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05A−061
差出人:野中 直彦
送信日:06年1月1日
件 名:新年あけましておめでとうございます
新年あけましておめでとうございます。
また、あらたなる年の始まりです。今年もよろしくお願いします。私は、50の歳を超えてしまいました。
世の中の動きが不安です。右傾化し、管理統制が強まっている感じがします。
でも、やりたいことがいっぱいあります。とんぼ玉、天体写真、陶芸、タンクローリーの運転手?。あまり、みなさまの迷惑にならないようにします。
これからもよろしくお願いします。
05A−062
差出人:林 正幸
送信日:06年1月10日
件 名:ごあいさつ
明けましておめでとうございます、林です。
皆さんの新年はいかがでしたか。そして今日から三学期ですね。愛知では7、8日と恒例の理科教育の討論合宿を開き、続いて科教協愛知大会の実行委員会を持ちました。
私自身は正月は孫と共にあり、4日は熟年組(理持会、つまり理科を持続する会と名付けようと提案しているのですが・・・)で新年会を開きました。そして昨日は家内とコンサートに出かけました。美しい楽音の中にいると、別世界に滑り込んでしまいます。今日は大学時代の友人が来訪します。
そんな中で手始めに速度計を製作しています。EHCで昨年12月に勝野さんが講師で製作したものですが、私は京都で同窓会があって参加できなかったのです。これはPICマイコンを組み込み、通過時間ではなく速度を直接に表示します。ビースピは低速では精度が悪いのですが、それを克服した設計になっています。私は、一昨年に入れ込んだ「力と運動」実験システムに活用しようと、4台お願いしました。1台3000円で、すでにプログラムも焼き込んである超お得バージョンです。
続いて1月22日には環境問題を勉強する会が林ラボであります。その準備をしようとリサイクルの本を買い込んでいます。そして昨年は忙しくてとうとうできなかった講座プラン「原子はどのように結合するか」の作成に、1月中に取りかかりたいと考えています。そうそう、アルケ通信の資料も送らなくては、今回は12月に実践した先進科学塾1日コースの「元素を自分で取り出してみよう」が中心です。
ではまた。
05A−063
差出人:岡田 晴彦
送信日:06年1月22日
件 名:二酸化窒素の化学平衡
名古屋の岡田です。
永年疑問に思っていながら、忘れていたことが解決できたようですので、報告します。二酸化窒素(赤褐色)と四酸化二窒素(無色)の化学平衡について、「この混合気体を圧縮すると、その色はどうなるか」という問題です。
もう30年くらい前に、教科書か問題集にこの問題があり、組合の教育研究会に私より少し年上の(当時)若い人が問題提起しました「答は色は薄くなるだが、圧縮すると、濃度が大きくなるので、色は濃くならないだろうか」。そのときの参加者のなかでベテランの先生は「圧縮により濃度が大きくなるので、色は濃くなるが、化学平衡の法則から、圧力が減少する方向(色が薄くなる)に移動するから薄くなる」と言われ、だいたいその方向で皆納得しました。私は、何かすっきりしないままでした。 その後、この問題についての教科書や問題集はほとんど「圧縮すると、平衡はどちらに移動するか」で色についてはあまり触れていないと思います。また、色について触れていても、「一旦濃くなった後薄くなる」と記述してあります。私も、すっきりはしないが、そのように説明してきました。しかし、「はじめの色と比べたら、平衡移動後は、濃くなっているのではないか」という疑問を持っていました。
今年度は新教育課程の完成年度で、新しい教科書と問題集を使用していますが、問題集で、次の問題で忘れていたことを思い出しました。
「東京書籍 ニューグローバル化学U」
二酸化窒素NO2は赤褐色の気体であるが、無色の四酸化二窒素と次のような平衡状態にある。
2NO2(赤褐色) ⇔ N2O4(無色)
この混合気体を用いて、次の実験T、Uを行った。下の各問いに答えよ。
実験T 省略
実験U 図2(略)のように混合気体を注射器に入れ、筒の先をゴム栓で 強く押さえて、注射器内を強く圧縮した。
(1)省略
(2)実験Uで注射器を圧縮すると、その瞬間気体の色は濃くなる。その後、しばらく放置しておくと、混合気体の色はどのように変化するか。正しい記述を次のうちから選べ。
(ア)赤褐色の濃さは変わらない。
(イ)赤褐色がさらに濃くなる。
(ウ)赤褐色がうすくなるが、圧縮する前よりも色はうすくなる。
(エ)赤褐色がうすくなるが、圧縮する前よりも色は濃くなる。
(オ)赤褐色がうすくなるが、圧縮する前と同じ色の濃さになる。
解答(ウ)
圧縮した瞬間は、体積が小さくなるので、NO2もN2O4も同じ割合で濃度が大きくなり、混合気体の色が濃くなる。その後、圧縮によって圧力が大きくなったので、気体分子の数が減少する向き(右向き)に平衡が移動し、気体の色はうすくなる。しかし、平衡の移動は条件の変化をやわらげるが、もとの状態にまではもどらないので、正しい記述は(ウ)となる。
私は(エ)と思って答を見ましたが、(ウ)だったので、おかしいと思い、いろいろ調べてみました。
まず、解答の文章のつじつまが合わないような気がします。この文章だと(ウ)ではなく、(エ)のような気になります。
次に、今使用している教科書(三省堂の化学U)の指導書の解説の中にこの件に関する記述がありました。
「温度を一定にして圧力を上げる実験を行うと、平衡の移動がなければ、体積の減
少とともに、NO2の濃度は大きくなり、気体の褐色は濃くなるはずである。実験を行
うと、圧力を3倍にしたときに色は2倍程度になり、圧力を9倍にしたときは色は3
倍程度にしかならない。注射器を使った実験では圧力は数倍までしか上げられないの
で、濃さが2倍濃くなったか3倍濃くなったかを、観察で見てとることは難しい。ま
た、この反応は平衡の移動速度が遅いので、急速に圧力を上げた場合、瞬間的に色が
濃くなり(体積の変化の速度が平衡の移動速度よりも速いため、NO2の濃度が大きく
なる)、その後次第に平衡が移動して色が薄くなっていくというように、色の変化は
複雑になる。(後略)」
以下に計算がありますが、次回に書きます。その計算から、圧力を3倍(体積を1/3倍)にするとはじめの濃度に比べて、NO2の濃度は1.8倍になると求められています。
確認のために実験をしてみました。2本の透明なプラスチック製の注射器に混合気体をほぼ同じ濃さに封入し、一方の注射器の体積を1/3倍にして他方の注射器の色と比べ、次に逆の注射器でも同じ実験をしてみました。同僚と生徒達に聞いてみましたが、問題集とは違い、指導書と同じような答を全員が言いました「圧縮する前よりも濃い」。
アルケの皆さん、この件に関して、詳しい解説などをご存知でしたら、お知らせください。
05A−064
差出人:山本 喜一
送信日:05年1月22日
件 名:RE:二酸化窒素の化学平衡
こんにちは、山本です。
今届いた岡田さんのメールをさらっと読んだだけなのですが、気体の色は注射器のどちらの方向から観察したのでしょうか。注射器を垂直に立てたとき、横からの方向の観察ではなく、注射針を取りつける側面から(つまり注射器の縦方向に)気体の色を観察すべきだという考えが、「化学と教育」に出ていたと思います。
05A−065
差出人:
送信日:06年1月26日
件 名:アルケ資料、送りました
こんにちは、林です。
小林さん、アルケ通信の資料を送りました。明日着くと思います。
PIC速度計は4台とも完成し、カーテンレールで斜面の運動の計測装置をつくって試してみました。次は距離と速度の計測データの一例です。
0.1 0.4 0.9 1.6[m]
0.251 0.502 0.753 0.975[m/s]
理論的には次の関係が成り立ちます。
v= k√(S) (k:比例定数)
使った鋼鉄球は直径20mmで、最後は摩擦の影響と思われます。直径40mmくらいの鋼鉄球を入手して、もう一度試してみたいです。
昨日は先進科学塾の打ち合わせがあり、私は7月に講師を務めることになりました。今度はテーマを「原子量を自分で計測してみよう」とし、化学量論を取り上げようかと考えています。
今年こそと決意した講座プラン「原子はどのように結合するか」を書き始めました。4月までには一次完成させたいです。書くことは勉強し直すことですが、ケクレの原子価理論の歴史的意義がすこし分かってきました。彼の業績はベンゼン核に限らず、有機化合物について原子価で構造を捉えられると提唱したことです。
ドルトンが考えた原子量は仮説の段階にあり、たとえば水がHOなのかH2Oなのかによって酸素の原子量が8か16か異なり、同じ物質に対して化学式は2通りも3通りもありました。加えて二元論です。その大元はラボアジェなのですが、当時は原子の結合に電気的引力しか考えられず、無数の電気分解実験も手伝って、物質を2つの部分の結合と捉えようとする思いが強烈だったのです(代表はベルセリウス)。化学者たちは幾千の有機化合物の中を50年間迷走し、やっと新しい発想、つまり原子価の考えが誕生したのです。化学式を踏まえれば原子価はあまりに簡単明瞭で(生徒はそうでもないか!)、その価値を見失ってしまうくらいですね。歴史的にはちょうどその頃原子量も確定し、化学は新しい飛躍を始めます。
明日は、この話の前段の電気分解の実験をしてみようと思います。ほとんど追試ですが。
ではまた。
05A−066
差出人:中臺 文夫
送信日:06年1月26日
件 名:二酸化窒素の化学平衡
岡田先生お久しぶりです。中台です。
JSTのデジコン 『触媒から学習する化学反応の世界』 『触媒から学習する化学反応の世界』にきれいな反応が出ています。http://www.rikanet.jst.go.jp/ 理科ネットワークです。また、山本さんの言うとおりです。他に、化学と教育、36、p.618(1988)にものっています。民衆社の化学p242に出ていますが、今スキャナの調子が良くなくPDFが取れません。調子の良いときに送ります。
では。
05A−067
差出人:野中 直彦
送信日:06年1月26日
件 名:下呂温泉のpH測定
授業でpHの測定をした。試験紙によるもので、はじめ万能pH試験紙でおおまかに、詳しくは、BTB、CR,TB、AZYなどの試験紙で測定をする実験をおこなった。その結果、あれーと思うのですが、なぜかわかりますか。
まずは、温泉のお湯をもらってくる。そのときに成分表示をみせてもらって、pH9.5と確認する。その日に、一度確認のためにpHを測定すると確かにpH9.0 翌日あるクラスでの実験結果、6班で
6.4 7.8 7.8 7.8 8.0 8.8 平均7.76(こういうものの平均値でいいのか?)
翌々日の実験結果は 6班で
5.6 5.8 6.6 7.2 7.6 8.2 平均6.83
とうことで、日がたつにつれて、中性になっていくような気がします。空気中の二酸化炭素がこんなに急激にしみこんで中性化していくのでしょうか。または、アルカリ成分が揮発していく。でも揮発するようなアルカリ成分ってアンモニアだけですよね。追実験の価値はあるのでしょうか。
05A−068
差出人:岡田 晴彦
送信日:06年1月29日
件 名:二酸化窒素の化学平衡 その2
名古屋の岡田です。
以前、二酸化窒素と四酸化二窒素との化学平衡についてお尋ねし、山本さんと中台さんからご助言をいただいた件についてです。
(忘れていました。中台さんご助言ありがとうございました。あのホームページの会員になる手続きをしましたので、詳しく見ることができるようになると思います。また、昨年夏の愛知の科学の祭典では大変お世話になりました。)
山本さんから「化学と教育」のコピーをいただき、読んでみましたところ、よく分かりました。生徒への説明の仕方もだいたい決まりました(来年度になりますが)。体積を1/2(圧力を2倍)にすると、化学平衡は二酸化窒素が結合して四酸化二窒素が生成する方向に移動するため、常温で二酸化窒素の濃度は約1.5倍になりますので、注射器を横方向から見るとこのように、やや濃く見えます。しかし、注射器を縦方向(ピストンの移動する方向)から見ると、全体として二酸化窒素が減り、四酸化二窒素が増えたことだけを考えればよいので、薄くなります。
そして、例の問題集の解答ですが、新年度用のもので確認しましたら、変更されていました(圧縮する前よりも濃くなる)。
ただ、注射器を使って生徒に実験で証明する方法を考えてみましたが、なかなかうまくいきません。自分でも確認できておりません。「化学と教育」には自作の装置が紹介されていましたが、私の技術ではとても出来ません。
何とか実験で確認したい、これが今後の課題です。
05A−069
差出人:林 正幸
送信日:06年1月31日
件 名:元より薄くなるか?
こんにちは、林です。
野中さん、温泉水のpHの変化は事実として受け入れられると思います。ゴムせんをしていても水酸化ナトリウム水溶液に炭酸ナトリウムが生じたり、純水が保管中に酸性化したり、似た例はいくつかあります。
二酸化窒素の平衡は面白いですね。体積を変えずに温度を上げた場合も戸惑うことがあります。温度は高くなる、圧力も高くなる。ただしこれは圧力変化が体積変化を伴わずモル濃度は一定ですので、温度の影響のみが出ます。
岡田さんが計算を紹介してくれるということでしたが、要は次の質量作用の法則を使えばよいですね。
2NO2 ←→ N2O4
K = [N2O4]/[NO2]^2
残念ながら化学便覧などに数値がありません。そこで次のように考えてみました。
始めのモル濃度を
[NO2] = a [N2O4] = b
とします。簡単のため、始めの注射器の体積を1L(リットル)とすると、a、b は物質量でもあります。体積を半分にして圧力を2倍にします(温度は変わらないとします)。
ここでそのとき NO2 のモル濃度が元と同じ a であることが可能かどうか検討してみます。すると NO2 は (1/2)a molが変化して N2O4 が (1/4)a mol増え、(b+(1/4)a)molになります。そして体積が半分になっているのでそのモル濃度は2倍です。したがって次の関係式が成り立たねばなりません。
b/a^2 = 2(b+(1/4)a)/a^2( =K )
これは整理すると
a = −2b
これはあり得ないことです。
したがって、圧縮により NO2 の濃度は上がりその後下がるはずですが、元の濃度までは下がり得ない。つまり色が薄くなることはあり得ないとなります。
ではまた。
05A−070
差出人:山本 喜一
送信日:06年2月1日
件 名:ガソリンと灯油の引火点・着火点について
こんにちは、山本です。
ガソリンや灯油の引火点や着火点について話題になったことがありました。いろいろ本で調べたのですが、分かりませんので、太陽石油のお客様相談窓口にメールを送ってみました。以下は、そこから寄せられた回答です。ていねいに対応していただいて、感激しています。
<ご質問>
>(1)ガソリンは灯油に比べて引火点は低いものの、着火点(発火点)が高いの
>はなぜでしょうか。同温ではガソリンの方が灯油よりも蒸気圧が高いので、引火
>点、着火点とも低くなりそうな気がするのですが、実際は着火点は灯油より高く
>なっています。灯油は分子が長いため、熱分解を受けてラジカルを生じ、着火点
>が低くなるのでしょうか。
<ご回答>
・山本様のお考えで間違いないと考えます。
・灯油は、ガソリンに比べ、ラジカルが生成し易い物質です。
ラジカル連鎖反応が爆発的に起こった場合が発火と考えられます。
ガソリンに比べ、灯油は主鎖が長い為、生成したラジカルが連鎖反応を起す
場合、分子構造や立体障壁などが少ないと考えられます。
・つまり、生成ラジカルが連鎖反応を起こす場合、分子の構造的歪み少ない
状態(エネルギー準位の低い状態)で連鎖反応が起こる為、比較的低い温度
でラジカル連鎖反応が起こります。
炭化水素ラジカルの生成は、炭化水素の構造に関わらずほぼ一定の温度で
生成されますが、その後の連鎖反応は構造に依存しているため、発火点に
違いが出てくると思われます。
主鎖の長いものほどラジカル連鎖反応において、分子の構造的自由度が高い
ため、発火温度は低くなります。
事実、灯油より軽油、軽油より重油の方が発火温度は低くなっています。
・発火するには熱エネルギーが必要になりますが、ラジカル連鎖反応の熱に
より発火すると考えると、ラジカル連鎖反応の起こりやすい炭化水素ほど
発火温度は低くなります。
・よって、
「炭化水素はある一定の温度に達したとき、水素引き抜きが起こり、そこで
生成した炭化水素ラジカルは構造的な自由度の大きい炭化水素ほどラジカル
連鎖反応を起こしやすい。
ガソリンに比べ主鎖の長い灯油は、ラジカル連鎖反応がおきやすいため、
発火温度は低い。但し、主鎖が長すぎると構造的な自由度が低くなる為、
この限りではないと考えます」
<ご質問>
>(2)ガソリンの場合、直鎖の炭化水素よりも枝分かれの多い炭化水素を多く含
>む方が、ノッキングしにくいのはなぜでしょうか。枝分かれのある方が着火点が
>高くなるのだと思いますが、なぜそうなるのでしょうか。
<ご回答>
・ノッキングとは、エンジンのシリンダー内部でガソリンと空気の混合
ガスが点火プラグによって燃焼する時、炎が順次広がってゆく際に、
ピストンの上死点の少し前に最大燃焼(爆発)するのが正常なのですが、
これが、燃料の化学的組成によって、炎の伝播速度が異常に速かったり
すると、上死点の大分前に爆発したり、伝播がスムーズにいかなかった
りしてバラバラに燃焼し、正常燃焼と爆発ができないために起きる現象
です。
・直鎖のパラフィンは、枝分かれのパラフィンに比べて燃焼の伝播速度が
非常に速いため、異常燃焼になるのだと考えられます。
なお、当方の回答には、一部、推測が含まれております。
(回答内容以上の学術的な根拠・解説は、当方できかねます)
05A−071
差出人:風間 清光
送信日:06年2月2日
件 名:スターリングエンジンの付録
いつもお世話になります。奈良の風間 清光です。
スターリングエンジンは以前から興味があったのですがなかなか手を出せずにいました。この付録を切っ掛けに・・・・・・・。
★「大人の科学 Vol 10」 2100円 学研
畝傍高校の化学部の1・2年の部員は買いました。スターリングエンジンが付録なので、このエンジンの原理がよくわかります。製作して、うまく回転するものやなかなか回転しないものができて、部員たちは真剣に考え取り組んでいました。良くできた教材だと思います。
真ちゅう製のスターリングエンジンなら、最低でも1万円します。雑誌ですからエネルギーに関する内容も豊富に掲載され環境問題を考えるうえで貴重な資料にもなります。
<注> 10号は、売れ行き好調かも?!
05A−072
差出人:林 正幸
送信日:06年2月2日
件 名:電子の発見
こんにちは、林です。
電子の発見は、トムソンのクルックス管の実験が有名ですが、それに先だってイギリスのストーニーが電子の存在を予測しています。これは定比例の法則などに基づいてドルトンが原子説を提唱するのと似ており、化学で取り上げてよい課題です。
元になるのは電気分解です。これはファラデーの電気分解の法則が有名ですが、残念ながらその当時はまた原子量が確定していなかったのです。1860年にそれが確定してからの話です。ちなみに原子量の確定は原子価の確定でもありました。
流れる電気量とできる物質の質量を調べる実験は、高校生でも取り組めるものです。質量と電気量の比の実例を上げてみます。
ニッケル 0.304 [mg/C]
銀 1.118
水素 0.01045
酸素 0.0829
対応する原子量と原子価は次のようです。
原子量 原子価
ニッケル(Ni) 58.70 2価
銀(Ag) 107.9 1
水素(H) 1.008 1
酸素(O) 16.00 2
質量と電気量の比は、原子量が大きいほどそれに比例して大きい数値になっています。また原子価が大きいほどそれに反比例して小さい数値になっています。
これを踏まえてストーニーは、物質をつくる粒子と「ある決まった量」の電気が結び付いたり離れたりすると考え、その「ある決まった量」の電気を電子と呼ぶように提案したのです。これはそれだけの量の電気を持つ小さい粒子かもしれない・・・。
加えて次のことがあります。トムソンは電子の質量と電気量の比を求めています(誤差が大きかったので正確な値を示します)。
質量/電気量 = 0.000005686[mg/C]
しかし電子の質量はミリカンの電気素量の計測を待たねばならなかった、とよく言われます(私はそう思っています)。そうではないのです。電子も「ある決まった量」の電気を持つので、水素の値を電子の値で割れば
0.01045/0.000005686 = 1838
電子の質量は、一番小さい水素原子の1/1840と分かるのです。こうして彼は電子が原子をつくる粒子のひとつであると主張したのです。
以上の内容はもちろん講座プラン「原子はどのように結合するか」の一部にしました。こちらは5節に当たる「量子力学」を高校生にどう紹介するか、というもっとも難しいところへ来ています。
ではまた。
05A−073
差出人:中臺 文夫
送信日:06年2月2日
件 名:RE:電子の発見
今晩は、中台です。
下呂温泉の泉質の表が見つかりました。添付します。炭酸水素塩の単純泉のようですね。野中さんのメールを返信しようとするとエラーが出てどうしても返信できませんでした。
岡田さんの二酸化窒素は解決したようですね。
では。
(「下呂温泉 <ホテル下呂館> 温泉分析書」は省略)
05A−074
差出人:
送信日:06年2月2日
件 名:pHの測定 その2
みなさん。ありがとうございました。今度、炭酸水素ナトリウムでpH9ぐらいにしてから、試してみたいと思います。
この実験で、気になったもう一つは、花王のハイターでpHを測定しました。たぶん、みなさんは結果を予想できると思いますが、pHはいくらぐらいになったと思いますか。
このあと、ハイターを利用したバラの消毒液?(対うどんこ病)をつくる方法が、インターネットでみつけることができました。
05A−075
差出人:澤田 史郎
送信日:06年2月3日
件 名:RE:スターリングエンジンの付録
大阪の澤田です。
風間さんから聞いてさっそく近所の書店に行って来ました。ここは以前から「大人の科学」が山積みになっていました。昨日の段階で売り切れでした。学研に注文を送ってもらいました。今日大阪市内に出る用事があったので梅田の紀伊国屋によってみました。ここでも11月号はあったのですがスターリングエンジンの12月号は
売り切れていました。今日の段階で在庫切れの連絡はないとのことですのでまだ買えると思いますが早い目になんとかした方が良いようです。
近況報告です。2年生の総合課題研究で「たたら」や「ダイヤモンド合成」にとりくみました。「たたら」では1.2kgの「けら」をつくることができて感動しました。耐火煉瓦などを注文してかなりお金もかかったのですがなにより木炭が30kgも必要であったのにたまげました。(昨年の遠足の残りの木炭を全部化学の倉庫に取り込んでいたのですが、全部使い切りました。)
技術的な問題点もあったとは思いますが、人間が金属を取り出すことの意味をあらためて考えさせられました。通信に報告を送ろうと思っていますが今回期限が来てしまいましたので次回に送らせてもらいます。
総合の件で一つお願いがあります。別のグループでホウ酸ガラスを取り組んだのですがプレゼンのための資料がなくて困っています。高校生がガラスについて調べる文献で適当なもの(書籍やHP)をご存じの方がいらしたら教えて下さい。
05A−076
差出人:山本 喜一
送信日:06年2月7日
件 名:水垢の成分
こんにちは、山本です。
水垢の成分について話題になったことがありましたが、なかなか分かりません。そこで今回、TOTOのお客様相談室に質問してみましたら、次のようなメールをいただきました。ていねいで詳しい回答をいただき、感謝しております。
ご回答いたします:
私どもでは、本来の「水垢」は、無機成分から構成されていると考えています。
やかんなどに付く水垢
水を沸かした際(加熱)、析出する物質としては、「炭酸カルシウム」が主体と考えています。過去に水を強制加熱させて析出した白い粉末を分析したら、「炭酸カルシウム」が同定されたことがあります。
風呂場で見られる水垢
やかんとは違って、加熱される程度は少なく、加熱により析出する物質だけでなく、上水や井戸水などの水
質に起因する成分が関与してきます。炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムなどで構成されます。これが汚れとなる際に、金属石けんやシャンプーや皮脂汚れなどが加わると推定しています。
トイレで見られる水垢
風呂場よりも加熱される程度は低いですので、上水や井戸水などの水質に起因する成分だと考えています。ケイ酸が主成分です。これが汚れとなる際に、炭酸カルシウム、尿石の主成分(リン酸カルシウム)、タンパク質(尿や便、微生物 などに由来)などが加わると推定しています。
但しトイレの水垢の場合でも、炭酸カルシウムが検出されないご家庭もあり、ご指摘のように元になる水の成分や使用環境によって様々だと思います。
文献につきましてはご案内できるものを持っておりません。
敬具
─TOTOお客様相談室─
─電話:03−5269−4864─
05A−077
差出人:山本 喜一
送信日:06年2月8日
件 名:水垢について
こんにちは、山本です。
水垢の成分について、TOTOからいろいろ教えていただいた内容を、私は次のように理解しました。まず、飲み水はいろいろなイオンを溶かし込んでいるはずですから、とりあえず河川水の成分について検索しました。その結果
http://home.hiroshima-u.ac.jp/er/ES_KS_M_K1.html
に次のような表が掲載されていました。そして、水道水や井戸水にも似たようなイオンが含まれているだろうと思いました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
|塩化物イオン(Cl-) | 5.8 |
|炭酸水素イオン(HCO3-) |31.0 |
|硫酸イオン(SO42-) |10.6 |
|ナトリウムイオン(Na+) | 6.7 |
|カリウムイオン(K+) | 1.19 |
|カルシウムイオン(Ca2+) | 8.8 |
|マグネシウムイオン(Mg2+) | 1.9 |
|鉄(Fe2+,Fe3+) | 0.24 |
|硝酸態窒素(Nとして) | 0.26 |
|アンモニア態窒素(Nとして)| 0.05 |
|リン酸態リン(Pとして) | 0.02 |
|溶存ケイ酸(SiO2として) |19.0 |
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
表 日本の河川に含まれる主なイオン(mg/L)
この表を眺めながら、沈殿しそうなイオンの組み合わせを次のように考えました。
・やかんやポットの場合
やかんや電気ポットの中では水が沸騰しますから、HCO3-がCO32-に変化し、Ca2+と結合して炭酸カルシウムが水垢になるのではないか考えます。炭酸マグネシウム溶解度が大きいので、沈殿しにくいのでしょう。
・風呂場
風呂場では水は沸騰しませんので、HCO3-がCO32-に変化する割合は、やかんの中よりは少ないと思います。その代わり、タイルや風呂桶に付いた水が蒸発することによって、炭酸塩に加えて、硫酸カルシウムや硫酸マグネシウム、ケイ酸なども水垢になるのではないかと思います。
・トイレ
トイレでは水は加熱されず、蒸発も風呂場ほど激しくはありません。そこで、溶解量が少ない炭酸水素イオンや硫酸イオンは沈殿を作らず、水垢はケイ酸が主体になるものと考えました。おそらくケイ酸は飲み水には飽和状態で溶けているのではないでしょうか。溶けている形態はオルトケイ酸イオンSiO4^4-やメソ二ケイ酸イオンSi2O5^2-、メソ三ケイ酸イオンSi3O3^4-、メソ四ケイ酸イオンSi4O11^6-だろうと思います。そして水が蒸発することによって、水に溶けにくいメタケイ酸H2SiO3やメタケイ酸マグネシウム、メタケイ酸カルシウムなどに変化して水垢になるのではないかと思っています。
・なお、この表は日本の河川の平均値ですから、地域の地質によって含まれるイオンは大きく変わると思います。それにともなって水垢の成分にも地域差が出ます。
私の理解は以上ですが、いかがでしょうか。ご意見をお聞かせ下さい。
05A−078
差出人:野中 直彦
送信日:06年2月8日
件 名:pHの測定 その3
花王のハイターはNaClOが主成分
NaClO+H2O→NaOH+HClO
のため、アルカリ性です。試験紙ではpH12ぐらいでした(これが試験紙の極限?)ちなみに、このHClOのClの酸化数は+1です。(どうでもいいですが)
これを、酸性側で、HClOができるようにすれば、植物の殺菌につかえるということで、試してはいませんが、
A液 500 mlの水+花王ハイター 4ml
B液 500 mlの水+クエン酸溶液 体積比で5%溶液を10 ml
これを混合すればいいとのことでした。
05A−079
差出人:中臺 文夫
送信日:06年2月9日
件 名:RE:水垢について
お早うございます、中台です。
水道水から出る水あかの成分についてですね。蒸留水の製造装置に着くのはカルシウムみたいですね。陰イオンは何でしょうか。 さて、水あかについて、ちょっと探したのですが、資料が出てきませんので、うろおぼえですが・・・。
トイレのはアサガオなどに着くのはシュウ酸カルシウムや、尿酸カルシウムなどの人によるものが多いのではないでしょうか。また、トイレのタンクなどについて行っているのであれば、水あかが茶色っぽければ鉄が、黒っぽければ、マンガンではないかと思います。これはどこで見たのかわからないのですが、マンガンが還元されて水溶性のMn2+になって水に溶け込んでくる。よく夏の田んぼで、表面は赤くなっている(鉄分)のに、ちょっと土を掘ると真っ黒い土に当たる、これって、夏の暑さで微生物が活発に活動し酸素を奪うので酸欠、還元性になっている。だから表面は酸化して鉄も3+だが、土の中は還元状態で赤く見られない。同じようにマンガンが4+から2+の水溶性のMn2+になって水に溶け込んでくる。田んぼの多い日本の水道が急速ろ過をしないゆっくりとしたろ過をしていた頃は無かったようですが、現在の急速ろ過では還元状態のマンガンが多量に溶け込んでいて取り除けない。配給先で酸化し不溶性の黒い二酸化マンガンになっていると理解しています。先生の表には載っていませんが、浄水中のマンガンの量は鉄に次いで多いのではないでしょうか。船橋高校のの水道は、イオン交換した水でも、長いあいだ(1年くらい)水酸化ナトリウムをおいておくと何か沈殿します。これを調べたことがあるのですが、多量に集めて硝酸にとかして、フェロシアン酸カリやチオシアン酸カリで調べたら、鉄でした。どこで取ったか忘れてしまいましたが、同じように、黒いべとっとしたアカ(?)を過酸化水素に入れたら泡が出たので、勝手に二酸化マンガンだと思っていました。(でもこれて、金属イオンなら過酸化水素を分解しそうですね、MnO2可動化は棚上げです)。べとっとした水あか(これはアカとは言いませんか?水道の口に付いていたりしますよね)は、鉄や、マンガンではないでしょうか。上水試験方法には水道法に基づく省令(平成5年より施行)が載っており、鉄は0.3mg/L以下、銅は1.0mg/L(銅の方が大きい、これは意外)以下、マンガン0.05mg/L以下。マンガンは少ないかもしれませんね。重金属の土壌からの溶出率はCd,ZnとともにMnは高値が書かれています(JIS工業廃水試験法)。これらから考えても、私はマンガンだと思っています。
また、水道水中の含有イオンについては、市の水道局に問い合わせると教えてくれると思います。 以上何かヒントになりましたでしょうか。
05A−080
差出人:中臺 文夫
送信日:06年2月13日
件 名:RE:文字化けについて
18時間授業から解放され、また、筆無精なのですが、文字化けのついでに良い機会なのでお伺いします。ヘスの法則の実験をやられるときは、塩酸の濃度をシュウ酸で滴定決定していますか?塩酸も、水酸化ナトリウムも、滴定してみると随分いい加減なものだと分りました。過酸化水素も30%と書いてあっても、実際に滴定すると40%を超えていたりします。驚きです。
・中和反応のH+とOH-の中和熱は、なぜ反応種によって異なるのか?温度によっても異なりますね。
・反応速度定数kは何のために求めると教えていますか?
・可逆反応についての良い例がない?
など、基本的な問題にぶつかっています。
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