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02A−211
差出人:山本 喜一
送信日:03年7月18日
件 名:RE:自然について

「 自然」とは何かという話に関しては、私も林さんと同じように考えています。子どもにとって、手つかずの自然が必要だとは思いません(もっとも、マルクスの言うように、地球上には人類の影響を受けていない自然などないのだと思いますが)。ともかく、人工物であれ、何であれ、”もの”はすべて自然だと思います。そして、そういう”もの”とのふれあいが少ないのではないか、と思うのです。ゲームのようなバーチャルで、刺激が強いだけの世界に子どもが触れ、その影響を大きく受けているような気がするのです。
 子どもと”もの”との触れ合いはなぜ大切なのか、どうすればそれを取り戻せるのか。そんなことを考え、実践したいと思っています。


02A−212
差出人:林 正幸
送信日:03年7月19日
件 名:銅と濃塩酸の反応

こんばんは、林です。
 高校生の質問で実験してみたら、以下のように面白い結果になりました。なおイオン交換膜の第2弾も近く報告します。
<ホームページの引用>
「銅に濃塩酸を加えて加熱すると黄色になるのはどうしてか」
質 問
こんにちわ、大阪の高校生です。
 突然ですが、教えて欲しい事があります。銅の性質に関する実験をしていたときのことです。銅片に濃塩酸を加え加熱すると液が黄色に変化しました。この黄色は何の色ですか? ちなみに教科書を見てもこの反応は載っていませんでした。自力では分からないので、教えてください。
説 明
 私も新しい銅板を濃塩酸に浸けてみました。すぐには変化はしませんが、ときどき銅板を動かしながら観察を続けると、次第に黄色に、そして緑黄色に変化していきます。加熱をしなくてもこうですから、あなたの実験ではかなり速やかに着色したのでしょうね。
 実験をしながら、これは空気中の酸素のはたらきであると気付きました。あなたも知っていると思いますが、水素よりイオン化傾向が小さい金属は、酸そのものとは反応しません。しかし酸化剤が加わると、あるいは酸化作用を持つ酸とは反応します。反応式は次のようです。
    2Cu + O2 +4HCl ―→ 2CuCl2 + 2H2O
塩化銅(U)の水溶液は緑色です。
 この反応は次のように2段階に分けると分かりやすいです。
    2Cu + O2 ―→ 2CuO
    2CuO +4HCl ―→ 2CuCl2 + 2H2O
後者は塩基性酸化物(金属の酸化物の多くがそうである)と酸の反応です。
追伸:
 実は試しに銅板を濃塩酸に浸けたまま1日放置しておきました。すると黒褐色の溶液になります。銅板はかなり薄くなりました。黒褐色は理化学事典を調べると、ジアクアジクロロ銅(U) [CuCl2(H2O)2] という非イオン性錯体の色です。これにアンモニア水を少しずつ加えていくと、緑色溶液、緑色沈でん、最後はコバルト色溶液と変化します。コバルト色はテトラアンミン銅(U) イオン Cu[(NH3)4]^2+ という錯イオンの色で、これは2価の銅イオン Cu^2+ を検出していることになります。以上は最初の返信の内容を裏付けています。
 しかし同時に分からないことも残りました。黒褐色溶液に水を加えると白色沈でんが生成します。これは加熱すると溶解し、冷却するとまた白色沈でんになります。ジアクアジクロロ銅(U)は濃度が低いと緑色や青色になるそうですから、この物質の正体は不明です。
 ちなみに塩化銅(U)も濃塩酸中では、テトラクロロ銅(U)酸イオン [CuCl4]^2- という錯イオンになっていると思われます。
<以上>

02A−213
差出人:本 喜一
送信日:03年7月21日
件 名:RE:銅と濃塩酸の反応

こんにちは、山本です。
 林さん、蒸発熱のメールを掲載するかどうかについて、ご苦労をおかけしました。自信がないものを書き送って、誰かに指摘される様子を、一般の人に見せたくないという気持ちがありました。そして実際間違っていたのですが、、間違い誰でもあることなので、公開してもいいかなという気持ちになりました。
 林さんの銅と濃塩酸の反応ですが、興味深く読みました。そして、空気中の酸素の影響が、思わぬ所に現れることを改めて知りました。自分では、濃塩酸と反応させているつもりでも、実は濃塩酸と酸素の混合物を作用させていたわけですね。そして、次のようなことを思い出しました。
 ボルタの電池で銅板は電子を受け渡すだけで、活物質はH+であると書かれています。
    Zn → Zn2+ + 2e−
この電子を受け取るのは銅ではなくH+だというわけです。
    2H+ + 2e− → H2
この半反応どうしの標準電極電位の差は0.76Vです。ところが、ボルタ電池の起電力は1.1V程度だといわれ、実際に実験してみると、最初はそれくらいの起電力を示し、すぐに低下していく様子が観察されます。なぜ、最初に1.1Vくらいの起電力を示すかという問題に対して、銅板はどんなにきれいに磨いても、表面が酸素で酸化されて微量の銅の化合物ができてしまい、
    Cu2+ + 2e− → Cu
の反応が起こるのではないかと言われています。これですと起電力は1.1Vになります。林さんの実験は、この説を支持するひとつの証拠になるのではないかと思いました。
 では、また。


02A−214
差出人:中臺 文夫
送信日:03年7月23日
件 名:藍染め

今晩は、中台です。
 今年は,2年目の藍染めの挑戦をしております。沢田さんから藍の建て方を教えていただき、今回は7/7に刈り取った藍の葉で、生葉建てを行ないました。今日なんとか染色成功しました。ムラのある,色のまだ足りない不満なものですが,藍の葉からのバット染めですから、OKでしょう。沢田さん有難うございました。また、このメールを利用して報告します。
 でもなぜ、藍はインジゴなどを作るのでしょうか。どんな得があるのでしょうか。不思議ですね。インジゴは水に不溶なので、アルカリ性で空気酸化をしてから酸性にして、エーテル抽出をこころみました。ものすごい臭いで参りました。エーテルが飛んでから,アルカリにして還元して染められるか試して見様と考えています。
 植物は、長く水に溶けない体構成物質にはエーテル結合を、短い香りなどにはエステル結合を利用しているようですが,この違いは何なのでしょうか?エーテル結合の方が極性がない分、香りなどには有利な気がしますが。どうでしょうか?すると、このインジゴはなんのために合成するのでしょうか?捕食する虫や動物から体を守るため?細菌の攻撃を防ぐため?何でしょうか?疑問がつきません。
 ところで、杉山さんの合宿には参加したかったのですが,残念ながら,夏季補講と重なり,また、文化祭の準備期間と重なっており、2つのことを動かすのは,生徒会、文化委員会の顧問としては出来ませんでした。結果の報告を聞かせて下さい。
 では。


02A−215
差出人:杉山 剛英
送信日:03年7月23日
件 名:科学の祭典

杉山剛英@札幌です
 7/24〜26の科学の祭典・東京大会(科学技術館)にヒドラとミジンコで出展します。ご入り用の方は、ミネラルウォーターの330mlペットボトル2個持参でいらしてください。


02A−216
差出人:澤田 史郎
送信日:03年7月23日
件 名:RE:藍染め

 中台さん、うまく藍が建って良かったですね。私の方はようやく先日7月分の刈り取りが終わったところで建てるのは8月になってになりそうです。市販のすくもを使った藍で授業をやりました。科教協大会でこの間の藍に関する取り組みを報告しようと思っています。
 なぜ植物がインジゴを作るのかということについてよくわかりませんが日本のタデアイだけでなく、琉球藍やインド藍など世界各地に各種の藍草が存在するということは何らかの必然性があってのことだろうと思います。福知山で藍染めをされている塩見さんによると室町期に書かれた医学書の中に藍の薬効について詳しく書かれているそうです。防腐作用や殺菌作用はいうにおよばず内服されることもあったようです。植物のつくる薬用成分のひとつということなのでしょう。それが植物体の中でどのような働きをしているのか興味があります。
 インジゴのエーテル抽出もおもしろいですね。東京で結果を教えて下さい。


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