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07A−041
差出人:佐藤 琢夫
送信日:08年1月15日
件 名:ヨウ素デンプン反応について

岩手の佐藤です。
 只今、藤田さんのメールを読ませていただきました。明日から日曜まで忙しくなるので、メールをしたいと思いました。溶液の電導度を測定したことも無いものが、この論議に加わるべきか考えましたが、疑問に思ったことなどを列記したいと思います。メールからは藤田さんの実験の意図がよく伝わってきません。
@『私はヨウ素が溶液中で分子状態なのかイオン状なのかを調べよう』とした結果が蒸留水の約4倍の伝導度を示した。これはイオン化しているという評価はできますね。
Aどうして、エタノールが登場するのでしょうか。エタノールは水と同様にヨウ素に対してドナーとアクセプターの関係になっています。そして、さらに水を加えて、その結果が55 μS/cmの伝道度を示すことは、当然結果のように思われます。
Bヨウ素が水に対してわずかに電離してヨウ化物イオンとなるという事実の中で、伝導度をもとに分子状態なのかイオン状態なのかを、どの程度調べられと予想なさったのか理解できないです。
Cヨウ素を水の中において、分子の割合、イオンの割合を調べるにはこの伝導度では無理があるように思われます。
 私は水の存在があるからヨウ素デンプン反応が起こるものと理解しています。ヘキサンを使いヨウ素を抽出して、ラセンの中に入れようとしてもヨウ素はデンプン溶液の水と接触します。この水によってヨウ素の分子が変化し、わずかな変化でも平衡を打破する要因が加わればヨウ素デンプン反応は成立します。
 以上、思ったことを綴ってみました。


07A−042
差出人:林 正幸
送信日:08年1月22日
件 名:私もヨウ素デンプン反応

こんにちは、林です。
 このところ他のことに忙しく、ようやく昨日都合がつき、今年初めて化学実験ができました。気になっていたヨウ素デンプン反応です。
 試験管に水を入れ、わずかにヨウ素を加えて加熱し、黄褐色のヨウ素水溶液をつくります。冷却してから他の2本の試験管に小分けします(もちろん残っているヨウ素は移しません)。一方にわずかなヨウ化カリウム(固体)を加えて溶かします。液の色はさして変化しません。これに1%デンプン水溶液を1滴ずつ加えます。色が濃くて見にくいので水で約3倍に薄めます。ヨウ素だけの方は紫色であり、ヨウ化カリウムを加えた方は、うすく黒ずんでいます。紫色の方にわずかにヨウ化カリウムを加えると、やはりうすく黒ずんだ色に変化します。
 これをどうとらえるか。単純な理解は、ヨウ素分子がデンプンと反応して紫色になる。そしてヨウ化カリウムを加えると次の反応が起こり、ヨウ素分子による紫色は消える。
    I2 + I^- ―→ I3^-
そして三ヨウ化物イオンはデンプンとうすい黒色に発色する、となります。
 通常ヨウ素デンプン反応は、ヨウ素・ヨウ化カリウム水溶液で行います。ヨウ素とヨウ化物イオンが平衡状態にあると考えれば、後者は前者の供給源となり、デンプンを検出しやすくするのでしょう。
 ではまた。


07A−043
差出人:林 正幸
送信日:08年1月25日
件 名:「気体の化学」

こんにちは、林です。
 前回のヨウ素デンプン反応は溶性デンプンを使いましたので、昨日はかたくり粉でやってみました。するとヨウ素のみでは青色ですが、ヨウ化カリウムが加わると緑ないし黄緑色になります。ヨウ素分子が青色を呈することは変わりませんが、どちらも黒色の粒子が分散しています。これは前回のヨウ化カリウムを加えた溶液でも観察され、気になっています。今回だけならデンプン粒が溶け切らなかったとも考えられるのですが・・・。
 さて話は変わって、次の先進科学塾の私のテーマはしたがって講座プランも、「気体の化学」にしました。これまで状態方程式に至る道は、気体の体積がどうなるかでした。これを圧力はどうなるかに変えようと考えています。つまり
    P = k1/V(ボイルの法則は V = k1'/P)
    P = k2T(始めは P = k2(t+273) そして絶対温度の導入)
    P = k3n(n = w/M は前提)
これらの関係は、頭の中でも分子運動論的に納得できます。実験に基づいて気体状態をより深く理解しようと言うのです。組み合わせると
    P = knT/V
以上は空気でやりますが、私が設計した圧力計を使います(アルケ通信04A−3号に資料)。
 ここで気体の種類を変えて密度を計測すると、比例定数が一定であり、数値が
    R = 0.082[atm・L/mol・K]
と分かり、どの気体にも次の状態方程式が成り立つことが分かります。
    PV = nRT
そしてこれからシャルルの法則や気体反応の法則を予測し、場合によっては検証実験もできます。密度から分子量が計算できるのは言うまでもありません。
 他の部分はまたいつか書いてみたいと思います。
 ではまた。


07A−044
差出人:山本 喜一
送信日:08年1月26日
件 名:気体の化学など

こんにちは、山本です。
 林さんのヨウ素デンプン反応の結果は大変興味があります。ヨウ素溶液とヨウ素ヨウ化カリウム溶液では発色が違うということは、デンプンに取り込まれた分子が違うということを予想させます。つまり、ヨウ素溶液ではI2が取り込まれ、ヨウ素ヨウ化カリウムではI3^−が入るために吸収する波長が変わり、違う色がでるということです。私も余裕ができたら、いろいろとやってみたいと思っています。
 気体に関してですが、松本さんの資料に「アボガドロの法則が成り立つ理由がわからない」という文章がありました。私は次のように考えたのですが、いかがでしょうか。
 計算しやすいように、次のように単純化して考えます。1辺がL[m]である立方体が2つあり、片方には分子1個の質量がmである気体が、もう一方には質量Mの気体が入っていて、両方の温度と圧力が同じだったとします。このとき、箱に入っている質量mの気体の分子数をa、Mの分子数をbとします。さらに、mの分子の速さはすべてv[m/s]、MはV[m/s] とし、x軸方向にだけ運動しているとします。
 1個の分子が1秒間に壁に衝突する回数はそれぞれv/L回、V/L回です。1個の分子が1回壁に衝突したときに与える運動量は2mv、2MVです。従って、1秒間に壁に与える運動量は2mv^2/L、2MV^2/Lになります。分子数はa、bですから、容器全体では2amv^2/L、2bMV^2/Lになります。そして圧力が等しいので、この二つは同じ値になります。
  2amv^2/L = 2bMV^2/L
∴ amv^2 = bMV^2 ・・・ @
同じ温度ですから、両方の気体の運動エネルギーは同じはずです。
  mv^2/2 = MV^2/2 ・・・ A
@とAから
  a=b
つまり、両方の箱に入っている分子数は同じになります。


07A−045
差出人:林 正幸
送信日:08年1月29日
件 名:気体の状態方程式

こんにちは、林です。
 土曜はEHCで、光の三原色が楽しめる実験装置をつくりました。講師はわれらがアルケミストの会の伊藤さんでした。実に美しい! そして日曜は、退職仲間の腰を据えての飲み会、私は勝手に「理持会」つまり理科を持続する会と名付けています。さすがに昨日は、体の方からノーアルコールデーになりました。
 さて、山本さんが分子運動論の具体例を書いてくれました。このように気体においては、圧力が基本概念であると思います。教科書はボイルの法則、シャルルの法則共に体積が中心です。確かに体積は目に見えやすく、実験も分かりやすいです。しかしどうでしょうか。それにかまけて圧力概念の育成を回避しているのではないでしょうか。だから例えば分圧の法則があいまいになる・・・。
 現在では優れた圧力センサーがあり、比較的簡単に圧力計がつくれます。であれば、実験から圧力中心で展開してもよいではないか、これが私の主張です。ちなみに教科書は
    V = k3n
がはっきりしません(これはアボガドロの法則ですね)。その上で
    V = kPT/V
において、kが気体の種類に依らない(これもアボガドロの法則です)と展開すべきです。そして気体の状態方程式が出てくる。
 私の方は改めて
    p = kT
の実験に取り組んでみました。結果は絶対零度が−328℃になってしまいました。これでは不十分です。何とか−273±10[℃]あたりに収めたい。今日も午後に試してみるつもりです。
 ではまた。


07A−046
差出人:
送信日:08年1月29日
件 名:硝煙反応

アルケミストの皆様 名古屋の岡田です。ご無沙汰しております。
 もしご存じでしたら、教えてください。科学捜査で利用されている硝煙反応ですが、綿火薬では反応しないのでしょうか。調べてみましたところ、試薬はジフェニルアミンですが、溶液が分かりません。濃硫酸25mlにジフェニルアミンを30mg溶かすという文献もありましたが、硝煙反応のために濃硫酸を使用しているのか疑問でこれはまだ試していません。エタノールには溶けますので、ジフェニルアミンのエタノール溶液を綿火薬の燃焼後のものや硝酸カリウム水溶液と亜硝酸ナトリウム水溶液に加えてみましたが、変化なしでした。我が校のジフェニルアミンは私が赴任する前の年に購入されて開封されたものですが、薬品に問題があるのかもしれません。
 もし情報をお持ちでしたら、教えてください。


07A−047
差出人:山本 喜一
送信日:08年1月30日
件 名:ヨウ素デンプン反応

こんにちは、山本です。
 ヨウ素デンプン反応について理科教育MLというところに質問を出してみたところ、日本化学会の『教育現場からの化学Q&A』という本に出ていると教えてくれた人がいました。その本には、次のように書いてあります。
「・・・ラマン分光法やヨウ素129メスバウアー分光法などの機器分析法により、・・・、直線上のI5^−イオンの存在が確認されました。中心にI−その両端にIが結合している構造です。デンプンのらせん構造の中でI5^−イオンが安定に存在すると考えられています。・・・」
 田仲論文にはI3^−も存在するとありましたが、この本ではI5^−だけが出ています。ただ、「I5^−イオンが安定に存在すると考えられています。」という書き方で、「I5^−イオンが安定に存在します。」と断定していませんので、まだよく分かっていないのかもしれません。
 さらに、取り込まれているのがI5^−だとしても、I3^−からどのようなしくみでこのイオンができるのか、デンプンのOH基からの電荷移動は起きているのか、デンプンのらせんが短いとなぜ赤い色になるのかなどは謎のままです。


07A−048
差出人:林 正幸
送信日:08年1月31日
件 名:P = kT

こんばんは、林です。
 今日の試みで、どうやら
    P = k2T
の実験ができあがったようです。圧力−せっ氏温度のグラフから絶対零度を求めると−266℃になりました(最小自乗法で1次の式を作り、P=0になるtを求める)。
 250mL試薬びんを500mLビーカーに入れて水に浸け、加熱します。90℃を越えたら口に圧力センサーをねじ込んで、冷ましながら温度と圧力を計測していきます。最後は氷水に浸けて計測します。成功のためのノウハウは今は割愛します。
 また
    P = k3n
の実験にも取り組んでいます。実際には圧力と質量を計測します。空になった簡易ボンベに穴を空けて、圧力センサーをつなぐチューブを接着します。予めボンベに注射器で空気を押し込み、空気を少し抜いては計測を続けるのです。まだ途中ですが、うまく行きそうな気配です。
 これができたら、圧力計を量産しようと考えています。こちらの方は、以前にEHCで皆さんに製作してもらったことがあるので見通しはあります。
 ではまた。


07A−049
差出人:林 正幸
送信日:08年2月2日
件 名:RE:硝煙反応

おはよう、林です。
 岡田さんの硝煙反応については、調べてもよい情報がなかったので返事が書けませんでしたが、もう一度読み返してみると気付いたことがありました。
 ジアゾカップリングは塩酸酸性にして行いますよね。だったらこの場合もそのようにしてみてはどうでしょうか。
 ではまた。


07A−050
差出人:岡田 晴彦
送信日:08年2月4日
件 名:硝煙反応

アルケの皆様
 林さん、藤田さん、ご連絡ありがとうございました。早速、今日、実験してみました。林さんの、「塩酸を加えてみる」というご指摘ですが、(温度を低くすることを忘れていたことに後から気が付きましたが)濃塩酸にジフェニルアミンを加えたところ、すぐにうっすらと青紫色になりました。その時点で硝煙反応が起こってしまったのではないかと思い、断念しました。明日、低温の状態で濃塩酸にジフェニルアミンを加えてみます。
 藤田さんのご指摘ですが、
「0.5gのジフェニルアミンを濃硫酸100mlに溶かし、それを20mlの水で薄めた溶液を2〜3ml試験管にとる。そこに(亜)硝酸イオンを含む試料を表面が乱れないように静かに加えると、界面にきれいな緑〜青の輪が現れる、というものです」
この溶液を作り、綿火薬を燃焼させた試験管に注いだところ、すぐに青紫色になりました。さらに、濃硝酸にジフェニルアミンを直接加えても青紫色になりました。また、硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウムの水溶液に先の溶液を加えても青紫色になりました。硝酸銀の水溶液には先の溶液を加えても、変化はありませんでしたが、先の溶液に硝酸銀を直接加えたら、青紫色になりました。
 この理由を藤田さんは次のように説明してくれました。
「ジフェニルアミンは酸化還元指示薬として使われるアニリンの誘導体ですから、アニリンが適当な酸化剤で緑のポリアニリンになるように、ジフェニルアミンが適当な酸化剤で2分子酸化重合してジフェニルベンチジンを経てジフェニルベンチジンバイオレットに酸化されることで発色すると考えられています(『酸化と還元』、守永健一、裳華房、1972)。つまり、硝酸イオンを含む試料が、その溶液の界面に接した濃硫酸により硝酸を遊離し、それが酸化剤として濃硫酸に溶けているジフェニルアミンを酸化して青色の色素に変わり輪が現れるということなのでしょう」
 警察などが科学捜査で昔実施していた、硝煙反応がこの反応かは分かりませんが、これで「硝煙反応」として実践をしてみようと思っています。そして、さらに深めていきたいと思いますので、関連する情報がありましたら、教えてください。また、石川大会に「ニトロセルロース(綿火薬とセルロイド)」というレポートを報告することにしました。 この具体的な内容は少しあとで。


07A−051
差出人:林 正幸
送信日:08年2月7日
件 名:P=kn など

こんばんは、林です。
 圧力とせっ氏温度との関係を計測する実験では、メータの調整ですこし忘れていたことがあり、それを再調整して試したところ、絶対零度が−273℃とぴったり出てしまいました。さすがに私も驚きましたが、この実験はもう大丈夫でしょう。
 そして前々回のメールで書いた、圧力と質量の関係を計測する実験もうまく行くようになりました。ポイントは、簡易ボンベにチューブを接着する接着剤の選択にありました。うまく行くまでに3回、加圧するとパンクしました。
 今日は気体に関して2つの実験をしました。ひとつはパスカルの原理で、50mLと1mLの注射器をつないで押し合うと、まるで力が違って面白いです。中を空気と水の両方で試してみました。これは圧力概念の形成に利用できないかと考えています。
 もうひとつは、塩ビ管内におけるアンモニアと塩化水素の拡散です。それが定規で計ってびっくり、白煙ができ始める位置がアンモニア源から36.5cm、塩化水素源から17cmなのです。たまたま使った管の長さもよかったのですが、分子量が計測できてしまいました(?)。いったい拡散距離の比が分子量の逆比になるものなのでしょうか。平均飛行速度の2乗の比は分子量の逆比になりますから、拡散距離の比は平均飛行速度の2乗の比になるのでしょうか。そんなことがありそうな気もしますが、本を調べても分かりません。誰か知っている人はいませんか。
 ではまた。


07A−052
差出人:竹野 徹美
送信日:08年2月8日
件 名:RE:P=k3n など

 アンモニアと塩化水素の拡散の実験について、「グレアムの拡散の法則」が擬似的に成り立つ…というような議論を、どこかで、したor聞いたor読んだ ような記憶があります。前提となる条件が異なるので、問題はあると思いますが。
 なお、この実験で生ずる白煙、ナナメの円形になっています。「閉塞前線」なんですよね。純水でぬらしたロール状のpH試験紙を端から端まで管内側面にのばしておくと、色の変化で拡散速度の概要がわかります。白煙が生ずるところはみごとにナナメに色分けされます。
 …授業の合間なので、いいかげんなコメントですみません。


07A−053
差出人:山本 喜一
送信日:08年2月9日
件 名:RE:P=k3n など

山本です。
竹野さんが紹介されたグレーアムの法則は、共立出版『化学大辞典』には次のように述べられています。
<以下 引用>
(1)小孔のある容器に入れた気体が流出する速度はその気体の密度の平方根に
逆比例し、容器の内外の圧力差の平方根に比例するという法則。気体流出の法則
ともいう。等温度、等圧力では二つの気体の密度の比は分子量の比に比例するか
ら、気体流出の速度は分子量の平方根に逆比例するといっても良い。この法則は
1831年Grahamによって発見され、のち気体分子運動論の立場から次のような
理論的説明が与えられた。気体の流出速度は分子の自乗平均速度に比例し、自乗
平均速度はエネルギー均分の法則により分子量の平方根に逆比例する。それゆえ
流出速度は分子量の平方根に逆比例する。・・・
(2)気体および液体における拡散速度が分子量の大きいものほど小さくなる傾
向があるという法則。気体拡散の法則ともいわれる。・・・なお注意すべきこと
は、気体分子の拡散が分子量の平方根に逆比例するという議論があるが、これは
誤りで、(1)の流出(噴散)としばしば混同される。
<ここまで>
以上のように、拡散速度と分子量との関係には数式で表されるような関係がないようです。


07A−054
差出人:藤田 勲
送信日:08年2月9日
件 名:RE:P=k3n など

藤田です。
 共立出版『化学大辞典』よりも新しい東京化学同人『化学大辞典』(1989年)には次のように述べられています。
『流出速度vを拡散係数Dに置き換えると、D1/D2=(M2/M1)^1/2となるが、近似的な関係である。』
流出速度を拡散係数に置き換えることで、どういう実態が無視されるのか、どんな仮定が前提になっているのか分かりませんが、近似的には成り立つようです。


07A−055
差出人:林 正幸
送信日:08年2月10日
件 名:気体の「拡散」

こんにちは、林です。
 竹野さん、山本さん、藤田さん、応答ありがとう。アンモニアと塩化水素の拡散競争は、理論的には扱いにくいようにも思えます。発生源は、脱脂綿を銅線で固定してゴムせんに差し込み、濃アンモニア水と濃塩酸をしみ込ませたものです。管は内径18mmの塩ビパイプを水平に置きます(アンモニア側を上にして上下でもやってみましたが、接触面でできる塩化アンモニウムが壁面を伝うように流れ落ちました)。アンモニアと塩化水素は揮発し続けています。つまり通常の拡散ではありません。この条件で塩化アンモニウムが目視できる程度に生成するある希薄な濃度の面が移動する距離、同じ時間で移動する距離の比が問題です。管の長さを変えたり、管を上下にしたりして実験を続けてみます。
 なお塩化アンモニウムの生成面は始めは垂直でした。これは私が使った管が60cmほどと長く、両方の気体の先端部は希薄なため、事実上は密度差が無いためと考えます。なお時間が経つと、竹野さんのメールのように停滞前線になっていきます。
 ではまた。


07A−056
差出人:林 正幸
送信日:08年2月14日
件 名:気体の「拡散」(その2)

こんにちは、林です。
 アンモニアと塩化水素の拡散について、アクリル管(塩ビではありませんでした)が1m、50cm、33cmのものを使って実験してみると、アンモニアと塩化水素の拡散距離の比は、2.3、1.7、2.3になりました。塩化水素とアンモニアの分子量の比は2.15ですので、拡散距離の比は分子量の逆比に比較的近い値にはなるようです。私としてはこのあたりで終わろうかと思います。
 ところで水素の拡散速度が大きいことを利用して水の噴水をつくる実験ですが、じょうごにセロハン膜を貼って試みたのですが、まったくうまく行きません。もっと工夫が必要であると思いますが、簡易水素ボンベを購入する必要があります。
 このところの一連の実験で、7月に予定(決定ではない)している先進科学塾の私案がほぼできました。「目に見えない気体を科学する」という表題です。気体の状態方程式を、圧力をベースにしてその概念を形成しながら、かつすべて実験に基づいてつくり上げることがメインです。さらに気体分子の平均飛行速度にも踏み込みます。私のとって、何かを「えさ」にして頑張ることはたいへん重要です。
 ではまた。


07A−057
差出人:林 正幸
送信日:08年2月15日
件 名:注射器による分子量測定の誤差

こんばんは、林です。
 知っている人が多いと思いますが、注射器を使って50mLの気体の質量を計測し、温度、圧力(1atm)などから分子量を測定する実験があります。私も取り入れているのですが、1年半前に実験したときは
  酸素      30.0
  窒素      26.2
  二酸化炭素   41.7
と、すべて数%小さ目でした。
 そして今回も気体定数が気体の種類に依らないことを示すために実験すると
  酸素     0.0875[atm・L/mol・K]
  二酸化炭素  0.0883
  空気     0.0888
と、数%大き目です。この誤差は同じ傾向であり、いずれも質量が小さ目になるためです。参考に今回の質量を示すと
    酸素      0.064[g]
    二酸化炭素   0.087
    空気      0.057
です。
 この原因を考えているのですが、現時点では分かりません。まず注射器を真空にしたときに空気がすこし侵入する可能性ですが、針穴をゴムせんでしっかり塞げば、そのようなことはありません。次に注射器の目盛りを疑いました。しかし水を50mL入れ、その水の質量を測ったところ、ほとんど誤差はありません。さらに真空にしたとき注射器が縮む可能性を考えました。空気を50mL入れた場合と比較して、水を入れたメスシリンダーに注射器を沈めてみましたが、うまく計測できませんでした。
 そこで思いついたのが、空気を入れない注射器の質量と、50mLの真空を作った注射器の質量の差を比較することです。後者が空気50mL分だけ軽くなるはずで、その値は温度を計測して空気の平均分子量から計算できます。実際がそれより重ければその分注射器が縮んでいるというわけです。ところがやってみると、高々1%程度縮んでいるだけで、それも天秤の精度からしてはっきりしません。数%の誤差には及びません。
 気体の純度が問題なら、空気の気体定数だけはもっとよい数値になるべきです。なお読みやすくするために50mLと書きましたが、実際には穴にビスを通して固定した正確な体積を使って計算しています。ビス穴に遊びがあるので、押したときの体積にしています。
 誰かこの実験をしたことがありませんか。参考になる情報はありませんか。
 ではまた。


07A−058
差出人:藤田 勲
送信日:08年2月17日
件 名:鉄を作る

アルケのみなさん、こんにちは。藤田です。
 ホカロンから鉄を再生する実験を広島大の田中グループがやっていますね(『化学と教育』2003,9他、インターネット上でも公開)。私もこの実験、やってみました。ルツボ内が数分で赤熱状態になり、非常に簡単に簡単に鉄ができます。生成物は塩酸に入れて水素が出ることで確かめました。
 試料によると活性炭がレンジのマイクロ波によって1分で1000度以上に加熱されるのだそうです。それでこの活性炭で酸化鉄が還元されるようです。試験管にホカロンの廃物を加えてバーナーで加熱しても全く還元反応は起こりませんから、電子レンジの威力はすごいですね。なお、『化学を変えるマイクロ波熱触媒』(柳田祥三ほか、化学同人、2004)には高校でもできそうな色々な実験が紹介されています。
 教室で演示ができるような簡易なレンジがあれば色々な実験を示せそうですが、持ち運び可能な小さくて軽い電子レンジはあるのでしょうか。ご存知の方、いませんか。もっともこんなレンジでは電磁波が大量に漏れ出しそうですね。


07A−059
差出人:
送信日:08年2月18日
件 名:RE:鉄を作る

 調べた中で一番小さい電子レンジはこれ。…でも、10kg以上あります。
  http://www.twinbird.jp/product/dr4215/
製品寸法(約)455×330×265mm
製品質量10.5kg
[付属品含む](約)


07A−060
差出人:藤田 勲
送信日:08年2月18日
件 名:竹野さん、ありがとうございます。

 竹野さん、早速調べてくれてありがとうございます。
 10kgではまだ簡単に教室には持っていけないですね。もし、トースター程度の大きさで5kgぐらいの重さのものが教材用にあれば、私たちは新しい加熱手段を手に入れたことになりますね。そうなると随分加熱実験の内容や質も変わって、化学実験そのものが面白方向に発展しそうな気がします。どこかの教材屋で作ってくれないものでしょうか。


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