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04A−021
差出人:藤田 勲
送信日:04年8月28日
件 名:RE:マグネシウムと塩化銅の反応

 山本さん、追試ありがとうございます。Mgがアルカリに溶ける時に、Mg(OH)2がMg錯体を作ってアルカリにも溶存酸素のもとで溶けると仮定すると、Mg^2+イオンとアルカリ側で安定な水溶性の錯体をつくる配位子を探せばよいことになります。
 しかし、改めて調べてみると、Mg^2+イオンとアルカリ側で安定な水溶性の錯体をつくる配位子というのは余りないのですね。でも、水の分析に使うエリオクロムブラックTがその候補の一つになりそうです。これをアンモニアの代わりに使って水酸化ナトリウム溶液にMgリボンを入れておくという方法がありそうです。青から赤に変わればMgは錯体を作って溶けたということになりそうです。
 なお、EDTA、オキシンはいずれも錯体は作りますが沈殿するようです。ポルフィリン環ならクロロフィリン誘導体にすれば水溶性の錯体になりそうです。しかし、金属イオンを中心に含まないクロロフィリン、つまり水素イオンを2個含んだタイプのものはできるのでしょうか。これができて、アルカリ側で安定ならMgは溶けそうな気がしますが・・・・・・。


04A−022
差出人:藤田 勲
送信日:04年8月28日
件 名:ビタミンCに関する疑問

疑問その1
 ビタミンCは壊血病の予防や異物代謝の促進、免疫活性の向上などに欠かせないビタミンです。しかし、人、サルなどにその合成の最終段階にあたる酵素のグルコノラキトンオキシダーゼが欠如しているため合成できませんね。より下等な哺乳動物は合成できるのに、どうして人はその酵素を捨てたのでしょう?腑に落ちません。
疑問その2
 哺乳動物にとっての生理作用は詳しく分かっているようですが、植物にとってはビタミンCはどんな意味を持っているのでしょうか?柑橘類や新鮮な野菜に多いと言われますが、その生理作用は何でしょう?
 この2つに関して、どなたか情報をお持ちではないでしょうか?教えてください。


04A−023
差出人:山本 喜一
送信日:04年8月28日
件 名:Mgとアルカリ、ビタミンC

<引用>
Mgがアルカリに溶ける時に、Mg(OH)2がMg錯体を作ってアルカリにも溶存酸素のもとで溶けると仮定すると、Mg^2+イオンとアルカリ側で安定な水溶性の錯体をつくる配位子を探せばよいことになります。
 しかし、改めて調べてみると、Mg^2+イオンとアルカリ側で安定な水溶性の錯体をつくる配位子というのは余りないのですね。
<ここまで>
 そうだとすると、Mgがアンモニウム塩を含むアルカリに溶ける理由は何なのでしょうね?ますます興味津々です。
ビタミンCについて
 ヒトが自分の生命維持に必要な物質を作らない例としては、必須アミノ酸もあげられると思います。要は、食物中から容易に摂取できるものは、わざわざ体内で合成しなくても死ななかったということではないでしょうか?体内で合成できる物質と合成できない物質について、両者の明確な違いは説明できないような気がします。ビタミンCとか必須アミノ酸とかを合成できなくても、生きながらえることが出来たから、今の私たちがいるということでしょうか。
 植物にとってビタミンCはやはり体内の酸化還元反応の重要な部分を担っていると思います。それがなぜ果実に多いのかは、分かりませんが。


04A−024
差出人:藤田 勲
送信日:04年8月28日
件 名:RE:Mgとアルカリ、ビタミンC

 山本さん、早速にコメント、ありがとうございます。
Mgとアルカリについて
 「Mgがアンモニウム塩を含むアルカリに溶ける理由は何なのでしょうね」これについては、アンモニア水にアンモニウム塩なら共通イオン効果で水酸化物イオンがMg^2+イオンが沈殿する程度には増えないから、と説明できるでしょう。また、アルカリが水酸化ナトリウムなら、アンモニウム塩から遊離したアンモニアがMg^2+イオンと錯体を作って溶けると考えられると思います。
ビタミンCについて
 「食物中から容易に摂取できるものは、わざわざ体内で合成しなくても死ななかった」という解釈はある程度納得のいくものですね。でも、そうだとしたらどうして他の哺乳動物は合成酵素を捨てなかったのでしょうか。人がビタミンCを摂取できる環境にいて、他の哺乳動物が摂取できないという環境だったということなのでしょうか。
 また、「植物にとってビタミンCはやはり体内の酸化還元反応の重要な部分を担っている」という部分が具体的に私には分からないのです。何か書いているのものを知りませんか。


04A−025
差出人:山本 喜一
送信日:04年8月29日
件 名:Mgとアルカリ、ビタミンC(2)

こんにちは、山本です。
 私はよく理解できていないようです。8月28日のメールで、藤田さんは次のように書いています。
<引用ここから>
しかし、改めて調べてみると、Mg^2+イオンとアルカリ側で安定な水溶性の錯体をつくる配位子というのは余りないのですね。
<ここまで>
これを読んで私は、アルカリ側ではMg^2+イオンはアンモニアと錯体を作りにくいのだと理解しました。ですから28日のメールで私は
<引用ここから>
そうだとすると、Mgがアンモニウム塩を含むアルカリに溶ける理由は何なのでしょうね?ますます興味津々です。
<ここまで>
と書いたわけです。
しかし、今日の藤田さんのメールには
<引用ここから>
アルカリが水酸化ナトリウムなら、アンモニウム塩から遊離したアンモニアがMg^2+イオンと錯体を作って溶けると考えられると思います。
<ここまで>
とあります。Mg^2+はアルカリ側で、アンモニアと錯体を作ると考えて良いのでしょうか?
 ビタミンC合成酵素については、ヒトがもともと持っていたものが失われたのでしょうか?それとも、たまたまはじめから合成酵素を持っていなくても生き延びられたのでしょうか?ヒトよりも下等な哺乳類がその合成酵素を持っているから、ヒトも以前ははその酵素を持っていたはずだとは言えないと思うのですが。
 ヒトよりも下等な哺乳類という場合、何を持って下等と考えるのかということを考えないといけないと思うのです。知能を比べれば下等かも知れませんが、彼らも長い進化を経て生きている生物ですから、ヒトが知能を発達させたのとは違うやり方で進化して、VC合成酵素を獲得して環境に適応しているのかも知れないと思うのです。
 果実中のVCの役割については、まったく私の想像で、文献はありません。


04A−026
差出人:藤田 勲
送信日:04年8月29日
件 名:RE:Mgとアルカリ、ビタミンC(2)

 メールで議論するのは私は慣れていないせいか、なかなか難しいものですね。
(1)Mgとアルカリ
 アルカリが水酸化ナトリウムなら、アンモニウム塩から遊離したアンモニアがMg^2+イオンと錯体を作って溶けると考えられると思います。
 上記の考えはあくまで私の想像です。これを証明できないかと思っているわけです。強アルカリ下ではMg(OH)2は溶けないわけですが、アンモニア水共存では溶けるのではないかと思っているのです。それは例の電池の実験が根拠になっています。
(2)ビタミンC
 私の文章を読み返してみると、確かに人が途中でVC合成酵素を捨てたように読み取れますね。誤解を与えて済みませんでした。どうして人やサルなどはVC合成酵素を持たなくても生き延びて、他の動物はこの酵素を持たないと生き延びれなかったのか、という点が疑問なのです。どういう環境の違いがこの酵素の取捨選択を決定したのかという点です。
 生物分野は我々が思いつきで実験して証明できるというものではありませんね。したがって、疑問がすぐに解けるというわけにはいきません。進化の過程には我々には理解できないことが沢山あるような気もします。でも、あれこれ想像をめぐらすのは無意味ではないでしょう。もう少し調べてみたいと思います。


04A−027
差出人:林 正幸
送信日:04年8月29日
件 名:再びマグネシウムと塩化銅の反応について

こんばんは、林です。
 アルケミスト・メーリングリストが盛り上がっていますね。私の方は土日は孫の預かりが恒例化しています。ところでマグネシウムと塩化銅の反応については、何か論点の食い違いを感じます。もしマグネシウムが水酸化ナトリウムとアンモニアの混合溶液に錯イオンを形成して溶けるなら、それは同時に水素が発生することになりませんか。
 私が「水酸化ナトリウムとアンモニアの混合溶液の場合はマグネシウムの表面は不溶性の水酸化マグネシウムで被われて反応がストップするが、塩化銅を加えた溶液の場合は銅も析出するのでマグネシウムは電子を与え続けることができる」と書いたのは、後者において、水酸化マグネシウムと銅が同時に析出してマグネシウムの表面を覆えば、銅の部分を通じてマグネシウムは外側の水分子に電子を与え続けられるという意味です。そして電子を与えさえできれば、水酸化マグネシウムはコロイド状の沈でんですから、内側にできるマグネシウムイオンが水酸化物イオンを次々に交換することも可能ではないでしょうか。なにせ電池が形成されると途端に反応が起こりやすくなる例はいくつもあります。
 野中さん、「アルケのこれから」に意見をありがとう。「分からないときはものに聞け」も共有可能な信条でしょうね。追加したいと思います。また「1つ何かテーマを決めてメールで話し合うなり、レポートだすなりして、煮詰めていってもいいように思います」については、ホームページの内容の充実という形で取り上げていますが、趣旨が活かされるようにすこし文章を変えてみます。なお「科教協への提言」は具体的にはどんなことでしょうか。これはかなり慎重さを求められると思います。また私の「力と運動」実験装置については、やはり実物でないと分からないと思います。一応レポートは作る予定ですが、私の趣味の世界になっています。商品化でもされない限り、普及は困難です。
(以下省略)


04A−028
差出人:山本 喜一
送信日:04年8月30日
件 名:RE:Mgとアルカリ、VC

(1)Mgとアルカリの反応
 Mgとアンモニアと水酸化ナトリウム水溶液との反応については、藤田さんと同じように考えています。
<引用ここから>
アルカリが水酸化ナトリウムなら、アンモニウム塩から遊離したアンモニアがMg^2+イオンと錯体を作って溶けると考えられると思います。
<ここまで>
 化学大辞典の記述を紹介しましたが、Mgはアンモニアがあれば(Cu2+イオンがなくても)、塩基性の溶液に溶けるらしいのです。溶けるとき、おそらく水素が発生すると思います。
 そう思って、2Mの水酸化ナトリウム水溶液に濃アンモニア水を少量加えた液を作り、Mgリボンを入れて2,3日おいたのですが何の変化もありませんでした。もう少し濃度の高い液でやってみます。
 ところで、化学大辞典には液体アンモニアにもMgは溶けると書いてあります。これはどんな変化なのでしょう?やはりアンモニアと錯体を作るのでしょうか?
(2)VC
 コーンスタンプの「生化学」には、VCを合成できないのは、霊長類とモルモットだけだと書いてありました。そうであれば、ヒトは進化の過程で、VC合成をやめてしまったと考える方が自然かな、と思っています。やめてしまった理由は、たまたまVCを合成できないような突然変異が起こった。あるいは、VCを合成できる遺伝子はあるものの、それが働かなくなった。しかし、そういう変化は致命的ではなかったので、生き延びられたということでしょうか?他の動物にとっても、VC合成能力は”あれば便利”くらいのものかも知れません(私の想像です)。想像のついでに、果実にVCが多いのは、種子を酸化から守っているのかも知れないな、と思いました。


04A−029
差出人:佐藤 琢夫
送信日:04年8月31日
件 名:「燃料電池」について

岩手の佐藤です。しばらくメーリングから遠ざかっていました。
 来月(9/18、19)盛岡で、日本化学会東北地区化学教育研究協議会あります。「燃料電池」について発表する予定です。以下、発表の骨子です。

 正直なところ、自作の燃料電池と比べ、教材会社で販売している燃料電池はアルカリを使用しないので、手を汚すことなく、大変スマートです。
 燃料電池の説明に、水の電気分解が取り上げられる。水素と酸素を外部から供給しなければこの説明で十分である。しかし、燃料電池は、還元剤(水素などの)と酸化剤(酸素)を外部から取り入れている。電気分解の逆が燃料電池であるという説明では、二次電池の充電と区別出来ず十分な説明とはならない。
 燃料電池が、高校生にとってブラックボックスにならないためにも、電解質に水酸化カリウムを用いたアルカリ型と言われるPd電極の燃料電池の開発に取り組んだ。市販の教材教具のカタログの多くはイオン交換膜を用いた固体高分子型の燃料電池である。これに対して、水酸化カリウムを使用する燃料電池の開発に取り組んだ理由は次の通りである。固体高分子型の燃料電池は、これまでの電池で取り扱っていないイオン交換膜が電解質として使用されている。一つは、このイオン交換膜の説明を避け、電極の触媒の機能についての理解に重点を置きたいと考えたため従来どおりの電解質で行った。また、イオン交換膜の価格が高価であり、入手しにくいことも上げられる。
 燃料電池の仕組みをわかりやすくするために、燃料電池のPd電極の位置づけを次のように考えた。電極が電子の授受を行うだけでなく、水素や酸素に対して触媒の働きを行っている事実を生徒に踏まえさせたい。
 このPd(触媒)の延長線上に、燃料電池のPd電極を位置づけて、下記の流れで授業を行った。
1.Pdの触媒の理解:水素と酸素の分子はPdの表面に化学吸着される。その後原子のレベルに解離され、電子の授受が行われる。再結合の結果、新たな水の分子ができる。
2.燃料電池の仕組み:このPdを使い、今度は水素と酸素を接触しないように別々に分けて、間接的に電子の授受を行わせる。この仕組みが燃料電池である。水素ガスから電子を取り出し、水素と酸素の電子授受を容易にさせるために、どうしてもPdという触媒が必要となる。
 燃料電池が、生徒にとってブラックボックスにならないためにも、電極が触媒として働いていることを示す必要があると考える。


04A−030
差出人:山本 喜一
送信日:04年8月31日
件 名:Mgとアルカリ

今日、学校でやった実験の結果です。
(1)濃アンモニア水に水酸化ナトリウムを溶かして、その中にMgリボンを入れてみました。しかし、ほとんど変化はありませんでした。
(2)Mgリボンの表面が酸化物になっているから、反応しないのではないかと思い、リボンを希硫酸で少し溶かしてから(1)の液に入れてみました。しかし、これも反応するようすはありませんでした。
(3)やはりCu2+イオンが必要なのかと思い、(1)の液に塩化銅を溶かして、Mgリボンを入れました。Mgの表面がだんだん銅色になってきましたが、泡は出ません。
(4)フェーリングB液に塩化銅を溶かして、Mgリボンを入れました。こちらもMgの表面が銅色になりましたが、泡は出ませんでした。
 というわけで、どうもうまくいきません。ただ、これらの実験で次のようなことが分かりました。
(1)濃アンモニア水に水酸化ナトリウム粒を溶かすと、激しく発泡して危険です。水酸化ナトリウムの溶解熱によって、粒のまわりのアンモニア水が加熱され、アンモニアが気化するようです。やはり、濃い水酸化ナトリウム水溶液を作っておいて、そこにアンモニア水を入れるべきでした。
 藤田さんが作った電池で出てくる泡は、アンモニアではないですよね。電池の反応で、極板の温度が上がることはないでしょうから。
(2)アンモニアと水酸化ナトリウムの水溶液に塩化銅を溶かした液よりも、フェーリングB液に塩化銅を溶かした液の方が、速く銅が析出しました。フェーリング液は銅イオンが還元されやすいようです。理由はよく分かりませんが、錯イオンの違いが、反応性の違いになっているようです。


04A−031
差出人:高橋 匡之
送信日:04年9月1日
件 名:文化祭が終わりました

こんばんわ、岩手の高橋です。
 林先生、事務局の仕事ご苦労様です。アルケミストの紹介文も、みなさんの意見を取り入れて、とてもまとまりのある文章になったと思います、ご苦労様でした。
 みなさん、そろそろ学校がはじまりますね。岩手では、18日からはじまっていますので、もうすでに2週間ぐらいたちました。
 先週の、土曜日と日曜日は、文化祭でした。1年生の担任をしていますが、理数科だということもあり、スライムやマーブリング、米のプレパラート作成、シャボン玉、ガラス細工などを班ごとにやらせました。今日は、米のプレパラート作りを紹介します。この実験は、「やさしくて本質的な理科実験4」評論社に紹介されています。岩手県の生物の大先輩である加藤俊一先生が「トルイジンブルー」をつかおうという項目で、〈米粒標本をつくろう〉が掲載されています。この本は、1冊3200円と少し高い本ですが、学校で1冊そろえてもらうと良いと思います。トルイジンブルーは25gで1万4000円くらいします。タンパク質の多い部分は紫色に染まります。細胞壁などのセルロースは緑色に染まります。添付した写真を見て下さい。米のプレパラートですが、やがて芽としてでてくる子葉の部分(セルロース)とデンプンで構成されている胚乳の部分が見事に染め分けられています。実際にやってみると、この写真のようにはなかなかうまくはいきませんが、子葉と胚乳の違いは確実にわかります。
 このプレパラートを見ながら、文化祭では次のように説明しました。
高橋「光合成によって、ブドウ糖が合成されることは、しっていますよね。」
お客「はい」
高橋「実は、合成されるブドウ糖には、2種類あるんです。αーグルコース(ブドウ糖)とβーグルコースといいます。」
お客「そうなんですか。」
高橋「α型が結合するとデンプンができます。胚乳の部分です。β型が結びつくとセルロースができます。」
お客「デンプンは知っていますが、セルロースって何ですか。」
高橋「植物繊維といったらよいかな。この芽の部分はセルロースでできています。」
高橋「このお米は、いわばタネですよね。このタネを蒔けば、やがて発芽します。このデンプンは発芽の時に使われるエネルギー源としてつくられて、蓄えられています。」
お客「発芽のエネルギー源を私たちは食べているのですね。」
高橋「そうなんです。ここのデンプンは我々が食べるためにあるのではないんですね。」
高橋「米が自分の子孫をいっぱい残して、成長させていくためにあるわけです。そして、発芽して葉っぱが大きくなって、光合成できるようになると、合成されたグルコースによって、ひたすらセルロースがつくられて、大きくなっていきます。葉っぱが大きくなって、グルコース生産工場がたくさんつくられます。」
お客「イネが大きくなるって事は、セルロースが合成されて大きくなっているんだ。」
高橋「そうです。セルロースっていうのは、植物細胞のまわりの細胞壁に多く含まれていますから、細胞分裂をして、細胞ができるたびにそのまわりに頑丈な細胞壁つまりセルロースができているっていうわけ。」
  「そして、イネに花が咲いて受粉が行われます。この頃から、タネつまり米ができていきますから、α−グルコースの登場です。やっとデンプンの生産ということになるわけです。そして、このようなお米ができあがるわけです。でも、ほとんどデンプンでできているお米もちゃんと発芽の準備をしています。ここにセルロースができているっていうわけですね。」
お客「そうですか。なんかお米に対する見方が変わってきました。ありがとうございました。」
 文化祭の時に話したことなどを思い出しながら、書き出してみました。間違っているところ等ありましたら、ご指摘ください。1年生のこの班になった、人たちは、コメのプレパラート作りの先生になってもらい、子どもたちや希望者にプレパラートをつくってもらいました。
〈操作〉
@もみの殻をむく。
A水をひたした磨りガラスの上にコメをのせて、人差し指でコメをおさえながら初めはゆっくりと直線を往復します。やがてスムースに動くようになったら、円を描くようにして、コメを削っていきます。(岩石の薄片をつくる要領です。)
Bある程度、薄くなったらひっくり返します。水を足して、同じように薄くします。このとき、決して指を止めないのがコツです。止めると、デンプンのりのためにガラスにくっついてとれなくなり、コメが割れてしまいます。
C1ミリ以下の薄片をつくったら(あくまでもカンでやるしかない、上手なものをつくるためには練習しなくてはいけません)、トルイジンブルー液(0.05%)に30秒つける。
D水洗いして検鏡する。
 終了まで、約10分くらいです。うまくすると、写真のようなコメが観察できます。受粉するときの精子のエネルギー源にもデンプンが使われているという事も聞いたことがあります。それにいしても、植物というのも、どこかに指令系統があって、「今は、セルロースの合成時期だぞ。さあ、ここからデンプン合成だ。」なんて、多糖類を合成しているのですね。そんなことを考えていると、天然高分子化合物の糖類の授業も少しは幅が出てくるのじゃないかななんて考えています。

    米粒の断面図(子葉と胚乳)


04A−032
差出人:林 正幸
送信日:04年9月1日
件 名:RE:「燃料電池」について

こんばんは、林です。
 昨日は家内と映画「華氏911」を見に行きました。米国では長蛇の列ができたそうですが、残念ながら20名ほどの観客でした。そして孫のために「プラレール」を買いました。その後私は友人の林ひろさんに例の実験装置を見てもらい、それから一杯やりました。そして帰ってみると家内がプラレールを動かしているではありませんか。それも尋常ではなく、どうして動いているかと床に顔を付けるようにしてのぞいているのです。これまで私が何を見せても「なにが面白いのか」と冷ややかな態度だった彼女がです。これも退職してゆとりができたからでしょうか・・・。
 佐藤さん、自作の燃料電池の性能(パワー)はいかがですか。私の自作したものはソーラーモーターがよく回る程度ですが、電極のサイズも含めて知りたいです。それから直接化合と燃料電池で、パラジウムや白金の触媒作用のメカニズムは同じと考えてよいのでしょうか。もしそうなら、合わせて常温の混合気体を触媒によって爆発させる実験(白金黒ではできる)をするのもよいかも知れません。
 教材としての燃料電池ですが、私は4月6日づけのメールで触れた電気分解タイプと使い分けようと考えています。なにせ電気分解タイプは至って簡単で、生徒に手軽に実験させることができます。そのメリットも見逃せません。そしてその場合は、補足説明をすればよいのです。もちろん水素供給タイプを見せながら、パラジウムや白金の触媒作用を説明する意義は大きいです。そしていずれにしても、燃料電池の効率とか、燃料の水素をどう入手するかなどにも触れるのも意味があります。
 ではまた。


04A−033
差出人:山本 喜一
送信日:04年9月2日
件 名:粉末消火器の中身

 粉末消火器を授業で取り上げようと思って、成分を調べています。私はてっきり炭酸水素ナトリウムだと思っていました。ところが、リン酸アンモニウム(リン酸二水素アンモニウム)を使ったものが多いようです。この物質はいったいどういうしくみで、火を消すのでしょうか?
 化学大辞典によれば、リン酸二水素アンモニウムは190℃付近で熱分解し、アンモニアと水を放ち、メタリン酸アンモニウムになるようです。従って、炎に吹きかけた場合は、アンモニアと水蒸気が炎を包んで、空気を遮断するのではないかと思っています。しかし、炭酸水素ナトリウムは熱分解して、二酸化炭素と水を作り、有害なアンモニアは作りませんから、こちらの方が安全ではないかと思うのですが、どうでしょうか?
 また、いろいろなHPには、リン酸アンモニウム(リン酸二水素アンモニウム)が燃焼反応の負触媒になるというようなことも書かれています。これはどういうことでしょうか?
 何か情報をお持ちの方は、メールをください。
 Mgとアルカリの反応も、引き続き実験しています。結果がまとまったら(まとまらなくても)、メールにします。


04A−034
差出人:佐藤 琢夫
送信日:04年9月2日
件 名:燃料電池の授業

今晩は、岩手の佐藤です。
 林先生、コメントありがとうございました。Pdメッキの電極ですが、200メッシュのニッケル金網(5cm×5cm)を使いました。パワーは、電圧は0.8V前後、電流は70mA(50〜100mA)です。
  燃料電池の授業のシナリオについて
@アクリルのパイプに、水素と酸素を入れ圧電素子で爆鳴させます。水素と酸素を反応させるのに、エネルギーを必要とすることの確認をします。
A次に、短冊のニッケル金網(5cm×1.5cm)にPdメッキします。この短冊をアクリルパイプにぶら下げて、水上置換で水素と酸素を注入します。すると、アクリルのパイプ内で水面の上昇がゆるやかに始まります。反応しにくい水素と酸素が、常温でPdを介してゆるやかに反応が起きている事実を確認させます。ここでPdの触媒として働きをふれます。
BPdの表面で起きている水素と酸素の酸化・還元反応を別々に分けて起こすように工夫したものが燃料電池であると示します。
 以上の流れのA、Bは、ボルタの電池の授業展開と同じになります。酸の中に亜鉛を入れると、酸化・還元の反応が起こり、水素を発生して亜鉛が溶け出します。この亜鉛と備長炭をリード線でつないで酸の中に入れと、電池が出来上がります。@は、AのPdという触媒の働きを強く印象付けるために設定しました。
 燃料電池では放電とは言いません。外界から水素(還元剤)を供給し、電子を作り出すので、発電と言います。電気分解によって作り出された水素(還元剤)が、電子を作り出すことは、放電または発電のいずれでしょうか。放電だと思うのですが。
 いずれにしても燃料電池を自作するということは面倒です。しかし、キップの装置で作った水素ガスから電気を取り出せることは驚きだと思いますが・・・・。


04A−035
差出人:山本 喜一
送信日:04年9月3日
件 名:粉末消火器の中身

 藤田さん、FAXをありがとうございます。リン酸アンモニウムを吹きかけると、熱分解してP4O10が生成され、それが高温によって高粘性の液体(ガラス状)になって燃えているものを覆うわけですよね。今日、コットン・ウィルキンソンの「無機化学」を見たら、P4O10について、そういうことが書いてありました。それで、粉末消火器にリン酸アンモニウムが使われていることに納得がいきました。
 Mgとアルカリの反応ですが、昨日から、次のような実験をしています。
(1)6M水酸化ナトリウム水溶液10ml+濃アンモニア水10ml。ここにMg粉末を入れる。
(2)6M水酸化ナトリウム水溶液10ml+濃アンモニア水10ml+塩化銅小さじ1杯。ここにMg粉末を入れる。
(3)6M水酸化ナトリウム水溶液10ml+フェーリングB液10ml。ここにMg粉末を入れる。
        (4)6M水酸化ナトリウム水溶液10ml+フェーリングB液10ml+塩化銅小さじ1杯。ここにMg粉末を入れる。
 昨日の帰り、さっそく泡を出していたのは(3)と(4)でした。今日、見てみると、(4)はほとんど溶液に色は付いていませんでした。しかし、(2)はまだ青色の溶液です。Mgの表面の色も、(4)は銅色ですが、(2)はMgの色でした。そして、泡を出しているのも(3)と(4)で、(1)と(2)からは泡は確認できませんでした。
 うちの学校のアンモニア水は古いかも知れません。化学大辞典のように、Mgが反応しないので、首を傾げています。


04A−036
差出人:林 正幸
送信日:04年9月5日
件 名:「力と運動」実験システム、めでたく終了

こんにちは、林まさです。
 ときどき伝えてきた(伝えたかった)「力と運動」実験システム、めでたく終了を迎えました。その後、力計測器を作りました。10gの携帯電子天びんとアルミのLアングルを極細の釣り糸でつなぎ、クリップを使って2回方向を変えます。力を大きいと(と言っても1gfレベルですが)、摩擦が利いてきます。そこで試しにクリップに機械油を塗ると、かなり改善されました。
 計測を続ける中で重要なことが分かってきました。エアトラックにもかなりの摩擦があるのです。乗っているKアングルが動かないように水平調節します。そして力は掛けないで2つの速度計を1mほど離して、0.1mの間の通過時間をいろいろな速度で計測してみると次のようになりました。
      中央部[s]    終点[s]    増加率
      0.286     0.306     7%
      0.406     0.448    10
      0.464     0.513    11
      0.694     0.810    17
      0.784     0.952    21
これでは3ケ月の苦労が水の泡では・・・、ところがそうでないのです。通過時間が0.75sあたりで差が出ないようにエアトラックをわざと傾けます。
      中央部[s]    終点[s]    増加率
      0.254     0.262     3%
      0.502     0.519     3
      0.611     0.625     2
      0.683     0.691     1
      0.739     0.738     0
      0.876     0.853    −3
      0.919     0.876    −5
通過時間が長い領域では斜面を下る効果で、後の通過時間が却って小さくなるのです。そしてこれなら
      0.25〜0.85s
の範囲でほぼ正確な計測ができるわけです。傾けることがまるで潤滑剤のようです。そしてこの補正はエアトラックだからできるのです。ちなみに通過時間が0.5sあたりで差が出ないようにすると
      0.2〜0.6s
の範囲で2%の誤差しか入りません(もちろん他の要因による誤差もありますが)。こうしてどのタイプの計測もほぼ原点を通る直線に載るという結果が得られました。
 これを受けてレポートも作成し、やっと呪縛から逃れることができました(何せ途中で止めるのはしゃくですからね)。レポートは近くホームページに掲載し、プリントとしても届けるつもりです。実物を最初に紹介できるのは9月12日(日)のMOLの会です。
 ではまた。


04A−037
差出人:山本 喜一
送信日:04年9月5日
件 名:粉末消火器の中身

 藤田さん、ありがとうございます。炭酸水素カリウムが消化剤に使えるというのは、当たり前のような、違うような感じがします。これは熱分解すれば、二酸化炭素を出して、酸素を遮断するという意味では、消火剤になるでしょう。しかし、炭酸カリウムは角砂糖を燃やす触媒になった物質ではないでしょうか?私の勘違いでしょうか?もし、そうであれば、火災の触媒になっても良さそうだと思いませんか?


04A−038
差出人:林 正幸
送信日:04年9月24日
件 名:ついにできたシャボン膜

こんばんは、林まさです。
 昨年の秋から子ども向けに、銅線でいろいろなフレームをつくり、それにシャボン膜を張る実験を見せています。今年の科教協大会のお楽しみ広場でも紹介しました。ところで当初から、閉じていないフレームにシャボン膜を張ることができないか、という課題を持ってきました。無理ではないかと言う人もいました。それがついに、今日できたのです。
 「力と運動」実験システムの呪縛から離れて、化学の実験の準備を始めているのですが、今日は弾むシャボン玉と共に「科学の祭典」に出展するシャボン膜の準備もしました。子ども自身にフレームを作らせようと、チョウとかチューリップとか見本をつくっていたときです。銅線を立体的に幾重にも絡ませれば閉じていなくてもシャボン膜が張るのではないかと思い付いたのです。案の定かんたんにそれはできたのです。あとは少しずつほどいてはなおシャボン膜が張るかを試していき、もっともシンプルなフレームを見つけることができたのです。当然ですが、そのシャボン膜には銅線に触れないで膜と膜が境界をつくる部分があります。その形状を言葉で説明することはできませんが、拍子抜けするくらい単純なのです。まいったな。
 ではまた。


04A−039
差出人:鈴木 久
送信日:04年10月2日
件 名:理科通信本の紹介

鈴木 久です。
 藤田 勲さんから紹介のあった中学校の先生の毎日発行の理科通信が本として発行されました。田中 正史『?と!を見つけよう―私たちの「理科通信」三島東中の3年間』KKベストセラーズ発行です。今日やっと入手できました。藤田さん、盛口さんお勧めのレポートが本になったものです。まずは紹介まで。
 藤田さん。そういうわけで資料をお借りしなくてもよくなりました。ありがとうございました。


04A−040
差出人:藤田 勲
送信日:04年10月2日
件 名:杉原さんに感服

藤田です。
 杉原さんのHPを見る機会がありました。その中に「瞬間(だったかな?)たたら法」という鉄を作る実験があります。ちょうど私も何とか簡単に鉄が炭素還元でできないか、試していた所なので追試してみました。その結果は、ものの見事に成功です。電子レンジを使うというアイデアはすばらしいですね。
 折りしも研究の現場でも、多分新しいエネルギー源として電子レンジを使ったマイクロ波と超音波が注目されていますね。前者については、確か手ごろな実験書も化学同人(だったかな?)から出ていましたね。後者については、まだ実験書としてはないものの、各種の化学雑誌に超音波によるアブレーションについての解説文が出ています。
 この杉原さんの実験はたぶん教育現場ではたたら法としては初めての電子レンジを使った実験なのではないでしょうか。そのアイデアに感服です。工夫次第ではかたまりの鉄も取れるかもしれませんね。メールを見る限りでは超多忙なはずなのに、どこに時間的な余裕と精神的なゆとりがあるのでしょう。


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