられるのです。そして成分の体積の合計が全体の体積になります。これは気
体反応に関する問題を解く鍵になることが多いです。
他方で分圧の法則では、どの成分も体積は全体の体積です。そして圧力を物質量比に応じて、成分1はp[KPa]、成分2はq[kPa]・・・と、圧力で分けて捉えます。そして成分の圧力(分圧)の合計が全体の圧力になります。前者の「体積で分ける」のは、そう考えて良いという「考え方」ですが、対比整理しないと生徒
が混乱すると思いました。
それから、実験「ミニ熱気球の製作」を含め、熱気球が状態方程式で理解できることも書きました。
別の節では、拡散の速さ、平均飛行速度、音速を取り上げました。その中で、平均自由行程が液体の密度と状態方程式(あるいは気体の密度)から(そしてアボガドロ定数も)、計算できることを示しました。ありふれたデータも使いようによって、ミクロの世界を解読できることを伝えようとしたのです。ちなみに音速の1.5倍
がほぼ平均飛行速度です。それから現時点では、「気体分子の飛行速度の計測」を取り上げられなかったことは残念です。
この講座プランは論理思考能力や計算能力を問うものになりました。私は、化学に関心を寄せる高校生なら、これくらいのことは理解してほしいと考えています。
このプランは9月中にホームページに掲載するつもりです。そしてもちろんアルケ通信第1号の私の資料にもします。
ではまた。
08A−012
差出人:山本 喜一
送信日:08年9月20日
件 名:プラスチックのリサイクル
こんにちは、山本です。
私の学校ではSPP(サイエンス パートナーシップ プロジェクト)という取り組みをしていまして、大学の先生に学校に来ていただいて、授業と実験の指導してもらっています。2,3日前には、生分解性プラスチックの専門の先生が見えて、プラスチックの話をしてくれました。その中で、プラスチックのリサイクル費用が出てきました。
リサイクル費用 バージン費用
発泡スチロールトレイ 350〜550円/kg 150円/kg
ポリ塩ビ卵パック 180〜280円/kg 100円/kg
PETボトル 320〜620円/kg 200円/kg
高炉還元剤 230〜240円/kg 5円/kg
このようなわけで、リサイクルでいろいろなものを作る費用がいかに大きいのかが分かりました。高炉還元剤は、鉄を作る際にプラスチックを還元剤として使うときの費用、ここのバージン費用(5円)とは微粉炭を使ったときの金額です。また、500mLのペットボトルを作るときは、バージンであれば7.4円ですが、リサイクル品から作るときは27.4円かかるそうです。そして、何とそのうち26円は輸送費、つまりペットボトルを回収して工場に運ぶ費用です。リサイクルは大量消費の言い訳にはなりませんね。
また、生分解性プラスチックもトウモロコシなどを原料にすれば、食糧との競合になります。また、その作物を作るためには石油が必要ですから、これも分解されるから環境に優しいと短絡的に考えてはいけないという話もされていました。
08A−013
差出人:藤田 勲
送信日:08年9月21日
件 名:サイエンスネットを見て
こんにちは、埼玉の藤田です。
伊賀さんが「サイエンスネット(」33号)という数研の情報誌に『AgNO3とMgCl2の水溶液が中性である理由について』という論文を発表されていました。ご覧になった方も多いと思います。なかなか刺激的な内容で、久しぶりに理論化学を勉強させてもらいました。
AgNO3は試してみませんでしたが、確かにMgCl2はBTB溶液がほぼ緑色で、水溶液は中性でした。MgSO4も試してみましたが、やはり中性でした。伊賀さんの論文から疑問も湧いてきましたので、ちょっと質問させてください。
@電離定数について
論文では溶解度の記述はあるものの電離定数の記述が見当たりません。AgOH及びMg(OH)2の電離定数というのは数値としてわかっているのでしょうか。もし知られているのなら教えてください。
A水和アルミニウムイオンについて
伊賀さんは「d電子がなければ静電気による水和のみになる」と述べています。アルミはd電子がゼロですから静電気による水和のみのように受け取られますが、表3「配位結合の形成のされやすさと正塩の水溶液の液性」ではアルミニウムイオンの項は配位結合は形成されやすいとなっています。伊賀さんはアルミイオンでは水分子が配位していないと考えますか、それとも配位していると考えますか?
BAg+イオンについて
銀イオンがd電子10個であるにもかかわらず、表3では配位結合が形成されにくいとまとめています。本文中では銀イオンと同様に亜鉛イオンも同じ扱いをしていますが、表3では亜鉛イオンはやや形成されやすいとまとめています。銀と亜鉛で本文中と表で扱いを変えた理由を教えてください。
何分現在私は理論化学を教えたり、考えたりする環境にはないものですから、的外れな質問になっているかもしれません。
08A−014
差出人:山本 喜一
送信日:08年9月21日
件 名:RE:サイエンスネット
こんにちは、山本です。
私も伊賀さんの論文を読みました。なかなか頭に入らず、2,3回読み直してやっと大筋が分かった程度ですから、間違っているかも知れません。藤田さんからの質問の答えは伊賀さんから届くと思いますが、私は質問のAは本文との食い違いはないように思いました。
A水和アルミニウムイオンについて
伊賀さんは「d電子がなければ静電気による水和のみになる」と述べています。アルミはd電子がゼロですから静電気による水和のみのように受け取られますが、表3「配位結合の形成のされやすさと正塩の水溶液の液性」ではアルミニウムイオンの項は配位結合は形成されやすいとなっています。伊賀さんはアルミイオンでは水分子が配位していないと考えますか、それとも配位していると考えますか?
本文中に「正電荷が大きくイオンサイズが小さければ水和は起こりやすく」という記述と、その下に「(水和の起こりやすさ;Al3+>Mg2+>=Na+)」とありますので、Al3+は水和しやすいのではないでしょうか。
08A−015
差出人:藤田 勲
送信日:08年9月21日
件 名:水和のこと
藤田です。
アルミイオンの水和のこと、山本さんの以下の指摘はその通りだと思います。
【引用】
本文中に「正電荷が大きくイオンサイズが小さければ水和は起こりやすく」という記述と、その下に「(水和の起こりやすさ;Al3+>Mg2+>=Na+)」とありますので、Al3+は水和しやすいのではないでしょうか。
【引用終わり】
問題はその水和の結合の仕方です。水分子と陽イオンの間に静電気的な引力が主に働いているのか、それとも配位結合という共有結合的な力が主に働いているのかという点です。たぶんこのどちらなのかによって、水和陽イオンの加水分解の仕組みに違いが出て、その加水分解の程度も変わってくるのではないでしょうか。
こういうことはここしばらくあまり考えてこなかったことなので確信があるわけではありません。勘違いがあるかもしれません。
08A−016
差出人:吉田 耕三
送信日:08年8月21日
件 名:RE:プラスチックのリサイクル
山本様・アルケの皆様
こんばんは。兵庫の吉田です。現役の皆様には毎日の奮闘ご苦労様です。
ちょうど、プラスチックゴミのリサイクルについて考えていたところでした。山本さん、タイムリーな情報ありがとうございます。
リサイクルに(特に輸送費に)そんなに費用がかかるなら、いっそ近くのゴミ焼却場で燃やしてしまった方が(できればサーマルリサイクルした方が)安上がりということになります。しかし、それでは大量生産・大量消費・大量廃棄は改められません。地球温暖化も防ぐことができません。悩ましい問題です。何を基準にリサイクルの有効性を考えたらいいのでしょうか。思いつくのは、リサイクルの過程でで発生する二酸化炭素の量ということです。アルケの皆様のご意見をお聞かせいただければ幸いです。
参考までに、先日私が地域のゴミシンポで使用したレジメ(一部加筆訂正)を以下記載します。これが、現時点での私の考えです。
ゴミ問題を地球環境から考える
ひょうごECOクラブ 吉田耕三
(1)今年11月から、神戸市北区でなぜ「プラ」マークゴミの分別収集が行われるのか。
容器包装リサイクル法におけるプラスチック部門のリサ イクルを神戸市が実行することにしたから。容器包装リサイクル法(1997年一部施行2000年全面施行)により、容器包装 に使われているゴミ(ガラスびん・缶・PETボトル・紙・プラスチック)の再商品 化に必要な費用は、原則として容器包装を製造・使用した 事業者が負担することになった。
その具体的内容は次の通りである。
・事業者はリサイクル費用を負担する。(分別収集の費用は含まない)
・市町村は容器包装ゴミを収集・分別・洗浄・保管し、指定法人(財団法人日本容器包装リサイクル協会)を通じてリサイクル事業者に渡す。
・消費者は分別排出する。
(2)ゴミ問題の根本原因は大量生産・大量消費・大量廃棄である。
大量生産・大量消費・大量リサイクルでは解決にならない。
(3)解決策は、循環型社会形成推進基本法(2000年公布)に次の順に重視すべきであると明記されている。
1 Reduse(発生抑制)(減量)
2 Reuse(再使用)
3 Recycle(再生利用)(リサイクル)
4 熱回収(サーマルリサイクル)
5 適正処理(ゴミとして燃やす。埋め立てる。)
(4)容器包装プラスチックゴミのリサイクルの現状(2006年度)
「容器包装リサイクル10年目からの出発 日本容器包装リサイクル協会 2007」より
市町村から委託された容器包装プラスチックゴミは、次の@またはAのリサイクルに回されている。
@マテリアルリサイクル(材料リサイクル)51.5%
・主な再商品化製品は擬木・パレットでである。
・ケミカルリサイクルより優先して入札できる。
・トンあたり9万円かけて得られる再商品化の価値は10円〜2万円である。
・投入した量の約50%が残渣として産業廃棄物になっている。
Aケミカルリサイクル(化学リサイクル) 48.5%
(内訳は次の通り)
・コークス炉化学原料化 26.4%
・合成ガス化 13.3%
・高炉還元剤化 7.4%
・油化 1.5%
(5)今後目指すべき方向
@消費者として
・減量・再使用を心がける。
・国や事業者が減量・再使用を本気で取り組むよう働きかける。
・国や神戸市の動きと並行して、PE・PP・PSをさらに分別して安いリサイクル費用で価値のある材料リサイクルができるようにする。
A神戸市として
・ゴミ処理の現状を正確に詳しく市民に伝え、解決策をともに考える姿勢を持つ。
・容器包装に関しての分別収集費用を、容器包装を製造・使用した事業者が負担するよう国に働きかける。
B国として
・拡大生産者責任が実質的に効果を発揮するよう、関係法規を改正する。(消費者が使用後ゴミになる物を生産・使用した事業者は収集・リサイクルに関する費用の全額を負担するよう法律を改正する。)
C事業者(企業)として
・常に(3)の1〜5をを考慮して技術革新をはかりながら生産する。
08A−017
差出人:伊賀 順子
送信日:08年9月23日
件 名:RE:サイエンスネットを見て
愛知の熱田 伊賀です。
このメールをいただいて、すぐに返信を書いたのですが、全員に返信しようと思ったのですが失敗し、あちこち触っているうちにすべて文章が消えてしまい、今、やっと書き直しています。お手数をお掛けしてしまった方々、すみませんでした。
藤田さん、山本さん、さっそく発見していただいて、ありがとうございます。新入りの私の名前を覚えていてくださって嬉しいです。昨日、数研出版の方からHPにもupしたとのご連絡をいただきましたので、ご紹介させていただきます。
・サイエンスネット トップページ
http://www.chart.co.jp/subject/rika/ri_net.htm
・私の記事
http://www.chart.co.jp/subject/rika/sc_net/33/sc33-3.pdf
(私は、目に障害があり、パソコンの画面を見ることができず、盲人用の読み上げソフトを使っています。盲人用読み上げソフトでは、インターネットがほとんど使えませんので、私は、まだHPを見ていません)
少しコメントです。タイトルは「AgNO3とMgCl2の水溶液の液性が中性である理由について」です。これを調べていたとき、教科書には
「正塩の水溶液の液性はもとになった酸と塩基の強弱で決まる」
「塩酸は強酸であり、水酸化マグネシウムは弱塩基である」
「酸と塩基の強弱は電離度で決まる」
とあり、私の中ではこれらがうまくつながらず混乱していました。
調べ始めたときは、水酸化マグネシウムが弱塩基で、正塩の水溶液の液性がもとになった酸と塩基の強弱で決まるのなら、どうして塩化マグネシウムの水溶液の液性は酸性にならないのか、とか、教科書の説明で、酸の強弱は酸は分子性物質だから単純に電離度で説明してあって納得がいくけれど、塩基の強弱は強塩基の例として水酸化ナトリウムがあげてあり、これはすべて電離するといっているのでわかりやすいけれど、弱塩基の例としては、ある意味で例外的な分子性物質であるアンモニアで説明していて、他のイオン結晶性の弱塩基ではどうなっているのか、など、わからないことがたくさんありました。
今回の文章では「塩基の強弱は何で決まっているのか」「塩基の強弱は、原子やイオンの構造の何に由来しているのか」を追ってみました。私は化学は専門ではないので、あいまいな点も残っていると思いますが、問題提起として受け止めていただいて、あとは、後続の方に期待したいと思います。文章は4ページありますが、結論ははじめの1ページくらいにまとめてあり、後ろは半分くらい趣味?ですので、読み飛ばしていただいてもかまいません。脱線してしまいましたが、もとに戻ります。
<引用>
AgNO3は試してみませんでしたが、確かにMgCl2はBTB溶液がほぼ緑色で、水溶液は中性でした。MgSO4も試してみましたが、やはり中性でした。伊賀さんの論文から疑問も湧いてきましたので、ちょっと質問させてください。
<以上>
試してくださったのですね。ありがとうございます。わかる範囲でお答えさせていただきますが、間違っていたらすみません。
<引用>
@電離定数について
> 論文では溶解度の記述はあるものの電離定数の記述が見当たりません。AgOH及びMg(OH)2の電離定数というのは数値としてわかっているのでしょうか。もし知られているのなら教えてください。
<以上>
AgOHとMg(OH)2の電離度も電離定数も見つかりませんでした。そのかわりになるかどうかわかりませんが、
[Ag(H2O)4]+の加水分解定数は2×10**−12、
[Mg(H2O)6]2+の加水分解定数は4×10**−12
です。ただし、本によって値が違っていたりしますので、どのくらいの精度があるのかはわかりません。この値ははじめ文章に入れていたのですが、ページ数の制限とCuの加水分解定数が同じ本になかったことから、整合性が取れないと思い、削除しました。
直接関係ないかもしれませんが、ご助言をいただいた広島大学の三吉克彦先生によると、Agの水和水の数は2ではなく4だそうです。アンモニアが配位するときは2のはずですが、水だと4になるというのは何を意味しているのでしょうか、気になっています。
<引用>
> A水和アルミニウムイオンについて
> 伊賀さんは「d電子がなければ静電気による水和のみになる」と述べています。アルミはd電子がゼロですから静電気による水和のみのように受け取られますが、表3「配位結合の形成のされやすさと正塩の水溶液の液性」ではアルミニウムイオンの項は配位結合は形成されやすいとなっています。伊賀さんはアルミイオンでは水分子が配位していないと考えますか、それとも配位していると考えますか?
<以上>
この後の山本さん、藤田さんのメールも考慮に入れてお答えさせていただきます。アルミニウムは、水和して配位結合しているようです。ナトリウムはしていないと思いますので、本当はひとくくりにできないと思うのですが、おおざっぱにイメージを作ってもらうことの方が大切かと思いこのような書き方になりました。
理化学事典の「水和水」の項には次のようにありました。『特定のイオンまたは分子と顕著な相互作用をもつ水分子の総称で、結晶中にある場合も、水溶液になっている場合も含める。強い配位結合をもつヘキサアクアアルミニウムイオン[Al(H2O)6]3+から、ナトリウム塩水溶液中の[Na(H2O)x]+(x=3〜6)のように弱い相互作用をもつものまでいろいろの種類がある。クロム(3)などの例外を除くと、水溶液中では溶媒の水分子との間の交換は速い。(一部略)』
配位結合はd電子を使う場合が多いようですが、使わなくてもできるのかもしれません。アルミが何で配位結合しているのかはわかりませんが、静電気的な力によって、配位結合がより強固なものになっていると思います。本来は水和と配位結合の寄与は分けることができないと思うのですが、それを無理に分けています。それで、配位結合という言葉は少しごまかしてあります。11ページの右側、上から15行目を見ていただくと(ただし、ここでは配位結合と水和をあまり厳密に区別していない)としてあります。
正確には「配位結合の形成のされやすさ」ではなく、「配位結合などにより生じた錯イオンの安定性」で議論するべきなのですが、はじめ「錯イオンの安定性」で文章を書いていたのですが、文章がかなり複雑で「これだと読んでもらえなさそう」と思い、正確さよりも読みやすさを重視して、直前になってすべて書き直しました。その結果、藤田さんのご指摘にあるように、少し表現があいまいになってしまいました。
<引用>
> BAg+イオンについて
> 銀イオンがd電子10個であるにもかかわらず、表3では配位結合が形成されにくいとまとめています。本文中では銀イオンと同様に亜鉛イオンも同じ扱いをしていますが、表3では亜鉛イオンはやや形成されやすいとまとめています。銀と亜鉛で本文中と表で扱いを変えた理由を教えてください。
<以上>
たぶん、本文中の方は、d電子のみによる寄与を説明している部分を、表中の方はd電子の寄与にイオンの価数も考慮した結果をさしているのだと思います。d電子数だけだと銀と亜鉛は同じd電子10個だけれど、銀は1価、亜鉛は2価なので価数の大きい亜鉛の方が強く結合している、ということです。確かに読み直してみると、どこで切れているのかわかりにくいですね、すみません。
藤田さん、山本さん、興味を持っていただいて、本当にありがとうございました。私も化学が専門ではないので、あいまいな点もたくさんあります。これからも皆さんのご助言、ご指導をいただけると幸いです。
08A−018
差出人:藤田 勲
送信日:08年9月23日
件 名:塩の加水分解
藤田です。
伊賀さん、返信ありがとうございます。私はメールは近況報告も兼ねて気楽な気持ちで書いていますので、伊賀さんも自分のペースであせらずに気軽に書いていただければと思います。さて、伊賀さんから私の質問し対する回答が届きましたので、私のコメントをさらに勝手に書きたいと思います。
@電離定数について
この値が分からないのであるとすると、AgOHとMg(OH)2の電離定数が大きいとする根拠は何によっているのでしょうか。それから「Agの水和水の数は2ではなく4だ」ということですが、『コットン・ウィルキンソン無機化学 原書4版』では「水中のAg+イオンは恐らく「Ag(H20)2]+であろう」と書かれています。さらに蛇足ですが、「その配位水はきわめて反応活性であって、塩の水和物は知られていない」と気になる記述があります。
A水和アルミニウムイオンについて
アルミイオンが水分子を配位結合で水和するとした場合、アルミのイオンのどの空軌道に水分子の電子対は収まるのでしょうか。どうも私はアルミイオンは3価の強い電荷で水分子をひきつけているのではないかと思っているのですが、いかがでしょうか。強い静電気力で水分子がゆがんで重合することで酸性を示すということではいけないでしょうか。以下のような電離式がコットン・ウィルキンソンには書かれてあります。
[Al(H20)6]3+ →[Al(OH)(H20)5]2+ + H+
OH
2[Al(H20)6]3+ → [(H2O)4Al/ \ Al(H20)4]4+ + 2H+
\ /
OH
なお、マグネシウムイオンについては前述のコットン・ウィルキンソンでは「Mg(H20)6]2+イオンは酸性ではなく、[Be(H20)4]2+とは対照的にかなりたやすく脱水する」と書いてあります。水和マグネシウムイオンは加水分解しないということでしょうから、塩化マグネシウムの水溶液は中性という実験結果と一致する記述と考えて良いように思います。
08A−019
差出人:林 正幸
送信日:08年9月25日
件 名:塩基の強弱と大量リサイクル
こんにちは、林です。
伊賀さんのサイエンスネットの原稿を、私は2ヶ月ほど前に見せてもらい、そのとき塩基の強弱について曖昧にしてきた自分に気づきました。弱塩基は水の溶けにくいものが多いため、ついつい水に溶けにくいから水酸化物イオンも生成しにくいとごまかしていました。水酸化カルシウムがすでにその境界にあるのですが、本来は塩
基の溶解した部分がどれくらい水酸化物イオンを生成しやすいか、理論的には金属イオン(水分子をまとったイオン)がどれくらい水素イオンを生成しにくいか(加水分解しにくいか)、に焦点を当てて説明すべきなんでしょうね。
しかし実際となると、塩基の強弱を実験でどのように高校生に示すか、電離定数のデータが見当たらないなど、簡単ではなさそうです。そもそも塩の加水分解がかなり高度な内容ですよね。伊賀さんの提案は、銀塩、マグネシウム塩の加水分解は扱わないようにするというものだったと記憶しています。もちろんそれとは別に私たち
は勉強していく必要があります。
もうひとつ、山本さん、吉田さんが提起のプラスチックのリサイクルの問題です。2人のメールは10月に予定している「環境勉強会」の資料にしようと思いますが、不都合はありませんか。
プラスチックのリサイクルコスト、高いですね。しかしコストが高いからバージン原料にしようと言うのでは、それは利潤追究の論理に過ぎなくなります。人類が持続して生存するには、資源は循環利用、エネルギーは太陽エネルギーを基本にするのが原則であると思います。そのためにどうするべきか。そして現実からどう道筋を
付けていくか・・・。複雑な課題です。
吉田さんが書いた「リサイクルの過程で発生する二酸化炭素の量」はひとつの大切な視点であると思います。サーマルリサイクルも状況によっては合理的な面があります。しかしそれだけでは問題の解決にはならず、原料のバイオ化(山本さんが書いた食糧との競合がある)、あるいは原料の二酸化炭素化(これはエネルギーを消費
する)の課題があります。そしてどうするにも「大量生産・大量消費」が立ち塞がります。経済・社会システムと価値観・思想の変更を迫られます。
私は思うのですが、マスコミや教育の場でくり返し「どうするべきか」を市民が議論していくのが大切です。話が飛びますが、いま問題の「食の安全」は、農水省の監督が不十分であることは確かでしょうが、企業犯罪の社会的背景までたどらないと、次々に別の問題が吹き出して手に負えなくなるだけでしょう。原油高、サブプラ
イムローン問題でも、多くの人たちが利子や配当が高いことのみを動機にお金を動かす(あるいは投機で金を儲ける)ことの良否まで問題提起していかないと、似たことがくり返されると思います。JRがリニア新幹線をつくりと宣言しましたが、「ちょっと待て」という話はあまり聞きません・・・。
意見というほどではありませんが、思いつくことを書いてみました。
ではまた。
08A−020
差出人:山本 喜一
送信日:08年9月25日
件 名:RE:塩基の強弱と大量リサイク
こんにちは、山本です。
私のメールがあちこちでお役に立っているようで、感激しています。このデータはいろいろなところでの資料に使っていただいてけっこうだと思います。ただ、私の学校に来ていただいた大学の先生が、どこからこのデータを持ってきたのかを聞きそびれましたので、出典は明らかではありません。ともかく、大量消費を続けながら環境を守る技術はないのだと感じています。
<引用>
もうひとつ、山本さん、吉田さんが提起のプラスチックのリサイクルの問題です。2人のメールは10月に予定している「環境勉強会」の資料にしようと思いますが、不都合はありませんか。
<ここまで>
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