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04A−061
差出人:鈴木 久
送信日:04年11月14日
件 名:ion化合物の話題
アルケミストのみなさん こんにちは 鈴木 久です。
GOOGLE検索のニュースのところを見ていたら以下のニュースを見ました。とりあえず2つ載せておきます。
http://www.asahi.com/science/update/1110/001.html
磁石に吸い付く液体を発見 東大教授ら
・・・・・・・・・・
http://www.asahi.com/science/update/1109/002.html
ニュートリノの質量を高精度で確認 東北大など
前者は、イオン性物質なのに液体と言う意味で化学的におもしろいかなと思い件名にも載せました後者は、みなさんあまり化学とは関係ないと思われているかもしれませんが、「物質は質量を持つ」といういわゆる基本がニュートリノ段階ではまだ実証されていない?ということで中学校であれば、現代の話題とからめて理科の授業で少し触れることができるかもわかりません。
なお、添付ファイルにすると見られない人もいると思うのでアドレスで載せておきました。
04A−062
差出人:竹野 徹美
送信日:04年11月17日
件 名:竹野です & ミネラルウォーターの真実
(前略)
「ミネラルウォーターの真実」
先日、届いたアルケ通信をじっくりと読ませていただきました。かつて行われていた資料へのコメントを事務局の林先生が復活されていますが、とてもよいことだと思います。私もぜひ一言ずつ…と思いましたが、ちょっと時間が無くて、今回は一つだけにさせていただきます。それは、大久保先生の「やまかいの四季」の中のミネラルウォーターについてです。
実は以前、ミネラルウォーターについての授業設計を行ったことがあります。その準備段階で調べていると、その基準のいい加減さに驚いてしまいました。具体的にいくつか申し上げてみましょう。実はこのガイドラインについては、大久保先生の「やまかいの四季」No.117にも記述がありますが、少々、正確さにかける部分があると思います。
1990年に初めて農林水産省が出した「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」…これは、後に「平成2年3月30日 食品流通局長通達 2食流第1071号」(改正 平成7年2月17日7食流第398号)」となっています…によると、日本のミネラルウォーター類は、以下の4つの種類に分けられています。
まずひとつめ。ナチュラルウォーター。これは、特定の水源から取水した地下水(つまり、複数の水源の水を混合してはいけないということ)に、加熱や濾過といった殺菌(除菌)がほどこされたものです。まず、この時点で驚いたのは、たいていの場合、加熱殺菌がされているということでした。一時は、この基準ではペリエのようなスパークリングウォーターは、日本では売れないのではないかと思ったからです。輸入の非関税障壁とでもいう基準ですよね。現在では輸入品については、条件が緩和されているようです。
二つ目。このナチュラルウォーターの中でミネラルが地下で自然に溶け込んだもの、ガイドラインのコトバでは、「地下で滞留または移動中に無機塩類が溶解したもの。鉱水、鉱泉水など」…をナチュラルミネラルウォーターといいます。ただし、その溶存量の規定はありません。従って、ほとんど無機塩類の溶存が認められない超軟水であっても、「ナチュラルミネラルウォーター」と称してまったく問題はありません。…少なくとも、法的には。
三つ目。…ところが、これとは別に「ミネラルウォーター」という基準のミネラルウォーターがあるのです。なんだかごちゃごちゃしてきますが、「ミネラルウォーター」とは、ろ過・加熱殺菌以外の処置が施されているもの。そしてその具体的な処置内容は以下の通りです。複数の原水の混合・ミネラル分の調整・オゾン殺菌・紫外線殺菌・ばっ気など。…つまり、人工的に「ミネラル」すなわち無機塩類を添加しても一向に問題は無いわけです。この辺でもう、日本のお役所の仕事には半ば呆れていたんですが、さらにまだとどめが残っていました。
四つ目。…それは、「ボトルドウォーター」という基準のミネラルウォーターの存在です。ガイドラインによれば、それは以下のような基準です。「飲用適の水(純水、蒸留水、河川の表流水、水道水)」。どうです。こうなると、誰でも水道の水をボトル詰めしてカッコいい名前のラベルを貼り、「ボトルドウォーター」という表示さえしておけば、中身が普通の水道水でも、ミネラルウォーターとして販売して法的には全く問題ないと言うことです。
そこで、次に有名メーカーの「ミネラルウォーター」について調べてみました。まず、ハウス食品「六甲のおいしい水」です。これはwebでは有名でした。採水地は、神戸市東灘区の市街地の井戸水。
http://www.rokko.or.jp/users/negi/non_map/
また、サントリー「南アルプスの天然水」は白州町にある同社ウイスキー蒸留所(山梨県)の地下70mから汲み上げた井戸水です。あ、現在は採水地が阿蘇山麓の熊本県嘉島町の井戸水も使っていますので、商品名を変えたんでしたっけ。下記URLの記事が参考になります。
http://be.asahi.com/20030802/W13/0040.html
そして、ミネラルウォーターと呼ばれる商品で一番の問題なのは、皮肉にも、まずいといわれる水道水には厳密な水質管理が義務付けられていますが、ミネラルウォーターに関してはそれが全く無いということです。
04A−063
差出人:岡田 晴彦
送信日:04年11月17日
件 名:藤田さん ありがとうございました
アルケの皆様 名古屋の岡田です。
先日お尋ねした「ビタミンCによってニトロベンゼンをアニリンに還元する方法」について、藤田さんから、本日ファックスをいただきました。藤田さんへのお礼とアルケの皆さんへの報告をさせていただきます。
その報告は、「化学と教育」第38巻第2号(1990)にありました。私は、「化学と教育」を1992年から購入してますので、この号は持っておりません。藤田さんから全文のコピーをいただきましたので、大変助かりました。ありがとうございました。この報告の方法を検討して、うまくいけば、生徒実験に取り入れようと考えています。
それにしても、およそ15年前にビタミンCをニトロベンゼンからアニリンへの還元する実験やその他の実験へのビタミンCの応用の可能性にも言及しているレポートがあったことを知って驚きました。
04A−064
差出人:野中 直彦
送信日:04年11月21日
件 名:もちもちスライムのその後
藤田さん。ありがとうございました。新しい、グアーガムを使用したらうまくいきました。でも、前のグアーガムは半分も残っています。電子レンジいかけたりすればうまくいくのかなぁ。何か良い方法があれば教えてください。
プロキシレングリコールもやや高いので代替を考えていますが、ただの湯だけもいいのでしょうかいろいろ試してみたいと思っています。
04A−065
差出人:野中 直彦
送信日:04年11月21日
件 名:銅鏡の実験
高山はもうかなり寒いです。
銅鏡の実験で、ムトーハップを使わない方法でやりましたが、なかなか銅鏡ができませんでした。いろいろ錯誤する中で、ペットボトルを暖めると少しうまくいきました。でも、終わった2日後には、銅鏡の膜は剥がれおちていました。みなさんの銅鏡は何も問題なくできますか? 杉山さんの影像はうまくいったようですが、問題はなかったのでしょうか。
04A−066
差出人:杉山 剛英
送信日:04年11月22日
件 名:本
杉山剛英です。
化学者111話はずっとほしかった本です。全国大会で販売してるのを見て「こりゃ重いから、帰ってから書店に注文しよう」と思っていたら、本屋からは絶版ですと言われ、「えーー、ちょっと前に見たばっかりなのに」とショックを受けたままでした。野中さん、著者の園部さんありがとうございます。
藤田先生から教わったフミン酸を使う銅鏡は、前処理の薬品を少し少なくしてやるとすごくきれいな薄い銅鏡ができました。向こう側が緑色に透けて見えます。金箔と同じです。1ヶ月くらい経ちますが、ほとんどはがれてません。
04A−067
差出人:藤田 勲
送信日:04年11月22日
件 名:野中さんの質問に答えて
藤田です。
@銅鏡のこと
前処理が一番大事だと思います。
ペットボトルは洗剤で洗ってはいけません。水でよく洗います。理由は良く分かりませんが、ペット表面に吸着する洗剤が悪さをするのかもしれません。
塩化スズは粉がふいているものはいけません。溶液にしたら4〜5時間ぐらいしか使えません。塩化スズは大変酸化しやすい薬品です。私はこれが一番のポイントではないかと思っています。
できた銅鏡はよく水洗いして逆さにして水を切ることが大事です。残ったアンモニア水で銅が溶けます。
このぐらいを注意すれば生徒実験でも8割はうまくいきます。
Aスライムのこと
私は古いグアガムでも失敗したことがありませんでした。もちろんちゃんとチャックつきポリ袋に入れて保存しています。混合したスライムの素にはホウ酸も入っていますから、簡単にはかびないと思っています。したがって、野中さんのものがうまくいかない理由が想像つきません。
初めからお湯にとかしたらどうかということですが、ダマになってノリ状になりにくく扱いにくいとと思います。
04A−068
差出人:風間 清光
送信日:04年11月22日
件 名:資料を送ります
いつもお世話になります。奈良の風間 清光です。
余裕ができましたので、送付していただいた資料やメールを今、読んでいます。皆さんの熱心な教育活動に、改めて心を動かされました。
11月20日(土)、21日(日)、青少年のための科学の祭典(奈良大会)に『諸君のパワーでエネルギーを!』というテーマで化学部員(1年2名、2年7名)と共に、参加してきました。毎年、教師だけで祭典に参加していましたが、今年は、偶然に校外実力試験がなかったので、部員を引率しました。はじめは、来場者に対して遠慮がちに説明していた生徒が、会場の雰囲気に慣れるに従い、相手の立場に立って、年齢も考慮して、言葉を選びながら説明していました。生徒たちの姿に、ある種の頼もしさを感じました。ですから私は、例年になく楽でした。冊子を35部もらってきましたので、近日中にお送りしたいと考えています。
11月7日(日)、高校化学グランドコンテスト大阪(大阪市立大学主催)で、化学部が『浸透圧を科学する』というテーマで参加しました。**高校の生徒がパワーポイントを使って、うまく化学部の活動成果を発表できるのか?と心配しました。発表の2週間前ごろから、毎日放課後、自主的に部員全員が化学実験室に集まるようになりました。原稿作りからはじまり、代表者2名の模擬発表を、残りの部員の前でしました。発表の内容に関して、互いに意見交換をして、徐々にレベルの高いものになりました。パワーポイントを使って、約200人の前で、15分間のプレゼンテーションを立派に行いました。一番心配していたのは、顧問の私だった!ような・・・・。化学部と部員の成長を見守る秋でした。
04A−069
差出人:林 正幸
送信日:04年11月23日
件 名:メンデレーエフの周期表
こんにちは、林です。
今日は勤労感謝の日、皆さんもお休みでしょうか。よく晴れて、散歩で木曽三川公園に行くと家族連れでにぎわっていました。この後私は庭の手入れです。
講座プラン「元素・原子の発見」の周期表のところで、「メンデレーエフの周期表」という実習を入れることにしました。幸い私の手元に彼の2つの論文の翻訳があり(日本科学会偏「化学の原典8〜元素の周期系」東京大学出版会)、彼の考えをよく知ることができるのです。
彼はカードをつくり、トランプ遊びのように並べて考えたことが分かっています。そこで同じような実習をすれば周期律や周期表が深められるだろうというわけです。「元素カード」には
@元素名
A元素記号
B原子量
を記入し、当時知られておりかつ彼が注目した、さらに高校生が理解できそうな元素に関する次の性質
C水素化物の化学式、その中での原子価、酸性度や塩基性度
D「高度酸化物(その元素と酸素との化合物の中で原子価がもっとも大きいもの)」との化合物の化学式、その中での原子価
E高度酸化物が水と反応してできる水酸化物の化学式、酸性度や塩基性度
F金属か非金属か
G原子容
を記入させます。もちろんデータ集は提供するのですが、それを作成する段階で私自身が分かっていないことがいくつかあり、勉強になりました。
取り上げる元素は、その時点では未発見の希ガスを除く17種、つまりカルシウムまでです。もう少し多くの元素をとも思いましたが(次が未発見元素のスカンジウムであるのですが)、複雑になるし、性質の方も高校生のレベルを超えるので止めました。それでも作業してみると手応えはあると感じました。
そして次の6点に気付かせようとしています。
(a)どの列でも、つまりどの族でも見事に性質の似た元素が並ぶ。
(b)どの行でも、つまりどの系列でも、水素化物は第V族までは存在せず、その中の原子価は、原子量が大きくなると規則的に小さくなり、(8−族番号)になっている。そして第2系列では、第5族から弱塩基性、中性、弱酸性と変化する。また第3系列では、第6族から弱酸性、強酸性と変化する。なお当時は第V族までの水素化物は発見されていなかったことに注意しよう。
(c)どの系列でも、高度酸化物の中の原子価は、原子量が大きくなると規則的に大きくなり、かつ族番号に一致する。
(d)高度酸化物と水が反応してできる水酸化物は、たとえば第3系列では、強塩基性、強塩基性、両性、弱酸性、弱酸性、強酸性、強酸性と変化する。
(e)金属が左下側に集まる。
(f)原子容はどの系列でも、その両端が大きく中間が小さくなる。
最後にカードと、族と系列(周期のこと)を台紙に貼り付けます。ちなみにメンデレーエフは大周期(長周期のこと)と短周期の2つの周期表を作っています。
多分、プラン全体を次のアルケ通信で届けられると思います。
ではまた。
04A−070
差出人:藤田 勲
送信日:04年11月25日
件 名:本の紹介
「現代化学」(東京化学同人)という雑誌があります。かつては生化学分野に偏っていて好きな雑誌ではなかったのですが、最近では逆に「化学」(化学同人)の方が物質科学に偏っていて面白さを余り感じなくなってしまいました。人の関心事というのは変わってくるものなのですね。
我々の教育分野では「木を見て森を見ず」の狭い物質中心の化学ではなく、「木を見て森が想像できる」ような、あるいは「木から森まで見渡した」化学教育こそが求められていると思います。木は物質です。原子、分子、イオンと言っても良いと思います。これに対して森は植物、動物、微生物です。さらに、それらを育てる海であり、大地であり、大気です。生態系と呼んでもよいと思います。少なくとも今の私の関心事はそういう方面にありますから、「現代化学」は時々役に立ちます。
その「現代化学」の中でお勧めなのが、石川統という人が不定期で連載している「生物の窓」というコラムです。この人は進化に関する専門家のようですが、幅広い知識を持ち合わせていて、生物のしたたかな生き方を色々な角度から紹介してくれます。高校や大学でこんな生物の授業を受けたかったなあ、と私はしばしば思いました。『進化の風景』(裳華房、2000年)という一般向け科学書も出していますから、興味のある方は一読を。つい最近は『進化学3 化学進化・細胞進化』(岩波書店、2004年)という共著も出しました。
東大を退官して今は放送大学の先生をしているようです。定年になると途端に沢山の啓蒙書をあれこれの本の知識を寄せ集めて書く人がいますが、この人の書くものはその類のものとは一線を画しているように思います。フィロソフィーが感じられて私は好きです。
「現代化学」の他に「化学と生物」(学会出版センター)という雑誌も面白いです。ただし、これを読むと生物について化学的な側面からの研究はまだまだだなあ、と感じざるを得ません。それだけ我々人間の知識というのはまだ底が浅いし、逆に言うと生物という存在は我々人間の浅知恵を簡単に寄せ付けない固有のシステムを備えていると言えるのかも知れません。
04A−071
差出人:野中 直彦
送信日:04年11月26日
件 名:もちもちスライム その後2
妻が小学校のお土産として作っているのですが、あたらしいものでも、うまくいったりできなかったりするということで、再度家でもちもちスライムをつくりました。
いろいろやる中で、どうも、お湯の温度が低すぎるのではないかということで、ぬるま湯ではなく、少し熱めのお湯で試してみました。これで、うまくいきました。お湯を加えたところで、グアガムの粘りがでてくるまで何度もかき混ぜることも大切かなと思うのでした。前のカビがはえたかもしれないというのでも、チャレンジしてみようと思っています。藤田さん、いろいろとサゼスチョンありがとうございます。藤田さんの考えた、このもちもちスライムは、あちこちで好評なようです。
ところで、ここで使うプロピレングリコールの購入値段ですが、いろいろありました。はじめは、学校の納入業者を通して個人的に買ったら、500ml 1本 何と2784円もするのでした。近くの大きな薬局に頼んだら1080円。しかし、それにも業者からの納入金額が書かれていて、569円という値札ついていました。あわててはがして、そのびんに1080円をいうラベルをはりました。インターネットで調べていたら、何と1本195円が原価らしいのです。なんとも、田舎にいるとこういうことで中間マージンをとられるんだなぁを感心したり、ちょっと怒りたい気分になりました。で、インターネットで調べた副産物で、このプロピレングリコールは、いろんな化粧品につかわれていたり、グリセリンと同じく湿気を保持するために使われていたり、で、もう少し調べると面白いなぁと思ったりしました。
そういえば、私は下手ですが、鮎つりをします。その鮎つりのウェーダーに川の汚れがついてとても臭く家族に嫌われていました。消臭剤とか、香料をもとめて、ホームセンターをうろうろしたのですが、あまり効果がありませんでした。ところが、インターネットでいろいろ調べていたら、次亜塩素酸ナトリウムが消臭剤で使われていることを知り、サラシ粉をつかったらばっちりでした。塩素は、漂白というイメージばかりでしたが、消臭でも強く働くことがわかったのでした。
04A−072
差出人:藤田 勲
送信日:04年11月26日
件 名:RE:もちもちスライム その後2
スライムの温度は確かに重要ですね。冬は高め、夏は低めの方がよいかもしれません。高すぎるとできたスライムの粘りが強すぎてボソボソしたものになりがちです。 何はともあれ、成功してよかったですね。
プロピレングリコールですが、私が街中の薬局に頼んだときには一瓶800円ぐらいでしたが、出入りの業者では1000円ぐらいです。それで今では1斗缶で頼んでいます。薬品の購入・値段には苦労しますね。
ところで、私の夢は「食べられるスライム」を作ることです。それには硼砂に代わる安全なゲル化剤を見つけなければなりませんが、成功していません。どなたか挑戦してみませんか。
04A−073
差出人:野中 直彦
送信日:04年11月29日
件 名:もちもちスライム その後3
おもちスライムとかもちもちスライムとかで、いろいろ検索できるようです。その後、古いグアーガムでもできました。やはり、温度が大切だったようで、グアーガムそのものがなじんでなかったような気がします。また、水分の量も少しすくなめにしました。
下記のHPには、藤田さんの開発したものが、そのまんまのっていました。
http://www.sannichi.co.jp/LETS/20020101.html
04A−074
差出人:林 正幸
送信日:04年11月29日
件 名:圧力計の製作
こんばんは、林まさです。
前々から圧力計をつくりたいと思っていたのですが、蒸気圧の計測を目的にしてやっと完成しました。圧力センサーは松下電工のAD1132(−0.5〜0.5kgf/cm^2 つまり−0.5〜0.5atm)を使いました。何と10年前の製品で、私の思いが10年間眠っていたことを意味します。センサーはストレインゲージ(変形に応じて抵抗が変化する)が他の3つの抵抗とブリッジに組まれており、2つの中間点の電圧の差が圧力に比例するようになっています。したがって定石通り、オペアンプで減算回路と続く10倍増幅回路を組み、得られた電圧を可変抵抗を通しミリアンメーターに掛けます。ゼロ点は、ブリッジの一方の中間点がオープンになっているのでそこに可変抵抗を入れて調節します。
容器には炭酸飲料用の500mlペットボトルを使います。そのせんに穴を空け、内径3mmの耐寒透明チューブ(ホームセンターで入手)を通して木工用ボンドで接着します。せんの外側は圧力センサーにつなぎます。そして始めは調整のために内側は50mlディスポーザブル注射器につなぎます。ゼロ点を0mAにした後、45mlの空気を30mlに圧縮して、つまり1.5atmにしてそのときの電流が0.5mAになるようにします。次にゼロ点を0.5mAにずらしてもう一度1.5atmにすると、ちゃんと1mAを指します。そこで今度は注射器に空気を20ml入れ40mlに膨張させる、つまり0.5atmにすると、ちゃんと0mAを指します。調整は終わりです。
15cmに短く切った試験管にエーテル数mlを入れ、ティッシュで軽くふたをします。これをペットボトルに滑り込ませ、すぐに圧力センサーが付いたせんをしっかりと締めます。それからエーテルをボトル内に流し出し、手であたためて蒸発させます。そして室温になるまでしばらく放置して電流計から圧力を読み取ると0.42atmでした。室温は12℃です。この温度における文献値は0.437atmですから、かなりうまくいくのです。
以前に注射器とばねばかりを使う蒸気圧の計測法を紹介したことがありますが、今回は空気が入った状態での蒸気圧の計測です。ただしこれは厳密には室温に限定されます。あまり気にしないか、中の空気にシャルルの法則を適用すれば他の温度でも計測は可能です。蒸気圧が高くなるときは±1atmなどの別のセンサーが必要になります。
今回の圧力計は他にも使えそうです。今ジャムのびんにも同じようにチューブを接着しています。こちらでは減圧を伴う変化を扱おうというわけです。
04A−075
差出人:野中 直彦
送信日:04年11月29日
件 名:銅鏡?
私が、行った実験は、「理科教室」と「東レ」で発表された、野曽原さんと藤田さんのビタミンCを使った銅鏡反応でした。塩化スズを使った方法があるようですが、教えて頂くわけにいかないでしょうか。うまくいかなかった銅鏡反応のリベンジをしてみたいと思います。
札南高校の菅原さんの「ウォーターハンマー」づくりで1時間遊んでしまいました。普通の試験管は4.5回で底がぬけます。パイレックスの試験管でも、何度かやっていると底が抜けました。(おもしろいでの実験室の教卓の上に置いて、「振ってみてください」と書いておいていたら、掃除の生徒やらが「カチカチ」やって喜んでいたのですが、そのうちにヒビが入りました。そこまでに、何回やったやら?
04A−076
差出人:林 正幸
送信日:04年12月4日
件 名:
一酸化鉛から鉛をつくりたい
おはよう、林です。
このところ、いろいろな実験をしています。これはよく知られているのですが、酸化銀の分解をやってみました。1.5gほどを試験管に入れ、加熱すると酸素を水上置換で得ることができ(1本目は捨てる)、残る白色の固体は取り出してろ紙にガラス棒で押しつけたりすると銀色の金属光沢を確認できます。そして前後の質量を正確に計ると銀の組成が分かるのですが、2回の結果は92.9および93.1%となり、理論値の93.1%とぴったりなのです。なおこの実験は強火にすると銀が褐色になって融着し、試験管から取り出せなくなります。
もうひとつは簡易ユージオメーターです。内径15mmの透明ビニールチューブ40cmに2cmごとに目盛りを付け、下端が水に浸かるようにスタンドに固定します。点火はゴムせんに銅線2本を差して圧電素子につなぎます。簡易ボンベで酸素と水素を注入して点火します。ところが水素:酸素が1:1の場合は期待通りになるのですが、2:1になると気体が残るのです。2日ほどあれこれ手を加えてみたのですが一向に改善されません。ところが思い付いて、点火前に電気コードを差し入れて混合してみると、うまくいくようになりました。酸素、続いて水素の順に入れていたので、混合はできていると思っていたのですが、そうではなかったのです。
いま悩んでいるのは、一酸化鉛を木炭で還元して鉛を取り出す実験です。これも講座プランに係わり、ぜひ成功させたいのですが、なかなかうまくいきません。かつてのアルケの本「化学と教育〜その実践」には、木炭に穴を空けてそこに混合物をいれてバーナーで強熱する方法が書いてあるのですが、うまくいきません。わずかにできたのは、混合物をるつぼに入れて10分ほど強熱した場合で、るつぼの底に小さい鉛が数個できました。酸化銅でも試したのですが、金属らしい銅ができません。なおプランとの関係で還元剤には木炭を使いたいのです。他の金属でもよいのですが、うまくいく方法を誰か知りませんか。
ではまた。
04A−077
差出人:山本 喜一
送信日:04年12月4日
件 名:一酸化鉛から鉛をつくる
こんにちは、山本です。
やっと12月になり、少しは余裕が出てきました。林さんの鉛づくりですが、私は以前に下のような方法で、生徒実験していました。どの班も失敗なく鉛ができた記憶があります。ただ、酸化鉛をるつぼで加熱していると、鉛の化合物が蒸発するようで、体に悪いのではないかと思い、この実験は今はやっていません。
【実験】酸化鉛 U を炭素で還元して鉛を作る
【方法】
1 乳ばちに木炭粉1gと酸化鉛 U 5gを取り、良くかき混ぜる。
2 1 の混合物をルツボに入れ、はじめの1分間は弱火で加熱し、次に強火にし
て加熱せよ。はじめから強火にするとルツボが割れることがあるので注意すること。
3 加熱しながら針金でルツボの内容物を加熱していると、やがて鉛の小さな粒
がたくさん出てくる。もっとかき回していると、鉛はひとつの大きなかたまりに
まとまるので、そうなったら火を消して反応を終わりにする。
4 ルツボが冷えたら、ピンセットで鉛のかたまりをつまみ出し、実験室窓側の
石の上で金づちでたたいてみよ。延びるか(あまり激しくたたくと下の教室の授
業の迷惑になるので2〜3回たたいたら終わりにすること)。次に鉛のかたまり
をサンドペーパーで磨いてみよ。また、電気を通すかどうかを前の実験台でテス
トせよ。
04A−078
差出人:藤田 勲
送信日:04年12月4日
件 名:RE:一酸化鉛から鉛をつくる
林さん、相変わらずエネルギッシュですね。それから山本さん、久しぶりのメールですね。やはり林さんと山本さんが活躍しないとメールは活気が出ないような気がします。身勝手な考えですが。林さんは多分定量的に鉛を取りだしたいのですね。酸化還元反応を定量的な扱いをしたいということでしょう。
酸化銀の強熱ではガラスが融解した酸化銀のアルカリで溶けてしまうので黄色から褐色に着色するのでしょう。ただ、銀イオンを含んだガラスはフォトクロミックな性質があって調光ガラスに応用されているように記憶しています。その作り方がかつての有名な理科雑誌『科学の実験』(共立出版)の載っていたと思います。この間古本屋でこの雑誌の過去30年分ぐらいのバックナンバーを見つけました。価格が何と10数十万でした。付け間違いかなと一瞬思ったほどでしたが、確かにこの雑誌の価値はいまも輝いているように思います。もし皆さんの学校の図書館書庫に置いてあるようでしたら、ぜひ一読してみてください。この実験理科雑誌は執筆者や執筆内容においても一流で、これを越える理科雑誌は今も残念ながら出ていないように思います。
それから、還元で鉛を取り出す実験は私も今はやっていません。やはり揮発する金属鉛の蒸気や酸化物の蒸気が怖いですから。
04A−079
差出人:林 正幸
送信日:04年12月4日
件 名:一酸化鉛の還元のこと
こんばんは、林です。
今日は愛知物理サークルがあり、圧力計を持って参加しました。鈴木さんや堀さんも参加でした。
山本さん、藤田さん、早速の応答をありがとう。山本さんの方法で試してみたいのですが、ガスは天然ガスの火力でも大丈夫でしょうか。るつぼは始めからふたをとって加熱するのですか。また時間はどれくらいかかるのでしょうか。なお実験はドラフトを前提にしています。と言うのは、私の失敗談を紹介します。
一ヶ月ほど前に、酸化銅を木炭で還元する実験を締め切った林ラボでやりました。その時点では何と言うこともなく、一度浅井町の自宅に車でもどり、あたらめてバスで名古屋(鶴舞)に行きました。その夜は県教研の反省会があり、その後飲む予定になっていたからです。鶴舞の駅を降りると、どうもふらふらするのです。まっすぐに歩こうとしてもすこし蛇行するのです。変だなあ。始めは脳に血栓がつまり始めているかとも考えました。私は心臓が悪いからです。そのうちに運動能力が奪われるのは一酸化炭素じゃないかと、午後の実験を思い出しました。会議が終わってもふらつきはさらにひどくなっているようでした。それでも私はしぶとく飲み会につき合いました。そうそう岡田さんが一緒でした。しかしさすがに酒はあまり飲めませんでした。帰る段になっても状況は改善せず、注意深く歩きました。幸い一晩眠ると症状は消えていました。藤田さん、これはやはり一酸化炭素中毒ですよね。藤田さんお勧めの「中毒百科」には、中毒症状が時間をおいて出るように書いてありました。重傷の場合は気付いたときには遅いと言います。
こんなことがあり、木炭による還元は止めた方がよいかとも考えました。しかし講座プランの中の燃素説の実験としては是非とも取り上げたい(藤田さんには誤解を与えたようですが、この実験は定量的でなくてもよいのです)。そしてやるならドラフトと決めました(いつ実践できるかという別の問題もありますが)。そしてその後の実験は寒くても窓を
開け放してやっています。風が無いときは、庭で実験しました。
ついでながら、二酸化スズを木炭で還元することはできないでしょうかね。
ではまた。
04A−080
差出人:山本 喜一
送信日:04年12月5日
件 名:RE:一酸化鉛の還元のこと
こんにちは山本です。関東は明け方雨が降りましたが、今はすっかり晴れ上がって雲一つない青空が広がっています。そして、12月とは思えないような暖かな東風が吹いています。
酸化鉛の還元ですが、ガスは都市ガスで、バーナーもごく普通のものを使いました。そして、最初から蓋を取って加熱しました。強火にして針金でかき混ぜていると、短時間のうちに鉛が得られたと記憶しています。実験プリントの一部を昨日送りましたが、鉛をつくり、冷えてから取り出し、たたいて延性を確かめ、磨いて金属光沢を観察し、電気を通してみるという実験が1時間内に終わりましたので、手間がかからずに鉛ができたと思います。
それから、一酸化炭素中毒はこわいですね。濃度が低いときは、その時は大丈夫でも、しばらくしてから症状が現れるんですね。何年か前、新宿の雑居ビルの放火で発泡スチロールに火がつけられたときは高濃度の一酸化炭素がでたんでしょうね。煙に巻かれて奇跡的に助かった人の話では、息を止めて窓の方に走ったのだが、苦しくなって一息吸い込んだとき、頭がくらっとしたので、また息を止めて走った。という話が新聞に出ていました。
ひとつ先のメール(04A−081)に進む。
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